ダウンジャケットを着込むほど寒い朝を迎え本流は撃沈す

この歳になって睡眠時間を削ってまで釣りをしたいという気持ちは我ながら馬鹿だとは思けれど、個人事業主は休みを取れば取るほど収入が減る(というか支出が増える)ので、いっぱい休む訳にはいかないのデス。皆さんがゴールデンウィークに9日間連休が取れたのであれば、私の休みは2日連休が良いとこかな。なんて書いても5月の後半からは遠征が続くのでそんな言葉に説得力はないのですが・・。

さて、その翌日は夜明け前には川岸に立っていたかったので、3時に起床し朝飯を買いにコンビニへGO! 夜が明ける頃には前日とは別のポイントに立っていました。この日の朝は気温が5℃という5月にしてはとても寒い朝。寒すぎて震え上がり、手袋をしてダウンジャケットを着込んでの入水。水温の方が高いものだから朝靄がかかる幻想的な景色の中でキャスティングを繰り返すも手応えは無し。このポイントにも別のウナギ師の仕掛けがあり、私が上がる頃にはジムニーに乗ったおじさんが鰻を回収しに訪れ幾度となく網で救ってましたので、結構取れるのでしょう。

その後に別のポイントを2カ所回って爆投しても、暖簾に腕押し。その頃には暑過ぎるくらい外気温が上がったので昼少し前に午前の部が終了。夕方までのわずかな時間はまた上流へ癒されに行こうかなぁ、なんて思うこと自体、自分はいつまでも18歳の青年だと勘違いしている様です。老体を労って少しは休めば良いのに、せっかちな私はジッとしている事ができないんですな(渓流のお話は以下の写真に続く)。

なので渓流での釣りを終えて本流に足を向ける頃にはすでに体はのあちこちが痛い上に運転に支障が出そうなくらい眠くなったので、自販機のある駐車場で30分ほど仮眠を取ってから行こうとシートをリクライニング。一瞬で爆睡してしまいました。

我に返る頃にはすでにとっぷりと暮れてしまい、ボロボロになった老兵はウェーダーを履いたまま家に帰ることとなりましたとさ。私の真似をする人などいないと思うけれど、自分の体を労って釣りは程々にね。

朝一番のスイングの釣り。
時間、水量、濁り、全て申し分なし。唯一納得がいかないのは寒さ。例年だったら外気温は10℃以上はあると思うのだけれど、その寒さゆえに水温は低くて虫っけは全くなし。釣れる雰囲気は感じられず、雑魚からの魚信もありません。
エアフロのインパクト
唯一の収穫は新たに使い始めたエアフロ・インパクト35ポンドの使い心地が分かったこと。今回で使用4回目だけれど、リールに巻きっぱなしでも癖がつきにくく、表面のコーティングが滑らかでライン絡みがとても少ない。難を言えば高価という点と25ポンドはシングルハンドのオーバーヘッド用と考えた場合、長さが短すぎる(ダブルホールで擦れるところが毎回同じなので、10回ほど使ったら2m位はカットして使う為)と思う点。長さが50〜60m巻きだったら良いのに。
北関東の渓流
ダブハンの釣りは3カ所回っても釣れる雰囲気を感じなかったので、また上流へ行きました。といっても前日とはまた別の渓流です。入渓点は開けたこんな感じの場所ですが、進むと谷が深くなり退渓する時は一苦労する渓流で、帰る頃には太ももが痛くなります。
ヤマメ
連休明けなので残っている魚は餌釣り師が手を出せない木が覆い被さった下ばかり。なので、しゃがんで短い距離のピンポイントキャストが強いられます。こんな川はほとんど低い状態で釣りをしているので身体の柔らかさと普段どれだけ太ももを鍛えているかで釣果が変わります。
木の下を釣る
次のポイントまで匍匐前進に近い状態を繰り返し、木の下でライズする場所へサイドキャスト。思ったレーンに乗るまでキャストを繰り返すとヤマメさんが釣れます。その距離はロッド2本分という目の前なので誰でも投げられる距離。しかし、低い姿勢で狭いところへラインを通すので、そこらじゅうに引っかかるのが難点。その度にその低い姿勢のままフライを回収しに行くので普段使わない筋肉が鍛えらえます。
ヤマメの胃の内容物
この渓流へ入る頃はいつも春蝉が忙しく鳴く頃だから、お魚は目立った大きいものはまだ食べてませんでした。
小さなホットスポット
ひとしきりヤマメを釣ってひと休憩している時、ふと見たこの狭い瀬の中でお魚が4匹泳ぎ回っています。他のポイントと違う点は白泡の下あたりに潜り込めるエグレがあり、他の場所よりも少しだけ水深が深いという点。
イワナ
4匹が泳ぎ回っているけれど、そのうちの1匹を掛けた途端残りの魚は全てエグレに入ってしまったので、一本釣っておしまい。この川はイワナとヤマメの混棲なのですが、緩いプールでヤマメが虫を啄み、イワナは荒瀬の巻きで流れてくるものを手当たり次第食っているイメージ。
デタッチド・ボディ・メイフライ
イワナは大振りなフライで良く釣れるので、今は亡き先輩が好きだったデタッチド・ボディ・メイフライを使ってみた。このフライはお魚にすこぶる反応は良いのですが、魚を釣ると数匹でアブドメン部分が壊れてしまうのが難点。
イワナ
もうヤマメさんは沢山釣ったので、イワナだけ選って釣ろうと思ったら、イワナの方が釣りやすいからなのか、釣れそうな場所からはほとんど釣れず合計4本のみ。なので、また小さなパラスピナーにチェンジして釣り上がります。
ヤマメ
渓流が変わるとヤマメもイワナもその顔つきや模様が変わるので、行き慣れた川の魚はその顔を見るとどこの川だかわかる様になったりします。このヤマメは縦筋模様が特徴で、顔が少し丸く可愛いのです。
ヤマメの腹鰭
それともう一つ腹鰭の肉付きが多く、長い部分はペンキで塗った様に白いティップが入ります。
ヤマメ
あまり前のめりに釣りをしていると本流の時間に間に合わないし、谷が深くなって退渓することに時間が掛かってしまうので、ヤマメがツ抜けしたこの魚を最後に退渓することに。とはいうものの、深く入りすぎたなぁ。
ブナと楓の森
退渓するのには一苦労しましたが、天を仰げば私の大好きな新緑の季節。春蝉が鳴く頃にもう一度楽しませてもらいます。さて本流へ向かいますか、とまた下流に向けて50キロほど移動するバカな釣り人とは私のことです(笑)

