ブラウンクラフト

『となりのトトロ』でメイちゃんが、オタマジャクシの事を”オジャマタクシ”と言ったり、”トウモコロシ”と言ってますよね。この一文字間違いで覚えるのは子供だけとは限りません。すでに潰れてしまった菅釣りにあった看板ですが、確かこんな感じで書いてありました。

『ガツーンと強い引きレインボー、ブラウンクラフト』

何を作るのかとツッコミたいところですが、誤字脱字のオンパレードの私がこんなチャチを入れても仕方ないですな。今回はこのブラウンクラフトが頭から離れなかったので、ちょっと書いてみた次第。

そんなブラウンクラフト、もといブラウントラウトを求めて今年も夏のひと時を楽しんできました。それにしても昨年の台風と今年の大雨で各地の河川の被害は凄いものですね。この川は下流部はかなり被害を受けています。上流部は最上流にある砂防堰堤以外はほぼ堰堤がないので、砂礫は少ない方で巨岩帯も崩れることなく健在でした。

訪れる度に渓流はその様相は変わり続けるけれど、たくましく生きる魚たちに癒された二日間の釣行を、お暇な方は覗いてくださいまし。

この川はいつ行っても大体こんな色しているんです。なので釣り人は少なめの筈なんですが、下流部の大物ポイントがことごとく壊れて砂礫の川になってしまったので、ココは結構釣り人だらけ。熾烈な入渓点争いに失敗した私たちは、空いている場所に入るしかありませんでした。
魚は出るけれども案の定、すでに過去に釣られた鈎穴がある魚ばかりが釣れます。そして私はブラウンを狙っているのに、イワナばかりがヒット。とは言うものの8寸はあるので文句なしの楽しさ。魚は渋かったので、とても小さなスポットだけで反応する状態。
普段はニコパチを撮らない私ですが、カメラを向けられたのでご要望にお応えして・・。強い流れに押されながら、反対側の小さなヨレから出てきたイワナくん。
今回は3人で入り、ポイントを分け合って釣りをしました。巨岩帯があるのであまり離れて釣りをすると事故をした時に気づかない可能性があるので、見える範囲で間隔を空けて一気に登ることはしません。
満足のいくサイズのイワナくんなんですが、私はブラウンを釣りに来たのです・・・。そういえばここ川の最上流部は禁漁ですが、かつてはヤマトイワナの生息地だったのですよね、確か。でもこの場所は全部普通のイワナです。
全員にある程度満足の釣果があり気持ちに余裕が出る頃、一人がこんなサイズのブラウンをスティミュレーター#8で仕留めた。まるで北海道じゃありませんか。この魚をみた途端に私の気持ちはエンジン全開。チビは要らないので、更にでっかいフライを投げまくります。無論二匹目のドジョウは現れる事なく私はイワナオンリーで1日目を終えました、ふぅ。
二日目は場所を変えて更に巨岩帯が点在する場所へ。入渓点からすぐの場所で#8のチェルノブイリで8寸サイズのブラウンを仕留めたけれど、前日のブラウンが頭から離れない。なのでしばらくは良いポイントだけ探っての拾い釣り。しかしその後がなかなか釣れません・・。
たまに顔を出すのですが、やっぱりサイズは全て8寸ばかり。もっともこの場所に大物が沢山いるような所であれば、相当有名になっているでしょうから、そう簡単にゴーマルサイズは姿を表しません。
こんな感じの巨岩帯の場所が続くのですが(人間がちっこいですね)、遡行する苦労が報われません・・。大物は何処に?
後追いのお仲間も大体同じサイズのブラウンくん。ブラウンは個体によりこの柄がかなり異なるので釣れた後の撮影もなんだか楽しみ。
ふと空を見上げる頃には入渓から3時間が経ち、その間に魚の姿はほとんどありませんでした。朝の外気温は20℃以下だったけれど、お昼には26℃になり汗でグッショリ。
写真ではその落差が分かりづらいですが、今季最大の高低差。そして二日目の方が難所続きなので、後からくるお仲間の様子を心配して見守ります。
結果二日目はコテンパンにやられてしまい、初日に匹敵する大物は現れませんでした。それにしてもこのサイズ見惚れてしまいますなぁ、次回にはぜひ私も、このサイズを釣ってみたいものです。

さらば我が青春の魚たち

目の前に広がる景色を背ける様に目をそっと閉じ、35年前のこの場所を思い出してみる。

車の免許を持っていなかった20代はどこへ行くのもオートバイで駆け巡る青春。日本全国どこへ行くにもロッドを担いで出かけていたが、関東圏にあるこの川は東京からおよそ150kmの場所。高速を使わず下道でおよそ3時間半の道のりだった。村の道が終わり林道を走り、さらにその林道が終わった地点には車数台分のスペース。平日は釣り人に出会うことが稀で、熊鈴を鳴らしながら大きな岩を抱える様にして超えていき、岩に張り付くように定位しているイワナを狙っていたものだった。

同じ川を繰り返し釣行していると、釣り人からいろいろな情報が入ってくるものである。ある釣り人から、

「この川の最上流部にはイワナはおらんぞ、全部アマゴだ。昔は○○滝より上は魚がいなかったが、その上にアマゴを沢移しした奴がおって、それ以来途中がイワナで最上流部はアマゴが釣れる川になった。」

