Big Hole River / ビッグホールリバー

モンタナの川紹介はこれが最後なので付き合ってくださいな。最後はビッグホールリバーです。今回の旅はボーズマンから入り時計回りに釣りをしてきた訳ですが、帰りのボーズマン出発便が朝なので、最終日の宿はどうしてもボーズマン周辺になります。なのでディロンにいる僕らは北へ向かって移動することが余儀なくされるのですが、その道すがらにあるビッグホール(実際には少し道から外れますが)へ行くことになりました。

前述のビーバーヘッドとビックホールが合わさってジェファーソンになり、その流れはボーズマンの隣町であるスリーフォークスに向かいます。町の名前の通りジェファーソン、マディソン、ギャラティン川が合流し、ミズーリ川になる事を指します。ちなみにこの三つの川はWikiによると1805年当時の大統領、国務長官、財務長官の名前が付けられたものだそうです、一つ勉強になりました(調べていたら映画『ナイトミュージアム』に出てくるサカガウィアの名前も出てきてビックリ、日本史が嫌いな私が、アメリカの歴史を垣間見ましたが、一年後は忘れているだろうな。)。

ボーズマンへ行くにはウィンストンのあるツインブリッジを経てボーズマンへ向かうのですが、釣具屋情報ではもう少し上流が良いとのこと。今回初めての場所への釣行で、場所の名前はサーモンフライ・キャンプグラウンド。いかにも釣れそうな名前の場所ですね。ちなみに「サーモンフライ」というと「サーモンを釣る毛鉤」と勘違いしている人が多いですが、サーモンフライはカワゲラの種類で、日本で近いものはオオヤマカワゲラかな。それよりも1.2倍でかい感じなので、虫が嫌いな人はゴキブリに思えるでしょう。

そしてさらにもう一箇所がその下流にある砂利道、バルマ(ビルマ)ロードの中間あたりにあるフィッシングアクセス。どちらのポイントもフィッシングアクセスから目の前はチビしか釣れず、上下に500m〜1km歩くと良い流れがあります。

この川ではレインボーとブラウンが半々で釣れる感じで、流れの速い筋がレインボーで、その脇をブラウンが固めている感じ。フライは同じ時期なので、やっぱりPMDやBWOでした。

そしてこれにて9月モンタナ旅話は終了。笑いあり、喧嘩あり、歓喜ありの珍道中。私はいつもモンタナマップ一つで旅に出るので、ナビは無くハプニングはつきものですが、それが思い出になります。皆さんも色々な方面に冒険へ出かけたら、そのお話を是非聞かせてください。

サーモンフライフィッシングアクセスは、キャンプグラウンドでもあるので、今度キャンプしたいな。レンタルキャンピングカーってあるのか探したら、意外にあるのね。でも、あんなにでっかいの、運転できるかな?
上流部へ500mほど上がると良い感じのラッフルウォーターや、複雑な流れが現れます。そんな場所は大物はしっかりと狙って、ハントしましょう。
でっかいチェルノブイリ浮かべてドッカーン。メイフライの流下が始まったら全ての魚のスイッチが入った感じ。
緩いプールでバッタを食っている奴、端の方でPMDをついばむ奴など、その個体でどれが一番でデカイかを見極めてライズを狙います。
場所によっては隅っこにウィードが生えてました。そのウィードのエッジも狙い目です。
流心のライズはちびっ子レインボーばかりでした。今回の旅はデカレインボーをキャッチすることがない旅でした。
下流のバルマロードにあるフィッシングアクセス前の景色は雄大で、カメラに納まりません。
コイツがサーモンフライの抜け殻。日本のそれと一緒ですが、やっぱり一回り大きい。サーモンフライの出現期(ハッチ)は6月下旬 〜7月上旬ぐらいでしょうか、私の釣り旅ではこのパターンを使うことはありません。
ブラウンくんはご機嫌が良く、適当に遊んでくれます。
釣りを終えて高台からみたビッグホールの流れ。一つの川を釣り尽くすだけでも容易ではないことがわかる。
帰り際に寄ったウィンストンカンパニー。私たちのロッドが里帰り。でも日曜日にてお休みです、残念。
ウィンストン社の前にあるキャスティングフィールド。距離によりその魚の形が変わります。100フィート(30m)ラインにはターポンの絵柄。目指せ30mキャスト!
ツインブリッジにある橋。この写真と同じ構図のウィンストン社の広告フラッグがハーミットにあります。なので、この川はビーバーヘッドリバー。ちょうどこの右手に図書館があり、その裏の倉庫にバンブーロッドを保管してありました。そしてその図書館の正面にウィンストンのバンブーロッド工場がありましたが、一昨年の火事で残念ながら焼けてしまい別の場所へ移動しました。

Popsicle II /ポプシクル(改)

このフライは前にも紹介したことがありますが、タイイングは紹介してなかったので、その手順です。オリジナルは1980年代にアラスカのガイドであるジョージ・クックが作ったパターンだそうで、主にサーモンスティールヘッド狙いです。日本ではカラーを変えてアメマスやイトウ、白鮭、その他大型トラウトに使えます。

私の改造パターンは水流にもまれた時にフライが萎まないようにシャンクの根っこにサーモンエッグを忍ばせているのが特徴。それ以外はほぼオリジナルに近い巻き方なので、皆さんも色々と工夫をして、各地のサーモンや大型トラウトフィッシング用として巻いてみてください。

ではでは、始まり〜。

Hook :Salmon Hook #4〜2/0
Body:マイラーティンセル+エッグヤーン
Wing:スーパーマラブー各色+クリスタルフラッシュ+ギニアフォウル

