マスを訪ねて三千里

♪この道の彼方、約束されたはずの場所があると信じて生きたい
もう一度孤独に火をつけて♪

こんにちは、ハマショーが好きな私です。僕らの世代は多分多いと思います。

それにしても本流釣りオンザロード、約束された地に巡り会えるのはいつになるのでしょうか? もう7週目に入りますが川の活性はまだ遠く、雑魚の気配もほとんどない日々が続いてます。そしてCOVID-19の影響を考えて孤独な単独釣行が多い日々ですが、今回は現地集合現地解散で釣り仲間と本流へひたすら毛針を投げつづたのであります。

結果から言えば、本流前戦異常なし!報告はありません。

昨日の移動距離:360km
昨日釣りをしていた時間:12.5時間(休憩なし)
昨日釣り降った距離:約 4km弱
本命のキャッチ数:0匹
雑魚のキャッチ数:0匹
シオヤキマスのキャッチ数:1匹
ロストしたフライ数:0本
交換したフライ数:1本

人生は思いの外厳しい日々の連続です・・。

オオヤマカワゲラの抜け殻
朝イチに入った場所は先週に入渓点を見つけた初めての場所。入ってすぐに大きなライズがあったけれど、あれはサっちゃんではなくコイだったと思う。ただひたすらフライを流し釣り降った。雰囲気は良いのですが、あともう少しかなぁ。水位は減水気味で石の上にはオオヤマカワゲラの抜け殻だらけ。
水中に飛ぶ込んだツチガエル?
バンク沿いを釣り降っていたら、突然黒い影が水中に飛び込んだ。最初は川ネズミかと思ったけれど水中を覗くとこの子でした。もうすぐ彼らの合唱が始まります。
ダンケルドフライ
相変わらず浮気ぜずにダンケルドの漢流しを貫いてます。フックサイズは6番よりも大いきものを使う理由は、雑魚が掛かる数をほどほどにしたいから。でもね、今年はその雑魚が全然いないのです。ちなみにフライがロストしないのは、ティペットが太いのとシンキングリーダーを使用してない為(フローティングかホバーを使用)。
ヒレなしレインボートラウト
現在の時合いは11時〜13時。時を見計らってとっておきのポイントへ入河。昼間だというのにヒゲナガが流れ始め良い雰囲気になってきたらコレが掛かった。僕らはこのマスの事をシオヤキマスと呼ぶ。化粧塩の使用量を減らすために開発されたマスで、胸鰭が退化し尾鰭が丸くなっている(ウソです)。エコであり塩分を気にしている方にはお勧めのターゲット。ですが、最近は川魚は食べないのですぐにリリース。大きくなってまた会えても嬉しくない魚の一つ。
ダブルハンドフライキャスティングし続ける長いラン
あまりにも何にもないので一つのラン(フライが流しやすい一区切りの流れ)が終わってもさらに下流へそのまま流し続ける二人。先行する彼はアタリがないので、どんどんとディープウェーディング(深み)へと入ってしまう、これも釣り人の心情かな。
日本の素晴らしくない景色。新たに護岸された河川敷
一昨年の台風19号の被害を覚えていますか?それから1年半を経て河川敷は大変貌。しかし私が嘆かないのは、この景色は前に見もているから。このポイントは35年位前からお気に入りの場所だったのが、ある年の災害でこんな感じに様変わり。ガッカリしてから約10年後位には護岸が崩れまた良いポイントに戻った場所。しばらくは何もないでしょうが、10年後にはまた元の姿に戻ると思っている。それよりも人間てホントおバカで浅はか。真っ直ぐにしたがるし、こんなものこしらえたところで、自然の猛威に勝つことなんて出来ないのにね。

 

オオニベ戦記(2021年事後報告の忘備録でございます)

年も明けてブログ更新がすっかり忘れている感じ? ノンノン、緊急事態宣言で遠くへ行けないから書けないのです。仕方なくタイイングを載せようとしたら、多くの方に「ブログよりもライブ配信を増やして」と言われてしまったので、今後のタイイングはそちらを増やしていく予定。

で、書くこともなくなってしまったので、オオニベ戦記の事後報告を一筆。実は12月の中旬のGo to トラベル規制前に日向灘に行ってましたが、日増しに患者数が増えている為になんとなく書きづらかった次第。今更ですが事後報告というよりは私の備忘録として残しておきたいのでその様子を少し書かせてくださいまし。

オオニベ2021(シーズン6)のテーマは、18feetロッドに慣れる事とシンクレートの幅を広げてそれを試す事でした。今回15フィートのロッドはバックアップとし、18フィートオンリーで振り続けたので、帰宅時には二の腕がムキムキになったのは言うまでもない。ラインに関してはアタリ重視を考えてモノフィラのフラットシューターの使用を止め、エアフロリッジ30ポンドにしたのだけれど、インタミ30ポンドは90フィート(27m)と短くフライラインを合わせて43mと少ししかないのが問題。43mだと全部出てしまうのでバッキングラインをハンドリングする(ラインを手繰る)わけにいかず、困ってしまった。エクストリームランニングラインだと150フィート(45m)と長さが十分だが、フローティングの為に太めなのでその抵抗が気になってしまう。長い距離でのアタリの明確さは圧倒的にエアフロが良いのだけれど、今後この辺りをどう考えていくかになる。

シンキングラインに関しては今までタイプ3までしか試してなかったものをそれ以上のシンクレートをキャストして試してみた。しかし、そもそもサーフキャスティングの遠投はせいぜい40mと少しだから、その水深はおよそ3m以内。沈めるスピードを求めてタイプ5〜7を使ってみたものの、一番良いヒットレンジは底を擦っているだけで魚とのコンタクトが得られない感じた。事実外道が良く釣れたのはインタミ〜タイプ3までで、私的見解ではタイプ3が一番使いやすいと感じる(ヒラメ狙いならば、インタミ)。

持ち帰った宿題としては、外掛かりが多いオオニベに対してフライはどのようなアピールをさせるのが良いのか?で、今後はカラーの選定や音をプラスしたフライを巻いてみようかと思っている。