恵みの雨にはならなかったスイング本流が不発ならば渓流散策へ

雨→増水→濁り→1日経過→状況好転

こんな図式を頭に思い浮かべてしまうのは、相変わらずポジティブな考えで、のらりくらりと釣り人生を楽しんでいる私。しかしである、今回は朝イチに時合いが来るだろうと予想を絞り夜が開け始めた本流へ入り、増水の中ひたすらキャスティングを繰り返したのだが何の手応えもなし。その前に例年に比べると思っている以上に朝方は寒くて虫っけが無く水温も低め。おまけにもう濁りは取れているだろうと思い投げまくっていたが、明るくなれば酷い濁りの中で爆投してました・・、トホホ。

それでもポジティブに考える私は、「夕方になればベストコンディションで良いことが起きそうだな。」なんて相変わらずな能天気。なのでそこからまた渓流魚を求めて1時間以上の距離を移動するのである(渓流の話は以下の写真に続く)。

午後4時半過ぎが時合いだろうと本流へ舞い戻り、タックルを用意する私。濁りは少しだけおさまったものの水位は20センチ高。でも変化がある時がチャンスの時。車を置いてお気に入りのポイントまで歩き、頃合いを見計らいキャストを始める。すると一投目でコツン、オイカワである。雑魚ポイント貯金をゲットし、益々本命に迫る中、一つのラン(ポイント)を2時間掛けて爆投した。しかし結果は何もナッシング、まぁいつものことです。

そのポイントを投げ尽くす最後の10投付近で4WDの軽トラが一台到着。このおじさんは何かのイブニング狙いなのかと思い、ちょっと声を掛けてみた。

「こんにちは、狙いものは何ですか?」

するとそのおじさんの回答は、

「ウナギだ〜。エサはドジョウで延縄を仕掛けるんだよ。」

詳しく聞けば夕方ギリギリに仕掛けをいくつも投入し、翌朝早くに回収していくそうである。一つの仕掛けに何十本もの針にドジョウを引っ掛けそれと3セット放り投げる間に色々な事を聞いてみた。

「おじさん、この仕掛けにはウナギの他に何が掛かるの?」

「ん〜、ナマズだな。そうそう、あんたが狙ってるサクラマスもたまに掛かるよ。小鮎を餌にする頃だから6月以降だなぁ。」

というお返事。サクラマスは何も食べないと言われているけれど、やっぱり色々なものを食べるのだなぁ、と思った今回の釣行。多分明日はきっとこの濁りも取れて、状況は好転するだろうと14時間釣り続けた後に、河原で車中泊するアラカンの私でした、つづく・・。

北関東の渓流釣り
朝は本流で2箇所回った後、上流部のとある川へ入る私。連休明けすぐなので、プールでライズするヤマメは超シブチン。一本釣ると残りのライズは全て止んでしまう。しかし、荒瀬の中は誰もやらないようで、要所のポケットを探して投げ込むとワンキャストワンヒット、まさしく入れ喰いでゴザイマス。
ヤマメの写真
ココは釣れるだろうという荒瀬のポケットでは全てヒット。それを丁寧に釣りをしていたら、全然前に進めません。なのでツ抜けした時点でこのポイントをやめましたが、わずか15mほどしか釣ってません。
ブラウンパラシュート
荒瀬から出てくる個体は何を流しても掛かるので、フライが勿体無いので以前使ったブラウンパラシュートを選択。お魚にはどう見えているのかなぁと、下から撮影してみた。
ラッフルウォーターを釣る
この写真を見てどこに魚がいるかわかりますか? ヤマメは早い流れと遅い流れの差ができる所の、岩があるその前から出ます。岩の後ろではありませんヨ。
渓流の釣り
ポイントを移動したものの居場所がわかってしまえばこっちのもの。釣れそうな流れはプレッシャーが高くて釣れないので、そのほとんどが荒瀬の中か巻きで掛かります。なので、イワナくんもお目見え。
ストマックポンプを使う
せっかくだから何を食べているのかをストマッックポンプで確認してみたところ、アカマダラっぽい小型のメイフライと、ブヨっぽいもの。それに薄緑の小さいカワゲラが入ってました。お昼頃はこの小さなカワゲラが沢山飛んでいたなぁ。
渓流を歩く
ポイントを進んでいくと、いつも大物が出るポイントまで来た。毎回渋シブライズで泣かされるのですが、今回もドヨ〜ンと浮いている奴は見た目は泣き尺サイズ。案の定、何を流しても喰いません。仕方なくライズの頻度が上がるのを待って22番のフライをドンピシャのタイミングで流すとヒット。そして昨年と同じ岩に潜られてフックアウト。う〜む、8Xは細すぎたかなぁ・・。
ヤマメ
大物とのファイトに敗れたそのすぐ上のポイントで一回り小さい8寸半をキャッチ。気持ちココにあらずの私にはこれで上出来なのかもしれません。ちなみに退渓して車へ戻ると私の横に後追いの釣り車。さらに3台入ってきたので、この川の魚がスレッスレなのも納得です。
アリジゴク
そしてまた1時間かけて本流へ戻り、真っ暗になるまでスイッチロッドを投げ続けた釣果はオイカワ一匹だったとさ。本日は14時間釣り続けて釣りはこれにて終了。翌日は3時起きでゴザイマス。

シーバスフィッシングの定番であるゾンカーフライが吠えない夜もある

皆さんのフェバリットフライってなんですか? ヤマメを狙っている方だと例えばバイオットダンやコンパラダンなど、あるいは初心者であればエルクヘアカディスなどになるのかな? いずれにせよ過去に実績があるフライは巻き貯めてボックスの中央に鎮座している事でしょう。

私のシーバスのフライフィッシングの歴史は前にも書いた事がありますが意外と長く、遡ること中学生の時分なので40年以上になるのです。その月日の中で一番使ってきたフライはやっぱりホワイトゾンカーになるのかな。ゾンカーはその色を黒やオリーブに変えればトラウトの定番フライとなる訳で、淡水だろうと海水だろうと両方に通用するパターンとして私の中では頻繁に使われるフライとして君臨する訳です。

