変わらないもの

野反湖に初めて訪れたのは1982年のこと。当時の相棒であるYAMAHA RD400という2サイクルのバイクとともに訪れた。2サイクルというのは厄介なもので、標高が高すぎて混合比(圧縮比?)が合わず、エンジンがカブリながらなんとかたどり着いた思い出がある。長袖一枚でたどり着いた野反湖の寒さは夏でも死にそうなくらい。慌ててレインウェアを羽織ったけれど、震えは止まらない標高1,500mほどの場所。そこに広がる今まで見たこともない青と緑の美しさに出会えた感動が忘れられない記憶。当時はゴールデンウイークに訪れると湖はまだ凍っている状態で、真夏でも万年雪が北側の山肌にあった。温暖化で暑くなったと騒がれるようになった今でもお盆の昼は心地よく、夜は寒さを感じる場所だ。

野反湖のキャンプイベントはハーミットオープン当初から行なっているので、かれこれ20年になるのだろうか。ハーミットのオープン当初は、ほとんど独り者の参加者だったので飲んだくれの集団。やがて時間とともに家族を連れてのファミリーキャンプ。今はその子供たちが離れ、大人だけの世界に戻った。それなりに歳はとったけれど、やっていることは今も昔も同じ。焚き火を囲み夜空の天の川を見ながら酒を煽るのである。そして時々釣り。

季節は少しづつ秋へと向かい、今の野反湖はカメムシドライの季節。荷物を軽めに一泊二日の釣りキャンプ。皆さんも楽しんでみてください。

これからは湖の季節。私は神秘的な青い湖が好きなので、本栖湖野反湖が大好き。ボートがないので静かだしね。滅多に大物は釣れないけれど、お魚にはいつも出会えます。
カメムシ
カメムシのサイズは17−20mmといったところ。フックサイズで8-10番ぐらい。それ以外はウォーターワスプ(オドリバエっぽい虫)の16番ぐらいのが水面に落ちてます。
ハーミットキャンプ村設営中。昔はどでかいファミリーテントを張っていたけれど、今はみんな1-2人用の小さいテント。荷物は小さく軽くまとめたいもの。
今回のメイン料理は、豚汁にカレー。そしておつまみの燻製。夜も更けた頃に天の川が夜空に広がります。

 

あれ?ハーミットで犬用Tシャツなんて作っていたっけ? いえいえ、作っておりません。2000年代前半は毎年作っていたハーミットTシャツ。大事に使っていただいたお客さんが、着れなくなったので、リメイクしてワンちゃん用に。なんかカッコイイ。来年は作ろうか?Tシャツ。
50イワナ
野反湖の岩魚釣りは9/20で終わり。なので、指を加えて撮影したゴーマルイワナ。う〜む。あと1週間早く来ていれば、狙えたのに。レインボートラウトは11/10まで狙えます。
この場所付近で二日続けて良いサイズが上がってました。ちなみに私たちの足元を悠々と泳ぎ去ったナナマルレインボーがいましたよ。さすがにドライフライには全くの無反応。デカイの狙いは、やっぱり引っ張りかな。
10時ぐらいに魚の活性が上がり釣れ始めたけれど、良いサイズはフライを見て帰ってしまう。結局釣れたのはおチビちゃんばかり。

 

季節は秋へと向かっている今、水温がもう少し下がると良いサイズが出始めます。現在はハコスチが放流され、それもあってかルアーの人が少し多いかな?

マーキス改造計画?

昨日載せたブログに私のマーキスの写真を載せたのですが、そのマーキスにはバランサーウェイトが付いています。これは1980年代にハーディが別売りで販売していた、ニッケルシルバーで作られたオプションです。「現行のマーキスには付くの?」と言う問い合わせがありましたので試してみました。

現在店頭に在庫があるマーキスはLWT4と6、そしてサーモンワンがありましたので、早速試すことに。シングルハンドのモデルであるNo,4と6はE1というパーツで合うはずですが、はめてみるとバランサーウェイトの径が若干太く、残念ながらつきません。その代わりに、サーモンワンは通常はまらないであろうE2サイズで合います。どうやら今のマーキスは以前のモデルよりも穴の径が一回りずつ小さいということになります。

ということはNo,7はE2で合うことになってますが現行モデルは穴が小さいのでE1で合うことになりますが、残念ながら店頭にLWT7の在庫がないので確認できませんでした。

