巻きたくなる衝動

「好きな事を商売にできるって羨ましいですね。」とよく言われるのですが、ところがどうして、一番のお客さんが自分だったりするので儲かるどころか貧困になってしまうんですな。例えばキャナルさんが見事なジャングルコックケープを持ってきた場合、我先に買ってしまうのは自分なのであります。まぁそんな塩梅だから車を買い替える余裕などなく、16万キロも走っている車を騙しなながら乗っているのであります。

連休も終わりに近づいた頃、キャナルさんが車にマテリアルを満載にしてハーミットへ行商に来ました。ご周知の方が多いですがキャナルさんのマテリアルのクオリティは自身で染めて選別しているので、他のメーカーさんとは比べものにならない発色の良さとクオリティがあります。そんな少ロッド生産のマテリアルなので、ネットに記載されることも少ない希少品が多いのもその特徴の一つ。お店へ並んだ途端に私と同じような人達が、そのマテリアルを見て巻きたくなる衝動に駆られるのであります。

今回の私はこのピーコックバイオットに食いついてしまいました。このカラーを見てどうしてもこのマテリアルを使って巻きたくなったので、お店の開店前にタイイングして楽しみましたヨ。出来栄えは? 自分のイメージにはほど多いけれど、巻けたフライを見ながら今度はそれで掛かる魚達の想像が止まりません。

妄想バンザイ!

ピーコックバイオット
ピーコックバイオットなんて、キャナルさんの目線があるからこそできるマテリアル。でも一羽から何十枚も取れるわけじゃないから、すでにこのカラーの店在庫は2枚だけ。それとダンが2枚のみです。
ピーコックバイオット
グースバイオットよりも大きく、さらにターキーバイオットよりも長いのが特徴で、元色の淡いタンカラーに乗せたイエローで、私はビビビッときました。モンカゲカラーぽいかな。
バイオットパラシュート
グースバイオットよりも一回り大きい、8〜14番ぐらいが巻けますが、パラシュートパターンで巻いてみると、モンカゲカラーというよりは、イエローサリーカラーですね。
バイオットパラシュート
写真はフックサイズ12番。ソラックスはタニッシュイエロー。ウイングはヘアラインのパラポストウイングを丸めました。
ピーコックバイオット
老眼なので、写真のピンを確認せずに載せました、スミマセン。クイルウイングの部分はウェットのウイングにしようかとも思ったのですが、厚みがあったのでコンドルクイルと同様の使い方をしてみました。このクイルファイバーを数本カットしてボディに使います。
フェザーウイングフライ
その数本をボディに巻くと、細かな産毛(フリュー)が立ち、雰囲気のあるボディに仕上がります。リブは3/0のブラックスレッド。ウイングはマラードダックのダイドイエローなので、モンカゲっぽいでしょ?ただ難点は思った以上にボディの長さが取れず、10番が限界でした。

ギャンブラー

確かそんな名前のバスボートありましたよね、一昔前。今でもあるのかな? そんなタイトルにしてみましたが、博打はパチンコを含めて一切やりません。そうそうジャンボ宝くじの購入も10年ほど前に辞めましたしね。でもYouTubeで競艇や競輪の様子を見るのはバイクレースを見るのと同様に好きです。

とは言うものの私の釣りは賭け事みたいなもので、似ているとしたら競馬や競艇みたいなものなのでしょうか。釣りへ行く際には過去のデータを頭の中から引っ張り出し、大方の予測をして1日のスケジュールを立て釣る。現場へ行ってみて状況が違う場合は直近で釣り場のプランを変更し、お魚との勝負に挑むのです。なので経験予測で勝負する訳ですが、自然相手なのでその読みは大きく外れる事が多く、万馬券のような尺ヤマメなんて滅多に釣れない訳ですね。でもたまに尺ヤマメを手にしてしまう事があるから、釣りはやめられなくなるのです。なんギャンブラーの気持ちが少し分かる感じ。

さて、昨日釣りは経験の記憶を引っ張り出すと、ゴールデンウィーク明けの釣りは良かった試しがありません。なので考えた場所はゴールデンウィーク向けに少しでも放流がある所のおこぼれでも釣りに行こうと言う作戦。要は競馬で言う本命狙いと手堅いので、全然ギャンブラーじゃありません(笑)。

