雷様に翻弄され甲信越を諦めて北関東へ歩きに行った件

🎵あれがあなたの好きな場所、港が見下ろせる小高い公園〜♪

今回の釣行で何故かオフコースの『秋の気配』が耳から離れなかった昭和ミュージック。これ以外に『もう歌は作れない』や『ロンド』など、何故かまだそんなに売れる前のオフコースばかりの曲が蘇ってくるのです。どれも秋っぽい曲の為にセンチな気分になってしまう曲が思い出されるのは、きっと釣果のせいでしょう。そう、沢山歩いた割には思ったほどの釣果がなかったのです。

関東地方の梅雨明けはまだですが、これだけ暑くなってきたら標高の高い場所へ行って涼み、思い描いた釣果を求めたくなるこの季節。この時期私の好きな場所は甲信越の標高約2500mを分水嶺とする南アルプス周辺にある川で、車止めから2時間半ほど歩き、その後川筋を数回高巻いてようやく辿り着く巨岩隊の釣り場。近年フライフィッシャーマンの平均年齢はかなり高くなっているので、最近では山奥に入って出会う釣り人はエサ師か若いルアーマンしかいませんから、ここで他のフライフィッシャーマンに会った事がありません。

今年もゲーターの季節がようやく始まったなぁと思いながら翌日の準備をしていると、甲信越のお天気はどうやら正午を境に雷予報。どの天気予報サイトを見ても同じで、さらにここ数日間の積算雨量が多いため水位が高め。車を置いて3時間掛けてポイントへ付いても、釣りができる時間は正味3時間程度。歩く時間の方が長い事を考えるとを考えて、当日になって急遽北関東へと場所を変えるのでした。

予報を頼り出掛けたのは行き慣れた源流なのだけれど、そのポイントの車止めにはすでに先行者あり。林道がないその川は退渓時は川通しで戻って来られることを考えると、あえなく断念。2番目に入ろうとした川へ戻ってくると丁度別の方が入渓準備をしてました。こうして私たちは方々を探し歩くポイント難民となり、思い描いた釣りは残念ながら一切できないのでありました。

『秋の気配』一部抜粋:♪大いなる〜 河のように〜 時は流れ戻るすべもない〜♪

今回の戒め:釣りのプライムタイムに自分がどこに立っているかはとても重要である

関東周辺の河川
今回の釣行で思う事は、天気が良い日は釣り師が湧いて出てくるのだと感じた。一つの川(沢)に車4台なんて、平日なのにありえない。昨今のアウトドアブームでリークされた川はどこも釣り人がいっぱい。ようやく辿り着いた場所は今年二度目の入渓になってしまった。ここは昨今は振り返ると後追いの人が見えるほど人気になってしまった。愚痴を少し言わせて頂ければ、魚を持って帰る事は悪い事ではないのですが、魚(資源)は無限ではありません。毎日同じ川から一人20匹づつ天然繁殖の魚を持って帰ったらどうなるか、よく考えて欲しいものです。”他の人もやっているではないか!” と反論する方もいますが、それでは本末転倒です。あなたが釣り続けたいのならば、持ち帰るなとは言いませんが、自身の中でバックリミット(持ち帰り制限尾数)を決めて欲しいものです。
ヤマメを釣る
親となる2年魚以上の大きさはことごとく抜かれてしまい、釣れる最大は6寸前後。今年生まれた、いたいけな幼魚だったら釣れますが、要は今年産卵するであろう個体が少な過ぎる感じを受けます、あくまでも個人的な見解ですが。
ヤマメ釣り
午前の部はいくら登っても魚影の少なさが際立つばかり。こんな川じゃなかったのになぁ・・。釣り上がる程、気持ちが萎えるばかりです。
関東の渓流
午前の部を終了後に少し休憩をして午後は別の川へ移動。車止めの入渓点から入っても良かったのですが、ホリデーアングラーが週末ごとに魚を持って帰る事を考えると下流部は釣る気になれない。仕方なしに釣りをせず1時間歩いたところから釣りをすることに。
関東のイワナ
最近は1時間ごときの歩きじゃ、お魚は釣れません。結局そこからさらに2時間以上釣り上がった所から、ようやく魚が顔を出し始めた。どんだけ歩かされるんだよ、という感じ。既に時間は進み過ぎて日中の活性が高い時間帯を過ぎてしまい、間も無くイブニングタイムという時間。こうなると退渓時間を考えてあと30分で納竿するしかありません。
関東の渓流
区切りの良いポイントを決めてそこで退渓することにしたのですが、釣れ始めたことに後ろ髪を引かれて、後もう少し・・。そんな事やっていたら案の定、予定時間を過ぎてしまいました。
沢イワナ
最後にもう一本オレンジ色のお腹を持った沢イワナを追加して退渓。あぁ、本日はよく歩いたなぁ。
獣の骨
以前退渓時間を見誤って、真っ暗な林道を歩いて帰ったことがある。曇りの日で星もなく本当に真っ暗な上にライトを忘れたので、右手で草むらを感じながら何時間も掛けて降りてきたのです。そんなことが無いように、やっぱり釣れるからと言って遅くまでやるのは厳禁でしょう。今回もかなりギリギリの退渓になったので、大きな獣が草むらでガサガサやってましたが、それが何であったかは確認できませんでした。この森は動物たちの森ですから、僕らはお邪魔させて頂いている認識を持って山へ入る準備をしなくてはなりません。

 

 

季節を先取りして出掛けた野反湖の釣りは五里霧中

先週末の中禅寺湖はG7閣僚会合の為に23〜26日まで禁漁となり、「管理人さん、27日(火)は休みなんでしょう? 中禅寺湖、独り占めできまっせ!向こうで会いましょう!」的なお誘いを頂きました。しかし私は少し天邪鬼。きっと皆考えている事は同じで人だらけではなかろうか。そもそも人が多い釣り場が苦手な私は中禅寺湖からとんと足が遠のいている。それに午後に用事があるので釣りは半ドンだから入漁証がもったいないなぁ。

少し考えたあげく出した答えは、同じ湖ならば人がいない野反湖でドライを浮かべようと思いたった私。そして睡眠時間を温存するために仕事先からそのまま関越道を目指し、車中泊をして早くから釣りをしようという寸法。この時点で毎回書いているブログの戒めを読み返せって感じですが、ここ5〜6年は6月に野反湖へ行った事がない事実が後から分かりました。そんなことに気づく事もなく7月の釣りスタイルをそのまま頭にしまい込んで出掛けてしまいました・・・。

「野反湖は前日入りで車中泊の方が楽ですよ。」と、これも別の方からアドバイスを頂いたので実行した訳なのだけれど、関越道を渋川・伊香保インターで降りた頃までは良かったのだが、中之条あたりから雨が降り出してきた。更には国道405号線を走る頃にはまさしく五里霧中。イエローのフォグランプでギリギリ数メートル先が見える位の濃霧で、ハイビームを付けてしまうとハレーションして前が全く見えないのです。既に狭路に入ってしまったので途中で止まって寄せて待つ訳にも行かず、時速10〜15キロのスピードで車を山側に寄せて道路端を確認し、ゆっくりと前を進むしかありませんでした。そのお陰で頂上へついたのは13時過ぎと言う今までで一番時間が掛かってしまい、結果的に睡眠時間はほとんどありません。