まずはスレッドをシャンクに巻き、マイラーティンセルをフックアイから1cm程度のところに巻き止めます。取り付けたマイラーティンセルは、フックベンド(向かって左)へ螺旋状に巻き、往復します。往復なので、スレッドの巻き止め位置は写真の場所と同じ場所になります。
マイラーティンセルを巻き止めたら余分をカットし、同じ場所にエッグヤーンを一片巻き止めます。
さらに同じ場所の下側にもう一片を巻き止めます。この時スレッドは切れる寸前ぐらいの力で、同じ場所に6〜8回巻き止めます。スレッドはフックのアイ側で一旦ハーフヒッチ(仮止め)をして、スレッドを切ります。
エッグヤーンの上を全部持ち上げて約5mmぐらいのところでいっぺんにカット。同じ要領で下側もカットすると、こんな具合にエッグが出来上がります。エッグを作ったら再びその前にスレッドを巻いて、ウイングを取り付ける準備をします。
スーパーマラブーの軸の先端から約5cm位の所を、今作ったエッグのすぐ前に巻き止めます。最初のカラーはオレンジですが、この順番はお好きにどうぞ。
先端をしっかりと巻き止めたら、ハサミの裏やボドキンを使い、巻き込む方(この場合画面上側の軸)のファイバーの根元に擦り付け、ファイバーが巻き込まないように癖を付けます。シザースは写真の向かって左側へ動かせば、反対側のファイバーの根元は全て左向きに揃います。
分かりにくい写真でスミマセン。スパーマラブーの軸をハックルプライヤー で持ち、シャンクに右回転で3回転巻き付けます。巻きつけたらスレッドで巻き止め余りはカットします。ハックルが解けないようにしっかりと巻き止めましょう。
巻き終えた同じ場所に、2本のクリスタルフラッシュの真ん中を巻き止めます。前に出た半分の余は折り返してテール方向(ベンド方向)に折り返し、その根元をさらに巻き止めます。
次にピンクのスーパーマラブーを巻き止めますが、手順はオレンジ色のスーパーマラブーと同じ。約3回転で巻き止めて余分をカットするとこの状態。エッグがチラ見えしてます。
さらに三色目にブルーかパープルを同じ要領で巻き止めます。このフライはトリカラーが基本(だと思います)。
さらにオリジナルにはないギニアフォウルフェザーのパープルを巻きます。多く巻き過ぎないように片側を削いだギニアフォウルフェザーの先端を巻き止めます。
表が全て見えるように丁寧に2〜3回転巻き、巻き止めます。そして余りはカットして完成。真ん中に巻いたエッグの効果で、水流を受けても細く萎まないのがこのフライの良い所。ボリューミーでいて軽いので、根がかりも少ないです。サーモンを狙うときはナイロン部分の全長を50cm程度にして使うと、フライは浮き上がりませんし、根がかりしにくいです。
チャートとイエローでトリカラーの別バージョンも作ってみましたが(エッグはチャートリュース)、なんかパッとしません。このカラーだとアメマス用かな。やっぱりサーモン類はオレンジ系が私は好き。ちなみにポプシクルはアイスキャンディのこと。このフライは魚たちにとってのキャンディなのです。

 

Beavehead River /ビーバーヘッドリバー

Go Beaverhead !(ゴー、ビーバーヘッド!)

と、当時のダンベイリーの店長であったジョニー・ボイドに送り出され、ルームメイトと二人でビーバーヘッドリバーへ一泊二日の旅へ出たのは1996年夏の事。その記憶はキャンプグラウンドの星空と大物のライズが取れなかった悔しさ。それからそちら方面へ出掛ける事があればそのポイントへ必ず向かうけれど、神様がほほ笑んでくれるのは、2〜3回に一回くらいの確率ぐらいかな。

ビーバーヘッドリバーと言えばハーミットに飾ってあるウィンストンのフラッグに流れる川のこと。そのビーバーヘッドとビッグホールリバーが合わさって、下流部はジェファーソンリバーとなる。ジェファーソンの思い出はホワイトフィッシュ(日本で言えばウグイみたいなもの)の入れ食いしか思い出せない(笑)このビーバーヘッドの由来は、ショショニー族(インディアン)がビーバーの形に似た岩があったから名付けたらしいけれど、その岩はこれらしい的な話を誰かに聞いた記憶はあれど、その場所を忘れました・・。

この川はそのほとんどが川幅があまりなく入渓点が少ないので、一般的にはドリフトボートで下りながらホッパーを投げてブラウントラウトを狙うのですが、ある区間だけレインボーがゴチャッといる場所があって、私はそこばかりを攻めてます。

9月の場合、気温が上がる午前中にトライコ、PMD、BWOなどの小型のメイフライのハッチがあります。そして風が強い日はやっぱりバッタが流されるので、ホッパーが格段に良くなりますが、そんな日はほとんどありません。

先月のモンタナ釣行ではこの渋いビーバーヘッドリバー釣行に1日だけ当てていたのですが、残念ながら強雨によりほとんど釣りができずじまい。足元にはロクマルレインボーが悠々と泳いでいるのですが、誰しもニンフなんて使わないから今回はこの場所ではオデコでございます(人の不幸は蜜の味、オデコと聞いて腹を抱えて笑った人は数名はいる筈)。

「ビーバーヘッドに行け!釣れるぞ。」と釣りへ行くように煽られたジョニー・ボイドは一昨年に突然死してしまったのが悲しいけれど、この川へ降り立つ度に彼の立派な髭と、綺麗な青い目を今でも思い出します。