ところがギッチョンチョン。下道で3時間も掛けてたどり着いたのは北関東のとある渓。入漁証を購入した後に川を見て気づいたのは、水量が多いこと。まさか? ハイ、この川では珍しい雪代と前日の集中降雨で20cm高。さらに追い討ちをかけるように水温は4℃。ここ川の解禁当初の水温と変わりません・・。水温が少しは上がるかと思って10時まで待ったけれど、水位は下がったものの水温が上がる気配はないので、残りの時間でどうするかを考えて移動する事にした。

新たなスケージュールで移動してみるとこんな結果。一番近い隣の支流の水温はさらに低い3℃のため移動。ならば里側で水温が高い場所へと移動、すると泥濁り・・。さらに隣の川はどうか?水が高いが水温7℃なので1時間ほど竿を出すが、生体反応なし。さらに移動し、ダム直下へと移動するも水位高し、水温は8℃で落ち着いている。

そんなことを繰り返しているうちに昨日の走行距離は450kmオーバー。なんとも、ヤマメ一匹を釣るのに掛かった時間と費用の代償は、配当率1.1倍のような感覚とでもいいましょうか。それにしても寒い。いつになったら震えなくなるのか、時はもう5月の上旬なのに。

北関東の渓
桜はまだ8分咲き。水が冷たいのなんのって。もちろん車に保険のニンフボックスなんて積んでおりませぬ。
ドライフライ
水温が上がるかと期待して待っている間、暇なので、意味もない写真を撮って遊んでます。
寒々しい河原
例年だったらこの時期は虫がワンワン飛んでいる筈なんですが、寒いのなんのって。水温4℃で外気温が8℃とは、解禁当初と全く変わりません。
寒い
最初は水温計が壊れているかと思うほど、水が冷たい3℃。いつもならばプールにゆったりと泳ぎ、メイフライをついばむヤマメが見えるのですが、雑魚さえも見えない有様。即移動です。
北関東
前回、雑魚しか釣れなかった川も音信不通。雪を被った山々は雪が増えているみたい・・。
さらに移動した別の川でひと休憩。夕方4時〜5時の一時間だけライズがあり、それを集中的に狙いましたが、そのほとんどが雑魚釣り。外気温12℃、水温8℃の中に1時間浸かりっぱなしと言う状態。5月だからすでにアンダーを着込むことは考えてなかったので、体は芯から冷えました。帰路の車中は32℃の暖房かけっ放しで帰りましたとさ。今年はなんでこんなに寒いんでしょう?困ったもんだぁ。

 

シーバス(スズキ)と人間の成長率について

ゴールデンウィークもすでに終盤に入り、ハーミット周辺は車の通る音や人の声などほとんど聞こえない、とても静かな時間が流れています。この連休中はずっと仕事ばかりの毎日でしたが、体に良くないので出勤前に潮風に当たってきました。これでリフレッシュできたかな。

東京湾奥はオリンピックへ向けて様変わりする日々で、出航する度にその景色が刻々と変わっていきます。東京湾ゲートブリッジ脇にできるカヌーコースはすでに出来上がっており、中央防波堤との間にある水路は大きな水門ですでに閉じられました。でもまだまだ変わるんでしょうね、オリンピックまでに。

その東京湾の住人であるシーバスはご周知の通りフッコ→セイゴ→スズキという順番で名前が変わる出世魚で、寿命は10年以上のお魚。スズキを60cm以上とするならば、そのサイズに到達するにはおよそ3〜4年は掛かるよう。10年後には80〜1mとなるけれど、メーターオーバーになるにはどれぐらいの確率なんでしょうね。シーバスは最初の一年で25〜30cmになるのですが、残りの9年で一気に3倍になる計算です。

かたや人間はというと、生まれたての平均身長は75cmだそうで一年目は10センチしか伸びません。10歳児で平均136cmと2倍には届かないんですね。でも、生まれてから18年もすると男子は180cmにも成長するので、恐ろしや。あ、私の愚息の話です。

その約18年成長した愚息と、成熟したシーバスの格闘劇。その結果は?