と、こんな情報を聞いたので、ある年に上を目指したのである。当時は林道も短く辿り着くまでざっと3時間近くの歩きと遡行。

この川の最上流部は大きな流れを持つ二つの沢からなっており、その一つに人を拒む様な大きな滝があった。時間を掛け大きく高巻いて辿り着いた場所は周りの緑がVの字に広がりその隙間を覗き込む様に小さな空と雲が広がる世界。川には大きな岩が点在し、次の滝が近づくまでその落差は少なく、ちょうど良い流れのポイントがいくつも点在する。もちろんその聞いた噂は本当で、紛れもなくそこ生まれの半透明の腹鰭に白のペンキで塗った様なラインがある特徴的なアマゴが生きていた。

35年の月日にこの川の様相は目まぐるしく変わってきた。川に掛かった林道は右岸から左岸に移され、最後の橋は二基の堰堤が出来ると共に取り壊された。さらにその上に堰堤が出来るのだが、スリット堰堤を作ったり、コンクリートやめて石積みしてみたり。さらに鋼製透過型砂防堰堤(鋼製スリット)などなど。大きな巌岩は姿を消して堰堤を何個も作り続け、小さな滝を壊してそれらを作りあげた。

その結果は砂礫の山である。人間は一体何がしたいのだろうか?
土石流の原因の一つは治水工事では無いかと思うのは、私だけでは無いだろう。

今回の釣行で私はこの川の最上流部に別れを告げた。

さらば我が青春の魚たち。

全景を写すとどこだか分かってしまうのでよりの写真中心でゴメンナサイ。この堰堤の高さは以前は10mほどだが、今は人の腰ほどしかない。去年の台風と今年の大水で砂礫が堰堤を乗り越えました。この堰堤ができてからまだ10年は経って無いと思いますが、なんのための堰堤なんでしょうかねぇ。
目を覆う川の様子を和ませるかの様にいたクワガタ。川の生態系はめちゃくちゃですが、陸に住む昆虫はまだそんなに大きく生態系を変えてはいない様です。
下流部の堰堤と堰堤の間の流れは細かく砕かれた岩の山。35年前のこの場所は堰堤は無く直径1mほどの岩が点在し、それをよじ登って岩の影から岩魚を釣ってました。今は見る影もなし。そもそも、この川の砂利が細かくなり始めたのは堰堤工事が始まってからのこと。それ以前はとても綺麗な落差のある渓流でした。
これなんだか分かりますか?こんなものが流れてくるなんて、水の勢いは人間には食い止める事は出来ないんです。無駄な公費にお金を使うんだったら、その資金を災害支援に回した方が人に恨まれる事はないのに・・。
格子堰堤の上部に歯抜けになっている場所がありますよね、アレが流れたのです。ちなみに全景にすると分かることなのですが、10m以上はあるこの堰堤の上を土石が超えてますから、ショベルカーが一生懸命掘って元の状態(深さ)に戻すのに何日掛かっているの? なんだかなぁ・・。
あの岩もこの岩もな〜んも無くなってしまった。今は無理やり流れをねじ曲げて、ひたすら川をほじくり返すのみ。土木の仕事が無くならない仕組みです。
昔はこの場所まで釣りをしないで3時間近く掛かったけれど、今は釣りをしながらで1時間半で着いてしまう。この先に最後の鋼製スリット堰堤があるのだけれど、そこの土砂を掘るにしてもショベルカーが入れる道がありません。このまま放置するってこと?堰堤は土砂で埋れてパンパンなのに。
上流部は釣りをしていると両岸にそびえ立つ土砂が落ちてきて危険なので、途中で止めて引き返しました。高いところはその壁が15mほど。その上に1トン近い岩が今にも落ちそうになってます。ちなみに下流部のスリット堰堤は全部スリットが埋まってただの堰堤。それも砂礫が流れ過ぎてどこも落差がほとんどなくなりました。もう一度いいます。私は毎年ずっとこの川に通ってきましたが、堰堤が出来る前は砂礫なんてホントなかったんですよ。本当に台風のせいなのですか? 本当に堰堤は必要なのですか? 海に砂浜が無くなったのは堰堤のせいではないですか?
今も昔も変わらないのは、見上げた空と山の緑だけでした。今回、入渓点から最上流部近くまで釣り上がって、雑魚はおろか稚魚や魚の走りも一切ありませんでした。隣りの川へ行こうかとも思ったけれど、同じ痛みを二度食らうのは嫌だったので、午前中いっぱいで帰りましたとさ。その間、自宅近所のコンビニ以外はどこにも立ち寄ってないので、3蜜は全くありません。

ずぶ濡れ

相変わらず天気予報はずっと雨を告げているけれど、今年の春を取り返す気持ちで毎週渓流へと足を向ける私。こんな予報続きで川は増水続きなので、釣り人なんていないだろうと思ったら、予定していた川の入渓点には車が3台。そして予備に取っておいた川にも車が3台。

思わず私の口から漏れた言葉は、

「こんな雨の日にバカはいるんだな。」

#アンタもその一人ですよ(と、天の声)

仕方なく別の川へ入り、よせば良いのに上を目指せばきっとパラダイスがあるだろうと登り続けた渓流。この二日間でおよそ往復20キロの沢登り。本日は筋肉痛で仕事が出来ないだろうと思ってましたが、毎週の釣行が功を奏して全然痛くない。ようやく体が出来上がったな、って感じかな。