シーズン6までになってしまったオオニベ戦記。今回はどのような結果になったのか?その様子は写真にキャプションを添えながら、ダラダラと解説いたしましょう。

Toyota C-HR
今回の相棒レンタカーはトヨタのC-HR。釣りに使うにはなかなか良い車です。調べてみたら6速マニュアルが出ているようで、急に欲しくなっちゃった(2WDしかないですが・・)。朝一番の飛行機で来ると浜辺への到着は大体お昼。初日は状況を見て回って状況確認。この日も午前中にこの場所で2本上がってました。今シーズンはオオニベの当たり年のようで、例年よりも多くの方がキャッチしています。
日向灘の人気の釣り場
夕方まで粘って明日の状況を判断。日中は人が少ないですが、朝夕は出勤前または帰宅前に釣りする地元アングラーがいるので、浜辺は等間隔で人が並びます。
日向灘にて
翌日は朝5時に到着したのに車はすでに8台あり、朝のポイント争奪戦に敗れる。しかし、2番人気のポイントへ入ることができ、10時ごろに会心の一撃。距離にして岸から15mほどの場所。ロッドが2回ほど大きくのされて外れました。その直後に『ガッデ〜ム!!』と雄叫びを入れた写真。今まで経験した中で一番大きかったアタリ。釣ってないだけにその正体が分からず残念。
レッドフィッシュ用シュリンプパターンを使う
フライはこんな感じのエビちゃんパターン、フックは2/0番。ショックリーダーは40ポンドだけれど、次回は50ポンドにしようかな。
ダブルハンドロッドとラインバスケット
アタリをもらった場所でかなり粘ったけれど、時合いが過ぎたのでとりあえずヒラメでも釣っておこうと思い別のポイントへ移動することに。砂浜を延々と歩くので、太ももはかなり鍛えられるのです。
日向灘のヒラスズキ
昨年、オオニベが上がっていたポイントはヨブ(砂の起伏)が多い場所で、出来た凹みには潮がヨレているので大型ヒラメがいるだろうとフライをトレース。するとドーンと引っ張られて心臓がドキッとした魚がこれ。ジャンプするまでは相当丁寧に釣ってましたヨ。魚が小さく見えるけれど、18フィートロッドのこのグリップはとても長いのです。
日向灘のシログチ
グチに関してはなんとなく釣り方がわかってきたので、まとまっている場所を見つければ、結構釣れます。サイズも良いので、これが地元だったら持って帰って食べるのにねぇ。
日向灘に登る朝日
釣りの時間はいつも日の出から日没まで。加えて夜釣りは体に悪いので、ちゃんと睡眠を取るようにしてます。歩く量とキャスティング量が半端ないので、3日目にはもう腕はパンパン。
ダブルハンドのサーフフライフィッシング
「稲見さん、そっちへ行ってもいいっすか?」と連絡が入り、急遽飛んできたこのお方。確かその数日前まで北海道でレインボーを釣っていた筈(笑)。さらにその5日くらい前は奄美大島でクロダイを釣っていたのです。なんて釣りバカなんでしょう。世の中にフライフィッシングバムは実在するのです。
日向灘でエバを釣るフライフィッシング
時にエバ(メッキアジ)を釣り、時々グチにヒラメ(ソゲ)。稀にアジとサゴシ(サワラ)。海は豊かなのでなんか釣れますが、それは時合いだけなので大半はキープキャストの日々。
日向灘のオオニベ
ついにやったか!と思わせぶりなオオニベの写真を載せておきます。今年は当たり年なので、何度かヒットからランディングシーンを見かけました。この魚はお隣の常連さんがルアーでキャッチした立派なオオニベ。あぁ、釣りたいこのサイズ。
オーバーヘッドダブルハンドキャスティング
そんな20キロのオオニベを見せられたものだから、僕らは帰りの飛行機時間を忘れてギリギリまでキープキャスト。世の中はそんなに甘くはないですが、僕らが投げているフライのすぐ側にこのオオニベの群れが泳いでいるのです。そんな妄想と現実の狭間で次回の宿題を抱えてきた私たちでした。
日向灘のオオニベ
目の前に横たわる巨漢を見て周りの人々は感嘆と嫉妬が交錯するのです。私が持ち歩いているメージャーが来年こそ活躍することを誓う今回の旅でした。

Mole Tail

なんか前回のタイイングと同じじゃない?と思っているあなた、そうです、ほとんど一緒なんです。なんで同じようなフライを載せたかといえば、単にこのドラゴンテールの小さい方を見つけて少しだけ安く入るので、それを載せたいが為に作ったフライ。ちなみに先日ライブ配信でタイイングを行いましたが、皆さんは動画と静止画とどちらでタイイングを見たいですか? 意見を頂けるとありがたいです。

本当は名前をモーラーフライにでもしたいのですが、『モーラー』は増田屋さんの商標ですので、モグラの「モール」とドラゴンテールの「テール」を取って一応名前にしてみました。とはいうもののモグラの尻尾にはチト似ていませんが・・。

仕上がりの大きさは約9〜10cmと一番ミノーらしいサイズ。とりあえずはシーバスに使うカラーの3色を仕入れてみました。元々がおもちゃだから、トラウトに使えそうなカラーがあんまりないので今後カラーが増えることは多分無いと思います(ブラックとかオリーブだったら巻きたいですか?)

水中では存在感のあるボディがレロレロの動き。大きいドラゴンテールと違って重くならずキャスティングも楽なフライです。ゾンカーフライに飽きた人はタイイングしてみてください。

Mole Tail

Hook:Gamakastu S15 #1/0
Thread:Uni THread 3/0
Body:Mole Tail
Flash:EP®Sparkle
Head:LLAMA Fiber
Eye:EP® Plastic Eye