東京湾
後で気づいたのだけれど、もうちょっとオリンピック関連の施設をキチンと写せば良かった。このゲートブリッジ右奥にカヌーの会場があります。
アカクラゲ
絶対触りたくないアカクラゲだらけ。引っ掛けて遊んじゃダメよ。本日はコイツがやたらと浮遊してました。
シーバスと格闘
海でフライロッドを振るのは初めての彼。シーホースの内田船長の言うことをよく聞き、壁際にフローティングミノーを通すと『ドッカーン!』と水面が炸裂。
シーバス
シコイワシをたらふく食べているシーバス君。真冬のシーバスと違いそのパワーに圧倒されます。
シーバス
キャストが決まればナイスサイズが次々と。ウッチー船長にランディングをお願いしてパチリ。
ドッパーン、シーバス
シーバスを釣り上げると、シコイワシを吐きましたが、フローティングミノーと丁度同じサイズですね。
東京湾奥シーバス
結果、最大サイズは62cm。対象物を大きく見せるために身長180cmオーバーの彼に「もっと魚を前に突き出して!」とアドバイス。こうやって写すと、なんとなく身長の半分ぐらいあるように写ります(笑)ちなみに私よりも大きくなりやがったので、話をする時は私は少しだけつま先立ちで威厳を保ちます(笑)
レイクトラウト
7年前の彼はこんな感じ。この時はまだルアーで釣らせていたんだったね。初めてのレイクトラウトをキャッチした時、「人生で一番引かない魚。」と申しておりました。
シーバスのリリース
シーバスの成長率と人間の成長をかけてみたけれど、今回のお題は少し無理があったかな、スミマセン。子供と魚はどんどん成長するのですが、私はなんとなく20歳の頃から中身が成長してないような気がするんですが、気のせいでしょうか?(笑)

ソフトハックルフライ(テンカラ毛ばり)を巻いてみよう

同じフライをずっと巻いてたら飽きてきたので、遊びで巻いたブログネタのフライ。今回は雉のボディフェザーをハックルで巻いた時に使いどれだけ違いが出るかを検証。ではなく、あくまでも遊びで、雉が一羽あればこんなにテンカラのハリ(ソフトハックルフライ)もこんなに遊べるので、参考にしてみてくださいな。

ボディフェザー
オス雉のボディフェザーは取る場所によって異なるカラーを沢山持っているマテリアル。どの場所もテンカラの蓑毛(ウェットフライのソフトハックル)になりますので、雉が一羽あると死ぬほど毛針が巻けるというものです。
雄雉
コンプリートはこんな感じ。2番の所は、ブラウンカラーとグリーンカラーのものがあって、それに違うカラーが入っているので、フライで言うところのスペックルドカラーになります。フライの場合はそれ以外の部分も全部使うので、余すところがないですね。
オレンジパーマボディ
1番で巻くとこんな感じ。ボディはピーコック(孔雀)とフロスを巻いて、夏虫っぽいイメージ。ソフトハックルのカラーにグラデーションがかかっていて、少し光っている感じ。水に入るとよく馴染んで動きます。ちなみにテンカラ毛ばりはフライのジャンルではソフトハックルウェットと呼ばれます。
蓑毛
2番のブラウンを巻くとこんな感じ。綺麗でしょ?ボディはピーコックハールの産毛(フリュー)をむしったクイルと、その上はむしらないで巻いてみました。フックはTMC3769の10番で巻いてます。このフライの流し方を知っていれば、管釣りにだったら相当数が釣れちゃうでしょうね。
蓑毛
2番のグリーンで巻くとこんな感じ、先端が緑に輝きます。ボディ半分は雉の尾を巻いたものに補強でコパーワイヤーを巻きました。胸の部分はピーコックハールです。
テンカラフライ(蓑毛)
3番の部分で巻くと根元が黒く、先端に向かって緑が輝きます。毛質が柔らかく、水によく馴染んで動くのが特徴でしょうか。尻にオーバルティンセル、ボディ半分は赤のフロス。そしてシルバーワイヤー。もう半分はゼンマイの綿をダビングして巻いてみました。テンカラっぽいでしょ?

フライフィッシングでもテンカラでも使えるソフトハックルパターンは、どちらでも使えるフライ。その違いは釣る時のスタイルだけ。フライフィッシングは主にダウンクロスの釣りなので、釣り人が上流側でポイントが下流にあることがほとんど。テンカラの場合は上流でも下流でも流し込みますので、その違いでしょうか。

今はフライロッドを握る日々ですが、テンカラ竿はしばらく振ってないなぁ。今度引っ張り出して久しぶりに使ってみようかな。

何故サクラマスにウェットフライを使うのか?