その釣行は以下の通り。この二日間で雨が全く降らなかった時間は30分もありませんでした・・。パンツまでビッショリで、まるでオネショ状態・・。

予定していなかった渓流へ入るとそこは入れ食いの世界。なんかすごい事が起きている様に聞こえますが、今年生まれの1年生の猛攻アタックばかりなんです。
入渓してすぐの頃はこんなヤマメばかりで、入れ食い状態。チビには用が無いのでフライサイズをどんどん上げていきますが、最終的には10番でも掛かってしまう食用旺盛な一年生。
500mも進むとこんな子が入れ食い。この渓流(というか沢)には似つかわしくないサクラマスの稚魚。だってこの場所までにはいくつもの魚止め堰堤があるので、どうやったってここまで来れないもの。よく見れば脂ビレが切ってある放流魚。そういえば国は突然在来種に力を入れてサクラマスの稚魚放流に乗り出しているけれど、放流している場所を間違えてる感じがします。
水面にフライが付いてしまうとすぐに喰ってしまうので、釣りにならない状態。一瞬にしてサクラマス60cm以上を釣り上げる(合計センチでね・笑)。そんなことしてても仕方がないので、僕らは滝を高巻きし、ゴルジュをトラバースして上を目指します。
水中にカメラを入れるとこんな感じ。ここで生まれた一年生とサクラマスの稚魚が混在するって良いことなの? なんか複雑・・。
上を目指すのは良いのですが、ずっとずぶ濡れ状態。汗なのか雨なのか、ウェーダーが漏れているのか、皆目検討がつきません。上りに登って帰りの時間を考えて戻りましたが、上へいくほどV字谷になるので、水が早くて釣り場所がなく退散。適当に温泉宿を見つけて、翌日に備えて早寝しました。
翌日は昨日入れなかった川へGO。でも20cm近い増水で少し危ない状態。入渓点から実際に釣り始める場所までは渓流伝いにおよそ1時間あるので、その間に少しずつ水位は引くと考えて入渓決行。でもやっぱり水が多すぎて釣る場所がないんですね。う〜む。
いつもならばそこらじゅうがポイントだけれど、水が早すぎてポイントらしいポイントはごく僅か。そんな少ないポイントからようやく何匹かの沢イワナをゲット。フライングアントが炸裂するかと思いきや、アピールするフライにしか反応しないので、ホッパーパラシュートの釣りになりました。
お魚は流れが強いので反転流にいることがわかったけれど、木の下で対岸反転流って流すのが難しいですよね。
二日目も上を目指しガンガン登ります。それも釣る場所が無いからいつもよりもハイペース。川幅が狭くなりやがてはV字谷の大岩だらけ。その頃には流れが強すぎて釣る場所が全くなくなってしまう状態。
沢イワナはいつ見ても愛らしいカエル顔。胸ビレは迫力のあるオレンジです。
ある程度行ったところで釣れなくなったので一旦引き返し、さらにその支流の別の沢へ。そこにはポカンと浮かぶこの子が。#8ホッパーパラシュートを呑み込んでしまいました。この沢で釣りができたのは僅か300mほどで細くなりすぎて終了。気がつけば沢伝いに降りる帰路が憂鬱になる程遠い距離に。雨が止んで梅雨明けしたら、またこの川でイワナくんと遊びたいな。

 

 

初蟬

春蟬を抜きにして、夏を感じさせるセミたちを今年初めて感じたのが昨日のこと。今年は空蝉の様に空っぽな時がしばし流れ、季節感覚が掴めない私が我に返った、そう今は夏なんです。

長井荒崎港の夜明け恒例儀式として、タックルを用意している最中に靴下の上から無数の薮蚊に刺されます。そして僕らが明るさを手にする頃には森の中からセミが「もう夏ですよ」と、合唱してくる。梅雨明け宣言はまだされないけれど、季節は順調に進んでいる様子。

関東は海の日を境に『シイラ釣り解禁!』的なイメージになっている私(今年は23日だけれど・・)。ちょうどその頃に例年であれば相模湾の海は大小問わずのシイラが乱舞し、時にマグロやカツヲが混じるのが私のイメージ。

月初めの沖縄遠征から早3週間、相模湾のシイラはそろそろ海の下で唸りを上げて大挙している頃だとうと思い出掛けたのですが、さてどうなったでしょう?こんな感じで話を引っ張っている時は、まぁ良い事があまり無かった現れかな(笑)

出船してみれば野反湖の延長戦見たい。一面の霧で何にも見えない上に無風ベタナギ。嫌な予感がするばかり。
何にも見えないので目指すはパヤオ。その頼みの綱であるパヤオに魚の気配が全然なし。仕方なく移動中にハーリングしてみるも、な〜んもありません。うむむ。
魚の気配を感じないので、私は持ってきたスイッチロッドでオーバーヘッドキャスティングの練習に。何個めかのパヤオでドラゴンテールで作られた25cmほどのフライをキャストしてユルユルにリトリーブしていると、フライの後に引き波が・・・。船べり近くに来てようやくそれがシイラだと気づいた。慌てチャムである撒き餌の真鰯を撒くも生き餌に見向きもしない。なんてやる気がないシイラなんでしょう。
そんな状況ででっかいドラゴンテールを投げ続けていたら、ようやくシイラがガップリ食いついた。ラインハンドで思いっきり合わせたら6/0のフックはすっぽ抜け。シイラはバケットマウスじゃないから、でかいフライは咥えるだけなのです、がっくし。その後私は後散水場所を無視してオオドモにてキャスティングし、シイラをようやくキャッチ。隣で釣っていた彼女はこの渋い中、見事初挑戦でシイラを仕留めた、おめでとう!
その後も霧は晴れる事なく五里霧中状態。時折見える流れもの(潮目のゴミ)にも同じく生体反応がありません。なので釣れなくてもパヤオを頼る以外に手立てなし。
チャムのイワシは何の効果も発揮せず、しかしオオドモで投げ続けていた私と隣りの仲間はロッドを八の字でかき回す事で魚の活性を上げて結果を出しました。
イワシは大量に余った(笑)持って帰って焼いて食べればよかったね。
な〜んも無い状態からひたすらキャストを続け遠投。すると何回かに一度だけフライを追ってくるので、そこですかさず八の字で海面を掻き回す。すると魚の活性が上がって喰うと言う寸法。10番ロッドが海に突き刺さります。この魚が水面に浮いてきた時についてきた他のシイラに今度は私が八の字をしてダブルヒット。私のほうはすんなり上がったのでこの写真の撮影に回りました。
一緒にいったお仲間に撮っていただいた2本目。絶妙なタイミングでシイラが暴れて手から離れました。
サイズはこのサイズ中心なのでありがたいのですが、ペンペンの群れがいないのでシイラシーズンまであと少しといった雰囲気。今年は何もかも自分の思い描いた予想とは違う感じです。これからシイラへ向かう方、私の予想では来週後半ぐらいからバクハツしそうな予感がしてます。外れたらゴメンナサイ・・。