手順はラウンドヘッドストリーマーと一緒なので、サラッと書いていきます。まずは全体に軽く下巻き。ボディーとなるモールテールがズレてこないようにするために行います。
まずはプラスティックアイの装着。フックアイから約2〜3mm後方(写真の位置)に襷掛けで巻き留めます。アイがぐらつかないように何重にも巻き留めて、止めた位置に瞬間接着剤をたらします。
プラスティックアイを取り付けたら、そのすぐ後ろからモールテールを巻き止め、フックベンドの方までしっかりと巻き止めます。このときモールテールの先端は少し長いので、少しカットしましょう(私は5mmカット).
フックベンド付近までスレッドをで巻き止めたら、同じ位置にギニアフォウルを1枚巻き止めます。フェザーを逆撫でして、境目ができたところが巻く位置です。その境目をフックシャンクにしっかりと巻き止めましょう。
巻き止めたギニアフォウルフェザーはハックルで挟んで右手で持ち、左手は全ての毛が左方向に向くように引っ張りながら巻いていきます。
ギニアフォウルフェザーを全部巻くとこんな感じ。スレッドと巻き終えたギニアフォウルフェザーの軸を交差させて材料をしっかりと巻き止めます。右側に出たいらないフェザーと軸はカットしましょう。
次にヘッドとなるラマファイバーの切り出し。長さは9センチ程度にカット。横一列をカットしましたが、使うのはこの1/3くらい。
カットしたラマファイバーの量は9センチ×1センチ程度を取り分け、まずは上半分に巻き止めます。スレッドはプラスティックアイのすぐ後ろまで巻きながら移動しておきましょう。そしてこの位置に前(写真右)に3/2、後ろ(写真左)の位置で巻き止めます。この時気をつけることは、ラマファイバーがフックシャンクの上半分を覆うように巻き止めることです。
今度は下半分を巻き止めます。先程と同じ手順の同じ量でラマファイバーを巻き止めます。すると写真のような感じでフックシャンクが全て隠れ上下にラマファイバーが分かれた状態になります。
さらに同じ位置にEPスパークルを少量巻き止めます(お好みで)。
スレッドはアイの後ろ(左)から前(右)に向かって巻き進め、この位置でラマファイバーをフックシャンクを覆うようにしてしっかり撒き止めます。
前に伸びたラマファイバーは全てテール側へ手で引っ張り、そのすぐ前にスレッドを巻き止めて折り返したヘッドを作ります。この時注意するのは、フックシャンクを綺麗に覆うようにして全体が均一になるようにテール側へ返します。この状態になったらスレッドはウィップフィニッシュしてカット。そして巻き終えたスレッドに瞬間接着剤を塗りましょう。
フライをバイスから外し、ヘッドはクシを入れて整えます。全体が綺麗に整ったら、棒をカットしたプラスティックアイを用意。接着面にはジェル状の瞬間接着剤を塗りましょう。アイは棒が突き出た位置に接着。乾くまでに約30秒ほど掛かります。
はい、フライの出来上がり。とっても簡単で動きがミノーらしいフライが出来上がります。作ってみた感じではこの1/0番が一番使いやすいと思います。
カラーバリエーションはこんな感じ。なんてサイケデリックなフライなんでしょう。一見魚とは似つかわしくない配色ですが、夜のシーバスはUVカラーに反応するので、このカラーで間違いなく喰ってきます。お試しあれ。

 

Round Head Streamer

東京都はコロナのおかげで自粛モードになり、お店が暇です。来店がほとんどないので通販頼りになります。現在は新製品の更新は一通り終わった感があるので、新しく仕入れたマテリアルのその使い方でも紹介しようかと思います。

今ハーミットではタイイングのライブ配信を準備中。ゆくゆくはブログと動画の両方をやっていきますので、私がそばにいなくとも今後は皆様のタイインがよりスムーズになるように願ってます。また、ハーミットに置いてあるマテリアルで使い方などわからないものがあれば、それを使ってタイイングするフライを紹介していきたいので、メールかハーミットFacebookで呟いてくださいまし。

さて今回のタイイングはEP クラフトファーブラシとラマファイバーを使ったフライタイイング。出来上がりサイズは9センチほどで、サイズを変えればトラウト狙いのストリーマーにもなりますので、まずは真似て巻いて見てその後は自分なりにアレンジしてみてください。今回のフライのレシピは以下の通りです。写真は多いですが、タイイングはいたって簡単デス。

A2Z風(ラウンドヘッドストリーマー)

Hook:Gamakatsu S15 #2/0
Thread:Uni 3/0 Thread
Wing:EP® Craft Fur Brush
Flash:HL Ice Wing Fiber
Head:LLAMA Fiber
Eye:Game Changer Eyes or EP® Plastic Eye

フックサイズは色々と試してみたのですが、ソルトフライで使う場合はこの2/0サイズがバランス的に相性が良い気がします。まずは適当に下巻きしてフックのベンド側(写真左)へスレッドを移動しておきます。
写真の位置にクラフトファーブラシを巻き止めます。この商品は芯がワイヤーなので、ニッパーかワイヤーカット専用に丈夫なハサミを用意しましょう。
クラフトファーブラシを写真のように左手で左方向へ引っ張りながら、フライの軸に巻いていきます。一回転するごとに毛が絡まないように左手で何度も撫でながら巻くのがコツです。クラフトファーブラシはフライのシャンク(軸)に6〜7回転重ならないように前方向(写真右)へ巻き進めましょう。
巻き終えたら、スレッドで巻き止めニッパーでカットします。このブラシには3種類のマテリアルが挟み込んであるので、たったこれだけで雰囲気のあるストリーマーウイングが作れます。
今回はプラスティックアイの棒を切らずにたすき掛けでプラスティックアイを止めていきます。止め方はダンベルアイを巻き止めるのと同じ要領。斜めに3回かけたら、同じ要領で反対向きに3回巻き止めます。最後に根本を絞るように巻き止めてアイが動かないようにキツく巻き止めましょう。(今はゲームチェンジャーアイも輸入しまてますので、そちらの方が作りやすいです)
巻き止め終わったらアイが動かないように瞬間接着剤を塗ります。
ヘッドを用意しましょう。ラマファイバーを使います。この材料は好きな長さにカットして使えるのが良いところ。今回は6センチほどにカットしました。
6センチにカットしたラマファイバーを適量(1センチくらい)を巻き終えたクラフトファーブラシのすぐ前に巻き止めます。この時、このラマファイバーはフック全体を覆うようにして巻き留めてください。難しいと思う方は上下に分けて2回巻き止めると良いでしょう。
ラマファイバーを巻き止めた場所にアイスウイングファイバーを適量巻き止めます。アイスウイングファイバーは8インチあるので大体真ん中で巻き留めて手で折り返して左方向に撫でてまとめます。
前に伸びたラマファイバーはクシを使って後ろへ撫でてひとまとめにします。この時に各面からクシを入れて、後ろへ折り返すラマファイバーは偏りなく針軸全体へ折り返すようにしてください。
ラマファイバーを後ろ(写真左)にひとまとめにしたら、そのすぐ前にスレッドを何回か巻きます。
このラマファイバーをつける動作をもう一度やります。現在のスレッド位置にラマファイバーを適量巻き止めます。今度は上下に分けて巻き止めてみました。なので写真は上半分を巻き止めた図。
続いて下半分を巻き止めてスレッドはこの位置(写真右方向)へ巻き進めます。
先程と同じようにスレッドをアイ側へ滑り込ませ、前方に伸びたラマファイバーを写真左へ撫でてひとまとめにします。
ラマファイバーを写真左方向へひとまとめにしたら、スレッドをアイのすぐ前で何回か巻いて、ウィップフィニッシャーを使って結びとめてカットしましょう。
巻き止めたスレッドにはヘッドセメントか瞬間接着剤を垂らしましょう。そしてラマファーバーはクシを入れて丁寧にヘッドの形を作ります。
まとめるとこんな感じ。まだ右目がついてませんね。この状態だと反対側には目があります。もう一つプラスティックアイを用意し、今後は棒の部分をニッパーでカットして半球だけにします。一度裏返ししてアイの位置を確認しましょう。
裏返すとこのようにアイがありますが、この位置の真反対に棒が出ていますので、その位置に専用の瞬間接着剤かエポキシ接着剤でアイを貼り付けて完成です。
写真の数が多いので手順が複雑のように感じますが、いたって簡単に巻けてタイイング時間がかからないフライパターンです。これから初めてシーバスをチャレンジする人もぜひ巻いてみてください。
この6本を巻くのに1時間も掛かりません。色違いを巻いてみましたが、トラウト用に巻く場合はB10Sの#4フックで黒系を巻くと良いでしょう。同じ材料を使う必要はありませんので、あなた好みでアレンジしてみてください。