今日は爆発か?との予兆と思えた大きな虹(レインボー)を横目に現場到着。ポイントへ入った直後はまだなんとか天気は曇り空。気温の上昇と共に反対側のバンク付近で大きな口をパカパカと開けるレインボートラウトを皆にあてがい、私は更にラインズが多くなる事を期待して待つ、待つ、待つ。そして雨、雨、雨・・。
ライズが止まってしまったので、対岸のバンクへ上がり、魚のポジションとやる気のある魚を探す私。トライコのスピナーはフォールせず水面は沈黙のまま。でもこの下にはゴーマルからロクマルのレインボーが数本泳いでましたヨ。
雨が止むのをひたすら待ちましたが、寒くなる一方だったので早めに断念。ま、こんな時もありますよね。
前回来た時はこんな感じの晴天の日。気温がぐんぐん上がり、レインボーは口が開け放し状態になる日でした。
この場所でレインボーを掛けるとティペットが細いこともあり一気に魚に走られます。バッキングラインまで必ずと言って良いほど引き出されますので、その重要性を知る場所でもあります。
これは前回の魚ですが、こんなの釣る予定でした。今回のモンタナ釣行はこの川だけ不完全燃焼だったので、また行かないとなぁ・・。

レーシックの恩恵

古くから知る友人は私のイメージは丸眼鏡らしいです。十数年ほど前の事、私は運転免許証の視力検査に引っかかり、次回はその眼鏡では駄目ですよとダメ出しをされた時に、釣り仲間がレーシックから丁度一年が経ち、勧められて私もやってみようと言うことになったのです。

眼鏡人の苦労あるあるは、眼鏡がないと眼鏡が探せないと言うのが一番皆が頷きそうなやらかし。なので必然的に予備が必要だけれど、眼鏡をずらして頭の上に乗っているにも関わらずその眼鏡を探したりして(笑)

私の場合は小さな丸眼鏡のため見える範囲がとても狭く、その視野は90度くらいしかない感覚だったかな。なのでその領域を外れるとライズがあってもなんとなくあったかも?ぐらい。おまけに矯正視力は0.6程度。強くすると頭がクラクラするので、こんなものなのでしょうか。

そしてレーシックに踏み切った1番の理由は一般人と違い眼鏡の多さ。普段使う眼鏡は一つだけれど、もしもの予備が2個あり、さらに偏光レンズ3個。そのレンズを全部レンズ交換すると楽に10万以上掛かっちゃう計算なので手術に踏み切りました。その手術の翌日の見え方ときたら半端なく、例えるならば今のiPhoneのカメラ機能のようにピントの被写界深度の深さにビビった(と言うより絵を見ているような感覚)のを覚えてます。あ、ちなみに皆さんにレーシックを勧めている業者ではりませんので、やるもやらぬも皆さんの自由でございます。

あれから10年以上経ち、視力は衰える事はなく通常1.2〜1.5。昨日は私の得意とするサイトフィッシングを楽しんできた訳ですが、実はレーシック後から開眼したのですヨ。これは釣り向きの目を手に入れたサイボーグの気分なのであります。

天気図を見ると本栖湖と芦ノ湖は最低気温が20℃オーバーなのでまだ水温が高いと判断し、地域の最低気温が一番低い11℃の丸沼を選び行ってきました。朝の気温は峠道の温度計で7℃。夏から秋へと変わる季節の場合はトラウトの適水温へ下がる必要があるため、この最低気温が適水温以下であるのが結構重要なんです。

さてさて、その結果は・・?

丸沼の標高は高いのでだいたい北海道の9月前半に釣りしているのと変わりません。この時点で外気温はようやく10℃まで上がりました。ちなみにこの看板で百選一位を知りましたが、ググっても出てきません。いつの話なのでしょう? まさか昭和28年の話?気になります。
釣り場は反時計回りでライズを探しながら進みました。でもオールを漕いだ後に泡が引いている時点で、水はあまり良い状態とは言えません。ターンオーバーが終わったばかりとは言ってましたので、まずは水の動きを感じなくては。
ダムサイトの南側は午前中は影になっていて、その岬周辺にはスカムライン(浮ゴミ)もあり、水が結構動いていた。ライズを見つけてすかさずキャスト。でも下流にある大尻沼よりも魚が一回り小さいサイズが多く、大きめ8番は突っつくだけでヒットになかなか持ち込めません。で、別の魚を探し回っていたら大きいのを見っけ。ドスンと一発。ランディングネット選択を間違え小さすぎて掬いにくいのが玉に瑕。
最初のうちは大きなフライを使っていたので、ロクマルからゴーマルサイズ中心にヒット。回遊コースは沖目でライズを見つけて船を動かすとオールの金属音で魚が沈んでしまう。べた凪でかなりナーバスだったので、船の上で仁王立ちし四方に目を向けてのサイトフィッシング。
ピンが甘くてスミマセン。ラインはこのようにすぐに打ち返せる長さを船から出し、シュートできる長さ分だけラインを船に貯めておきます。サイトで魚を見つけた場合、一番簡単に釣れる魚は自分の方に突っ込んでくる奴。この場合ティペットが1Xでも簡単に食ってきます。ただし、船からの距離は20m先で魚の1m前に落とす必要があります。
フライが落ちてから約1秒後にそこに魚が到達する位置にキャストが決まると、魚は考える暇がないのでガッポシ飲み込みます。逆に近すぎるとその落ちてきた音で逃げてしまい、遠すぎるとフライには反応するものの、1秒考えて逃げて行きます。この距離とタイミングがとても重要なんです。
サイトフィッシングは無理っぽいと言う方は、適当にライズが多い場所にフライを浮かべておいてください。ただしティペットは必ず沈める事。べた凪の時は魚はティペットの反射をとても嫌います。なので、キャスト後にラインを引っ張ってティペットを静めましょう。その後はティペットはゆっくりと沈んでしまうので、魚とのテンションを保つために、ほんのわずかづつフライに波紋ができないようにラインを手繰りましょう。約30秒間浮かべたら打ち返しです。
湖のドライフライフィッシングの場合は川と違って魚に気づいてもらうためにも、一般的なパラシュートやエルクヘアカディスのようなフワリと落ちるフライは、この釣りは向いてないと私は思ってます(実際は釣れますが)。フライはフォームボディやボディの太さをしっかりと出したハンピーなどがよく、フライが水面に着く時に程よい波紋がたつフライが向いています。
今回私が使用したフライはこんな感じ。チェルノブイリアントからカメムシとシンガマボディフライ。真ん中のパラシュートはぶっ壊れてしまったのでわかりづらいですが、イエローボディでシェルウイングがブラックのビートル。どうしても釣れない奴を追っかけ回して釣るのに使いました。
サイズは30〜60cmオーバーまで、ヒレピン率は50%。ラグビー・フルバックの背番号の数まで釣ったら飽きたのでやめました。結果、早上がりにて今回も丸沼から家まで国道17号線の下道で帰りましたとさ。 ちなみにレーシックの恩恵でサイトフィッシングのスキルは上がっていますが、魚を見つけて慌てた時に、老眼でフライがすぐに結び変えられないのに悩見ます。そう、レーシックをやっても40歳後半から第二の眼鏡人生が待っているのだよ、そこの若いあなた。