理想と現実

理想はこうだった。

昨年の反省点を踏まえ巻いてきたいつもよりも地味目のフォームビートルを巻いて出撃。これならば実際に落ちているビートルにも近いし、迷うなど食うだろう。タックルをセットして目指すは昨年と同様のブルーバックレインボーポイント。熊笹を掻き分けてバンク側へ立ち、しばらく湖面の様子を覗き込む。何事もなければ左右のどちらかへ移動し、サイトフィッシングで魚を探して釣るハンティングスタイル。私はソレが好きなんです。

音を立てぬ様に熊笹の隙間から20m先を見据えると、湖岸にできたスカムラインを上目を使いに水面をついばみながらブルーバックがその泡に沿ってこちらへやってくる。射程内に入り身をかがめた状態で、レインボーの鼻先1m手前にフライをそっとプレゼンテーション。デリケートに落とされたその波紋に気づき、何の躊躇もなく大きな口を開けてフライを吸い込む。刹那の沈黙の後に水飛沫を上げて走り出すライン、そして湖の遥か彼方で先ほどの大きなレインボーがジャンプする姿が見える頃、私は人気のないその場所で一人雄叫びをあげるのである。

しかし、現実は以下の写真の通り。
う〜む、釣りも人生も思い通りに行きませんなぁ・・。

夜明けと共にスタートするために家を出たのが朝1時過ぎ。八ツ場(やんば)ダムを横目に六合村(くにむら)を過ぎた頃には外気温10℃の中、夜が白々と開け始めた。うむむ、時間を誤った。仕方なく手前の朝ライズ打ちをすぐに打ち切り、野反湖の奥深くへと歩き進んだのであった。左に見えるのが野反湖で、その周囲をこんな感じの林道で囲まれている。
風裏のスカムラインができるポイントを探し、暫し熊笹に隠れて待機。するとその泡に沿ってブルーバックレインボーが私に近づいてくる。ここまでは理想通り。そしてドンピシャのタイミングで投げ込むと、そいつが口を開ける前に一年生のレインボーがこの大きなフライにフッキングしやがった、ガッデム。
理想では次々とサイトフィッシングで魚を見つける予定が2本のブルーバックのみ。もう一匹のレインボーは気持ちが前のめり、熊笹から顔を出し過ぎた途端に見つかってしまい逃げて行ったとさ。その後サイトフィッシングでは魚が見つからず、とある岬で引っ張りにチェンジ。と言ってもフライを車に忘れた。手元にはサクラマス 用の大きなサーモンフライしかないので、仕方なくそれを結んで引っ張ると40センチ弱のレインボーがヒット。しかし、手前に走られて残念ながら外れちゃいました・・。この時点で湖を半周近くしています。
天気が悪い予報だったので、今回はキャンプなしのバンガロー泊まり。ひと休憩して再出撃すると、そこは一面霧の中。周りは全然見えません。そんな中それぞれの好みのポイントへ散っていく仲間たち。あ、同じ格好していますが、これは私の後ろ姿ではありません(笑)
歩き疲れた私は昨年取り逃した近くのポイントへGO! 霧が立ち込める中に第一投。スイッチロッドの先に8フィートスローシンクをつけたタックルでカウント10。車にあった本栖湖用に巻いたゾンカーを引っ張り始めると、すぐに根掛り? あれ、ここはそんなに浅かったかな? と思ったら、レインボーでした。とりあえず釣れてくれて一安心。
その後は連チャンするかと思いきや何も無し。寒くなってきたので明日に備えて飲んだくれるだけであります。今回摂取したアルコールはビール5本、缶酎ハイ3本、日本酒四号瓶、さらに焼酎瓶半分。久しぶりによく飲んだなぁ。
雨音はショパンの調べではなく恐怖の音。明け方は道路封鎖になるのではと思う雨音に起こされ、こりゃ駄目だと判断した私たちは爆睡。バンガローチェックアウトの後にロッドを少し振り回しましたが、アタリを貰えどヒットする事がなく終わりました。ノゾリキスゲも何だか寒そうですね。
釣りはいつも理想とはかけ離れている事が多いけれど、それを柔軟に受け止めれば釣果へと結び付けられるもの。それには理想の事前準備の他に、最悪の事態も想定してタックルを持って行きましょう。今回巻いたビートルたちは次回に役立てますヨ!そして未来のあるちびっこレインボーがたくさん生息しているので、この湖の将来は明るいでしょう。