あぁ、今回もやっちまったな。持ってきたフライも全く合わず、お昼過ぎには不完全燃焼のまま山を降りるのでした。

今回の教訓:お前さんは何のためにブログを書いているの?備忘録が役に立ってないじゃない!と、もう一人の自分に叱られた気分・・。

野反湖・ニシブタワンド
そもそも今回の釣りスタイルは7月中旬〜9月上旬の釣り方なので、普段私はこの野反湖でどんな釣り方をしているのかを、秘密な訳ではないので書いちゃいます( 野反湖のページのポイント名を見ながら想像してね・こちら)。夜明けからすぐはこの一番人気のニシブタワンドでライズをやっつけます。夜が明けてすぐにエサ師が写真中央に見えるワイヤー(電線)下左に入ってしまうので、それよりも前に入れば、一日ここに陣取れます(一本釣れたら私の場合はすぐに他へ行きます)。崖ですがすぐ足元を回遊するレインボーを見ることができます。釣り方は人それぞれ。私はドライフライで狙い撃ちしますが、今回は1時間待って何もありません(季節が違うので)。写真右側の崖が以前より崩れ、ニシブタザワのインレットは幾分浅くなりました。
野反湖・ニシブタワンド・南側
ニシブタワンドは対岸のワイヤー下手前にも入れますが、減水している時になります。こちら側の小さな岬はバックが取りやすく、足元で小型レインボーが多数ライズします。一応反対側に回ってチェックしましたが、晩夏とは違いビートルや蛾が落ちず、大型魚のライズ無し。7月中旬を過ぎれば良い場所です。
野反湖・ツツジ見晴
ポイント名:ツツジ見晴からダムサイトを望む図。この岬は南からの風でスカムライン(ゴミが寄って落ちた虫が集まる筋)ができるので、その筋を見つけて三角頭を出す大型レインボーに向かってドライフライを投げます。釣れないからと言ってフライのサイズを落とすと、小さなレインボーが先に掛かってしまいます(オデコ逃れには良いですが・・)。平水時はここまで地面がありません。満水時はバックがダム方向の直線上だけ取れます。
野反湖・テン場
今回は減水しているので、見下ろせる草花との境界線沿いを歩いて魚を探して歩るき、ようやくレインボーを見つけたのがこのポイント名:テン場です。曇りだったので見つけるのに一苦労しましたが、レインボー以外に20センチほどのイワナも岸際(岸から約50cm〜1mほどの近場)クルージングしてました。
野反湖・ボロマスくん
そのテン場でようやくやっつけたのは、この放流ものの片鰭ナシくん。スリンキーなこやつはドライフライには全く無反応(今回見つけた大物は季節の違いなのか全部無反応)。仕方なくフライをストリーマーに変えて小さめのゾンカーで釣りました。
野反湖:シラカバ淵〜蛇帝ヶ原の間にある岬
シラカバ淵〜蛇帝ヶ原の間にある岬は大物回遊ポイントで、良い時期はダブルハンドの方が陣取っています。距離が飛ばなくても一日中根性出して引っ張り続ければ、一度ぐらいはアタリが必ずあると思います。でも私はずっとドライでサイトフィッシング。今回は季節を間違えていつものパターンが全くハマらず、右往左往しましたが・・。
野反湖:蛇帝ヶ原
ポイント:蛇帝ヶ原にはいくつかの小さな流れ込む筋があります。その前は全てポイントでこの辺から押出しあたりまでが綺麗な個体が多いポイント。私はこの辺を重点的にサイトフィッシング。今回はこの区間で数本のイワナとレインボーの回遊を見ましたが、全くドライには反応せず見にくることもありません。ちなみに今回は野反湖東岸には行きませんでしたが、かえ摘んで言えば水が動く場所であれば、どこもポイントです(東岸の好きなポイントは北沢放水路とワラビ平(イカイワ沢までの間)かな)。
野反湖・エビ沢&カモシカ淵
ポイント名:エビ沢&カモシカ淵は今回一番熱かったポイント。魚の回遊はほとんど見なかったものの、ウグイの稚魚を追い込み漁している大型レインボーが数本。その光景はまさしく本栖湖の洗濯機(大型レンボーが産卵するワカサギを浅瀬で食い漁ってボイルする様)と同じ。この時点でようやく本日はミノーライクなフライでないと釣れないと確信。ドライを止めてインタミリーダーに小型のゾンカーに変更。15分に一度ペースでボイルが起きたのでそのタイミングでフライを投げ込むと、ドンピシャ過ぎてお互いが引き合ってしまったために、間髪入れずにティペットの継ぎ目から切れました、あ〜ぁ。その後は待てど暮らせどな〜んもなし。という具合に野反湖西側面を2往復もして、今回の釣果はヒレマルくん一本に終わりました。
野反湖・シラカバ淵
岸から林道 (トレッキングコース)に上がるには要所にピンクのリボンや釣り人がつけた目印がありますので、藪漕ぎをせずになるべく同じ場所から上がりましょう。この白樺並木がある場所が丁度シラカバ淵のあたり。ちなみに過去にエビ沢〜カモシカ淵でクマさんに二度遭っています(朝方の行きすがらの山道では頻繁に遭います)。
野反湖・ニシブタワンド
弁天橋の上からニシブタワンドを望む。満水時から10m落ちくらいかな? 写真右側にできたコブのような土砂が今回崩れた場所。前よりもワンドの幅が狭くなってしまったので平水時は橋下ポイントにある写真手前の岬は以前のようには釣れない気がします。帰り際の写真で左奥に見える場所にフライフィッシャーマンが入っていますが、ココがこのニシブタワンドで一番良いポイント。満水時は緑との境界線まで水が上がりますので、その際はダブハンでもキツイことがしばしば。
野反湖・第一キャンプ場前駐車場
野反湖第一キャンプ場手前にある釣り人用の駐車場。購入した入漁証に時間が書いてないけれど、購入した時間は午前3時。雨降りしきるくらい濃霧の中に支度して、ポイントに入ったのは日の出15分前のニシブタワンド、でもな〜んもなし。いつもの夏から秋に向かっては日の出から1〜2時間はたくさんライズしている筈ですので、それを狙って行ってみてくださいな。ちなみに入漁証は自販機があるので24時間買えます(3箇所ありますが今回はこのキャンプ場で買いました)。
野反湖レインボーのお話
今回はお昼過ぎの早上がりだったので、この一本で納得しなきゃならんのですが、カモシカ淵でラインブレイクした一本が突っ込んでくる姿が本栖湖を思い出し目に焼きついてしまったので、どうしてもその魚と比べてしまうんだよなぁ・・。野反湖ブルーに染まったレインボーリベンジは、また夏の終わりに行こうと思いますデス。

 