5月上旬のゴールデンウィークはゴカイのバチ抜けシーズンは終わってしまい、シーバスの食べているものが何に合わせるべきか考えると悩ましい季節。一昨日のシーバスはボイルが沢山あるのに、何を投げてもアタリがほとんどなく、持ってきたフライを片っ端から結び変えてその答えを探します。しかし、何に変えてもアタリはないんですね。シークロのリュウちゃん曰く「迷ったらゾンカー」というアドバイスがあるものの、そのゾンカーでさえボイルの狙い撃ちの時以外はバイトがないという状態。今回はそんな時間が流れていき、魚がいるのにバイトさせるのに一苦労という夜となりました。

これだけやり込んでもシーバスもまだまだ奥が深いと感じた夜、今後のタイイングにも一層気合が入りそうです。

今回の戒め:多くの予測を持って幅広いフライの種類を持ち歩くこと。コレ、ヤマメのフライフィッシングと同じ。

Dマリーナ桟橋
今回の写真は撮影設定を間違えてほとんどピンボケになります、ゴメンナサイ。シークロがあるDマリーナの桟橋には新しいLEDライトが入り、じっとしているとそこでボイルが始まります。しかし、桟橋前なので釣りは禁止でゴザイマス。
横浜の夜
今回はなか二日で出掛けたので、前回の釣行で魚の居場所は分かっているので、まずはそこへ向かってGO! 釣らせる気満々でボートを走らせるリュウちゃんです。
小型のターポンストリーマー
釣行日ギリギリになって小型のターポンストリーマーを#4で巻いたものを持って行ったのだけれど、最初に結んだこのフライは全くの無反応。なので、それぞれバラバラのフライをキャストして、何が当たるかを探る状態。ボイルは散発に続くのに、バイトが全くありません。
横浜のシーバス
色々試しても何の反応もしないので、最後にフローティングミノーを投げてみたところ、見えシーバスがバイト。それを機に皆フローティングミノーに切り替えて、数少ないボイルを狙い撃ちして何とかキャッチ。
東京湾のシーバス
しかしこのポイントでのバイトが続かず、数時間粘ったけれど見切りをつけて、新たなポイント散策。シーバスのご機嫌が悪いのか、それとも食べているものに近いフライを投げることができていないのか、分からない状態。
シーバス
最後の最後に入ったポイントでゾンカーに切り替え、ようやくバースの穴撃ちでシーバスからのコンタクトが増えてきた。サイズは40〜50センチちょっとといったところ。メバルもたまに混じりました(ブレブレの写真なので記載なし)。
シーバス
ようやくそのポイントで全員がヒットしシーバス祭り!と言いたいところですが、バイトの割にキャッチは伸びず、そこそこの釣果。今回はなんでこんなにショートバイトだったのか分からず、次回への宿題となりました。こんな悩ましい日があるからこそ、また時間の釣りに燃える皆さんでありました。写真がブレブレで申し訳ございません。

毎年恒例ゴールデンウィークは東京湾でプカプカする第一弾

皐月は英語でMayなのでMayfly(メイフライ)月間と申しましょうか、本州のどこへ行っても一日のうちのどこかでカゲロウ(メイフライ)が水面を流下し、それを渓流魚が体力回復のためにバクバクと食いまくる時期です。このブログを始める前まではTwitterやFacebookにその釣況を報告してきましたが、このブログだけを見てもやっぱり5月は本流から源流までドライフライの季節なのであります(雪代がおさまらない川は別として)。

とはいうもののゴールデンウィークに突入したので人混み嫌いの私は5月一週目に渓流へは足が向かず、毎年東京湾の上でプカプカと浮かぶという事を続けてます。その理由は前にも書いてますが、ある日突然プレジャーボートの数が倍になったりはしないので海は混雑しないですし、帰りの渋滞も心配がありません。なのでゴールデンウィークはハーミットにとってはシーバスフィッシング週間でアリマス。

今回はシーバスボートスクール便なので、私は引率でロッドは出していませんが、潮風に当たりながらフライにアタックしてくるエキサイティングなシーバスを見るのは野球観戦している野次馬の様で、それはそれで面白いのであります(失礼、釣り方を教える先生側でした・・)。

一昨日夜の釣行はどんな様子だったかはこの後の写真をご覧くださいまし。

今回の戒め:釣りに対する前向きな努力はフライラインの軌跡となって現れる

シークロのリュウちゃん号
今回のシーバススクール船はシークロのリュウちゃん号。前後2名でキャストするのですが、ポイントが変わるたびにそのポジションをチェンジして攻めていきます。
ポイントへ向かって伸びるライン
この年の春はずっと強風続きで穏やかな日がありません。なので、その風に翻弄されるお二人。シーバスはいつでも釣り人に投げやすいポジションにいるわけではなく、時にはオフショルダーのキャストを強いられピンポイントを要求されるので、お魚をどんな状況でも沢山釣る為にはキャスティング努力をしておかないと、釣れる確率は落ちてしまいます。
工場夜景
ゴールデンウィークの最中、案の定釣りへ出ているボートはほとんどないので、行き合うボートはなし。でも強風が邪魔して投げづらい状況。ポイントからポイントへ次から次へと打っていく中、工場萌え〜のポイントがライトアップされてましたが、工場クルーズブームはもう終わったのかな?
シーバスの釣り
シーバスはフローティングミノーに何度か出てくるのですが、ラインの遊びが多いのでフッキングしません。遊び(ラインスラック)があってもフッキングを向上させる方法はシンキングラインにすること。そうすることで、ラインは潮に噛んでラインのスラックはその抵抗で少なく無くなりフッキングが向上します。私的にはフローティングミノーの方がエキサイティングで面白いのですが、釣るという一言で言えばインタミが最強になります。
シーバスのランディング
フローティングラインで何度かのミスフックがあったのでシンキングに変えてもらい、なんとかシーバスがヒット。ハーミットのボートシーバススクールという名前ですが、私はどちらかというと撮影部隊。
東京湾のシーバス
今回はシーバスの数よりもミズクラゲの量が上回ってしまい、シーバス初心者には難しい状況でしたが、普段釣り慣れている方が出船すれば普通に釣れる状態なので心配はありません。ただ大きさを求めると、やっぱり運になってしまうかなぁ。という感じで明日も出船いたしますデス。