ユルユルな流れとゆっくり時間

今年の梅雨は異常な降り方で、現在も各地の雨量が心配です。全人類は見えないウィルスに怯えてマスクをし洪水や台風に身構える中、世界情勢も不安定で、なんかナウシカの世界に似ている気がするのは私だけではない筈。人類はこの先どうなっちゃうんでしょうかねぇ、お魚の行末もとても心配なこの頃です。

さて2020年は後半に入り、川の水量が高い事もあって私の中では海モードに切り替わる時期になりました。そう、今年もオジサン達の楽しい夏休みの時間です。この沖縄でのマグロ釣りは長い事行っていますが、私は酔い止めが苦手な人なので今までずっと飲まずに船釣りを続けてきました。沖縄本島のパヤオ狙いは沖へ3時間走って釣る為に波は高く酔い止めを飲んで出船する人が殆ど。頭痛薬や酔い止めは飲むと気持ち悪くなっちゃう私なんですが、東京近郊の海とは違い船酔いに悩まされるので、今回は皆さんに習って飲む事を決意。その酔い止めと言えばセンパアとアネロンが代表されるものだと思いますが、現場での調査では全員がアネロン派でございました。

さて、今回はベタナギ(相模湾で言えば少し波っけがある感じ)だったので船上脱落者も無かった沖縄の旅。今年もおじさん達のゆるゆるな早めの夏休み。お暇な方はどうぞご覧くださいまし。

沖縄のパヤオフィッシングはドテラ流し(船の横腹に風を受けて流しながら釣る方法)の釣り。関東でドテラ流しと言えばヒラメ釣りでしょうか。いつもならば風が強く大潮とくればフライラインが張って釣りやすい状態なんですが、風が弱過ぎるために潮に負けてしまい、ラインがまっすぐ下に入ってく状態。これだと、魚がフライを咥えてもアタリが出ずにダメなんですなぁ、今までで一番アタリが出ない釣行になってしまいました。それでも時折マグロさんはヒットしてくれます。
船上ではユルユルな潮に翻弄されながらゆっくりとした時間だけが流れていきます。アタリが少ないものだから、頭の中で三線(サンシン)の音色が流れてしまい、自然にリトリーブもユルユル。しかし、そんなゆるゆるのリトリーブに反応する事がわかりました。たまに掛かるマグロを隣りの仲間がゲキを飛ばしながらランディングしてくれます。ロッドは皆さん9フィート12番かな。
キハダのサイズはこれくらい。もう一回り大きいのを釣りたかったけれど、隣のルアー船が殆ど釣れてないので、そりゃ無理ですなぁ。フライは一番めんどくさくて釣りづらいのですから・・。
まったりとそしてたまに誰かに釣れるという時間だけが続き、気づけば全部似たような写真ばかり。まぁ、いつもの事ですが・・。
沖縄の海をそのまま写したキハダの背中は相模湾のそれとは違い、紺碧に近い青を持っています、素晴らしい。
釣れないものだからキビナゴを大量に撒き撒き。日に4箱も撒いちゃった、¥8,800ナリ。少し残して素焼きで食べたかったな。キビナゴは銀の横腹と一本の黒筋が特徴。
ユルユルな時間ばかりを過ごしてたら、オオドモ(船尾)の仲間がなんとエンリコミノーでトビウオをヒット。ちゃんと口に掛かってますよ。その風貌から私はてっきりボラ科の魚だと思ってたけれどダツ科なのですね、それで雑食なのも納得。トビウオはその種類が多く、これはマトウトビウオみたい。図鑑では食性が詳しく書いて無いけれど、立て続けに2本のトビウオをキャッチした時点で、トビウオは小魚を食べるのでしょう。トビウオを釣った人を今まで見た事がありませんが、フライで見事に2本も釣って見せた彼には「トビウオマスター」の称号を受けたのであった。
そしてそのマグロとトビウオたちは僕らの胃袋に収まるのでありました。美味い以外の言葉は入りません。泡盛も最高。
その夜、やたらと色々な場所で花火が上がると思ったら、アメリカの独立記念日だったのですね。
二日目も潮と船が流される方向が同じでラインのテンションが張りません。人間のスイッチも入らず耳元で三線の音色が聞こえてくるようで、沖縄時間が流れていきます。あまりにも釣れないので私は新釣法を開発?フライラインを全部出した後に、バッキングラインをさらに50m以上出すという方法。中禅寺湖のレイクトラウト狙いにも似ていますが、バッキングライン をリトリーブすると手が切れちゃうので、リールでリトリーブ(回収)、フライラインからラインハンドでリトリーブというやり方。
時にスコールが降り全身がびしょ濡れに。そしてまた晴れがすぐに訪れます。
二日目はカツヲ三昧で、キハダがほとんど釣れませんでした。なんだかんだで全員は掛かったけれど、釣りとしてはとても寂しい釣果。あまり釣れなかったかわりに来年の釣欲は上がったかも?しれない沖縄ゆるゆる旅でゴザイマシタ。

 

イワナが居ない

最近私が思い悩んでいる事は、イワナが昔よりも釣れない事。関東近県で釣りをされている人は私以外にも感じている事じゃないかな? つい十年前だったらイワナパラダイスだった場所が、今はイワナに変わってヤマメやアマゴに変わっている事が多いのです。これに気づき始めたのはここ3〜4年の事。