季節を間違えた訳でも無いのに、鳴かず飛ばずの中越フライフィッシング

今年の私は全てにおいて歯車が噛み合わない感じ。釣りでは長年の経験で時期を読んで出掛けているつもりなのに、天候不良や水温が上がらなかったりでハズレくじ。おまけにいつも行くポイントが最盛期に入ったと勘違いして出掛け、実際には前のめり過ぎていたので現場で違和感を感じるのです。昨日の居酒屋で箸に付いてきたおみくじでは『大吉』が出たのだけれど、今後はそんな状況が好転するのかなぁ・・。

さて今週の火曜日ももちろん釣りです。私が通っている関東近郊のサクラマスの時期も終盤になってしまったので(まだ釣れるのですが、ブナ色が入ったサクラマスは釣りたく無いので)、気持ちは中越か木曽路か福島のいずれかの釣行計画。そしてマッキーの希望で今回の釣りは中越方面の釣りと相成りました。

中越の釣りといえば私のイメージは雷と追いかけっこなのですが、到着して感じたことは涼しい・・。そして春蝉時雨が無い無音状態。春蝉がまだなのか、はたまた終わってしまって夏蝉待ちなのか、カゲロウもほとんど飛ばず、何のフライを結ぶかを悩みに悩んで釣り続けた、そんな中越の渓流行脚でした。

今回の戒め:釣行前に過去のブログを確認せよ

ハーミットのマッキー
「マッキー、そのウェーダーデカくね?」と突っ込む私。と言っても私がサイズを見立ててシムスのLKを購入させたのですが、もっとシュッと着るのであればLでも良かったかな。
上越で人気がある河川
この川は40年前から堰堤だらけの川で、それが途中で遡上しやすい堰堤へ作り直した川。いまだに堰堤を作り続けているという川です。着いてみて思ったのは、いつもよりも水量が多いのと、虫っけが全く感じられない事。気温は徐々に上がるけれど、春蝉も鳴かず何かいつもと違う。
フライフックは13番
フライを小さくすると全く出ず、大きくすると魚の平均サイズが小さ過ぎてランディングネットが要らない。入れ喰いと言われても、このサイズじゃ幼児虐待です。
上越のヤマメ
いっぱい釣ったら良いサイズが混じるかと思ったら、いくら釣っても最大7寸弱止まり。う〜む、何かが違う。蝉は鳴かない、カゲロウは飛ばない。6月のこの時期ってこんなだったっけ?と、悩んでしまった。
ソラックスダン
今ハマっている、デタッチドボディのソラックスダン。フックサイズはTMC112TR・13番。サイズがこれ以上大きくても出ないし、小さくても出ない。おまけにカラーを変えると出ないので、結局このフライでずっと釣り続けました。
上流でイワナ釣り
あまりにもサイズが伸びないので、イワナの領域になる上流へ移動。しかしここでは先行者の後追いになり3人で叩いたので、魚の反応はとても薄かったです。遠くに見える山肌にはまだ残雪があり、水もまだ冷たいです。
上越のイワナ
反応があるのは相変わらず7寸止まり。もう一回り大きいのが釣りたいなぁ。前のめり過ぎなので一旦ウェーダーを脱ぎアイスクリーム休憩を入れた後、悩んだ挙げ句に違う河川へ大移動することにしました。
上越の川
移動時間は1時間ほどで違う水系へ。上流部にはダムがあり、水位は安定しているだろうと思ったら若干高め。そして午後5時を回っても虫たちの活気は薄く、大物を狙うはずだったポイントでライズがあるものの散発。なので小場所へ移動してライズ発見。一投必殺! となるはずが、慌てた私はアワセが強過ぎて9寸オーバーのヤマメをティペット切れしてしまいました。なんか歯車が噛み合わない・・。
ヤマメ
今日はダメだなと諦めムード。しかし、そのポイントを休ませると反転流で別の個体がライズを始めたので、ティペットを複雑な形に流してようやく出たのがこの7寸半。
ヤマメが食べていたもの
「お前さ、いったい何を喰っているの?」とストマックポンプを差し込めば、さしてめぼしいお食事は無し。さてフライは何を結ぼうかと考えてしまう私。
上越のヤマメ
お気に入りのハロップ・パラスピナー・ラスティ#14を結び、さらにそのポイントで粘っていると反転流の巻きで散発ライズ。ギリギリまでディープウェーディングしてなんとかフライがドラッグフリーで流れるとヒット。巻きで出るのだからイワナでしょう?と思ったら、8寸半のヤマメでした。
最後にダメ出しでもう一本釣って納竿。夏至のこの日は19時だというのにまだ明るいんだよね。本当は広いプールでライズする大物を釣りたかったけれど、ライズが散発過ぎて手も足も出ませんでした。今回は宿題を多く残しちゃったから、もう一度雷のシーズンに入ったら上越へ行こうかな。それが私のこの地域でのベストシーズンです。

 

雨が降ると舞い上がる気持ち、関東スイングボーイズの悪あがき

「今度の火曜日は雨だけれど、釣りへ行かないんですか? 前日も結構雨は降っているみたいだし・・。」という釣行の打診が。

ふむふむ、雨ですか。

それを聞いて私がまずする行動は天気予報のチェック。それに続いて過去数日間を遡って行こうとする川の水量などなど。本流は田んぼにひとしきり水が入った後はちょっとの雨では濁らないし、そもそも水位がずっと低い状況が続いていたので、これは遡上魚の活性が上がっちゃうんじゃないの?的な、ポジティブな思考はいつもの通り。結果的に警戒級の大雨でない限り、安全そうな場所を選んで釣りに出掛けてしまう私。今回の条件は水位、水温、季節、天候などなどを考えると、釣れそうな予感が拭えないので朝とは呼べない午前1時に出発。

到着する頃には少しずつ夜が明け始め、川面は釣れそうなムンムンとした雰囲気。心をときめかせながら僕らスイングボーイズは本流にひたすらウェットフライを夜が明け切るまで投げ続けるのでありました。

結果ですか?