 

 

メガフライ考察

デカいフライでシーバス狙いをいつ頃始めたかを写真を見ながら歴史を少し遡ってみた。時は2013年。その前年位からルアーはヘドンのマグナムザラスプークで釣るのが流行り始め、皆がそれを投げまくっていた。その映像に私は触発されて三浦半島東側や千葉南房の海域に集まるランカーシーバス をデカイフライで狙い始めたんです、確か。

最初はナブラ打ち用のマグロ狙いフライを使って挑戦してみたけれど、如何せん重い。なので何かシーバスに丁度良いフライはないかと世界に目を向けたところ、パイク用に作られた軽くて大きく見せれるジョイントフライが紹介されていたので、それを自分なりにアレンジしてスタートしました。

しかし当時はシーバスのタナに合わせる事ばかりを考えていたので、コノシロが溜まる水深にフライを流すためにタイプ4以上のシンキングラインを多用し、思うような成果はあまり上がらなかったんですな。

結局投げやすさと大物の釣れる頻度からフライはエンリコミノーにずっと落ち着いて今に至ります。思えば更に遡ることハーミットのガイドボート『世捨て丸』(2002〜2011年)運営時代は、エンリコミノー ひと筋でしたしね(エンリコは私の中ではデカイフライではありません、小さいです)。

昨今は更にデカイルアーに発展したメガドッグやダビンチ等のルアーに触発され、デカフライ熱が再燃したわけですが、今年行きついたタガメンは思えばその2013年に投げていれば、きっと物凄い釣果が生まれていた気がします。

さてさて、そのタガメンは20センチオーバーに成長して再挑戦しましたが、その成果はいかに?

変な写真からスタート。その理由は入れ食い過ぎてまともな写真がないのと、ポイントが解らぬ様にカメラを上げられないんです。釣ってはリリースの繰り返しをし、サイズ50〜70センチ弱までと先週の筋トレと変わらずヤバイくらいの状況。でも陽が昇るまでの1時間だけですけれどね。その猛ボイル1時間で腕が痛くなるくらい二人で釣りましたよ。この後ろ姿、誰だかわかりますね?
皆さんもご存知のビリー東センセです。顔出しできる被写体がいるので、今回はビリー劇場となります。ヒガシさんもジョイントフライで釣りまくり。今回最初の1時間は本当にヤバイ状態。例えるならば、相模湾にシイラに行って沖合のナブラを発見し、それに近づいて見るとボイルに囲まれてしまったような状態。ようはベイトが船着きになってしまった感じです。
最初の1時間は余興と言うにはあまりにもサイズと数釣りが良過ぎましたが、本命は真昼間のトップウォーターでドッカーン。最初に向かったポイントは昨年とても良かった場所ですが、コノシロだけ居てシーバスは無反応。そして一昨日にタガメンで釣れたポイントも無反応。仕方なく、多くのシーバスボートが集まる場所へ向かいます。
私はと言うと、最初のうちはとりあえずキャッチしておこうとゲームチェンジャー18cmでスタートし、1時間の入れ食いを堪能。最大は70センチと少しといったところ。その後はタガメンで勝負。
東センセは臨機応変に対応し、状況を見ながらフライを変えていく。フローティングミノーとゲームチェンジャーを使い分けて、釣果をグングン伸ばして行きます。
魚を確実に釣るにはやはり水を捉えるインターミディエイトに分があり、カチカチのGルーミスビーチロッドでも十分しなる魚が次々とランディングされます。
この時期のシーバスは丸々と太っており、その引きも半端ないです。そしてゲームチェンジャーは常に丸呑み。今回も魚のチェックのためにウッチー船長にメガドックを投げ続けてもらっていたのですが、珍しく一本もフッキングせず。フライがルアーに勝る日もあるんですな。それとも周りの船がデカルアーを投げ過ぎているので、ルアーにスレてきているのかもね。
私はこんな感じでタガメンをポッカリ浮かべ、ユルユル引き。すると15分に一度くらいはこのフライにドッカーンと出てくれます。しかしです、なぜかテンションを緩めて次の体制に移ろうとする時だけに出るのでアワセをくれる事ができません。喰いついて水中へ引き込む大物の姿を何度も見ているだけに悔しくてなりません(もっともシングルフック1本にこだわっているので、それもあるのです)。トップへこだわりすぎるとなかなか釣果へは結びつきませんなぁ。ちなみにタックルはGルーミスのNRX+ スイッチ 11ft8wt・4pcsラインは330グレインフローティングにポリリーダー10ftの先端60cmカット。そこにティペット30ポンドを60cm付けてます。でかいフライはリーダーが長くなるほどターンしないので、フライラインとフライが異常に近いですが、魚の喰いにはなんら問題ありません。
時間も迫り大満足した二人ですが、最後に少しだけやりましょうと立ち寄ったポイントで起きました。今年のビリー先生は何か持っているようです。ウッチー船長は胴の間でメガドックを投げ、私はミヨシで風下にキャストしていると、反対向きに投げているビリー先生のロッドにヒット。フッキング後にしなるロッドの曲がりを見て、ウッチー船長は大きなランディングネットに持ち替えました。
やっちゃいました、ビリー先生、ビックフライでハチマルオーバー(83cm)です。丸々と太った見事で無傷な魚体でした。今回の釣行で思うことは投げ続ける根気とこだわりのない臨機応変な対応です。ルアーでもそうですがトップウォーターはバイトの迫力はあるものの出た時にルアーもフライも弾いてしまうデメリットがあります。確実にキャッチするには、メガフライ(ゲームチェンジャーやエンリコミノー)でインタミだと言う事を皆さんも覚えていきましょう。次のハチマルオーバーをキャッチするのは、きっとあなたです。