最初は台風や大雨が多いからかとも思っていたけれど、ヤマメやアマゴはしっかりと生息しているので、単に生息域がさらに標高の高い所にしか居なくなっちゃっている気がします。やっぱり温暖化なのかな、皆さんはどう感じてますか? あと20年もすると標高1,000m以上でないと生息していない、あるいは関東では釣れないなんてことにならないかちょっと心配。

イワナは僕らフライフィッシャーマンに取っては癒しの魚。ヤマメはフライパターンが合うまでツンデレなのに反し、イワナの反応は予想通りの行動をしてくれる。特に源流部のイワナは少し外れたキャストしても、最初の一投であればフライを見つけると躊躇なく食いついてくれる嬉しい奴。正面から見るとカエル顔でなんとも愛らしい私を癒してくれるアイドル的なお魚なんです。

先週はそのイワナを釣りに新潟へ行きましたが、なんとも消化不良な状態で終わったので今回は私のホームリーバーに近い川へ馳せ参じました。ご存知の通り昨日の予報は午後から土砂降りなので午前中勝負。その場所は平日でも車が3〜4台は止まっている人気のスポットだけれど、そんな予報じゃ誰も来ないよね。朝6時半からゆっくり独り占めデス。

結果を話せば、やっぱり歩いても歩いてもイワナが釣れないんです。そんな中、後半のとある場所で、遠い記憶の情景と今キャストしたフライが流れていくのを見てハタと思い出した。確かこの岩陰から出てくるなと。ゆっくりと浮上した大物はこの渓流で初めて見る最大級で、頭は物凄い幅がある。ゆっくりと浮上した大イワナは何の躊躇もなくパックリと私のフライを咥え込んだ。

してやったり〜!

と言いたい所ですが、何と私アワセ切れしました、ティペットは6X。魚のサイズに対してのアワセは自分なりに熟知している筈なのに、突然「本番ですよ。」と言われると、思った様に体が反応しないのは歳のせいなのでしょうか。強烈なアワセをモロに受けてもがいている厳ついソレは、私の足元でグリングリンするので慌ててランディングネットで救おうと手を伸ばすも間に合わず、淵の奥深くへと消えていきました。まさしくこの川の主イワナ、40センチはあったかな。

ちなみに昨夜見た夢は、この光景がそのまま悪夢の様に繰り返されるのでありました。

あぁ悲しきリアルな失態。今日の私にイワナの話は禁句です・・。

いつもならば車止めからしばらく歩いて入渓するけれど、今回は30分だけ歩いて入渓。しかし最初の1時間はな〜んも反応なし(正確には最初にも大失敗をしております)。なのでしばらくは良い場所だけ叩いて上を目指します。
いつもならばポツポツ釣れる場所が全く反応なし(チビはいたけれど)。歩き始めて1時間半が過ぎたところでようやく反応が出始めた。でもこの場所ははっきり言ってイワナ君の住処なんですよ、君。
一旦釣れ始めると、水深が浅かろうが深かろうが、ヤマメが好きな流速からは必ず反応がある。しかしここは関東では人気のスポットなので食いそびれた魚を二度流ししても全く反応なし。フライを変えて時間を掛けても反応が薄いのは知っているので、さらなる上を目指します。
ヤマメの活発なエリアが過ぎて暫くするとまたパタっと反応がなくなる。いわゆるそこまでが「竿抜け」のエリア。最上流でもなく下流部でもなく、一見釣れそうもないエリアだけを皆さんがすっ飛ばしていくから、その200mだけが物凄い反応でした。ただし、水深がメチャ浅く雨もあってか、魚はほとんど浅い開きにいたので、河原を歩く微々たる音がする度に、魚が逃げ回る姿を多数確認しました。こんな場所であなたは忍足ができれば上出来です。
いつまで上がってもヤマメ三昧。ちなみにこの場所にヤマメの放流はされていないので天然繁殖。パーマークも他の渓と比べても独特。それにしてもイワナいないなぁ・・・。
ヤマメちゃんは慣らした様に6寸半から7寸半ばかり。本来はヤマメの方が好きなんだけれど、これだけイワナが釣れないとどうしてもイワナの顔が見たくなり上を目指す。
最終的に少しだけ水深のある場所の巻き(水が巻いている所)でようやく一本ゲット。イワナはこの一本のみです。でその後は予報通りの土砂降りで退散です。今回はイワナ求めてかなりの上流へ来てしまったので、退渓して車へ戻るのに1時間半掛かってしまいました。さて、来週はどこへ行こうかな?なんて考えてる暇はありません。この週末は南へ遠征でした・・・。

萎えた、ふくらはぎ

皆さんは1日の釣りでどれ位の距離を歩きますか? 私の渓流釣り上がりスピードは早く、一般の方の1.5倍位のスピードで釣り上がっている気がします。場数を踏んでいる人はポイントの見極めは早く、そして見切るべきポイントには一投もしないので特に早いのです。でも丁寧にゆっくり攻める人と私みたいな人の釣果は、結果的には同じであり距離を余計に歩いた分だけその体力は消耗します。私の場合はいつでもポジティブだから、「この上にはパラダイスがあるに違いない。」と、上を目指すのですね。

お客さんや釣り仲間とポイントへ入る場合、まさか私が先陣を切る訳にはいかないので、大抵は入渓点からの良い場所は釣り仲間に譲るので、私は一旦釣り降る癖がついちゃってます。数名で入ると交代で投げることになるので、それを避けるのがその理由の一つかな。