フライフィッシングをやっていて思うことは、他の釣りに比べると独自のルールを作り楽しむ傾向があるという事。例えばヤマメを狙うお客さんのおよそ90%はドライフライで仕留めたい方で、ニンフボックスを持っていない人もいる程。皆さんはドライフライで釣る方がずっと価値があると考えているのでしょう。まぁ、私もその一人です。

サクラマスの釣りも極論を言えばウーリーバガーでも釣れるのです。特に北海道の方ならよく経験されている事で、レインボートラウトを狙っていて間違って掛かるサクラマスを、なんで本州の人はそんなに躍起になって追いかけているのか分からない、とおっしゃる方もいるほど、釣れる時は釣れます(知らない方の為に、北海道では内水面でサクラマスを狙って釣ってはいけません、狙って釣っている場合はリリースしても犯罪です、警察に捕まります。)。もっとも本州と北海道のサクラマスの密度は比べ物にならないので、対比にはなりませんが・・。

フライフィッシングはとかく、こだわりの釣り。管理釣り場でグローバグを使って入れ食いになるのを卒業して今度は何で釣ろうか、と言うのと一緒。簡単に数釣りをする手段を知っていても、それを封印し新たな自分のスタイルを貫く人が多いスポーツだと思います。なので、他人とサイズを比べたりする人は少なく、自分の納得のいくスタイルで仕留めた魚が例え25cmであっても、その価値はその人にとってはこの上ない喜びなのです。

特にフライフィッシングの場合、サクラマスは通ってもワンシーズンで1〜2本のサクラマスがキャッチできれば上出来なほど釣れないので、その一本の価値を高めたい意識から私の中ではウェットフライで釣ります。ヘアーウイングフライやチューブフライではなく、煌びやかなウェットでどうしても釣りたいと言うこだわり。もしグローバグ(イクラフライ)でサクラマスが釣れたとしても、グローバグが写り込んでいる記念写真を想像すると私にはピンとこないですしね(グローバグで狙っても釣れる確率は変わりません)。

あなたのフライフィッシングには、どんな所にこだわりがありますか?以下にはダンケルドを咥え込んだ個体だけ記載してみました。

ウェットフライフィッシング
私は一年間のうち約7日間だけ、遠征サクラマスの釣りに時間を費やします。限られた時間で釣る一本の価値を高める為、そのフライはお気に入りのウェットフライパターンでありたいのです。
ダンケルド フライ
そして私のフェバリットフライがダンケルド。サクラマスを釣ってきたそのほとんどはこのフライで仕留めています。水に濡れて泳ぐ姿はとても艶めかしく、私がサクラマスだったら、きっと食いついちゃうな(笑) そんなダンケルドが口に掛かった状態の写真だけ引っ張り出し、その時のスイングを思い起こして、今後に役立ててみようかな。
サクラマス
これは一日の間に同じ場所で二本釣れたうちの2本目のサクラマス。その30分前に釣れた1本目のサクラマスの時よりも緊張感がなかったので、クリック音がかなり響いてからアワセ(実際はラインを抑えただけ)たので、一番硬いところに掛かった。でも、5号のティペットがランディングした途端に切れたのでヒヤヒヤものでした(岩に擦れた時の根ズレです)。
曇天でサクラマス
曇天でムワッとした日。次のスイングは沈み石の頭だから、きっと釣れちゃうだろうなとポジティブシンキングでいたら、ヒットした一本。この時は咥え込んだ直後の「ジ、ジ」と言うクリック音の後にすぐにラインを抑え込んじゃたから、一番危ない鼻掛かり。サクラマスはこの部分がとても弱く、この状態で強引に寄せて口切れする事で泣いた事がしばしば。緊張しすぎて失敗するケースはこの掛かり方です。
ダンケルドとサクラマス
晴天のど日中に水温が上がり、機嫌が良くなったサクラマスが食ってきたのがコレ。ラインとポリリーダーはインタミかホバーなので水面直下の釣り。波がよれているところの上を通過した直後にリールから「ジ〜、ジ〜」とラインが引き出され、その後ラインを抑え込んでアワセたので、パーフェクトなフッキング。最近は緊張しすぎて、この掛かり方ができない・・。ちなみに滅茶苦茶太く見えるティペットは6号(25LB)です(笑) ここまで太くすると根掛かりした時に困るので、現在は4-5号(16〜20B)に落ち着いてます。細くないと釣れないと思っている方、フライ絡みが多くないですか?
サクラマス
雨が長らく降らず渇水が続いたので、サクラマスはきっとラン(一つの流れ)の頭にいるだろうと思い、ラインをいきなり出さずに、キャストごとにラインを伸ばしてうまいこと掛けられた個体。ロッド2本分程の距離なのでダブハンがいらないほど目の前。釣り人はいつでも魚が遠いところを泳いでいると思っているけれど、お魚はいつでもその時に一番快適な場所にいます。ランディングネットが巻き込んでいるので、ボディが細く見えるけれど、実際は太くて立派なサクラマス。
サクラマス
朝方に対岸の少し下流でルアーマンがサクラマスをキャッチ。サクラマスは群れで行動しているから、きっと同じ場所でまた釣れるはずだろうと思い、水温が上がる時間まで待って同じ場所を攻めてみた。流れがとても緩い場所でラインのテンションが少し足りないので、自らロッドでラインテンションの負荷を掛けたら、ウグイみたいなあたり。ラインが走り出さないので聞きアワセしたら、この場所にフッキング。喰いが渋いんですね。ちなみにロング(リーダー)ティペットの人には笑われるかもしれないけれど、私はいつもティペットは50cmほどしかありませんし、遠征時はドロッパーも付けません。リーダーはポリリーダーだから、ナイロン部分が50cmしかないんですね。なぜかって? それはお店で聞いてみてくださいな。
ウェットフライ
ずっとダンケルドを投げていると飽きるので色々なウェットを投げますが、私の場合ダンケルド以外のフライにサクラマスが掛かる確率は20%もありません。使っている時間を考えると仕方ないですね。今年はもう一本くらい、気持ちの良いスイングでサクラマスをキャッチしたいので、連休中は日々ウェットフライを生産し、その日を妄想しながら精進いたします。