釣りにブランクがあるリハビリアングラーに優しい川を探す

私の釣具屋人生はすでに40年以上になったので、お店にいらっしゃるお客さんには色々な傾向があるのがわかります。フライフィッシングはルアーに比べるとその人口が10分の1以下なので、道具の価格はややお高め。なので学生時代からフライフィッシングを始める方は稀で、大体はある程度収入が得られるようになった30歳過ぎぐらいから始める方が多いでしょうか。

独身時代はお金が自由に使えるのでドップリのめり込み、フライを始めて3年もするとスコットやウィンストンといった高価なロッドに行き着いてしまいます。しかし30代といえば結婚適齢期であり、結婚を機に一気にお金が使えなくなってしまい子育てに奔走するとフェードアウト。そして年月が経ち子供が育って時間の余裕が出てきた時にフライフィッシングをまた思い出すのですが、そんな方のフィッシングブランクは約10〜15年。昔の道具を引っ張り出して今でも使えるのか?なんて悩みながら管釣りへ行くと、お魚が昔と変わらず遊んでくれるので、またフライフィッシング熱が再燃する訳です。

これ以外にお父さんがフライフィッシャーマンだったパターンなどもあり、幼少の頃にお父さんに連れられて行った思い出を掘り起こし、35歳前後にフライフィッシングに再燃する方もいるかな?

という訳でハーミットのお客様の年齢は55〜65歳が最も多いのですが、お父さんに連れられて行ったのを思い出して再燃した方は30〜40歳ぐらい。では若い子はフライフィッシングをしていないかというとそうでもなく、漫画の影響でフライに目覚める若者も僅かながらいるのです。そして昨日の夜は中学生時代からハーミットに来ていた子が大学を出て今年就職し、そのお祝いに一緒に酒を呑みに行ったりして、ハーミットは10代から70代と幅広い年齢に囲まれて楽しい釣具屋人生を過ごさせて頂いてます。

さて、今回一緒に行った方のフライフィッシングブランクは5〜6年かな? なので今回は無難に数釣りができる場所を選びながらのフライフィッシング。しかし写真を見返せば人物の写真を一枚も撮っていなかった事に気づき反省。一緒に行ったのは良いけれどワンツーマンで教える訳ではないので、一緒に入渓せずにひたすら歩く事を選んだ私なので、3人で行ったのにほとんど一人釣行みたいなものでした。今回の釣りはむしろ私の方が楽しんでいたのかもしれません。

そんな今週の釣りがどんなだったかが気になる方は、以下の写真ととものその様子をご覧くださいまし。

C&Fのロッドホルダー
最近は運転に疲れているのでお客様の車で釣りへ出かけました。ワゴン車にこのロッドホルダーは便利でしょ。C&Fさんで発売されていたもので、トノカバーに裏から磁石で止め、フロントは前座席の両端をベルトで止めて固定するようになってます。また仕入れて売ろうかと思ったら、すでに製造中止でした・・。
小堰堤の河川
今年は早くからヤマメ狙いばかりしているので、ホームリバーはほぼ行き尽くした感じ。なので、以前にいっぱい釣れた河川を選び、一番釣れた場所をリハビリアングラーに提供。私はまだやったことがないずっと下流へ入り、後追いしようという作戦。しかし、下流部の反応は極小ばかり。結局前回と同じ場所まで上がったところから反応が良くなりました。
ヤマメ三昧
後追いということもあってか今回は大きくても7寸止まりのサイズ。とはいうものの、数は前回と同様にたくさん釣れたので文句は何もありません。フライは14〜16番のパラスピナーとパラシュート。
コンパラダンを正面からみたところ
今回はこのコンパラダンの反応はあまりなし。でもこの美しい半円のフライは好きなので、とりあえずどの場所でも一度は投げてみます。
北関東の川
2本目に入った川は水温が低すぎて虫が飛ばないので、すぐに移動。3本目に入ったこの川は渓装や魚に特徴があるので、広角で写すとすぐにバレちゃうのでこんな写真でゴメンナサイ。
朱点があるヤマメ
綺麗な朱点が側線に沿って少し入っているのでここの天然物だということがわかります。種苗放流された幼魚にはこの朱点がありません。
ヤマメ
交配が進んでこんなふう薄ピンクにボケた側線の個体もいます。ヤマメなのにイワナみたい立てて撮影。この子は胸鰭がしっかりしているのか、寝転がりませんでした。
ヤマメのお食事
ストマックポンプを入れてみると、マダラカゲロウ類とヒラタ類に混じり、カワゲラらしきものも入ってます。
ライズハント
もう十二分に釣っているのに、そのまま帰らずにイブニングは更に別の川へ行くことに。この時間からライズしているだろうと行ってみたら、見事にライズの嵐。んがしかし、チェルノバマダラが飛んでいたのが入渓して5分ほどだけ。そもそも真っ黒けのドライフライのダンなど持ち合わせていなかったので、一番近いカラーのコンパラダンをキャストしてみたのだけれど、本日1番の大きさがミスバイト。その後はな〜んも起きず。
カディス
チェルノバマダラのハッチはすぐに終わってしまい、その後は18番サイズのこのカディスがちらほら。大物のライズは終わってしまい、仕方なく対岸近くの散発ライズを狙うことに。
ツマグロ
最後の最後に釣れたのはツマグロ(ヒカリ)でした。このサイズだとこれから河口へ向かうのかなぁ、それとも来年? 気がつけば大きなサイズは出なかったものの、数だけは相当釣れたので十分満足。というか、もうそろそろ数釣りをやめてイチかゼロの釣果になる大物狙いのスタイルに切り替えますので、今後はお魚の写真が少なくなることでしょう。さて、今回もフライをいっぱい使ったらから、進んでいく季節に合わせて、新しいフライを巻かないとね。

 

桜舞う河原で3.11の年を思い出すフライフィッシング

本流での釣りを終えてマッキーに家まで送ってもらった翌日の事。次の日はゆっくりと体を休めれば良いのに、空の青さと春の暖かさに誘われて私の車はまた北関東へと向うのでした。釣り人ってホント馬鹿ですね(ってか私だけか・・)。