まぁ、聞くまでもない、たくさん釣れましたよ。

雑魚が・・。

でも安心してください、釣れてますよ、第二部の釣りで。相変わらずアホらしいほどハードな釣りに、自分の年齢を忘れてしまうのでした。

今回の教訓:忘れちゃ大変な老眼鏡

オイカワ(ヤマベ)
今回のやらかしは北海道から帰って、なか4日で出撃したので忘れ物だらけ。一番困ったのは老眼鏡の類が一つも積んでませんでした。まだ真っ暗な時間に心眼でフライのアイに通す私。そして一投目からオイカワがコンチハ。続いて小鮎・・。合計で雑魚が7本、本流の活性はとても良いですが、遡上魚不在。
スイングの釣り
長いランをステップダウンしながら下ること2時間。まだシトシト雨で暗いのでも別のポイントへ移動する事にしました。
スモールマウスバス
「ん?なんんか掛かった!」との声の後に上がってきたのはスモールマウスバス。数年前の台風で全く見なくなったのに、またもや復活の兆し。コヤツはどんな水害でも無敵なのかな? 8時まで流して本命からの魚信はないので、源流へ向かって一路移動は1時間。
北関東の源流
移動に1時間を要したのに、さらに1時間釣りをせず川を登って開始。大雨予報なのに、僕らはバカですね。前日からの雨で増水しているのかと思ったら、むしろ平水よりも低い状態で釣り向き。さらにこんな天気なので他の釣り人が先行しているなんて事はありません。
イワナ釣り
ポイントへ着くや否や、釣れそうなポイントからの魚信は止まりません。やっぱり雨の日は警戒心が弱くて釣りやすい状況。濡れるのが嫌いじゃない人にはパラダイスですが、急な増水が考えられるので慣れている川だとしても、いつでも撤退できる準備が必要です。何事も無理は禁物。
キノコ
川の周りには知らないキノコだらけ。私は知識がないのでただ眺めるだけ。相変わらず魚は釣れ続けるので前へ進めないけれど、天気は少し回復傾向。
関東のイワナ釣り
1キロほど釣り上がったところから魚のサイズが上がり始めたけれど、この時点で少々釣り飽きた。というか、老眼鏡(Hat Eyes)を忘れたので、フライを結び変える事が容易ではない状況。なので途中から釣りをやめにして、仲間をガイドしながらの釣りに切り替えた。
減水気味の源流
昨日まであれだけ降っていたのに、川は平水よりも少ない状態。お魚は増水して少し喜んでいるみたい。しかしまだ水温は低めで、お魚の本格的な活性はお昼を少し回った頃から。夏イワナまではあと少しって感じ。
イワナ
少し釣ったら帰るつもりでいたのに、結局退渓したのは午後4時過ぎ。睡眠時間が1時間半ほどしかないのに、休みなく釣りを続ける僕らは帰る頃にはフラフラ。モンスタードリンクの力を借りて休み休み帰りましたとさ。さて、皆さんはどんな釣りをされていますか? 私は昨日の釣りで初夏を少し感じました。次回の釣りがもう楽しみです。

大物を求める関東アングラーはこの時期北の大地へ向かう

皆さんもご周知の通り、北海道には多くのフライフィッシングガイドさんがいらっしゃいまして、その費用は一日¥35,000〜¥50,000ほど。少々高く感じたり人によっては自分の力で釣らないと気が済まないという方がいます。しかし遠征して大物(または沢山釣れる場所)を探す時間を考えると、それだけで釣行日程全てを費やしてしまう羽目になるのは事実。翌年同じ場所を訪ねたとしても、ポイントは毎年変わるので同じ思いが出来るとは限りません。

これは海外遠征でも同じで、何も知らずに異国の地でガイド無しだと更にハードルが上がってしまいます。ちなみに海外のトラウトガイドの平均価格は大体$600〜$800位で、更にチップが必要なので、一日ざっくり10万円以上掛かるのでかなりの出費になり、旅費の大半がガイドフィーなんてのは私には普通の事だったり。日本のガイドはきめ細やかな対応をしてくれるのに、チップは必要ないのでつくづく日本は釣りやすい国だと感じてしまいます。

ひと昔前と違い日本でもガイドフィッシングは認知されたお陰で、人気のあるガイドさんを予約するのに一苦労する様になったのは私にとっての弊害。そんな有名ガイドさんの状況は、翌年はすでに予約がいっぱいで埋まっており2年待ちなんてザラな状況。なので私はドライフライで楽しめる6月の北海道の釣りなんて縁遠い人間なんです。そんなガイドの空きが無い状況に、「一緒に行きませんか?」のお誘いで、かなり久しぶりにこの季節に北海道へと出掛けてきた次第。あれ、管理人さんは先週はずっと秋田にいませんでしたっけ?なんて突っ込まれたけれど、遊ぶ時はめいいっぱい遊ぶのが私の心情。

今回は日程をキツキツにせず昼の飛行機で北海道へ向かい、夕食はご当地の美味しいものを頂き翌日から釣りをする算段。飛行機は無事北海道へ着陸し前方の席から順番に飛行機から降り始めた時、ふと振り返ると私から数人後ろに何処かで見た顔が。あれま、お店に良くいらっしゃる○○さんじゃありませんか。聞けばラッキーフィールドのヨッシーのガイドで明日からの釣行だとか。釣り人は釣れる場所を求めて各地へ移動しますが、その行動は皆同じなんだなぁと、お互い大笑いしてその夜は前夜祭として大人数で酒を酌み交わすのでした。

ちなみに帰りの飛行機も偶然同じだったので、お互いの釣果報告をしながらワチャワチャしながら羽田へ降り立った昨夜です。

今回の戒め:あれこれ悩まずに、フィッシングガイドの予約はガイドの空いている日程を押さえるべし

森の中
今回僕らのガイドはキャリコ フライズ&ガイドのムーさん。私は後から決まったオマケみたいなものなので、メインは初めてガイドフィッシングを経験する仲間が楽しめる事。そして思い描いたシチュエーションを楽しみにきたもう一人の仲間が良いサイズをキャッチすること。なのでガイドひとりに対して3名の大所帯なので、森を抜ける時はあえて大騒ぎしながら歩いてました。タックルは5番ロッド中心でドライフライフィッシング。
北海硫黄j
今回は色々な川を沢山釣り歩きましたが、頻繁にメイフライがハッチしている川から水温が冷たくてまだ水量が多い川など、さまざまなシチュエーションをその都度考えながら楽しみました。場所によってはブラウントラウトも出たのですが、残念ながらランディング失敗などでキャッチできていません。
モンカゲロウ
今回のドライフライのキーワードはモンカゲロウとヒゲナガカワトビケラ。ある川ではモンカゲがダラダラとハッチし散発にライズ。フックサイズは8番ぐらい。
レンボートラウト
初めてフライフィッシングガイドを体験するベーキャンのオカピーは予定位通りのナイスサイズをキャッチ。これで一人の任務が完了。
北海道のフライフィッシング。
ちなみに25〜35センチくらいはいくらでも釣れるのでパス。というか、そんなポイントは適当に釣って、大物ポイントを目指します。
余裕のゴーゴーアップのレインボートラウト
そして二人目の仲間は最低目標であったゴーマルをはるかに超える大物を釣ったので、退渓後にはサッポロクラシックビールを美味しそうに飲んでました。
ドライフライフィッシング
その翌日はガイド無しで知っている河川へGo!  毎年川が変わるので以前の面影を少し残しているものの、良かったポイントは流れが変わりポイント消滅。しかし北海道なのでお魚の付き場さえ理解していれば、レインボーは飽きる事なく釣れます。
レインボートラウト
この時期はどの河川も橋の周辺にも人が多く、お魚はスレています。しかし歩くのが嫌いでなければ、ポイントを探しつつ1時間も歩けば、良いポイントが見つかります。
北海道の川
橋周辺以外の入渓は大概の場所は車を置いて藪漕ぎをして入渓するのですが、本州とは違いヒグマさんが棲んでいますので、一人での行動は絶対に避けましょう。熊スプレー、熊鈴は最低限のアイテムです。
ウェットフライフィッシング
翌日はガイドのムーさんにスイッチロッドでスイングの釣りをリクエスト。それに応えてまた別の川のスイングしやすい所へ案内してくれます。
スイング
スイッチロッドでのスイングの場合、キャスト距離は15〜20m程度。なので本流のだだっ広い場所ではなく、ややこぢんまりとしたポイントでスイングスピードを調整しながらアタリを待ちます。
レインボートラウト
レインボートラウトをスイングで狙う場合、圧倒的に良く釣れるカラーは個人的な見解ではブラック。ウェットでもウーリーバガーゾンカーでも良いので黒を結んでスイングするとドーンと来て、リールが反転してこんなのが掛かるんです。今回はこんなお気楽な釣りでありながら、サイズに恵まれ3日間の釣りを楽しんできた3人衆でした。