 

キャスティングにかける情熱

一昨日は朝シーバスに出掛ける為に4時起きし、昨日は朝練(朝霞ガーデンで釣り練習会)とキャスティングスクールの為に5時起きと早起きの日々。もっとも夜が明ける頃には釣りで無くても目が覚めてしまう釣り向きの体に仕上がってますので、日本代表ラグビー選手のようなものです(言い過ぎました、ただの初老のお早起きですね・・)。

明日から河川の全国一般禁漁に入ることもあってか、朝霞ガーデンはすでに菅釣りの季節到来といった雰囲気で大盛況。でも水温が少し高めで数釣りをするにはもう少し季節が進んだ方が良さそうです。

キャスティングスクールはいつも通りの初めて講習と、自分のキャスティングを改善したい方が集まります。シーズンオフになると人は増え始め、春先は15名以上になるほどキャスティングに情熱を傾けてくれる方がいるので、教える側は嬉しい限り。

そんなスキルアップに情熱を燃やす人は、近い将来に行くであろうターポンやパーミットなどに備えて、準備万端で夢を叶えに行く訳です。時にお店には「来週ハワイへ行くのでボーンフィッシュ用に一式揃えてもらいますか?」という方がいたり。思い立ったら吉日なのでしょうけれど、詳しく聞けば3番しか振った事がなく、普段の釣りがヤマメとイワナ。それを練習もせずにボーンフィッシュをするのはかなり無謀なのですが、私は「頑張ってください。」と送り出すしかありません。そんな方は神がかり的な偶然で釣れる事があっても、狙って釣れることはないでしょう。

僕ら庶民にとっては海外遠征をするなんて最大のイベントであり、お堅い会社のサラリーマンさんだったら年休を頂いて釣り人生最大のイベントであったりします。海外は魚がいっぱいいるから誰でも釣れるだろうという妄想を抱いている方もいますが、そんなことはありません。努力を怠ると、たとえ旅費に80万円をかけたところでターポンフィッシングで本命はオデコなんて事になりますので、今やっているラグビー世界大会日本代表選手のように全力を出し切って挑んでほしいと思う私。

長々と書いて言いたいことは一つ。情熱を持ってキャスティングに取り組む人の上達スピードは誰よりも早く、キャスティングスクールにお金を払って参加した事でやった気になってその後の練習をしない人は、夢の魚を手にする確率はとても低いと言う事です。

人生は一生勉強。私の情熱は全て釣りに注入。これからも皆さんのキャスティングスキルアップの為に努力していきます。

29日第一部は朝練から。最初はドライで入れ食ってましたが、30分もすると沈黙。その後ポツポツの拾い釣りになりました。もっとも私の場合は朝霞ガーデンでは毎回他の釣り場用に使ったフライを使います。今回も先日のモンタナ釣行で使ったフライを成仏させる為に、その使用したボロボロのフライだけを使って釣りをしてました。
彼岸花が土手の道を彩ります。僕らのキャスティングスペースはいつも場所を追いやられて、右往左往。狭いスペースですが何とか頑張りました。
ある一定のレベルを超えてくると、その多くのキャスターの悩みはバックキャスト。バックキャストの後ろへ引っぱられるパワーをもらう事ができれば、その人のキャスティングは飛躍的に変わります。そのキーワードは「テンション」。釣りをしている時も同じですが、キャスティング時もその動作の最中にテンションが抜けてしまうところがあれば、そこが改善すべき点になります。

お祭りとオマツリ

この言葉を聞くと普通は気持ちが高揚するというか、なんかワクワクしてくるものです。ただ釣り用語の場合、『オマツリ』は他人と仕掛けが絡む事を意味するので、船上で仕掛けを解くことを想像すると、この言葉を聞くと顔をしかめてしまいます。

そんな厄介なオマツリでも言葉の前に、『●●祭り』と別の言葉がつけば、船上は戦場と化して賑やかになるんですよ。今朝はそんなオサカナマツリの日です。

先週の夜便で大量のイワシが港内に入ってきたのを確認していたので、朝方は大変なことになるだろうというポジティブな妄想を抱いての出船。結果ですか? えぇ、その通り大変な事と言うよりも作業になりそうな位の入れ食い、ワカシ(ブリの子供)祭りです。

つばさ橋付近は大潮ということもあって海峡と化した潮目に、そこら中でワカシやサワラのボイルだらけ。横浜周辺のシーバスボートは集結し、そこら中でルアーやフライをキャスト、ほんと賑やかなお祭り気分。投げてはヒット、ヒットしては雄叫びが木霊する、まさにワカシ祭り状態。リリースしてはまた掛けての繰り返し。正直、神輿を担ぐよりも疲れた気分です。