福島県に程なく近いからなのか、この川は4月1日解禁の温泉街を流れる里川。その解禁日は恐ろしいくらい餌釣りの方が訪れて、お土産放流された虹鱒をひとりで50本くらい釣り上げ、満足げにクーラーへ放り込むのです。でもその時期は水温は極めて低くヤマメ釣りへ出掛けたとしてもライズが始まるのが12時過ぎになるので、ドライフライの釣りは成立するけれど釣る時間がとても短いのが難点。

一週間もするとお土産放流の塩焼き用ニジマスは綺麗に釣り切られ、餌師は一気にいなくなります。そして釣られずに残るのはいつもヤマメさんで、この川に桜が咲く頃には一日を通してドライフライフィッシングに専念できるのです。

この川へ降り立ち、ふと思い出した2011年4月のこと。世の中はすっかり消沈し、世間は釣りどころでは無い雰囲気だったけれど、私は釣具屋として平静さを装いながら日々と変わらない釣り情報を発信する為にココへ訪れたのです。

しかし震災直後の温泉街は人などおらず、通る車も全くなく無音の町。唯一空いているコンビニで入漁証を購入するのですが雰囲気はまるでゴーストタウン。釣り師はもちろん人っこ一人おらず、気持ち悪いくらい川のせせらぎ以外何も聞こえない状態。そんな中、川を釣り上がると人がほとんど入っていないであろう状態は、堰堤でヤマメが一列になってライズしているのです。

ライズを見て片っ端にやっつけていると突然地面が大きく揺さぶられ、立っていられない状態になる程の地震が発生。私は大きな岩にしがみついってやり過ごしていると、堰堤の流れはタライに水を張ってチャプチャプと波を立てている様な状態。そんな中でもヤマメはライズを止めず黙々とカゲロウを捕食している姿を見て、地震の時は魚は釣れないなんて嘘なんだなと思ったのです。

あれから12年が経ち温泉街の1/3は廃墟となり新たな宿泊施設が少し増えましたが、街はすっかり様変わり。でもあの頃と同じ桜が今年も見事に咲き誇っているのでした。

北関東のヤマメ釣り
浅くなるポイントもあれば、逆に深くなったポイントもある。どんな川でもそうですが訪れるたびにその流れが変わっているので、以前の記憶をリセットして始めます。
ヤマメ
今年は暖かい日が多いので桜のほとんどは花が散ってました。葉を蓄え始めた桜を横目に釣りを始めると早い流れからすぐにヤマメがこんにちは。放流ものですがこの川はこのサイズが沢山釣れます。
堰堤でライズを探す
この川に到着したのが12時過ぎだったので川面に流下するカゲロウは無く、ライズを探さずにとりあえず早い流れを打ちまくって釣り上がります。
ヤマメ
堰堤下でライズを繰り返す個体はユスリカミッジ#24の釣り。それ以外の早瀬は#14のパラシュートやソラックスダンで次々とハントします。
ヤマメ
今回はウィンストンピュアの7フィート6インチ3番が相棒。久しぶりに使いましたがメチャクチャ軽いんです、このロッド。
春のドライフライフィッシング
解禁日にニジマスを死ぬほど放流し一週間で見事に釣り切られるのですが、早い流れを交わして緩い端のポイントや草木が川原に被っているポイントを攻めるとたまにニジ丸君が釣れます。
ヤマメ釣り
気がつけばわずか1時間ほどでツ抜けするほどの釣果。相変わらずよく釣れる川ですが、昔に比べると入漁料が高くなり日釣り券は¥2,000になりました。私は渓流魚を持ち帰らないので全てリリース。
フライでヤマメ
午後4時ぐらいから小型のメイフライがいっぱい飛び始めたのですが、その頃にはもうゲップが出るほど釣れてましたので、イブニングはやらずに帰りましたとさ。この川をやる場合、いつもならば後半は天然物を求めて沢に入るのですが、そっちの釣りは次回の楽しみにとっておきます。さて、また次週の為にフライを巻かないとね。

春の釣りにおける曇りのち雨は、魚のスイッチが入るGoサイン

ハーミットがなんで第三火曜日だけお休みなのかというと、毎月この日は火曜日の店長の研修日になってます。なので、現在はマッキーの知らない釣りへ引っ張り出して知識を高めてもらいます。それはキャス練だったり、渓流だけに留まらずシーバス船やシイラ釣行など様々なフライフィッシングを経験してもらってます。

さて季節は進み良い時期になったので、今回は何にしようかと考えて三つのお題目をマッキーに提案。

1:芦ノ湖でブラウンのドラワカフィッシング(エンジンボートで私のガイド)
2:私がいつも行っている本流でダブルハンドの体験&練習
3:4/1解禁の渓流でヤマメのライズハンティング。イブニングは別の漁協でイブニングライズ狙い。

そしてマッキーが出した答えは、

「ダブルハンドが全くの未経験なので教えてください。」

との事。ふむ、釣果を求めずキャス練をしたいなんて、こんなに良い季節なのにいい根性だな、と私のホームリバーでキャス練をすることと.なりました。とはいっても、万に一つの確率で本命が掛かるかもしれないしね。

ダブルハンドのキャスティングの難しさはシングルハンドで普通にキャスティングが出来るからといって、すぐには習得できない事は皆さんもご周知の通り。竿をしならせてその反発力で飛ばす原理は同じでもその所作が異なるし、ロッドが長いから同じ軌跡を反復する事さえ最初のうちは大変なんです。さらにウェーディングする深さが変わったり使うティップの重さやフライによって、思った位置にアンカーが打てなかったりするもします。

私でさえ毎回最初のキャスティングは考えながら投げてますし、ポイントが変わるたびに悩みながらキャスティングしてます。天気が悪かった一昨日、そんな調子で二人でキャスティング練習だけれど、もちろんフライはついてます。マッキーには基本の4つのキャストを教え、右岸と左岸のポイントを見つけてそれぞれの投げ分けを教える訳です。最初は苦戦していて力無く伸びなかったラインが1〜2時間も続けると、ある時フッとラインが伸びたりするんですね。まだ投げた後の流し方のイロハを教えてないけれど、あの感覚がもう一度味わいたくなると、ダブルハンドの世界は抜け出せなくなるのです。