幻影を追い求めたサクラマス遠征は坊主記録更新

コロナ禍は遠征へなかなか行けなかったので、写真を見返せば2019年を最後にサクラマスにはとんと縁がなくなってしまいましたなぁ。今年も昨年同様に秋田遠征へ出かけたのですが、自分の気持ちだけが前のめりして、どうやら幻影を追い掛けているような日々になってしまいました。

到着日は前日の大雨による大増水でプラス30センチの水位。でも濁りが比較的少ないので午後はなんとかなるかも?と、とりあえず今年の状況をみながらロッドを出せるところで出してみる事に。いつもよりも下流部に入ったポイントではすぐに9寸ヤマメがヒットしたので、もしやその親分を連れてきてくれるかと期待して投げ続けた思わせぶりな初日。

二日目は水位が落ち着き、爆投の一日。昨年サクラマスをキャッチした餌師の方が今年も対岸に入っていたので、軽くお辞儀して少しずつステップダウン。手応えは何も無かったけれど、夕方いっぱいいっぱいまでキャストし続けると、流れ終わりで見た巨大な馬鹿っ跳ね。今年のサクラマスは大きいと聞いていたけれど、遠目に見たそれも大きいかったなぁ。明日はこのポイントで決まりだな、と釣果を確信してポジティブな気持ちで締めくくる。

三日目はそのポイントにターゲットを絞り、時合いが来るであろう10〜12時頃にそのポイントに到着するように少し上流から入渓。昨日と同様に対岸には同じ餌師が、やっぱりお気に入りのポイントを丹念に攻めている。時間が進みいよいよ本番と思った時、対岸の餌師のロッドが今年も大きくしなった。おぉ今年もか、次はワシだなと狙いを定めたポイントへしつこく流す。思ったポイントではアタリは無かったものの、フライを流し切った所にあった岩の前でロッドのティップが二度お辞儀をするがラインが走らない。ん?喰いが甘いのか?

四日目は絶対に釣ってやるとハネがあった場所のみに絞りこみ。もちろん対岸にはいつもの餌師のお方。私は前日と同様に絞り込んだポイントへ幾度となく流し込んだ一日。しかしその日の終わりに見たものは、馬鹿っ跳ねした魚の正体は大鯉だと知りガックリとうなだれる。

最終日はサクラマスの跳ねだと思って狙い続けたポイントを諦め、一段下の流れへと入る。すると昨日まで私が一生懸命投げていたポイントにルアー師が対岸から陣取った。私がタックルを用意しているとそのルアー師が突然雄叫びをあげる。何事か? 遠目ではあるが、彼の足元に銀色の魚が横たわっている。あぁ、やっぱり本命はそこだったのか。

そのポイントはすぐに空いたので、午後はそこで二匹目のドジョウならぬ、2本目のサクラマスを狙ってじっくりと流しこむ。しかし、ウンともスンとも魚信が無い。時間だけが過ぎていくので、昨年もいらしていた遠征組の餌師に一昨日釣った時の状況を聞こうとお話をする事にした。

「昨年はどうも。今年もやりましたね。サクラマス! 遠目で見てたけれど、お見事でした。」

すると彼は、
「え? あ、一昨日の魚ですか。アレは大きなニゴイでしたよ、今日が4日目でまだ釣れてませんが、今日で終わりなんです。」

なんと、てっきり彼はサクラマスをキャッチしたと思っていたが、ニゴイだったのだ。私は続けてこう訪ねた。

「さっき貴方のすぐ下で釣っていた方は雄叫びをあげてましたよね、あのサクラマスはどれくらいのサイズでした?」

「え? あの方ですか。実はあの大声をあげた後に私の方に詫びに来て、大声あげてすみません、実はニゴイでしたという事です。」

私はこの5日間、一体何を追い掛けていたのでしょう?

今シーズンのこの川はサクラマスの遡上量はとても多く、地元ルアーマンの釣果は二桁以上の方がかなりいらっしゃいます。その反面、エサ釣りとフライフィッシングは苦戦が強いられている状況。という言い訳をしてはみるものの、私の釣り仲間はすでに一本キャッチしているし、私に追従して始めたお客様も念願の一本目をキャッチ。決して釣れない訳ではないのです。

見えているライズを釣るのとは違い、博打に近いこの釣りにはやっぱり運も必要でしょうが、今の私はスランプなのかもしれません。釣りたい魚が多過ぎる故にサクラマスの釣りに対する姿勢が恒例行事のような扱いになってしまっているのも良くないような気がします。やっぱりは釣りは情熱を持って接しないとね。

最後になりますが、私の為にポイントを開けて頂いた地元フライフィッシャーマンの皆様に感謝いたします。昔と状況が一変し、私が今持っている技術と知識と勘所だけではどうにも太刀打ち出来ない様です。今後は運に頼らなくて良い方法を更に模索していこうかと考えながら精進いしております。

PS:なんか落ち込んでいる様に書いていますが、相変わらずヤマメは私を癒してくれるので、寂しくない秋田路でした。

ダンケルド
今年使用したダンケルドは#4〜#8で、合計12本。岩に引っ掛けて針先が丸まってしまったもの。オーバルティンセルが切れてしまったもの。あるいはここぞという時に新鮮な餌でないと釣れない気がして、新しくまた引っ張り出したりするので、フライをとても消費します。ちなみにダンケルド以外のウェットを8本使用。
HMTリーダーワレット
ハーミットのリーダーワレットをこんな風に別の形で使ってます。以前はホイットレーのウェットボックスを何個も持ち歩いていたのですが、重くて仕方ないので、ホイットレーは1個にし、残りはこんな風にペチャンコにして運びます。
河原を歩く
流れは毎年変わるので、車を置いて目の前という訳にはいきません。時には延々とジャングルのような草むらを歩いてポイントへ向かいます。
本流ヤマメ
初日に釣れた9寸ヤマメ。体高があり本流らしいパワフルな引きだけれど、ダブハンをしならせるほどの重さが残念ながらありません。
本流のサクラマス釣り
年を追うごとに川幅が狭くなっている(水深が浅くなっている)と感じる私。来年からスイッチロッドにしようかな?
本流のウグイ(ハヤ)
あまりにもアタリがないので、ウグイがいないのかと思い、フライをシルバーマーチブラウンに変えて様子を伺ったら、すぐに釣れました。今年のウグイはダンケルド#6を咥えるほどのやる気がない様です。
タヌキ
秋田は熊の話が多いですが、今年はタヌキさんと3度遭遇しました。栄養が良いのかコロコロしてます。
本流の釣り
なんだかんだで雨の日も多く、ピーカンだったのは一日だけかな?本流なので浸かりっぱなしの時はネルエピックのネオプレーンウェーダーを履きます。
渓流でフライフィッシング
もう渓流の話は書かなくてもわかるので端折ります。本流の後でわずか30分のイブニングでも二桁釣れるレベル。サイズは選んで釣る時間がないのでヤマメは7〜8寸半。イワナは7寸から泣き尺まで。
渓流のヤマメ
一日の釣行時間は8〜10時間で休みなくやり続けていたら、途中調子悪くなっちゃいました。が12時間睡眠で回復(笑)。帰路は大雨で東京まで8時間掛かったので、そっちの方が疲れたかも?