その後シーバス散策に移動しシェード撃ちをしましたが、ポツポツと拾い釣りかと思いきや、最後のポイントは怒涛の入れ喰い。平日に釣りが行ける方はシークロもまだ少し空いていると思うので、お早めのご予約をした方が吉。ワカシの成長は早いので、あっという間にイナダサイズになって何処かへ行ってしまうので、このお祭りを経験したいのであれば、10月中旬ぐらいまでにお楽しみください。

そしてお店へ戻ってきてハーミットは定時にオープンしましたが、本日はうたた寝しそうな管理人でゴザイマス。あ、明日も朝霞ガーデンて釣りとキャスティングだった。準備しないとね。

ボイルが起きるまでと、少しだけシーバスの壁打ちをやった後にベイブリッジから沖へ出てつばさ橋へ向かったシークロのリュウちゃん号。ベイブリッジ前はほとんどボイルがないから心配していたけれど、つばさ橋の前はシーバスと、ワカシとサワラのコロニーになっていた。
初っ端に丸々と太ったマサバがヒット。こんなの釣れるんだったらクーラー持ってくるんだった、と後悔の念。お店に出勤だったのでやむなくリリースです。
今回は魚の写真がオンパレード。もっとも途中からそんな余裕がなくなって、ボイルが落ち着くまでただひたすら釣りまくってました。昨日巻いたチビミノー4個では足りず。
ずっとーどちらかのロッドがしなりっ放し。余裕こいて釣り動画のワンシーンを撮りました。こちらをご覧ください。
あまりにも釣れるので、途中ご飯休憩の間りゅうちゃんにロッドを渡し、ワカシを釣ってもらいました。聞けば「いやこのボイルは先日からずっとお客様に釣らせてはいるけれど、自分で釣るのは初めてです。」ですと。可哀想に、目の前のボイルを見てロッドを振れないなんて。私も以前はシーバスガイドをやっていたので、悶々とした気持ち察します。
空は青く、そして一筆書きしたようなラインが綺麗なワカシのお化粧は、地味なシーバスとは違い写真写りの良い華やかさと、海中に向かって進むパワーを持ち合わせています。
グレーシルバーに輝くこの時期のシーバスは、8番ロッドを絞り込むトルクフルな引きと軽快なジャンプで釣り人を楽しませてくれます。
結果シーバスもロクマル近くまでサイズアップし、最終ポイントの魚の濃さはハンパない感じです。今後は夜も朝もフローティングミノーのバイトを見ながら、雄叫びをあげる人が沢山増えることでしょう。
今回もシーバス君に感謝。これからも僕らと遊んでやってください。

Poindexter Slough / ポインデクスター スルー・クリーク

モンタナの中にはいくつものスプリングクリークがありますが、そのほとんどが私有地に流れていて入場数に制限があり、入漁料は州券とは別払いになります。私はリビングストンで働いている時に幸いな事に有名なデピュー、ネルソン、アームストロングの三河川(どれもイエローストンリバーに流れる川)で釣りをする機会がありました。でもこれらの河川は一日1万円以上の釣り場と高額な上にハイシーズンは予約が取れないので、高級ブランド釣り場と言えるでしょう。

そんな川とは別に、モンタナ州の南の下に位置するビーバーヘッドの支流にポインデクスタースルーというスプリングクリークディロンという街があります。ここはモンタナ州の釣り券で釣りができる場所でディロンからとても近い事もあり、多くのアングラーを楽しませる憩いのスプリングクリーク。川の大きさで言えば忍野をちょっとデカくしたくらいで、日本人には馴染みやすいサイズ感。

辞書で調べるとポインデクスターは『勉強ばかりしている人(優等生)』で、スルーは『蛇の抜け殻』なので、意味は大体「蛇の抜け殻の様にくねった川で(釣りの)勉強が好きな人が集まる所」とでも言いましょうか、簡単に沢山魚を釣りたい人には全く正反対の川なんです。パブリックの河川は人が多いから魚がスレているので致し方なしかな。

ハイシーズンに行けばきっとこの川でもグリーンドレイク(モンカゲロウサイズ)やサーモンフライ(大型のカワゲラ)で簡単に釣れちゃうのでしょうが、私が訪れる時期はお店の繁忙期を避け、きまってエアチケットが値下がりする9月上旬あたり。大型カゲロウの流下はほとんど無く、18番よりも小さいフライを強いられます。いつもはPMDやBWOなどを使うことがほとんどで、今回はトライコ中心(20番よりも小さいサイズ)だったので、ライズ狙いの難しさはマックス。

ちなみに私がこの川で釣ったサイズの記録は今まで45cm止まりでしたが、今回初めて50オーバーをキャッチしたので、気持ち的にはこの川は卒業です。と言っても1匹にかける情熱が半端ない河川なので、その達成感が癖になり再訪したくなることは間違いないのであります。

この時期のマッチザハッチスタイルが滅茶苦茶難しいこの川ですが、唯一の抜け道がバッタ、ホッパーパターン。風が吹けばバンクからバッタが落ち、それを食べるブラウンが「グァボッ!」っと、ものすごい捕食音を立てて食べるのです。それを見つけてバッタを投げれば一撃、ティペットも2xまで上げられますしね。

あなたの腕がどれだけ上がったかの技試しのこの河川。ちなみにウィードが半端ないので、ニンフは役立たず。ティペットを細くすれば藻化けの術で簡単に外されます。この川で見事40アップをマッチ・ザ・ハッチの釣り方で仕留めたら私はその方にはスプリングクリーク検定1級を差し上げます。