そんな塩梅で今回は本流でキャスティングを続けているとあるポイントでいつもとは違うアタリが・・・。

この先を知りたい方は以下の写真を読み進めてみてください。

今回の戒め:重ね得た経験はいつかきっと役に立つ

本流でダブルハンドキャストの練習
よりによってこの日はとても寒く、途中からダウンジャケットを着込みました。さらに追い討ちをかけるように、予報が外れて午後早くから次第に雨が強まりました。この頼りないラインの軌跡を見れば、初心者なのは一目瞭然。それでもキャストを繰り返すたびに自分なりの答えを出して少しづつラインはまっすぐと伸びるようになってきます。
ウィンストンマイクロスペイ10フィート6インチ3番
私は修理から帰ってきたマイクロスペイ10フィート6インチ3番を楽しみに来たようなもの。そして新しいランニングラインの使い心地をチェックします。このロッドは短くて柔らかいのでキャスティングが難しくなりますが、スイングする時のお辞儀の感覚が大好き。やっぱり柔らかいロッドは楽しいです。
モンカゲロウ
午後にさしかかった頃、水面にはモンカゲロウナミヒラタの流下が。寒いながらもモワッとし始め、曇天も手伝ってこれは午後には良いことが起きるかも?的な希望的観測。田んぼへの引き水の為に一気に減水したので、河岸ではオオヤマカワゲラとそれより一回り小さい黒系のカワゲラが大量にハッチしてましたが、写真があまりにもグロいので、そちらの記載はやめました。
スイングの釣り
動から静に変わるスイングの時間。この時はどんなアングラーでも背中に哀愁が漂いカッコよく映ります。
ウェットに掛かるオイカワ
マッキーがひたすらキャス練をしているけれど教え過ぎると訳がわからなくなるので、少し教えては遠くに離れて私はひたすら雑魚ポイントを貯めていきます。このオイカワはメチャ大きかった20センチオーバー。
本流のハヤ
浅いチャラ瀬の中ではオイカワが掛かり、少し緩いスイング終わりではウグイが掛かります。雑魚は高活性だし、雨の振り始めはいつも良いことがあるんです。マッキーには「今日は3時半から4時半には何か良い事が起きるぞ。」とポジティブな宣言をしてましたが、私はマルタウグイかスモールマウスバスでも掛かるかなと思ってました。
戻りヤマメ
「次のスイングは荒瀬から少し深みへ変わるポイントが変化する場所、掛かるならばココだな。」と相変わらずポジティブにスイングを開始すると、ラムソンのドラッグが突然滑り始めてリールがけたたましくヒットを告げるのです。「まさか、スモールでしょ?」なんて思ってたら、ジャンプする姿は細身でさらに首振り、小さいけれど本命じゃありませんか。石に潜られテンションが抜けてバレたと思うこと2度ほど。上がってきた個体は小ぶりながらも戻りヤマメでした。2421の#8に巻いたグリズリーキングが一番良い所に掛かってます。
カワムツのフライフィッシング
私は戻りヤマメ1本で大満足。あとは残りのスイングをマッキーに代わってもらい、キャストを続けると緩くなったポイントからカワムツがヒット。その後も連チャンでカワムツをヒットさせる事が出来るようになったので、「カワムツマスター」の称号を与えました。
戻りヤマメ
この日はとても寒かったのでイブニングの釣りは無しにして、この場を後にしました。この戻りヤマメとて6月後半に釣れば40cm近くまで成長しますから、大物に成長する戻りヤマメは意外と大食いなんです。さて、本流シーズンはまだ始まってもいない感じですが、幸先良いスタートのまま6月のハイシーズンを迎えたいもの。これからもスイングに精進いたします。

日課となったホームリーバーへ通釣しても待ち人(魚)来ず、ヤマメで我慢する

私の中で東北のサクラマスは一週間通して釣りをする、あるいは雑魚を1本釣ると1ポイントとし、10ポイントを貯めるとサクラからの何らかのコンタクトがあると思ってます。それが関東でだと川の近くへ移住するか、その川へ年間60日以上通う。あるいは雑魚ポイントを100ポイントを貯めないと姿を現してくれないのではないかということ。

今回はホームへ通うことで通釣(つうちょう)に雑魚ポイントを貯めに行く釣り。前回までの釣りで雑魚ポイントはまだ4ポイント、先が思いやられるなぁ。それにしても私の一年を考えると、オオニベ本栖湖の大物狙い、メーターアップのイトウを求めたりと、サクラマスを含めて年間を通してなかなか釣れない魚ばかり。そんな釣りへ通っているので、オデコなんてへっちゃら(と言っておきます)。とは言うものの前回と同様に本当はどっちを楽しんでいるのか分からないような釣りが続いてます。

今回の戒め:何かを釣るために犠牲を避けていると、その結果は遠回りになる。

今回は暑いからと言い訳して後のスイングを諦めましたが、一日通して漢らしくスイングをやり切った方が、その気持ちが引き締まったかもしれません。さて、今週の管理人がどんな様子だったかを知りたい方は、以下をご覧くださいまし・・。