 

夏の源流釣りのために太腿を鍛えに未知の渓流へ

釣りに必要なものをあげれば、釣りの技術や天候に運や根気など上げたらキリがないですが、意外と体力が必要だという事を忘れてませんか? 特にジジイになった僕ら。そう、そこのあなたもそうです。最近河原でコケたり翌日筋肉痛で動けないなんてことがあるでしょう? 私もちょっと激しい渓流へ入る前に肩慣らしをしておかないと、足腰は大変なことになります。更に体を柔らかくバランスを取れるようにしないと、浮石に足を取られてバランスを崩し、肋骨をポキリなんてことになりかねません。いつまでも若いつもりでいる私の場合、ジジイになればなるほど釣りよりも体力や体幹を気にしなくてはならないのです。

通勤で通う大塚駅からハーミットまでの登り坂で、あのストレートを休まずに一番上まで走って登って行く若者がいます。私はつい抜きたくなる衝動でついて行くのですが、50mも小走りをすれば息は上がり、やがてはスローダウン。あの若者と並走したいから鍛える、というのは嘘ですが、少しでも翌日の影響を減らすためにやっぱり太腿は鍛えないとなぁ。今週は釣りへ行っている場合でもないんですが、休みの日にジッとしていられない私は夜明けと共に目覚めちゃうのです(ジジイは皆そうかも?)。起きてしまえば釣り以外にやる事もないので、今回は少し太腿をいじめるつもりで車はいざ北関東へ。

天気予報は午後には雨予報だったので、雨になる頃に本流スイングをする予定。だから本音で言えば3連続オデコは嫌なので、その前に渓流でヤマメをサクッと釣って本流へ戻るという、いつもと逆のやり方。そして選んだ渓流は行ったことはあるけれど入ったことがない区間。高低差と距離はあらかた国土地理院の地図で調べたので、半日掛からずに出て来られることでしょう。

そんな初めての場所のお話は以下の通り。先に内容をバラすと、まぁ結果はいつもの通り大したことはありません。

今回の戒め:ポジティブな気持ちだけでは目的の魚は釣れない・・

北関東の川
入渓点から退渓点までおよそ1kmで、高低差は100mとちょっと。途中に砂防堰堤があり実際には思っていたような落差は少ない渓流で、草木が生い茂り川面に木漏れ日が少し落ちる程度の暗い渓流。良さそうなポイントは至る所にあります。しかし底石が暗い色で深さが分からず、その歩みはゆっくりと苔が多いだけにコケないように進みます(笑)
フライを咥えたヤマメ
良さげなポイントが点在する割には入渓点は魚の反応が薄く、少し入ったところから反応が出始めた。しかしそのほとんどが6寸程度のチビばかり。虫っけはメマトイだけという感じで、夏虫はまだまだの様。
渓流のせせらぎ
せせらぎの音と鳥の囀り以外は何も聞こえず、この緑の中に佇むと、まるでもののけの世界にいる様な雰囲気。
ヤマメの腹
要所要所でヤマメは釣れるのですが、サイズは皆一緒。大物はどこ? 釣ったヤマメの中にはこんなふうにお腹側に斑点がある個体がいました。写真を見て分かったのですが、ヤマメのボディに小さなメイフライがくっ付いてますね。老眼だから現場では分からんかった(笑)
ヤマメ
さしてキツイ場所が見当たらなかったので、あえて大岩を乗り越えてみたり、砂防堰堤を一番辛そうな場所から登ったりして太腿をイジメました。実はその登り切ったところが放流ポイントだということを知っていたので、最後はそこで放流物の数釣りをして癒されようと思っていたのですが、そこにはエサ師がギッチリ。彼らに話を聞くと数日前に放流だあったとの事で、その流れに管釣りの様にヤマメが群れてました。ま、退渓までに10本近く天然モノのチビは釣れたのでそこはスルーして退渓。早足で4時間弱の遡行でしたが、私はそこから車に戻るのに20分以掛けて歩いて戻ります。
ヤマメ
車に戻り本流のプライムタイムまでまだ時間があるので、どこかで休憩しようと別の河原へ移動。移動した先でおにぎりを食べながら河原を眺めていると、目の前に何匹ものヤマメのライズが。どうやらここにも放流があった様だけれど誰もいない状態。シングルハンドはまだ畳んで無かったのでロッドを出すと、サクッと釣れました。立て続けに、簡単に・・。全部同じような放流物なのでやり続けていたら本流の時間に間に合わなくなるので3匹釣って移動です。
本流でスイング
1時間掛けて移動してきた本流は曇天が泣き出し始めた、これはチャンス? 時間を見計らってポイントの頭から2ステップダウン(一回流したら2歩降る)で釣り降ります。早瀬でもターン終りでも細かなアタリが、でも掛かりません。
スイングの釣りでオイカワ
アタリが沢山ある割には何も掛からないのですが、一つの流れの終わりの方でこのサイズのオイカワが2匹釣れました。今まで雑魚として小馬鹿にしてきたヤマベ(オイカワ)ですが、本日の釣りはヤマメよりも本流でオイカワが掛かることの方がずっと嬉しかった一日。本流の釣りは孤独な時間が長いので、ロッドから伝わる小刻みに震える生命感はたとえ雑魚であっても私には大切な緊張なのです。さて、練習は今週まで。来週は本腰を入れないとなぁ。

 

 

モンカゲロウの乱舞を想像して出かけた信州路で完敗

釣り人というものは一度良い思いをした日の記憶を辿り、それがまた起こるだろうと信じて同じような季節に出掛けてしまうのが常。本当は駄目だった日の事を思い起こして、何故駄目だったかを推測し改善する方が次への一歩になると思うのだが、そうはならないのが私の問題点かもしれない。あぁ、今回の失敗はきっと季節のせいではありません、釣欲のせいです・・。

昨年はこの5〜8月の終わりまで、要所で出掛けた信州路のブラウントラウトハント。3年間通い続けてようやくその川が分かった気になって、今年も先だっての火曜日に出掛けたのです。それは第3火曜日なので火曜日店長の釣り研修を兼ねての釣行で、「スイングの釣りはこうすれば釣れるのだよ、ハッハッハッ。」と、簡単に釣って見せる予定だった訳。

今年もいつもの川へ到着すると、その暴れ川を抑えられないであろう新しいテトラがズラリ。まぁ、その場所を外して上下に移動すれば何とかなるでしょう。車から数キロ上のポイントへ25分ほど歩いてから入り、午前中いっぱい釣り降ってロッドへの魚信はコツンと寂しいアタリが一度だけ。昨年この季節のお昼ぐらいにはモンカゲのスーパーハッチがあったので、それを期待してドライフライを結んで釣り上がること夕方まで。虫は何も飛ばず魚っ気を全く感じる事がなく一日が終わってしまい、雑魚さへも釣れず完敗の信州路。