 

タガメン

昨日タイイングした二分割のジョイントフライがその硬い甲羅の様に見える部分にアイを付けた時、関東のとある釣り場で見たタガメを思い出した。

今から10年以上前になるだろうか。当時の人気河川にある一級ポイントは橋下にあり、たとえ平日と言えどもその場所でイブニングライズを狙うには15時前に入らなくてはならない程。私は人が多い場所は苦手なのだけれど、一度その場所を経験したかったので13時にそのポイントに入りイブニングまで待って楽しんだ思い出がある。

釣り終えて自分の車へ戻る橋上には真新しい街灯があるのだが、その場所でカブトムシよりも大きい虫がブンブン飛び回っていたタガメ。久しぶりに見たタガメが街頭に群がる姿を見て、衝撃を受けたのを覚えている。その大きさと貫禄、男の子には憧れの虫を(オジサンになっても)捕まえてしみじみと眺めた後、そのまま放虫した。当時でさえとても珍しかったタガメだけれど、今年に入ってレッドデーターブックに入ったとの事。タマムシ同様に生きている個体を見る機会は本当になくなってしまったなぁ。

そんなタガメフライを持って出掛けた本日。予報に反して強風にてござる。波間に引き波を立てて泳ぐその18センチのフライを見ていると、「こんなものに喰いつくかいな。」と思えてしまう。そして投げているうちに「タガメ、タガメ。」を連呼する私。それはやがて氷川きよしの・箱根八里の半次郎の曲に合わせて「タガメったら、タガメン〜♪タガメったらタガメン〜♪」とサビを替え歌にして歌っていたらドバッとシーバスくんが喰いました。

一度投げたらまた改良を加えたくなる私。本日のお仕事がひと段落したら、タガメン2号機の制作に取り掛かり、次回の釣りまでにこのフライにあったリトリーブを考えます。「全集中、水の呼吸、拾壱ノ型 凪 (じゅういちのかた なぎ)」で攻めてみますか(笑)

東京ゲートブリッジにレンブラント光線が放り注ぐ。神秘的なスタートに今日は良いことがあるのか?と思いきや、予報に反しての強風にて釣る場所が風裏に限られる。
オープンウォーターで投げる前に壁打ちしていたらぶつけて目がポロリ。芯を刺して付けたので、芯が残ったので、目がつぶらな目に。
インタミでエンリコミノーを引っ張ると、コノシロ絨毯はたまにスレ掛り。写真を撮って参考にします。この場所のコノシロは少し小さめ。
「タガメったら、タガメン〜♪タガメったらタガメン〜♪」と言いながらピックアップしようかと思ったら、ドバッと出たロクマルアップ。釣ってみて思うのは、もう少しだけ改良が必要かな。
あまりにも風が強いので、いつまで経ってもキリンさん(クレーン)の隙間から富士山が見えてます。
陽が昇るとコノシロシーバスは音信不通。なので、タンカー周りで壁打ち。この季節なので、お魚は満遍なく入ってますが、サイズは一回り小さくなっちゃいます。
bSのビーニーをシムスのキャップの上からかぶるとこんな感じ。今日は帽子を飛ばなくする為の役目でかぶってたけれど、暑かった。
ちょい沈めで魚は程よく数釣りができました。次回への宿題はタガメンの多少の改造。最初は幅が広すぎたと思ったけれど、メガドック(ルアー)の幅を見てもっと大きくしても良い感じ。毎度毎度だけれど、タイイングって楽しいなぁ。

 

Go To 芦ノ湖(釣り場活性化の為に方々出歩くススメ)

コロナ騒ぎが始まって早8ヶ月以上が経ち、水道橋飲食店は激減したので私の食事情は悪くなる一方。今年の釣りを振り返れば3〜5月はまともな釣りができていないので、何か物足りなさを感じます。思い出せば例年は複数回訪れる芦ノ湖も一回しか行ってないしね。おかげでドラワカはボックスで静かに眠っている状態。そう言えば客足が減り意気消沈していた『うえ乃』のマスター元気かな?

3月に訪れた時の芦ノ湖はコロナ禍によって外国人の足が絶たれ、湖に浮かぶ海賊船の人影が無かった寂しさを、ふと思い出した。行きつけの場所が元気がなくインバウンドの売り上げが望めないのであれば、僕らが動かないとね。皆さんもGo To 芦ノ湖はいかが? という事で昨日はダンディな『うえ乃ボート』のマスターと杉ちゃん(ボート担当)の顔が見たくて芦ノ湖へ行く事にしましたヨ。美味しいカツ丼も食べたいしね。

秋の芦ノ湖を狙う場合、ノザキボートさんのフレッシュ日報(行かないで情報だけ見ていてゴメンナサイ)で表層水温が20°を少し下回るかどうかが鍵。今回は少し水温が高めで難しい状態がと言うことが分かってましたが、ボート予約の際に「今年はワカサギが沢山釣れるよ。」と言われたので、釣れなかったらワカサギ釣りに変更しそっちを楽しめば良いやと思っての出陣。さて、その結果は・・。