GWは芦ノ湖で銀ブラ

『銀ブラ』をググったら大正時代にできた言葉なんですね。私は江戸っ子なので祖母の買い物について行った幼少時代は銀ブラへついて行き、男はすぐに飽きるので親父と共に早々に映画館へ馳せ参じるのが常でした。ここでは芦ノ湖へ通う人の話で、『銀ブラ』と言えば芦ノ湖銀座でブラウンハントの意です。

ザギン(銀座)でハンブラ(ブラウンハント)といえば、ちょうど芦ノ湖の首のような場所を指します。西側では箒ヶ鼻から小杉の鼻辺り。東側で言えば、胴切から庭石あたりまででしょうか。ゴロタ石が点在する急深と樹木が被さるポイントが点在し、その岩陰や木陰にブラウンが潜んでいます。

ひと昔前の芦ノ湖は、その場所にタイプ3のラインでグレーゴーストやミッキーフィンを岩陰に投げ込んでリトリーブするスタイルで、ボート際まで追ってくるブラウンを見て興奮したものです。それがシーバスのフローティングミノーが流行った頃から、湖のワカサギシーズンが急にドラワカの釣りへと変貌したのです。なので、ドラワカの釣りって結構歴史は浅いんですヨ。

さてさて、そんなドラワカの釣り。以前に私が出した予報通りで水温があと2〜3℃足らず、一昨日のブラウンの活性はまだイマイチな感じでベストコンディションはGWだと思います。それでも水温が上がった午後には少しの反応があり、水面にヌボ〜っと上がってくる姿を見るだけでも興奮します。

今週末からはとても長いゴールデンウィーク。芦ノ湖あたりだったら渋滞にハマっても、たかが知れているので、時間を作ってお出掛けしてみませんか?私の釣り予報ではゴールデンウィーク頃が絶好調な筈です。そんな芦ノ湖ゴールデンウィークの釣り方は写真と共に以下でちょっと説明しましょうか。