おまけとしてのお話。このディロンという街にはパタゴニア(ウェア)のアウトレットがあります。今回も釣り時間を半分にしてお土産買い出しチームと、ずっと釣りをするチームに別れましたが、お土産には困らない街かもしれません。え?私はどっちだったかって?もちろん釣りチーム。今回は現金で$500しか持っていかなくて、お土産代はほぼゼロの私です(笑)

この川は全体の長さが短く5〜6キロほどしかないかもしれません。釣り場へのアクセス用に駐車場が数カ所用意されていて、ここが全体の1/3の場所にある上流側で、下流は2/3くらいあります。わかりにくいかもしれませんが、藻がびっしり。ティペットを7Xなんてすると、40cmが掛かっても一気に藻の下に入り、藻化けします。虫の流下が多い時間帯に行けばライズはそこら中でおきますので、人が多くても釣りにならないなんて事はありませんので、ご心配なく。
駐車場にはレギュレーションの看板がいくつかあります。この看板を見て何か変だと思った方は凄いですぞ。そう、ポインデクスターの綴りが間違ってます。ワザとなのか本当に間違ったのかは定かではありませんが、この間違った看板は数カ所あります。訪れた際には探してみてください。
今回はメイフライの流下が極端に少なく死ぬほど苦労していましたが、いくつか良いサイズを釣ることができました。
こうやってみると以前に紹介したスルー・クリークに似ているでしょ?やっぱり蛇っぽい川はスルーという名前がつく様です。今回はムービーを全くとりませんでしたが、以前行った時のムービーをつなぎ合わせましたので、その場所の様子はこちらをご覧ください
シムスのウェーダーはグラベルガード部分に大量の雑草の種が付着します。他の場所に持ち込まない様に、釣りが終わったらこの場所で綺麗に除去しましょうね。
ドッパーンと水面を割ってでた50オーバー。対岸の沈木の下へ逃げ込み、そこから引きずり出すのに大変な思いをしました。やっぱりここのドライフライゲームは最高!
一箇所だけ物凄く大物が固まっている場所があって、1匹釣ってはポイントを休ませながら楽しんだ今回。いつもだったら、そのほとんどが20cmほどの魚ばかりなんですが、こんなこともあるんですね。次回に向かってタイイングの宿題もたんと持ち帰り、やっぱりこの川を卒業する事は永遠になさそうです。私は一生釣りの勉強を続けます(笑)

野反湖と台風(でも中身はシーバスの釣行記)

何ですか今日の天気、東京はピーカンじゃ無いですか! と、天気予報に文句を言ったところで、野反湖は山の天気はなのでメトロポリタンとは大違いな筈、きっと。ハーミットオープン当初には今回の様な台風接近のケースでも、野反湖へキャンプに大勢でキャンプしに行ってましたよ、釣り馬鹿の集団ですから。

設営時はにわか雨。タープを張り、いざ何かを始めようとしたらずっと雨でタープの下でビールサーバーを持ち込んで酒を飲みまくり。やる事がないので笹舟を作ってタープ下にできた雨水の流れで笹舟レースなんてしていた時まだ序の口。夜にはタープやテントの張り綱が緩み、しまいには飛ばされてしまう始末。

夜が明け撤収する頃は豪雨でテントの中に川が流れてます。そんな雨の中で慌てて撤収しリアカーを引けば、今度は途中の沢が渡れない(人が流されてしまうほどの流れ)になり右往左往するのです。もちろん全身ずぶ濡れで車の中までビッチョビチョ。翌日のテレビで伝えるニュースは他のキャンプ場で死人が出ているほどの大雨でした。

匂い始めたテントは天気の良い日を待ってを干せば、慌てて撤収したのでいろいろなものが無くなっているのです。そんな経験を何度かすると、テレビのニュースにはなりたく無いので僕らは素直に計画を変更デス。

そして今回の考えた代案が三つ。日帰り野反湖弾丸フィッシング、そしてダブルハンドスペイ練習会、もう一つはボートシーバス。野反湖はこの時期カメムシドライの釣りが楽しいので、風と雨の中ではそのスタイルはかなり辛いので、却下。そしてダブルハンド練習会はあわゆくばサクラマスが釣れるかも?で行くつもりでしたが、栃木県下は9/20で渓魚の釣りは終わってしまい、計画そのものが駄目になりました。よってシーバス君です。

今年の傾向はスロースタートでまだ爆発の話はなく、朝方にイナダとサワラのボイルがあるのみでパッとした情報がありません。いつかはスイッチが入るはずだろうから、その先陣に僕らがならないかチェックしに横浜へと出向きました。さて、その結果は・・。

今回は横浜エリアへ行ったので、使った船はシークロのリュウちゃん号。ここ数日の朝はワカシのボイルがハンパなく、投げれば誰でも釣れる状態だとか。夜の部は徐々に良くなっているとのことで22時出船。ベイブリッジを見ながら京浜運河を散策です。
光があるエリアはどこもすこぶる好反応。と言ってもその大半は一年生。フライが大きくて喰いきれません。
バンバンあたりますが、サイズは平均してこんなサイズ。でも僕らは釣りができただけで幸せ。それも入れ食いだから文句は言いません。
タンカーの明暗部にカモメが集まっているので、その周辺がポイント。魚はそれほどシビアでタイトな場所に付いているわけではないけれど、シビアに攻めた方が幾分サイズが良かった。もっとも大物と思われるアタックはことごとくバラしてしまい、釣れたのはおチビちゃんばかりなんですが・・。
今回は3名で乗って2名がキャスティング、1名がカメラマンになるローテーションの釣り。どこでも安定して釣れていたので、シーバス・シーズン開幕宣言いたします。
現在シーバス君が食べているベイトはとても小さいです。イワシは大量に湾内に入ってきましたが、サイズが小さ過ぎてシラスを少し大きくしたぐらいの大きさ。吐き出したイワシは3〜5cmほどしかないので、フローティングミノーはいつもより一回り小さいのがベスト。と言ってもイワシなんてすぐに大きくなるので、3週間もすれば7cmミノーで問題ありません。
ハーミットでは初めてシーバスを狙う人にはシーバスガイドボートをお勧めしますが、オカッパリから釣りたい方もシーズンインです。まずは河口部の橋桁明暗部でチャレンジしてみてください。その後しばらくすれば、湾奥でも満遍なく魚が入り徐々に釣れるようになるでしょう。オカッパリは情報戦なので、釣れる確率は5日間通って釣れる日は1日くらいかな?