秋の芦ノ湖の朝
最初の計画では朝一はドライ→10時過ぎにワカサギ→午後風が出たら引っ張りの予定でした。行ってみるとベタナギで水はターンオーバー中という感じで水色もあまりよろしくないので、水面に魚の気配がない。1時間だけ右往左往した後は仕方なく先にワカサギをやることに。
芦ノ湖のワカサギ
マスターの言う通りワカサギはかなり人気のようでボートがビッシリ。昨今の「釣り→密になりにくい→ブーム」と言われているように、ファミリーや女性の姿が多く見られた。それを裏切らない釣果は嬉しい限り。そしてヒメマスも混じると言うオマケつき。
芦ノ湖のワカサギ釣りはカラバリ
ワカサギ仕掛けで釣れたのは、ワカサギ・ヒマメス・アブラハヤ・ダボハゼの四目釣り。惜しかったのは、25cm近いヒメマスを手元でバラしたこと。ヒメマスは口が柔らかいので、ちゃんとタモで救わないとダメですね。ロッドがシーバス用だったのも問題かな。その夜、美味しく頂きました。
秋の芦ノ湖フライフィッシング
そもそもエサ釣りも大好きだから夢中になって釣りをしていたのだけれど、途中から強風でアンカーしないでステイさせるのが難しくなったので、退散。湖流もできたことだし、これは岬打ちだと思い亀ヶ崎へ。爆投の末何も無し。そして胴切り、龍宮殿へと続き何も無し。この間の私はタイプ7で二刀流(芦ノ湖は同時に出して良い竿は一人2本まで)。一本を投げて置いて、次をキャスティング。リトリーブしてキャストすると、カウントダウンがおよそ60秒。タイプ6−7でおおよそ8〜11mを探っている勘定。でも、今回はこの方法では身を結びませんでした。
芦ノ湖のレインボートラウト
結局、トローリングで釣れている情報のタナだと釣ることが難しいので、西岸急進部の壁打ちへ。エンジンかけっぱなしでバックギアに入れ、少しずつ流しながら、木々の隙間へ入れていく。この方法でやっとこさ1本キャッチ。オデコ覚悟だったので、嬉しい一本。それにこの時期はヒレピンしか釣れないから、その引っ張りっこが超楽しい。サイズは40cm弱ってとこ。ヒットフライはラマファイバーで作ったリーチパターンです。
芦ノ湖のドライフライフィッシング
シンキングラインを投げまくっていると、岸際2mのラインに回遊しているレインボーを発見。すかさずフローティングに持ち替えてキャストするも間に合わず。この方法で見事に決まったのが1度だけ。しかしジャンプ一発で外れました。ドライのサイトフィッシングをするのは10月中旬以降が良いでしょう。
キャッチアンドリリース
結果的にいつもよりも少し先走りすぎたかな。芦ノ湖の秋シーズンはハーミット予測で15日以降からシーズン。政府はGoToキャンペーンを仕掛けているけれど、目先の値引きよりも釣果優先。釣れる時期に釣れる場所へ行きましょう。芦ノ湖の秋シーズンはもうすぐそこです!

ラマ・イントルーダー

ひと昔前にハーミットでラマストリーマーファイバーと言うのを売っていた事を覚えてますか? そんな人はかなりのハーミット通です。かつてこのマテリアルを使って本栖湖用のワカサギストリーマーやソルトフライを作って成果を上げていた私ですが、訳あってこのマテリアルが死ぬ程あります。調べればこのルーツという会社はすでになくなっているのですね。

このマテリアルがあまり売れなかった理由は簡単で、皆さんが使い方がよく分からなかったのです。そして発売当時は利用方法が限られてましたが、今であればきっとイントルーダーやチューブフライを巻く人のマテリアルとしてかなりの需要があると思います。さらに刻んでダビング材にしたりストリーマーのボディにしたり、その用途は色々。なのでまずはその巻き方を載せてマテリアルの方はセール価格で販売しようという企画。うまいこと売れてくれると良いのですが・・・。

この後に何度かこのマテリアルを使って他のパターンも紹介する予定ですが、まずはこのイントルーダー。細かく写真を撮ったので、とてつもなく長いタイイングブログになりますが、参考になれば幸いです。暇な方はどうぞご覧くださいまし。