芦ノ湖タックル
芦ノ湖全部の話をすると話が長くなるので、今回はこの時期のボートフィッシングに絞った話。手漕ぎでも問題なく楽しめます。ただし、ボートに立ってキャストするのは慣れが必要なので、安全のために座ったままキャストしましょう。エンジンとエレキを使える方は、上に書いたブラウン銀座を参考にお楽しみください。タックルは9ft8番にタイプ1とタイプ3。それと、9フィート6番をドラワカ用に持ち込めばベストです。
芦ノ湖説明
水温が上がるまでの10時ぐらいまでは、陽のあたるシャローレンジ(緩やかに水深が落ちる場所)で引っ張りの釣りをお楽しみください(湖尻では桃源台から椿の鼻。元箱根、箱根湾はそれぞれ湾内)。現在の一番魚が固まっている泳層は5.5mラインです。その泳層の上を引くイメージなので、タイプ3で投げてカウントダウンのタイムを30〜50秒の間で色々と試してみてください。今回は40〜55秒でした。それだけ沈めると魚の泳層に届きます。水温が上がってきたので、やや早めのリトリーブで良いでしょう。毎日の水温の変化はノザキボートさんのフレッシュ日報を見て確認しましょう。
芦ノ湖How to
湖面に少し日が射してくると、ユスリカにライズする個体がみられます。どうしてもオデコを免れたい場合は、タイプ1を表層早引きでオレンジ&パートリッジを投げてください。大きさを問わなければきっとライズの主が釣れる事でしょう。また、もう一つのオデコ逃れとして、ハーリング(フライタックルでフライを引っ張る事)を試みてください。移動する時にボートをゆっくり漕ぎながらタイプ3のラインを全部出します(約30ヤード)。フライはなんでも良いです。トローリングの船を見習い(トローリングのラインよりもやや内側が良いです)、岸から約100mくらいの場所でゆっくりと引いていれば、時にロクマル以上のサイズが掛かります(ティペットは細くても3Xです)。
10時過ぎにマッタリとして釣れる気がしなくなったら、ボートで漕いで行ける範囲の急深な場所へ移動しアンカリング(錨を下ろす)しちゃいましょう。疲れた場合は岸際に向かってドラワカを放って、ボーッと眺めましょう、食いつく可能性があります。気合が入っている人は、アンカリングせずに岸際の隙間へフライを打ち込み続け、ポイントをくまなく釣りましょう。
芦ノ湖How to
湖尻からボートを出した場合は、神宮が一番近いポイント。元箱根湾からボートを出した場合は、箱根神社から成蹊までの間あたり。箱根湾から出した場合は、三ツ石からトリカブト辺りを試してください。
ブラウントラウト
一昨日は水温がまだ少し低めで、ブラウンが姿を見せたのは百貫ノ鼻から南側の方が反応が良かった感じです。ちなみにブラウンだけのお話をすれば、皆さんが思っている以上に岸ギリギリにいます。感覚としてはブラックバスのトップウォーターフィッシングに似ています。今回は午後に何匹かのブラウンがドラワカに反応しましたが、残念ながらヒットさせる事ができず。写真のブラウンは引っ張りでの釣果です。
芦ノ湖の魚
結果、釣果は二桁にギリギリ届きませんでしたが、引っ張れば釣れるのでこのゴールデンウィークの釣りではオススメできます。ちなみにこの写真には三種類の魚が写っているのですが、真ん中の魚がなんだかわかりますか?これがわかれば結構ツウですね。もう少し大きければお持ち帰りして食べたのですが・・。

 

ミセス・シンプソン

ミセスシンプソン

昨日タイイングしている最中にコックフェザントのボディスキンを見ていたら、急にミセス・シンプソンが巻きたくなったので巻きました。このフライが日本でメジャーになったのは私の記憶では西山徹さん辺りが日本に紹介していたからの気がします。随分と昔の話なので間違っているかも知れないので、まぁ、信じないでくださいな。

ニュージランドの必携パターンとして有名なこのフライ。グーグルに『ウォリス・シンプソン』と入れればこのフライの由来となるお方が出てくるので、興味がある方は歴史を学んでみてください(私は全く興味がありませが、それだけ魅了されるフライという意味)。

さて、そんなフライ。ちろん私も雑誌の影響を受けて巻いてたひとり。このパターンはニュージーランドのブラウンキラーと言われていたので、持っていった先は本栖湖と同県のK川そして芦ノ湖です。その成果は芦ノ湖とK川はそこそこのブラウンをこのフライで釣りましたが、未だ本栖湖で火を吹くことはありません。

オリジナルのレシピは忘れましたが(テールがスクイレルテールだったと思う)、ウイングに使う雉のグリーンバックフェザーは何枚が正しいのか?というのを当時は酒を飲みながら論議していたことをふと思い出しました。