Gibbon River / ギボン リバー

話の流れ的にギボンリバーです。

イエローストーン国立公園の釣り券は三日単位なので、無駄をしないために三日間は公園内で釣りをすることにしてました。ちなみに今回の釣行テーマはマッチ・ザ・ハッチの釣り。なので、闇雲に投げてドカンと出て釣れた的な感じではなく、ライズを見つけてそれを仕留めるまで頑張るハンティング的な要素の釣りを目指します。

二泊三日のクックシティを後にし、4日目は大移動日。目指すはアイダホに近いモンタナの左下(南西)にあるディロンです。ちなみにモンタナ州の面積は日本の面積より広いですから、地図上でちょっと移動というのは東京から名古屋あたりで、大移動となれば東京から青森くらいの感覚です。あぁ、恐ろしや。

そんな移動日も釣りを企むたくましい僕らは、釣りの時間を作るために真っ暗な時間に宿を出て次の目的地を目指します。その途中にあるのがギボンリバーということ。そうそう、正確にいえばギボンはモンタナとの州境近くなので、ワイオミング州を流れる川です。

モンタナのマジソン・リバーという名前を聞けば「なんとなく聞いたことがあるぞ。」という人は多いはず。そのマジソンのずっと上流を目指すと、マジソンはギボン・リバーとファイヤーホール・リバーに分かれます。その一つであるギボンは北の玄関であるガーディナー方向からウェストイエローストーンという街を目指そうとするとその道すがらにあります。

どんな川か?は、前述の湯川の話で書いたので、湯川へ行ったことがある人はそれを想像してください。そしてその景色を10倍に広げて川と湿原の落差を取っ払ったのがギボン上流の感じでしょうか。

話はどんどんそれますが、モンタナの有名河川といえばイエローストーンリバーですが、この川はどこへ流れ着くのか先日初めて地図を辿ったら、イエローストーン→ミズーリ→ミシシッピーへと流れ、なんとルイジアナ州ニューオリンズへたどり着くんですな。本州の2倍ほどの長さですから、川のスケールは半端ないのです。

標高2,000m付近から流れ出る川の位置は、だいたい湯川と同じ。湯川は湯の湖のから流れ出るテールウォーターのおかげで藻が生い茂っていますが、ギボンも同じでグリーブ・レイクのテールウォーターの流れなので、上流部はウィードがビッチリあります。また、同様に下流部はギボン・フォール(滝)があるので、産卵遡上で大型魚が来ることはなく、いつ行っても最大25cm程度の魚が掛かる点も湯川っぽいですよね。

私はこの川に浸かっていると湯川にいる気分になるのですが、以下の写真を見て皆さんはどんな風に感じますか?もっとも、サクッと寄った川なので、それほど良い写真がないので、ごめんなさい。

イエローストーン上滝とでも言えば良いのでしょうか。大移動の道中にあるイエローストーンリバーのアッパーフォールが観光ポイント。釣り人なので、さっさと見て移動です(笑)
州道89号線をウェストイエローストンに向けて走ると右手に見えてくるギボンリバーの流れとその横に温泉(源泉)。立ち入り禁止ですが、川のすぐ横で沸いてます。公園内の源泉巡りをすると、箱根の大涌谷へ来ている気分になれます(笑)
その下流にある駐車スペースに車を置き、川がくねくねとした湿原(メドウ)の中で釣ります。すると早速このサイズ・・・。魚が小さ過ぎて最初はすぐにブルックが釣れたと一安心していたのです。宿へ入って拡大してみて初めてブラウンだとわかりました、ガックシ。
到着して間も無くするとトライコのスピナーフォールが始まり、その流下で一気にライズが増えます。トライコは日本のカゲロウで例えると何になるんでしょう?大きさは#22より小さく、ボディが真っ黒のメイフライです。
ライズを見分けて鼻を出しているライズを見つけてキャスト。この時点でこれが初めて釣れたブラウンだと思ってました。スピナーの流下は一瞬で時合いはわずか30分ほど。
トライコはこんな感じで流れていて、ウィードの隙間から魚がライズをします。水深もウィードの感じもやっぱり湯川に似ているかな?
ちょっと分かりにくいかな?写真の一番右(下流川)に広がる輪がブラウンのライズリング。見えている砂地は中洲で、私は更に手前の流れにある深みに居ます。腰まで浸かって魚を驚かせないようにして、キャスティングのタイミングを測ります。
そしてやっつけたのがコイツ。サイズは小さいですが、ここの平均サイズ。フライはトライコ20番のパラシュート。
魚との距離が比較的近いので、こうして膝をついてライズを狙ったり、ドン深で水の冷たさに耐えながらキャストします。やっぱりトライコのライズは難しいなぁ。

湯川とギボン(勝手に姉妹提携河川という事にしておく)

先日のモンタナ釣行でギボンという川へ行ったのですが、その上流部の雰囲気は日光湯川を思い出す雰囲気なのです。ギボンリバーは昔の記憶でブルックトラウトが沢山釣れた覚えがあったのですが、先日の釣行では何故かブラウントラウトばかり。なので、秋の風を感じ始めた今、ブルックトラウトに会いたくなったので久しぶりに私の足は湯川へと向きました。