あ〜ぁ、往復500km以上を日帰りですぜ。帰りのパーキングエリアでは3人は肩を落とし、無言で飯を頬張るのでした。

その翌日、伸び切った髪を安い床屋で切ってもらった後、ユルユルの休日を過ごす筈だったのに、ふと気づけば車は北関東の端っこへ向かってしまった。渓流へヤマメを狙いに行けば釣る自信はあるのだけれど、相変わらずポジティブな私は本流イブニングにサクラが咲くのではと淡い期待を持って行ったのです。結果はもちろん何もありません。雑魚のヒットもありません。したがって二日続けて完タコでございます。この二日間の総移動距離は900kmオーバー。相変わらずおバカな私でゴザイマス。

信州の川
昨年のスタートは5月10日だったかな?なのでお魚は簡単に釣れるだろうとタカを括ってました。水温は13℃で問題なし。しかし虫っけがあったのは午前中の一瞬で、下れども下れどもロッドを引ったくるようなアタリを待ち続けるも皆無。
ヒゲナガカワトビケラ
草むらから1匹のヒゲナガがポトリ。おぉ、これは神のお告げ。午後はシングルハンドに持ち替えてヒゲナガを結んで釣り上がること4時間半。な〜んもありません。
信州の川
3人とも無言で流し続けるけれど、誰一人アタリがありません。何がいけないのでしょう? 納得のいく回答が見つからないまま、時間だけが過ぎていきます。
モンカゲロウのフライ
慌てて巻いたモンカゲロウのフライは結ぶ事なく一日が終わりました。イブニングの時間まで待ってもこの季節に虫がな〜んも飛ばないなんて。それも薄暗い中を叩きまわってもチビ一匹さえバイトして来ませんでしたとさ。もう完敗です。
イブニングの釣り
その翌日、体はボロボロなのに北関東の川の本流に立っていました。釣れそうなワクワク感があり、光量が落ちた18時位からキャストを開始して釣り降ります。
黄金バットのお友達
いつまでも明るいのでずっと釣り降り、ふと時計を見たらもう19時半を回っているじゃありませんか。雑魚のアタリは沢山あったものの、一本もキャッチすることがなく終わりました。こんな遅くだから水面にはヒゲナガが流れているかなと思いシャッターを切って見れば、そこには水面上を忙しく飛び回るコウモリが写っていたとさ。撃沈でゴザイマス。

ダウンジャケットを着込むほど寒い朝を迎え本流は撃沈す

この歳になって睡眠時間を削ってまで釣りをしたいという気持ちは我ながら馬鹿だとは思けれど、個人事業主は休みを取れば取るほど収入が減る(というか支出が増える)ので、いっぱい休む訳にはいかないのデス。皆さんがゴールデンウィークに9日間連休が取れたのであれば、私の休みは2日連休が良いとこかな。なんて書いても5月の後半からは遠征が続くのでそんな言葉に説得力はないのですが・・。

さて、その翌日は夜明け前には川岸に立っていたかったので、3時に起床し朝飯を買いにコンビニへGO! 夜が明ける頃には前日とは別のポイントに立っていました。この日の朝は気温が5℃という5月にしてはとても寒い朝。寒すぎて震え上がり、手袋をしてダウンジャケットを着込んでの入水。水温の方が高いものだから朝靄がかかる幻想的な景色の中でキャスティングを繰り返すも手応えは無し。このポイントにも別のウナギ師の仕掛けがあり、私が上がる頃にはジムニーに乗ったおじさんが鰻を回収しに訪れ幾度となく網で救ってましたので、結構取れるのでしょう。

その後に別のポイントを2カ所回って爆投しても、暖簾に腕押し。その頃には暑過ぎるくらい外気温が上がったので昼少し前に午前の部が終了。夕方までのわずかな時間はまた上流へ癒されに行こうかなぁ、なんて思うこと自体、自分はいつまでも18歳の青年だと勘違いしている様です。老体を労って少しは休めば良いのに、せっかちな私はジッとしている事ができないんですな(渓流のお話は以下の写真に続く)。

なので渓流での釣りを終えて本流に足を向ける頃にはすでに体はのあちこちが痛い上に運転に支障が出そうなくらい眠くなったので、自販機のある駐車場で30分ほど仮眠を取ってから行こうとシートをリクライニング。一瞬で爆睡してしまいました。

我に返る頃にはすでにとっぷりと暮れてしまい、ボロボロになった老兵はウェーダーを履いたまま家に帰ることとなりましたとさ。私の真似をする人などいないと思うけれど、自分の体を労って釣りは程々にね。

朝一番のスイングの釣り。
時間、水量、濁り、全て申し分なし。唯一納得がいかないのは寒さ。例年だったら外気温は10℃以上はあると思うのだけれど、その寒さゆえに水温は低くて虫っけは全くなし。釣れる雰囲気は感じられず、雑魚からの魚信もありません。
エアフロのインパクト
唯一の収穫は新たに使い始めたエアフロ・インパクト35ポンドの使い心地が分かったこと。今回で使用4回目だけれど、リールに巻きっぱなしでも癖がつきにくく、表面のコーティングが滑らかでライン絡みがとても少ない。難を言えば高価という点と25ポンドはシングルハンドのオーバーヘッド用と考えた場合、長さが短すぎる(ダブルホールで擦れるところが毎回同じなので、10回ほど使ったら2m位はカットして使う為)と思う点。長さが50〜60m巻きだったら良いのに。
北関東の渓流
ダブハンの釣りは3カ所回っても釣れる雰囲気を感じなかったので、また上流へ行きました。といっても前日とはまた別の渓流です。入渓点は開けたこんな感じの場所ですが、進むと谷が深くなり退渓する時は一苦労する渓流で、帰る頃には太ももが痛くなります。
ヤマメ
連休明けなので残っている魚は餌釣り師が手を出せない木が覆い被さった下ばかり。なので、しゃがんで短い距離のピンポイントキャストが強いられます。こんな川はほとんど低い状態で釣りをしているので身体の柔らかさと普段どれだけ太ももを鍛えているかで釣果が変わります。
木の下を釣る
次のポイントまで匍匐前進に近い状態を繰り返し、木の下でライズする場所へサイドキャスト。思ったレーンに乗るまでキャストを繰り返すとヤマメさんが釣れます。その距離はロッド2本分という目の前なので誰でも投げられる距離。しかし、低い姿勢で狭いところへラインを通すので、そこらじゅうに引っかかるのが難点。その度にその低い姿勢のままフライを回収しに行くので普段使わない筋肉が鍛えらえます。
ヤマメの胃の内容物
この渓流へ入る頃はいつも春蝉が忙しく鳴く頃だから、お魚は目立った大きいものはまだ食べてませんでした。
小さなホットスポット
ひとしきりヤマメを釣ってひと休憩している時、ふと見たこの狭い瀬の中でお魚が4匹泳ぎ回っています。他のポイントと違う点は白泡の下あたりに潜り込めるエグレがあり、他の場所よりも少しだけ水深が深いという点。
イワナ
4匹が泳ぎ回っているけれど、そのうちの1匹を掛けた途端残りの魚は全てエグレに入ってしまったので、一本釣っておしまい。この川はイワナとヤマメの混棲なのですが、緩いプールでヤマメが虫を啄み、イワナは荒瀬の巻きで流れてくるものを手当たり次第食っているイメージ。
デタッチド・ボディ・メイフライ
イワナは大振りなフライで良く釣れるので、今は亡き先輩が好きだったデタッチド・ボディ・メイフライを使ってみた。このフライはお魚にすこぶる反応は良いのですが、魚を釣ると数匹でアブドメン部分が壊れてしまうのが難点。
イワナ
もうヤマメさんは沢山釣ったので、イワナだけ選って釣ろうと思ったら、イワナの方が釣りやすいからなのか、釣れそうな場所からはほとんど釣れず合計4本のみ。なので、また小さなパラスピナーにチェンジして釣り上がります。
ヤマメ
渓流が変わるとヤマメもイワナもその顔つきや模様が変わるので、行き慣れた川の魚はその顔を見るとどこの川だかわかる様になったりします。このヤマメは縦筋模様が特徴で、顔が少し丸く可愛いのです。
ヤマメの腹鰭
それともう一つ腹鰭の肉付きが多く、長い部分はペンキで塗った様に白いティップが入ります。
ヤマメ
あまり前のめりに釣りをしていると本流の時間に間に合わないし、谷が深くなって退渓することに時間が掛かってしまうので、ヤマメがツ抜けしたこの魚を最後に退渓することに。とはいうものの、深く入りすぎたなぁ。
ブナと楓の森
退渓するのには一苦労しましたが、天を仰げば私の大好きな新緑の季節。春蝉が鳴く頃にもう一度楽しませてもらいます。さて本流へ向かいますか、とまた下流に向けて50キロほど移動するバカな釣り人とは私のことです(笑)