せっかく巻いたので、どこで使おうかな。やっぱり本栖湖で釣りたいですねぇ、でっかいブラウン。でも今では夢の夢で、オオニベと同じぐらい難しいことです・・・。

Hook:D-Hook 2421・#6
Tail:カーフテール &雉のバックフェザー
Body:オレンジシェニール
Wing:コックフェザント グリーンバックフェザー(全部で6枚)
Thread:ダンビルマスタースレッド・ブラック
*オリジナルのレシピではありません。

オレンジ&パートリッジ

いつでも使える保険のフライです。先週、芦ノ湖はだいぶユスリカにライズするトラウトがいたので、このフライを使えば手堅く釣れるというものです。こんなちっちゃいフライですが、意外にデッカイのも喰ってくるので、侮れません。

このフライを使うときはラインはフローティングかあるいはインナーミディエイトでを使用してください。リトリーブは長いストロークで細めのティペット(3X〜4X)で引っ張るとビックリするくらいヒットする事があるんですヨ。ただティペットが細いのでアワセは緩くふんわりと、走られたら出来る限りリールファイトで楽しみましょう。

管釣りでもこの時期はバクハツしますので、オススメです。ポンドの管釣りは表層早引きで。渓流の管釣りはダウンクロス(下流斜め対岸)へ向かってキャストし、ラインは引っ張らずにロッドでアタリを取ります。その際はアワセずに向こう合わせで釣りましょう。もちろんテンカラの人も楽しめる一本です。

ちなみにこのフライは説明が要らぬほどタイイングは簡単。ボディをアイからフックベンドへ向かって往復巻きます。そしてパートリッジを巻いてお終い。先ほど巻き始めて40分ほどで12本のタイイング。量産できてボックスいっぱい。でもね、マテリアルをあまり使わなさ過ぎて、フライショップ的には儲からないんで、釣れるフライだけれど内緒にしてます(笑)

Hook:TMC3761・#12
Thread:ダンビル マスタースレッド 6/0・ブラック
Body:シルクフロスオレンジ
Hackle:パートリッジグレー or ブラウン

オレンジ&パートリッジ
ハックルの量はお好みですが、私的にはあまり巻かないのが好き。3回転くらいがベストだと思ってます。真ん中から左がブラウンカラーで、右がグレーカラー。このわずかな違いでも食いが変わってくる事があるので6本ずつ巻きました。
ボディはシルクではなくナイロンフロスでも問題ありません。ハックルの大きさはフックシャンクの長さぐらいが適当。引っ張ってしぼみ、止めると傘の陽に開くこのフライ。イメージは表層に向かって羽化するガガンボです。

春の足踏み(芦ノ湖にぷかぷか浮かぶ)

僕らが思い描いたシチュエーションはこう。朝イチは表層早引きでサクラマスをゲットし、水温が上がる頃までレインボートラウトを引っ張りで数本キャッチ。上着が脱ぎたいと感じる外気温になったら、ゴロタ石が点在するポイントでドラワカブラウンハント。「ちょっと釣り過ぎちゃったね。」と、お昼にうえ乃ボートに戻ってカツ丼を食べ、午後はサラッと流して早上がり。

昨日はムッチーと二人で出掛けたのですが、この妄想シチュエーションが合致したのは、うえ乃ボートに戻ってカツ丼を食べた事だけ。釣りの予想は全て覆されました。今年は春が足踏みしています。朝イチは桟橋が凍っており、出船すると無風状態。風が出てきたら状況が好転するかと思ったら思いの外風は冷たく、そしていつまでたっても水温はビリビリする程冷たい状況。船の帰港時間ギリギリ近くまで投げてレインボーはポツポツ釣れるものの、抱卵してひっくり返っているワカサギは全く見当たらず、湖面を炸裂するブラウンを見る事はありませんでした。

水温はまだ10℃を下回る状態なので、この状況からハーミット的芦ノ湖週間予報をしますと、まずブラウントラウトは外気温の上昇に伴い今週末から少しずつ好転し、ゴールデンウィーク前半がドラワカシーズンとなるでしょう。今週末はユスリカ発生にて、表層早引きにレインボー爆釣注意報が発令される予定ですが、ヒメマスが混じる事があります。またサクラマスは朝一番の引っ張りで釣れる確率は1/50人。時にシルバーサーモンがヒットする事もあるので、万全な対策でお出かけください。