例えば川と並行して林道が通っている場合、前述の通り入渓点で釣り仲間を先行させます。しかし私はその入渓点に入るまでの道中はずっと川を見ていて、良さげなポイントを頭に入れておくのです。で、先に行かせて私は林道を少し降るので、私は一緒に釣りをする仲間とポイントが少しだけかぶる事なく、釣りができるのがメリット。時に1キロ以上降る事もありますヨ。そして足が早いので、先行の仲間にはいつでも追いつく事ができるのです。仲間の入渓点まで釣り上がると、今度は一番良いポイントには手を出さず、手を出しそうも無いちっちゃいポケットばかりを攻めて拾い釣りするという寸法です。

さて二日目の朝は私はガイドをするつもりで源流部に近い沢へ入ることを提案し、前述のように先に良いポイントから入って貰いましたが、見えない所まで離れると心配されてしまうので、今回は少しだけ降りて良さげなポイントを攻めることに。

この沢はいつもなら数発投げればチビ助がフライを突っつきに来る数釣りの沢なのに、な〜んも反応がありません。そのまま釣り上がって行っても反応はいつもの1/10くらい。なんか変? そう思った頃には予定の退渓点の半ばなので、このまま釣り上がるしかないのです。結局この川は何が悪いのか分からず仕舞でほとんど釣れず。う〜む、いっぱい釣ってもらう予定だったのに、ガイド失格だな。

退渓して別の川へ行き、その後は反応がポチポチあるものの、すでに2本目の沢なので昨日と合わせて結構な距離を歩いている状態。そしてコロナの反動は恐ろしく、釣りを止めることなくイブニングの3回戦へと突入したのでした。

今回の教訓は、コロナ自粛のおかげでこの数ヶ月でふくらはぎの筋肉が衰えてしまい、たった3回戦でギブアップしそうなぐらい翌日の筋肉痛が予想されたのです。釣りでなくとも人間は毎日ある一定の距離を歩いていないと、ジジイになった時に歩けなくなっちゃいます。若い皆さんも足腰だけはしっかりと鍛えておきましょうね。と思ったジジイからの助言です。

新潟は日本の米所、平地があれば稲穂が埋め尽くします。今年もスクスクと育ってますね。今回撮った写真を見ると650枚。でも使える写真が寂しい、いい加減な撮影をしております。
車中泊の場所からざっと小一時間の移動。水量は程よく釣れそうな感じ。唯一雰囲気が悪いとすれば、虫っけがあまりにも少ない事。なぜこの時期に虫っけがないんでしょう?
キャストするのが面倒なポイントを流れを渡ってポジションを取り直して、やっと釣れる感じ。いつもの1/10位の反応。イワナの育ちも心持ち悪い気がする。
青空が雲の隙間から時折覗き、透明な原流水は途切れる事なく流れている。しかしいくら時間が経っても虫っけがないんです。淵底に見えるはずのイワナの影も無し・・。
結局いそうな場所からの反応は薄く、肩の部分からこんなチビスケが時折姿を見せるのみ。
釣れないので次の沢へ、休む事なく入りました。すると入渓点の少し上のポイントでライズ発見。鏡のようなこの流れで二人ともここの魚に敗戦しました、ガックシ。
その後さらに上の流れでようやくフライへの反応がポツポツと。本来ならばこんな癒し系の沢イワナが次々と釣れて欲しいのに・・。フライはクリンクハマー。
悔しいのでストマックポンプ入れました。髭の長い個体はなんでしょう?分かりづらいですが、アリンコは3匹入ってました。やっぱり蟻は好きなんですね。
イブニングは粘るも反応は少なく現在は朝早い時間帯の方が虫っけがあります。大いに楽しんだ二日間の代償は筋肉痛ですが、なんのその。今後のためにさらに歩いて肉に変えていきます。最後のこの写真にはニホンカモシカが隠れています。どこだかわかるかな?

釣り人の行動パターン

もう十数年前のことだろうか。釣り仲間と二人で伊豆の川へ出かけたが、思うような釣果が出ずにその川を諦め、別の川へと釣り場を変えた事がある。入漁証を買い川を見ながらウロウロしていると、東京ナンバーのフライフィッシャーマンを見つけたので、声を掛けてみた。彼は一人で来ていてこの周辺を散策していたとの事なので、その情報交換をしてその場合を後にした。

それから数年後のこと、今度は新潟へ出掛けた時である。その日の2本目の川としてとあるポイントへ行った。河原に東京ナンバーをつけたワゴン車のフライフィッシャーマンがいたので情報を聞く為に話掛けてみた。「どうですか釣れてますか?」的な言葉の後に、情報交換。そして彼が一言「どこかでお会いしましたよね?」と。確かに、なんかこのデジャブ的な流れ。場所は違えど話している内容やその風貌から、その数年前の伊豆で出会ったAさんだということを思い出したのだ。

この時何を話たかは忘れたけれど、お互いが通っている河川がほとんど同じで、いずれ釣り場のどこかで会うのは偶然ではなく、行動パターンが同じなので必然的な再会だったのかもしれないという内容だったと思う。

あれから更に何年もの月日が経ち、一昨日の事。大尻沼を後にした私は午後の天気が回復傾向なので、このまま新潟へ行ってしイブニングの釣りを楽しんでしまおうと計画していた。関越道を更に北上して新潟へと向かい沼田インターに入った時はすでに13時頃。実は私と同じ行動パターンをするAさんがその数日前から新潟入りをしていたのは知っていたが、どこで釣りをしているかは全く聞いてなかった。しかし同じ行動パターンなのであらかた予想がつく。そこで私がメール。

「午前中の釣りが終わったので、これから新潟へ向かいます。イブニングは●●川でもやろうかな?」

するとAさん。「●●川へ移動中です。」とのお返事。やっぱり行動パターンは同じなんだな(笑)

イブニングの釣りを満喫した二人はその夜に初めてお酒を酌み交わし、釣り談義の夜を過ごしたのは言うまでもない。ってことはその翌日も釣りですな。一泊二日の釣りは1日目にして盛り沢山で有意義な時間を過ごしたのである。つづく?