本流の釣り
週を追うごとに本流の大物狙いの方々が多くなってきます。今回は3人でスイングをしたので、仲間との距離は最大1km近くなのでいっぱい歩きました。距離があり過ぎて電話でやり取りしないとならないのですが、一番下流に入った私のさらに下流にはルアーの方が淵を狙ってました。
オイカワとハヤと鮎などの雑魚たち
2ラウンド目に入る予定だったポイントは下流にも上流にも餌釣り師が入っていたので、流す場所がなく移動を余儀なくされた。新たに入ったポイントはにぎやかに産卵をしているウグイ、スイング終わりには鮎、そしてピックアップ時にオイカワが掛かると言う雑魚三昧のポイント。川に活気があると言うのは嬉しいものです。しかしあまりにも暑い。水温も上がる一方なので今回のスイングはこの辺で終了し、午後はロッドを持ち替えて上流へヤマメハンティングへ出掛ける事に。
北関東の川を散策
Tシャツ一枚でも良いくらい暑いので、いつもならばまだ行かないかなり最上流部へ移動。川幅もそれほどないので、退渓時間を決めて3人はそれぞれ散らばりました。(PS:FAGUSのロッドばかりが登場するぞとのご指摘がありましたが、意識せずに使ってました。次回は他のロッドを使いま〜す)
上流部のヤマメ釣り
入渓するとチビではあるものの、要所要所でライズあり。それを片っ端から狙って釣り上がるのですが、あっという間にツ抜け。サイズは5寸半〜6寸半といったところ。
ヤマメのお食事
ヤマメのお腹はパンパンだったので、ストマックポンプを使って胃の内容物を確認。すると食べたばかりの生きたクモが出てきましたが、写真を撮る前に逃走。胃の内容物は知らない虫だらけ。そして付近を飛び回る虫は比較的大きめ。
8寸半のヤマメ
数打ちゃ当たる作戦でそのままズ〜っと釣り上がると、ここぞと言うポイントでようやく8寸半のヤマメが顔を出しました。丸呑みされたフライは#14のソラックスダン。
北関東の渓流
もうお腹いっぱいになるくらい数釣りを楽しめたのだけれど、イブニングは更なる大物が出るのではと期待し別の川へ移動。んがしかし、この川の方が水がグッと冷たい。イブニングに虫っけは出てきたものの期待したメイフライ類は何も飛ばず、水面をにぎやかに飛び回っていたのはガガンボの類のみ。
北関東のヤマメ
17時半ぐらいになってようやくライズが始まり、#14スペントスピナーに出てきた最後の締めくくりは綺麗な7寸半でお開きとなりました。結果、ヤマメはサイズこそまだまだですが、20本以上は取ったので大満足。それよりも、数釣りが楽しめた方の川は今年の6月末ごろが楽しみですね。
北関東の釣り
朝5時半に家を出て帰宅したのが20時半。一日中ロッドを振り回し休む事なく釣りをした代償は、今こうしてタイピングしていても眠いの一言。今日は早く帰って寝ます。

ロッドを振り魚信を待ち続ける、北関東スイングボーイズ爆投日誌

「フライフィッシングって所作が美しいですよね。」

フライ以外の釣りをされる方が僕らにこんな言葉を良く投げ掛けてくるのだけれど、確かに他と比べてその動作ひとつひとつが美しいと感じる。音楽で例えてルアーのテンポがロックであるならば、フライは差し詰めクラシック(駄洒落を言えばスイング・ジャズ)でありその所作はまさに優雅である。川に浸かり繰り返されるキャスティングは山々をバックに鮮明に描かれるラインの軌跡が、放たれ生まれたループはまるで生き物の様に伸びていく。特にキャスティングだけでなく釣りが上手な人の所作は私でも見惚れてしばしその様子を観察する事がある。

上手なキャスターから放たれるループは澱みなく線とループを織りなす美しさ。ラインを水面から剥がす時の滑らかで静かな音。放たれるタイミングにリズムがある、ラインが躍動している、全ての動きに無駄がなく焦りが無い。しかしアタリが無く永遠とも感じる時間が続くと、ダブルハンドの世界は時に禅問答の様にも感じる。そんな所作は風音と共に刻々と過ぎていくのだが、静寂を割いてクリックリールが悲鳴を上げる瞬間を待ちわびて、ダブルハンドキャスターは誰しも静と動を美に置き換えてキャストを繰り返すのである。

さて、そんなクリックリールの反転音を待ち望み、ひたすらキャストを繰り返す私たち。前回に比べると水は幾らか温み、田畑は間も無く給水される頃。音楽を奏でるようにキャスティングのリズムを崩さず3ステップダウンしながらスイングを繰り返すと、ロッドには小物のアタリがひとつ。リールが悲鳴を上げる事なく上がってきたのは、久しぶりにご対面したアイソ(うぐい)くん。季節が少し進んだ良い証として早春の本流を闊歩した僕らでした。

「あなた達は釣果が乏しい釣りを黙々とこなせる変態だ。」

と言われる事も多いのですが、実はそんな事ないんですよ。

私のダブハンの世界はいつもシングルハンドと共にでワンセット。気になる方は以下の写真と共に二日間の爆投記録をご覧くださいまし。

ヒゲナガカワトビケラ
私の場合本流のスペイフィッシングはあまり朝早くからはやりません(季節によりますが)。今の時期だと水面が虫達で賑やかになるのが9時ぐらいからなので、その時間までどのポイントを流すかを吟味します。お日様が少し登り始めたこの頃は、ヒゲナガカワトビケラは草むらでひと休憩。
本流の釣り
今回は仲間と一緒に2名でスイング。私は後追いで間隔を空けて違うラインを攻めていきます。
ドロッパーフライ
東北でサクラマスを狙う場合はフライを1個でスイングしますが、関東の場合は少しでも確率を上げるためにドロッパーを付けます。今回はどちらのフックサイズも6番のDフック2421。ティペットを摘んで撮影しているので、2個写っていますが、実際の間隔は65cm位あります。13時半ごろまでスイングしたら午後風が吹いてくるので、それを合図に私は上流へヤマメを狙いにいきます。その移動距離は60km。相変わらずタフな私。
上流部のヤマメ釣り
上流部の釣りは大体15時スタート。川辺の虫たちはその頃から賑やかになってくるので、開始すれば小さな天然チビヤマメがいくらでも相手してくれます。ただし前回よりも少し季節が進んでナミヒラタカゲロウは既にスピナーばかりでダンは流れていません。フライは前回と同じく大きめ#12~14のコンパラダン。
上流部のヤマメ
時間と共にイブニングだけを狙う釣り師が増えてくるので、上流部は占領されてしまいます。ですが、歩みを遅くして丁寧に探っていけば、ヤマメの反応はすこぶる良いのですぐにツ抜けできます。最も放流ものでないヤマメはちっちゃいので大きくても7寸あるかないか。
ライズするヤマメを仕留める。
釣り上がって行くとプール状のポイントでライズあり。そんな大胆なライズの魚はとても投げにくい位置におり、バックキャストのラインをどこに通すかを考えてキャスト。うまいことフライがレーンに乗って出てきたのがコヤツ。一回り大きいのが釣れると放流ものになっちゃうんですね・・。ま充分釣ったから良いか。
今回は気合を入れて一泊二日の釣りなので、近くの安宿へGO。翌日はまた新たなポイントからスタート。この場所は毎年何らかの反応があるポイントなんですが、案の定ドンとアタリました。が、焦ってアワセてしまったのですぐにフックオフ。ヤマメかウグイか分からない位のサイズだったので、気を持ち切り替えて次のポイントへ移動。
北関東スイングボーイズ
前日に比べると川面は虫っけが全くなく、たまにヒゲナガがスケーティングしているだけ。もう少し水面に活気があると嬉しいのだけれど。
稚鮎のスレ
スケベ根性出してなんか掛からないかとフライを小さくしたら、稚鮎がスレ掛かり。このまま放置したらマス類が何か掛かるかも?とも思いが過りましたが、やめました。
スイングボーイズ
朝から13時までに回れるポイントはスイングの時間を考えると3箇所だけ。13時を過ぎたところで川風が吹き始めるので、また上流部へ大移動となるのですが、その最後のスイングでコツンとアタリが・・。
ウグイ、はや、アイソ。あなたの地方の呼び名は?
今期初めてのぐいうーくんです。ここ数年はこのウグイでさえも中々釣れなかったので、嬉しい外道。他の魚でも釣れれば魚の活性がある証拠。本格的な季節になってきましたなぁ。
オオヤマカワゲラ
私の釣れる指標としているオオヤマカワゲラの飛翔が始まりました。河原には羽化した名残りの抜け殻があちらこちらに。
上流部のヤマメ
後半は50キロ移動して別の川へ。しかし前日と違いイブニングギリギリまで魚の反応は薄く、日没間近でようやく6寸半ヤマメをキャッチ。毎日移動とキャスティングの繰り返しで良く遊んだ二日間でした。本流で本命が掛かることは滅多にないけれど、イブニングはこうして上流のヤマメさんに遊んで頂いているのでオデコはなく私のモチベーションは保たれるという訳です。さて、皆さんの今期の渓流はどんな時間を過ごされていますか?