以上、ハーミットの釣り予報師、稲見がお伝えしました。外れても恨みっこなしヨ。

今シーズンのゴールデンウィークはきっと皆さんの爆釣で笑顔が止まらない事でしょう。
いいなぁ。

芦ノ湖レインボートラウト
朝6時から8時ぐらいまでは湖尻北部でずっと引っ張ってました。が、無反応。ユスリカがようやく出始めて、それを喰うレインボーとヒメマス用に、オレンジ&パートリッジを用意してください。
芦ノ湖と富士山
外気温が上がり始めたその後、湖尻から湖を左回りでドラワカ打ち。でも芦ノ湖を半周打ちまくっても、全くの無反応。定置網にはたくさんワカサギは入っていたので、ドラワカシーズン突入までにはあと1週間以上先になりそうです。
魚探
芦ノ湖一周をドラワカで叩きましたが全くの無反応だったので、残った時間を効率よく過ごすため、魚探で反応を見ながら魚が多く溜まっている場所を探して重点的に攻めました。
芦ノ湖のレインボートラウト
魚はヒメマス混じりでサイズは25-47cmまで。ヒレが回復した綺麗な個体が中心で、魚の引きは抜群です。水はまだまだ冷たく、8秒も浸けていると手がビリビリします。
レインボートラウト
ムッチーは最後の最後に良いサイズをうえ乃ボート前でヒット。ラインが走られてやりとりを楽しんでました。ヒレピン最高!
レインボートラウトの尾ビレ
尾ビレの回復した個体。午後3時過ぎは水温が高くなり喰いがたちますので、時間の余裕がある方は夕方5時ぐらいまでロッドを振った方が良いです。
レンボートラウト
桟橋へ戻ってリリース。今回はドラワカでブラウントラウトが釣れなかったけれど、ドラワカでのハンティングは皆さんがお楽しみください。

爆風でスランプ(トラウト狙いの筈がスモールマウスバス)

相変わらず下道を走り、宇都宮の通勤渋滞にハマりながら通釣している私。何か変わった事が報告できれば良いのですが、爆風と天気の急変で翻弄された一日で釣りに関しては何も進展がありません、スランプです。

現在は田んぼへの水引が始まったので水位が幾分落ちたのですが、相変わらず水温は6℃で春は足踏みしている様。昨年との大きな違いは、ここぞというポイントというポイントからスモールマウスバス くんが釣れてしまう事。昨日は3ヒット2強制バラし、ラインを緩めても外れなかった1キャッチ。心苦しいですが条例に従い、今回も生きたまま土葬とさせて頂きました。

その後爆風はおさまる気配が無かったので、支流へ逃げ込みヤマメをドライで楽しむ予定でしたが、上流部はなんと雪。結果、爆風の雪雨でなすすべなく退散しました。往復350キロの下道の釣り。高校生の頃に国道4号線を原付で青森まで走り、フェリーを使い北海道まで釣りへ行っていた事を考えると大した距離ではないのですが、オデコは精神的によろしくありませんなぁ。

水は冷し、春は何処。

ダブハンの釣り
爆風が伝わりにくいですが、体が持って行かれてよろける程の爆風でした。フライラインが思ったところへ全然いかないので退却し、風裏を探して上流へ。
スモール
今回もある場所でワンキャスト目からヒット。ちょっと増えすぎですな。漁協が躍起になって駆除するのが分かります。だって本流に雑魚がいないんだもの。そしてコヤツの腹はパンパン。グリズリーキングが勿体無い・・。私のウェットボックスは絶賛エンプティ中・・。
雪
本流を諦め山に囲まれた上流へ行けば少しは風が凌げるだろうと思い上流へ60km移動。でも怪しい雲が追いかけてきて、雪になっちゃいました。素手で釣りをしていたので先日の北海道よりも寒くて手がかじかんでしまう。一時雷も鳴って車へ退散。
コカゲロウ
そんな状況で川面へしゃがむと雪混じりの雨の中、沢山のフタバコカゲロウが流下。こりゃすごいライズが起きるかと期待したけれど、何にも起きません。念のため1キロほどつり上がったけれど無反応。そして爆風でポイントへの命中率50%以下・・。
カワムツ
天気が一瞬だけ良くなった時間にヤマメちゃんが一発だけ出たけれど途中でバレてしまい、その下で釣れた珍客カワムツくん。オイカワなら歓迎だけれど、コヤツは本来、関西の魚。稚鮎と一緒に移植されてしまい、繁殖力旺盛の北関東の雑魚。オイカワはとんと皆くりました、なんかなぁ・・。