ルーツのラマストリーマーファイバー。長さが28センチもあるので、長さの調整ができる点が優れもの。沢山残っているカラーはスティールヘッドやサーモン、トラウトカラーなので、海で使えそうなカラーは少なめです。ルーツのラマストリーマーファイバーはこちら。
今回はアキュレーテッドシャンク・ビッグゲームを使ってますが、余っていたからです。皆さんは通常のアキュレーテッドシャンク35mmをお使いください。まずは下巻きです。後で裏返しにするので、通常はフックを挟み込む方を下にして巻きますが、今は上向きになってます。
フックを取り付けるためのワイヤーはフックシャンクの約4倍の長さでカット。それを半分に折り、フックがギリギリ交換できる長さに巻き止めるためにフックを持ちながら後ろに突き出すワイヤーループの長さを決めます。決まったらスレッドで何回も巻いて巻き止めます。
ワイヤーは動かぬようにシャンク全体にスレッドを巻きます。余ったワイヤーはアイに通して折り返しさらにスレッドで巻き止めます。して今巻いたアイ近くのワイヤーの上にリブドタングステンボディをしっかりと巻き止めます。巻き止めたら満遍なく瞬間接着剤を塗りましょう。
次に用意するのはラマファイバー。袋から全部出さずに、使う長さ分を横一杯にカットしちゃいまっしょう。横幅いっぱいにカットすると、イントルーダーはおおよそ6〜8本くらい巻けると思います。カットする長さはフックシャンクの長さのおよそ2倍以上の長さ。
まずは先ほどのバイスの位置から180°ひっくり返してください。そしてカットしたラマファイバーを20本ほどとスパークルファイバーを少し巻き止めます。この作業はやらなくても良いですが、フライの芯の部分のマテリアルが欲しいと思う方は巻き止めてください。
巻き終えたらそれとは別にカットしたラマファイバーを100本ほど(写真の様にスカスカな感じの量)取り、横幅約8センチほどに広げます。そしてその上にピザのトッピングの様にお好みで同じ様な長めのファイバーを乗せていきます。今回はスパークルファイバーとフロロファイバーを少し乗せました。
マテリアルクランプを持っている人は、テーブルからそのマテリアルを少しずらしてクランプで挟みましょう。持っていない人はこの準備作業はありませんので、次のダビングループを作ったら、そっとこのマテリアルを持ち上げて、ループに挟み込みましょう。
ダイビングループの作り方は、まず左手の指にスレッドを引っ掛けてシャンクにスレッドを巻きつけて輪を作ります。先ほど準備しているマテリアルの幅が8センチほどありますので、輪の大きさは最低でも12センチ以上は欲しいです。写真は輪を作って指を引っ掛けている状態。この後ボビンは邪魔なので、前方(アイ方向)に巻き進めて避けておきます。
今作った輪っかに先ほど下準備したマテリアルを挟み込みます。手でやる方はそっとやらないと崩れます。家庭内の応用できる製品は大型のクリップですので、それを使うのも良いでしょう。
マテリアルを挟み込んだらダビングツイスターを使い、その輪を回転させて挟み込んだマテリアルが抜けない様にします。回す回数は人によってそれぞれですが、20回以上は回すと思います。挟み込んでできたブラシはグチャグチャですが、シャンクに一回転するごとにクシなどでほぐすと良いでしょう。私はスティールブラシで均しています。
マテリアルのブラシ8センチ分を巻いてクシで平すとこんな感じです。
今巻き終えたマテリアルのすぐ前にギニアフォウルフェザーの先端を巻き止めます。不要な先端は抜けない様に折り返して止めて、カットしましょう。
ギニアフォウルは丁寧に内側に生えているファイバーを後方(鈎側)に撫でながら螺旋状に巻き止めましょう。するとこんな感じ。スレッドは約3センチ程アイ方向に巻き進めて、今度はマイラーティンセルを巻き止めます。このマテリアルは往復しますので、一旦フック方向(写真左)へ巻き進めてギニアフォウルの位置まできたら反対方向(写真右)に巻き進めて元の位置まで巻いてスレッドで巻き止めます。巻き止めたら不要な部分はカット。
マイラーティンセルを巻き終えて余りをカットするとこんな感じ。あとは前半のボディを残すのみ。
フライの姿勢を保つために巻いたリブドタングステンボディの半分は傷隠しの様にラマファイバーを数本巻き留めてスレッドに寄り、巻き進めましょう。
出来上がるとこんな感じ。見た目の問題なので、この作業もやらなくてもOKデス。
2回目のダビングブラシを作る作業です。フライはグラデーションをつけるとカッコイイので、先ほどのラマファイバーよりも濃いめのラマファイバーを、先ほどよりも少しだけ長めにカット。そして100本ほどを取り分け、8センチ程の幅に広げます。先ほどと同じ様にお好みで光のものマテリアルを少し入れましょう。
先ほどと同じ様にダビングループを作り、下準備したマテリアルを挟みます。そしてツイスターでそのループをよって同じ容量で8センチのブラシを作り、タングステンボディを隠す様にヘッド方向へ巻き進めましょう。ブラシで整えると写真の様な状態になります。
今巻いたマテリアルのすぐ前に、今度はスペイコックの先端を巻き止めます。スペイコックがない人はヘロン(サギ)のダイドカラーを使うと良いでしょう。スペイコックは鈎方向(写真左)に撫でながら巻いて巻き止めます。余った部分はカット。
手で撫でて形を整えるとこんな形になります。
このままでの十分釣れるフライですが、ジャングルコックがあるとカッコイイしフライが締まって見えるので、持っている人は両サイドに巻き止めましょう。
最後にギニアフォウルフェザーを巻き止め、先端の余分をカット。そして先ほどのギニアフォウルと同じ様に写真左に撫でながら巻き、最後はスレッドで巻き止めましょう。余ったマテリアルはフィニッシュし、完成です。
フィニッシャーでスレッドを巻き止めたらカットし、最後に瞬間接着を塗布して完成です。上手く作れると幅があり流れに揉まれても萎まないフライが出来上がります。流れに乗ると大きさが変化して生きている様に見えますヨ。
できたフライのワイヤーループにフックを通したら、こんな感じ。大型のレインボーやブラウンを狙う場合、人気のあるカラーはスティールヘッドパターンと同じでパープルやチャート、オレンジにオリーブなどのグラデーションが掛かったものが人気のパターンです。フライサイズはご自身のフィールドに合わせて大きさを変えてみてください。あなたがフライタイングを頑張ったご褒美はきっと、モンスタートラウトに違いありません。

ロングドライブ

ご来店の皆さんは気付いている方も多いと思いますが、最近車を置いてません。車無し生活が早2週間を過ぎようとしています。パジェロ君は恩年9歳になり少しずつパーツ交換を進めているのですが、コロナウィルスの余波でディラーさんの休みが増え、そして部品工場との休みが噛み合わず、さらにパーツ品切れが重なる三重苦。いつになったら車が帰って来るのか首を流して待っている日々が続いてます。

パジェロくんが休暇を取っているからといって私が釣りに行かないという選択肢は無く、休みともなればしっかり釣り仲間の誘いがあり、連れて行ってくれると言う釣り生活2週間目。

今回は岩手県生まれのファーガスが手に入ったので、他の大地での魚の引き味を教えるためにあえて逆の方向を目指したのが昨日。私が購入したのはファーガスファインループ6フィート4インチ3番4ピース。終盤だし小さなタナビラでも釣ろうとロングツーリングに出かけたのですが、果たしてどうなったでしょうか・・・。