Aさんと私との年齢差は2歳なので誤差範囲。世代的にやっぱり釣りキチ三平世代なのである。
昨年と比べるとちょっと小ぶりが多かったかな。いつもは7月に訪れる新潟でけれど、今年は雪が無く雪代が終わるのは早いと言われていたので、ちょっと早めに来たからサイズダウンなのかな?
胃の内容物は小さな虫を中心にコカゲとヒラタの類。う〜む、フライを小さくしてみますか・・。
フライのサイズを落としたら幾分反応が良くなったけれど、同じレーンをしつこく流さないと釣れない。イブニングなんだから本来はでっかいフライでドーンと釣りたかった。でも数はかなり釣れたので良しとしますか。
ロッドはウィンストンピュアの763/4にオービスのCFOIII。ラインはエアフロのスーパーフロエリートDT3F。リーダーはTHフィネス9ft5X+6Xエボナイロン 50cmほど。
19時半までイワナとヤマメに遊んでもらった私ですが、車が置いてある場所へ戻ると私の車だけがポツンとありました。こんな遅くまでやったのは自粛期間の反動かな。
そして再度Aさんと合流し、釣り人談義の夜が更けて行くのでありました。
釣りの話は尽きないですね。朝からほぼ休憩無しで過ごしていたから直ぐに疲れて寝ちゃうかと思ったら、釣り話が終わることがなく、就寝は12時。モーニングライズの為に一応5時には起きたけれど、その後の予定の釣りの為に体力温存する事にイタシマシタ。

 

フルスロットル

今週からようやく他県移動が許されたので、釣りへ行く数日前からワクワク気分で、まるで小学校の遠足前夜と同じ気持ち。何かが違うとすれば梅雨真っ只中で河川の増水が読めないので、ギリギリまで待って釣り場を判断するので、釣り場が決まってない事。雨は前日までに二日間降り続いたので相当増水しているだろうとの判断から、ギリギリで出した答えは今回も癒し系の釣りへと舵を切りました、大尻沼です。

中禅寺湖も考えたのですが、私は人の多い所が苦手な三密嫌いな人なので、のんびりと癒し系を選択。案の定、入漁料を払う環湖荘で聞けば「今日はお客様を含めて3名だけですよ。」と言われた。やっぱりね、この不安定な天気じゃ誰も来ないんだな。

入漁料を払い所定の駐車場へ車を移すと、先に用意するご夫婦のご主人がどこかでみた事がある。よく見れば知り合いじゃないですか、ありゃま。結局何となく業界人だけ3人での貸し切り状態の大尻沼。

例によってここでの釣果はフルスロットル。貸切状態に近いのもあって、釣りは午前中で飽きて大尻沼を後にしました。そのまま帰ったのかって? ノンノン、釣りバカの私ですよ。その続きはまた明日。

ボートは二艇しか出てないので、大きな湖をほぼ貸し切り状態。なので、焦らず船着場からゆっくりと釣りをする作戦。で、魚を見つけて一投目から釣れました。最初からリールファイトでマーキスの音が木霊します。
ボート付き場から出て北側の面を50mほど釣りした最初のひと流しで13本。14本目には交換を怠ったのでフライをロスト。もうこの時点でキャスティングの時間よりもファイト時間の方が長い状態。
同じ場所をまた流すと流石に2回目は4本だけ。それでも場所を変えてきちんとサイトフィッシングができれば、ほぼ入れ食い。なので、途中からはフライを色々と交換して遊んでました。
ぶっ壊れたこのフライは以前ブログで紹介したオナシカワゲラ12番。反応はすこぶる良いのですが、1本取るとこの有様。お魚がデカイのでぶっ壊されちゃいます。一番釣れたのはやっぱりカメムシフライかな。
ここでのサイトフィッシングとリールファイトは、来月に楽しむ野反湖の練習みたいなもの。曇天下でいかに15m以上先の魚を見つけるかがヒットへの鍵となります。この曇天で探すのが難しいのですが、曇りの方がはるかにドライフライへの反応は良いですヨ。
結局11時半の時点でキャッチは30本程でバラシは5本。ローボートの漕ぎとファイトで腕がパンパンでゴザイマス。魚は最大65cm程度、最小が40cm位かな。フライを小さくすると魚のサイズも落ちる感じです。
タックルはこれ一本。スコットのラディアンR905/4は、湖のドライと北海道のドライフィッシング兼用ロッド。リールはファイトを楽しめるマーキスの6。で、ラインは間違えて4番を入れております(笑) このロッドの良いところは前後1番くらいは間違えても感覚が変わらず振れることかな。リーダーはトラウトハンター10フィート3Xにバリバスのフロロティペット3X60cmです。
なんだかんだで雨に降られる事もなく、お腹が空いたので山を降りて別の場所へ向かいました。さて、私の午後はどこで過ごしたでしょうか? その答えは次回のブログでわかります。