湯川といえば1980年代後半は水の透明度が高くそして岸際が深く、バンク際を近くを歩きながらライズの釣りを楽しんでた釣り場。しかし1990年代初頭に(だったと思います)、台風の影響で川が土砂で埋まってしまい、ウィードがほとんど無くなってしまってから気持ちも萎えて足が遠のいた川の一つ。

ハーミット開業当初にはお客さんにブルックトラウトの釣りを楽しんでもらおうと再訪する気になり、この20年間に3回ほどしか湯川には訪れていません。その時も久しぶりに訪れた感があった湯川ですが、川の色は鉄色に変わりウィードが増えておらず、ぬかるんで釣りづらかったのが印象です。そもそも私は各地の湯川と名が付く川に苦手意識があるのが問題かもしれません・・。

久しぶりに訪れてわかった事。まずは水質の改善。30年前の透明度に近いくらいに戻り嬉しい限り。ウィードもビッシリです。そして周りの樹木が育った事にはビックリ。それこそひと昔前は赤沼茶屋と青木橋のなん中あたりはギボンリーバーみたいに見通しが良く、バンク際を歩きながら釣りをしていた記憶がありますが、現在は樹木が育ち私の背丈よりもやや低い高さに立ち並んでいるので、川が離れてしまうと一望することができないんですね。私にとってはとても新鮮であり浦島太郎的な感じ。

今回は久しぶりの釣行だったので、赤沼茶屋で入漁証を購入して下流側から川を見ながら青木橋を経て小田切橋の上までいく予定。上流は人気なので人が見えたらそこから釣り始め下流をずっと攻めていくという算段。結構な距離を往復するのですが、先日の釣行に比べたら大した距離ではありませんな。

肝心な釣りの方は終盤戦と言う事もありますが、平日の割には人が多いかな?流下する虫が無くライズはチビのみなので、いそうな場所への弾丸キャスト。沈めればサイズを見込めるのは分かっているけれど、今回は大物を求めているわけじゃないから、ひたすらそこら中にフライを流しまくりました。結果、大きいサイズは出ませんでしたが、久しぶりに見るブルックのカラーを堪能したのでありました。

それにしてもギボンリバーを見た途端に湯川を思い出すんだから、それだけ共通点が多いって事なんです。なので私はこの二つを勝手にHMT指定・姉妹河川とします(笑) なので湯川へ行って通っている皆様は、ギボンリバー上流ってこんなイメージなんだな、と思って釣りを楽しんでくださいな。

赤沼茶屋から入って最初に曲がる所にある標識。湯滝まで4キロ、サクッと歩いて1時間半という感じだけれど、ポイントを見ながら上がるので、それ以上時間を掛けて上がります。そもそもこの時点では全く虫っけも無く、魚っけもなかったしね。
昔に比べると森が迫ってきて戦場ヶ原も狭くなった気がします。それともそう感じるのは私だけ?見通せる場所もすごく少なくなった気がします。鹿を排除したせいかな?
下流から上流を目指すと最初に渡る橋は青木橋。大体の方はこの橋よりも上流でやっている人が多いと思います。下流部は噂通りチビばかりで魚っ気はあまりありませんでした。
皆さんにはどれが藻でどれが魚だかわかりますか?一応この中に20cm弱のが2匹見えてます。青木橋から下を見た流れ。
ライズが無いので仕方なく居そうなラッフルウォーターを中心にフライを通していくとご覧のサイズで、均したように同じサイズばかり。もっとも川にはあまり大きいのは居ないんですね。菅釣りで釣れるような50cmサイズはほとんど湖で釣れるサイズなんです。下流の中禅寺湖から産卵に登るブルックは竜頭の滝に阻まれるので、川の中で50cmサイズなんてのは稀でしょう(湯の湖から落ちるケースはあるかも?)。
ちなみに湯川には青木橋上流から小田切橋の間に一部禁漁区がありますので、ご注意を。昔に比べると入渓に苦労しますが、入渓時は獣道を利用して新たな踏み跡を作らないように心がけましょう。ラムサール条約湿地なので釣り人はそれなりの配慮が必要です(シューズの洗浄もその一つ)。
上流側にある小田切橋。この橋の上から上流は流れが早いので、ラッフルウォーターが多く、釣り人にわかりやすいポイントが続きます。その反面、釣り人が多いのはここから湯滝までになります。
モンタナで購入してきたフライを使い湯川で試し釣り。あちらではやらたとピカピカしたフライが多くなっていて、真ん中のはコパーアント。そして手前はパープルヘイズパラシュート。いずれもピカピカしたアイスダブが使われています。反応はすこぶる良く、今後私も色々ピカピカしたフライをタイイングし、試してみます。
戦場ヶ原あたりの流れ。川へたどり着くための獣道のトンネル藪漕ぎが凄過ぎて人には薦められません。昔はこの両岸に生えているこの背丈の木がもっと低かったイメージで、バンク際を歩いて釣りができたはずですが、今は一旦川に近づくと上流にも下流にも動けません。苦労しても魚はおチビちゃんのみ。
生徒「先生、国立公園内で釣りしてますよ、自然破壊です。駄目なんじゃないですか?」先生「ここはお金を払えば誰でも釣りができるんですよ。お魚はヒメマスとかが釣れます。でも持って帰れません。」先生、惜しい。ヒメマスでは無くカワマスなんです。そして百人に一人くらいの生徒が私に「自然破壊をしている!」と聞こえる音量で訴えてましたが、そう見えますよね。自然の定義は難しいですが、木道を歩く人々も人工物の上を歩き、動植物の育成を捻じ曲げているので、自然では無いと私は思います。
可愛らしいマーブルカラーのブルックトラウト。また君に会いたくなったら湯川へ行くヨ。