ということで結果、こんな感じです。

LWT2/3→ × 元々バランサーウェイトが出ていません。
LWT4 → × オスの直径が若干太くて入りません。
LWT5 → × 在庫がないので確認してませんが多分同じ。
LWT6 → × オスの直径が若干太くて入りません。
LWT7 → △ E1で合うのかも?(未確認)
LWT Salmon1 → ○ E2でセット可能
LWT Salmon2 → × サイズ表でE4になっているのでE3かも?(未確認)
LWT Salmon3 → × サイズ表でE4になっているのでE3かも?(未確認)

1990年代後半まで作られていたモデルはサイズは同じなので、表記通りで付くはずですので、旧品をお持ちの方は、ドレスアップにいかが?大物が走り出した時のリールバランスが滑らかになるのと、他人の区別に良いドレスアッップだと思います。

現行モデルのHardy Marquis Salmon LWT1にはめてみたの図。カウンターバランスはニッケルシルバーで出来ていて、高級感があります。ニッケルの黄色味が嫌な方は、ピカールで磨けばシルバーになります。
裏はこんな感じで、フライラインが引っかからないようにツルッとした球面です。取付はネジ式ですのではめるだけ。コインで回さなくても取付られますが、落下が気になる方は、ネジ部に瞬着(またはネジロック)を一滴垂らしちゃいましょう。
もっと種類が揃えば良いんですが、さすがに1980年の商品ですので、ハーミットでも在庫限り。合うものを持っている人は必見です。

NEW Scott GS844/4 の
インプレッション

今まで台風の最中に何度かキャス練をしたことがあるけれど、今回は雨風が予想よりも少なく、なんとかやり過ごした感じ。それでも濡れならがのキャス練は皆さまお疲れ様でした。

さてスコットの新しいGシリーズですが、メーカーさんにサンプルロッドもなく、そして自分の注文分のロッドもまだ届かないので、すでに購入られた方のロッドを一日お借りしまして使用してきました(ありがとうございます)。そのインプレッションを少しお話。

 

10年ぶりにモデルチェンジされた今回の大きな変更点は、インターナルフェルールが軽く改良され、そしてアクションに負担がより少なくなったベンドカーブ。さらにブランク素材の進化とディテールです。見た目の変化は海老茶だったカラーがもう少しブラウンに近くなった程度で、大きく変わった感はありません。リールシートはフィラーにマイカルタ(ナイフが好きな方ならご存知のフェノール樹脂と繊維が織りなす綺麗な柄)が使用され、スクリュー部分はマットフィニッシュでラディアンと共用のものになりました。なので見た目は大きな変化は少ないので、Gシリーズのディテールが好きな方であれば、そのまま移行できる感じです。

ではアクションはいかに?

—- 0〜20feet キャスト —-

ロッドを握っての印象は、最近ウインストンのエアシリーズばかり使っていた私にはずば抜けて軽いという印象は受けません。でも数人に試しぶりしてもらいましたが「すごく軽いですね。」という好印象です。慣れって怖いですね。以前のG2・8ft4inch4番ロッドの印象はG2シリーズの中では比較的ハリがあり、シャープなイメージがあるモデルでしたが、あれ、こんなに先っちょが良く曲がったっけ?というのがNEWモデルの印象。ラインコントロールが良く、ブレがないのはメーカーさんの言う通り。ショートレンジはキビキビして快適でした。

—- 20〜40feet キャスト —-

今回ラインはSAのウェーブレングストラウトを使ったのですが、ラインの特性としてヘッド部の長さが20.3mもあるので、ラインを長くホールするほど重さが得られます。なので、通常の7-8mキャストあたりまでは若干のキビキビ感があったものの、9m以上ホールしたあたりから、「あ、Gのしなやかさが隠れてた。」という感じで、やっぱりGなんだという印象があります。そして、振り抜きがとても軽い。

—- 40〜90feet キャスト —-

このロッドでフルラインキャストのシチュエーションなんてほとんどないと思いますが、とりあえずどんな感じなのかテスト。もちろんフルキャストと言っても最後のシュートでラインを全部飛ばすわけですから、4番ラインでそこそこの重さを得つつシュートを快適にするには、12〜13mあたりでホールし、残りの17mを放出する感じです。で、やってみたんですが、しなやかさがあるロッドなので必要以上に空中にホールするラインを長くするとそのままの体勢だと少々無理な姿勢になるためにキャスティングアーク(ロッドの振り幅)を広げる必要があり、振り方を変えなくてはなりません。それにより、遠目で見たらグラスロッドで遠投しているように見えるでしょう。とはいうものの、最新のグラファイト素材ですから上級者の方なら難なく投げこなせます。