釣り人は大体四駆に乗ってます。今回は赤のエクストレールにての釣行。片道が300km近く走るのは先週のブラウンクラフト(ブラウントラウト)釣行と同じ遠さだけれど、今回は日帰りなのね。お疲れ様でした。
この地方の河川は並行して道が走っている所が多いのですが、あえて道がない場所を選択。川幅は少し広かったので、ロッドはスコット。そんな場所は放流もない代わりに人があまり入らないので大物が出ます。しかし、今回はそんな場所からのバイトは一度だけ。それもこんな時期だから、二度は出ません。
タナビラを釣るつもりで入った川なのに、なぜかイワナがお見えになりました。ま、釣れないよりはマシなので、記念撮影をパシャリ。
一本目に入った川が不発だったので、少し走って上流の枝沢へ。いつもはこの水量の倍はあるのですが、ちょっと少なすぎ。魚はいても走り回るだけで釣りになりません。
そして次に入った川で尺ヤマトくんを頂き、ファーガスに入魂完了。この岩の周りにいない筈は無いとしつこくフライを流した結果がコレでした。
その後はまた別の川へ行き巨岩帯での釣り。土日中ピーカンで虫飛ばずの状態は渋々で、反応はあれどもばらしまくり。私はタナビラを4本掛けて全部ネットランディング前に落っことしてしまう始末で写真無し。やっぱりバーブレスフックはバレますなぁ。大きいものは8寸半までありました。
家を出たのが朝の3時で、その後無休憩で釣り続ける二人。馬鹿に付ける薬はありません。
ヤマトくんの特徴は白点がなく虫食い模様がないこと。臀鰭のホワイトティップがとても綺麗です。
釣りは休む事なく18時半まで。イブニングはな〜んにも無いのはこの時期としては致し方ないかな。とは言うものの、いつもの大物ポイントででっかいヤマトくんに遭遇し、千載一遇のチャンスとばかりに鼻先にキャスト。ドンピシャで落ちたフライを咥えたかと思ったら、突っついただけ。もう一度投げたらフライのぐるりと見渡し、淵底へと帰って行きました・・。逃した魚はいつでもデカイです。
楽しい時間はあっという間。帰る時にふと気づく事はしゃがんで休憩する事も無かったので、車のシートに潜り込んだ時には、どっと疲れてきましたとさ。しかし無事に帰宅するまでが釣りですから、帰りは安全運転デス。今年の渓流シーズンは残すところ1ヶ月。皆さんの渓流納めは予定はいつですか?

Flying Ant

Go to トラベルはどこへやら、感染者の増加に外出は萎縮してしまった方も多い筈。都知事が「不要普及の外出を自粛してください。」と言われて、かなりのお客さんが家に篭っている感があります。そんな方々へむけて今時期によく釣れるフライングアントを巻いてみましたので、参考にいかがでしょう? と、こんなこと言っている時点でハーミットも超暇してますので、こんなタイイングのネタで少しでも小銭を稼ごうとブログを書いている訳であります・・。

フライングアント(羽蟻)は春から秋にかけて巣分かれをして新しい住処へ移動する時に僕らが見かけます。私の経験で言えば羽蟻の出現期は梅雨から夏にかけてがピークであり、特に曇天から雨空の時に多くの流下が見られます。今時期のイワナやヤマメにストマックポンプ(食べている虫をゲロさせる道具)を入れると、多くの羽蟻が出てくることからアリが好きなことが伺えますヨ(クロオオアリムネアカオオアリ)。ストマックポンプを使ったことがない人は今度試してみてね。

慌てて撮ったのであまり写真が綺麗じゃないのですが、それはアントは色が黒だから背景色を変えなくてはという事でダンボールの背景を使ったのが仇となりました。プロカメラマンの皆さん突っ込まないでくださいね(笑)

Flying Ant

Hook:がまかつ B11-B・#14
Thread:ユニスレッド8/0・ブラック
Doby:TH ドライフライダビング・ブラック
Leg:ムースボディ
Wing:スイスストロー・ダークブラウン
Hackle:コックハックル・ブラック
Wing Post:パラポストウイング・ホワイト

バイスにフックを固定して、シャンクの真ん中あたりからベンドへ向かってスレッドを巻きます。ボビンからスレッドを引き出し、ワックスを塗りましょう。
今塗ったワックスの部分にダビング材をより付けます。ワックスをつけることで引っ掛かりができるので、ダビング材はスレッドに絡みやすくなります。それでも止まらないという方は、ダビング材の端っこをベンドに巻き止めてその端っこを引っ張りながらダビング(縒り付ける)と良いでしょう。
アリンコを作るので、雰囲気はこんな感じ?腹の部分の完成です。スレッドは1mmほどアイ方向へ巻き進めて、胸までのくびれを作ります。
腹から1mmアイ側へ巻いた箇所にムースボディを写真のように巻き留めます。これはアリの後ろ足。私は後ろ足を付けたほうがより釣れると思っていますが、手順を省きたい人はこの足の部分を省きましょう。ムースのいらない部分はカットします。
今巻き止めたムースボディからさらにアイ側へスレッドを巻き進め、アイから約2mm位の所にパラポストウイングを巻き留めます。今回は1束を二つ折りにしてます。
パラポストウイングをシャンク(軸)にしっかりと巻き止めたら、パラポストウイングをスレッドで写真の様に束ねます。根本をしっかりと巻き、瞬間接着材を一滴たらしておきましょう。
ボディは2回に分けて巻きます。まずは先ほどの腹を作った要領でスレッドにダビング材を縒り付けますが、かなり少なめに付けてください。その少なめに付けたダビング材をパラシュートポスト周辺に巻き止めます。
羽蟻の羽はスイスストローで表現します。まずはシワシワになったスイスストローを写真のように広げます。約10センチほどでカットし、2-3mm幅にカッターで細長く切ります。
その一片をスレッドに半分にして挟み込みます。このままスレッドを今巻いたダビング材の上に巻き、このウイング材がフックの真上に来る様にして3-4回巻き止めましょう。
すると写真の様な感じに。ウイングはこの状態では長いのでバランスを見てカット。左右の角も丸くなる様に少しカットしましょう。
カットするとかんな感じ。ちょっと短かったかな?ウイングポストがまだもじゃもじゃですが、この部分はタイングが終わった後にカットします。
コックハックルをまずはシャンク(軸)に巻き止め、その後にパラシュートの根本にさらに巻き止めます。
ハックルのいらない軸部分はカット。その後に2回目のダビング作業。中途半端だったアリ胸部分を形よく膨らましますので、適量でダビングしてください。ダビングが終わったら、ハックルを巻き止めます。
コックハックルは4-5回転ぐらいが良いでしょうか、お好みです。ハックルを巻いたらスレッドでしっかりと固定し、スレッドはアイ部分へ巻き進めます。そしてアイの部分でフィニッシャーかハーフヒッチャーを使って巻き止め、スレッドをカット。ヘッドセメントを塗り、パラシュートウイングをお好みにカットして完了です。
出来上がりはこんな感じ。一番上の写真にある本物に似ているかな?羽蟻は一般のアリよりも少し大きいので、フックサイズはこの14番でドンピシャだと思います。ムネアカオオアリを巻く場合は12番で巻いてください。
こうやってフライを下から覗き込んで、イワナやヤマメが喰いつく瞬間を想像してくださいな。きっとあなたはもう夢の中で、尺ヤマメが釣れていることでしょう。