桜前線北上を楽しみながらヤマメ釣りの筈だった北関東の里川

昨日現在の釣り人的目線で見る桜前線は、北関東の地域ではまだ3分咲きと言ったところ。それを見て思うのはこの場所へ訪れたのはチト早すぎたなぁ、と思いながらライズを探しながら河原をブラブラ散歩するのでアリマス。

天気予報は晴れに変わる予報だったのだけれど、国土交通省の水質データベースを見ると目指す川の水位がプラス25cm以上。ここ4日ほど雨が降り続いていたのでかなり増水した模様。水位が下がり始めたのであれば本流でのスイングを楽しもうかと思ったけれど、相変わらず水位が高かったのでウェットフライフィッシングは却下。なので水位に影響が出ないであろう里川のヤマメ釣りへと繰り出す事となりました。

4月を目前にこの時期は、この周辺ではガガンボのハッチが大体10時半ごろからスタートし、それに伴いライズが始まる予想。その時間になるまでまずは川筋を車でポイント巡りをし、ライズを歩いて探して昨年との違いをチェックしていきます。

予想していた時間になると、ほれ見なさいと言わんばかりに私の予測通りライズは始まるのです。そのライズに向けて釣り仲間に指示をしていると、アレなんか違うぞこのライズフォーム。よくよくライズを観察すると、オレンジの部分がチラリと見えたカワムツくん。在来種だけど、君は関西出身だからここに居るべきではないんだな。

そのライズに翻弄されること30分、僕らは慌てて他のポイントへ移動するのでありました。その後のお話は以下に続きます、お暇な方はご覧くださいまし。

本日の戒め:フライの種類と数はあなたの釣果を左右する

北関東のとある川
まだまだ川は寒々しい雰囲気。河原に近い桜はまだ蕾の状態だし、遠くの山はたっぷりと雪があります。でも時間とともにヒバリが鳴き始め、春らしい様相はもうすぐそこ。そして以前良かったライズポイントで待つこと1時間。ライズが始まったと思ったら、全部カワムツ。この時期はプライムタイムが12時ごろだから慌てて他の場所を散策するも、川は少し水が冷たいのでもう一度高速道路に乗って大移動。そこは更に北に位置し、田んぼの手入れが始まったばかりの地域だったけれど、大丈夫でしょう、きっと。。
北関東のヤマメ
ライズを探す時間がもったいないのでとりあえず叩き上がってみると、今度はカワムツに代わりウグイさん。小さいフライは投げていたら雑魚ばかりになりそうだと思い、フックを大きめの12〜14番のコンパラダンに変更。先ほどからナミヒラタカゲロウも流れているしね。するとヤマメさんがヒット。
ガガンボのフライパターン
ライズを繰り返す個体をみていると明らかにガガンボを食べているのでフライ変更。でもガガンボパターンにすると釣れないんです。なので元に戻してコンパラダン14番のブラウン系に変更するとに。すると反応は元に戻ります。やっぱりカゲロウの方が美味しいのかな?
北関東のヤマメ
本来釣れるべきこの時期のヤマメのサイズは6〜7寸程度。そのサイズは天然ものがほとんどなので胸鰭が綺麗なヤマメがヒットします。パーマークの背景の様に桜色の側線がとても綺麗。
北関東のブラウントラウト
なんかフックサイズが大きい方が調子良いみたいとそのまま釣り上がると、今度は早瀬の中からブラウントラウトがコンニチハ。あれ?ここは長野じゃありませんゼ!
ヤマメハンティングのはずが・・。
流下するカゲロウの中にオオクママダラもいたので、さらにフックをサイズアップして12番のスペントスピナー焦茶色系にすると、フライが大きいので反応だけはすこぶる良くなった。
ブラウントラウト
大きなスペントスピナーを荒瀬の中を漂わせると、大きな水飛沫が上がった。今度は更に大きなブラウンくんが水面を割って出ました。それも飲み込んでやがるのです。
ブラウントラウト
グラスロッドをグングンしならせて瀬を二つ降って上がってきたのは9寸サイズのブラウントラウト。この川でたまに釣れるブラウンですが、このサイズは初めてかな。ヤマメハンティングのつもりが、いつしかブラウンハントになってしまいました。ブラウンはこれ以上釣っても仕方がないので、イブニングは更に別の川へ行き、定番ポイントで8寸ヤマメが取れずに撃沈しましたとさ。シーズンは始まったばかり。この川のハイシーズンは4〜5月中旬なので、これからの成長に期待してます。