恵みの雨にはならなかったスイング本流が不発ならば渓流散策へ

雨→増水→濁り→1日経過→状況好転

こんな図式を頭に思い浮かべてしまうのは、相変わらずポジティブな考えで、のらりくらりと釣り人生を楽しんでいる私。しかしである、今回は朝イチに時合いが来るだろうと予想を絞り夜が開け始めた本流へ入り、増水の中ひたすらキャスティングを繰り返したのだが何の手応えもなし。その前に例年に比べると思っている以上に朝方は寒くて虫っけが無く水温も低め。おまけにもう濁りは取れているだろうと思い投げまくっていたが、明るくなれば酷い濁りの中で爆投してました・・、トホホ。

それでもポジティブに考える私は、「夕方になればベストコンディションで良いことが起きそうだな。」なんて相変わらずな能天気。なのでそこからまた渓流魚を求めて1時間以上の距離を移動するのである(渓流の話は以下の写真に続く)。

午後4時半過ぎが時合いだろうと本流へ舞い戻り、タックルを用意する私。濁りは少しだけおさまったものの水位は20センチ高。でも変化がある時がチャンスの時。車を置いてお気に入りのポイントまで歩き、頃合いを見計らいキャストを始める。すると一投目でコツン、オイカワである。雑魚ポイント貯金をゲットし、益々本命に迫る中、一つのラン(ポイント)を2時間掛けて爆投した。しかし結果は何もナッシング、まぁいつものことです。

そのポイントを投げ尽くす最後の10投付近で4WDの軽トラが一台到着。このおじさんは何かのイブニング狙いなのかと思い、ちょっと声を掛けてみた。

「こんにちは、狙いものは何ですか?」

するとそのおじさんの回答は、

「ウナギだ〜。エサはドジョウで延縄を仕掛けるんだよ。」

詳しく聞けば夕方ギリギリに仕掛けをいくつも投入し、翌朝早くに回収していくそうである。一つの仕掛けに何十本もの針にドジョウを引っ掛けそれと3セット放り投げる間に色々な事を聞いてみた。

「おじさん、この仕掛けにはウナギの他に何が掛かるの?」

「ん〜、ナマズだな。そうそう、あんたが狙ってるサクラマスもたまに掛かるよ。小鮎を餌にする頃だから6月以降だなぁ。」

というお返事。サクラマスは何も食べないと言われているけれど、やっぱり色々なものを食べるのだなぁ、と思った今回の釣行。多分明日はきっとこの濁りも取れて、状況は好転するだろうと14時間釣り続けた後に、河原で車中泊するアラカンの私でした、つづく・・。

北関東の渓流釣り
朝は本流で2箇所回った後、上流部のとある川へ入る私。連休明けすぐなので、プールでライズするヤマメは超シブチン。一本釣ると残りのライズは全て止んでしまう。しかし、荒瀬の中は誰もやらないようで、要所のポケットを探して投げ込むとワンキャストワンヒット、まさしく入れ喰いでゴザイマス。
ヤマメの写真
ココは釣れるだろうという荒瀬のポケットでは全てヒット。それを丁寧に釣りをしていたら、全然前に進めません。なのでツ抜けした時点でこのポイントをやめましたが、わずか15mほどしか釣ってません。
ブラウンパラシュート
荒瀬から出てくる個体は何を流しても掛かるので、フライが勿体無いので以前使ったブラウンパラシュートを選択。お魚にはどう見えているのかなぁと、下から撮影してみた。
ラッフルウォーターを釣る
この写真を見てどこに魚がいるかわかりますか? ヤマメは早い流れと遅い流れの差ができる所の、岩があるその前から出ます。岩の後ろではありませんヨ。
渓流の釣り
ポイントを移動したものの居場所がわかってしまえばこっちのもの。釣れそうな流れはプレッシャーが高くて釣れないので、そのほとんどが荒瀬の中か巻きで掛かります。なので、イワナくんもお目見え。
ストマックポンプを使う
せっかくだから何を食べているのかをストマッックポンプで確認してみたところ、アカマダラっぽい小型のメイフライと、ブヨっぽいもの。それに薄緑の小さいカワゲラが入ってました。お昼頃はこの小さなカワゲラが沢山飛んでいたなぁ。
渓流を歩く
ポイントを進んでいくと、いつも大物が出るポイントまで来た。毎回渋シブライズで泣かされるのですが、今回もドヨ〜ンと浮いている奴は見た目は泣き尺サイズ。案の定、何を流しても喰いません。仕方なくライズの頻度が上がるのを待って22番のフライをドンピシャのタイミングで流すとヒット。そして昨年と同じ岩に潜られてフックアウト。う〜む、8Xは細すぎたかなぁ・・。
ヤマメ
大物とのファイトに敗れたそのすぐ上のポイントで一回り小さい8寸半をキャッチ。気持ちココにあらずの私にはこれで上出来なのかもしれません。ちなみに退渓して車へ戻ると私の横に後追いの釣り車。さらに3台入ってきたので、この川の魚がスレッスレなのも納得です。
アリジゴク
そしてまた1時間かけて本流へ戻り、真っ暗になるまでスイッチロッドを投げ続けた釣果はオイカワ一匹だったとさ。本日は14時間釣り続けて釣りはこれにて終了。翌日は3時起きでゴザイマス。