実釣は朝霞ガーデンでレインボーフィッシング。ティペットサイズを落としてもロッドの曲がりでいなしてくれるので、安心して寄せと掛け心地が楽しめる感じ。ラインさばき(メンディングやロールキャストなど)もロッドの軽さとブレがほとんどないので、とても快適でした。

総合的に見てこのロッドは渓流のオールラウンダー的なロッドで、岩魚釣りで求められるラインコントロールと、シビアなコンディションで中距離を要求される尺ヤマメ狙いに向いたロッドという印象でした。G2に比べて軽く、そして硬くなったのだろうと言う勝手な思い込みとは逆に、なんか前のモデルよりも少し柔らかく感じた次第。そしてこのロッドに向かないシチュエーションは、頑張って遠投する竿じゃないといこと。快適な釣りは15m(50feet)以内だと思います。

最近使い込んでいるウインストンエアと違うテイストなので、もう少し実釣で使ってみたい感じですが、お客さんに返さないと(笑)。私のロッド早くこないかなぁ・・・。

雨の中、集まったお客さんにも試しぶりしてもらいました。
New Scott G844/4
以前のG2と同じく、尺(12インチ)マークがあるので、釣った魚が尺上であるかどうかをその場で判定できます。

 

ここまで読んでい頂いた方にHow to的なお話を一つ。

本日は雨でしたが、雨の日って飛ばないと感じたことはありませんか?実はロッドに付く雨粒や水滴が多いと、フライラインとロッド間で接着剤的な役目の抵抗が生まれて飛ばないんです。購入後にロッドを手入れせず、ロッド皮膜の撥水性が失われると水滴はたくさん着いたまま。特にロッドを買ったままずっと放置している方はそんな感じでしょう。

フライキャスティングは少しの抵抗で大きく変わるものなので、ラインを手入れすることはいうまでもなく、ロッドは常に綺麗に磨いてフッ素コート剤などで磨くことをお勧めします。現在ハーミットでは置いてませんが、個人的なお勧めはボナンザスプレー(スプレータイプでなくても大丈夫)です。これをかけておくと水滴がつきにくく、サラサラなのでラインとロッドとのまとわりつきが軽減します。ハーミットでも置いた方が良いですか?

夏の終わりは中越でフライフィッシング

9月に入っていきなり秋めいてきた東京。渓流釣りは残り一ヶ月を切った関東地方なので、昨日は夏の終わりを感じるために北関東へ釣りに行きンゴ(行き卍?)。無理やり若者言葉を使って見たけれど、やっぱり違和感がありますな(笑)。

釣りへ行く道中気になったことは日照時間が少ないためか、稲穂についた実は小さくその背丈の低さを感じるけれど、今年のお米は大丈夫かな? 緑から徐々に黄色味を帯びた大地を見ながら目的へ到着したのは6時過ぎ。外気温は13℃でゴザイマス。

私は9月に入るとブナ(婚姻色)の入ったヤマメを釣りたくないので、ヤマメ釣りへはほとんど出かけないのだけれど、今回は釣り仲間の一人が今季初渓流初釣行というので、そのサポートを兼ねてヤマメとイワナの両狙い。今季初釣行とは、いやはやなんとも体に悪いこと。今回の釣行で一気にリフレッシュしてもらいましょう。

夏ヤマメ一里一匹よろしく、やっぱりお盆を過ぎるとそう簡単には良いサイズが出ないかわりに、新子ヤマメはすこぶる元気。なのでフライは彼らが掛からぬよう#12-14を中心に使うけれど、元気の良い奴はそれでも掛かっちゃいます。彼らを避けるために、そして大物を狙うために水深が膝上以上で流れの早い場所探し。さらに岸際に生える雑草が影を落とすポイントだけを探して丹念に攻めると、良型のヤマメがヒットします。ですが、そんなすべての条件が揃う場所はなかなかないので夏ヤマメ一里1匹とは行かないまでも、結局良いサイズは1kmに一本という感じ。風が吹けばバッタが沢山川面に落ちる季節でもアリマス。

日が高くなると開けた河原は影がなくなるので、影を求めて山奥へ入りイワナ狙いへ。同じような条件を満たすポイントからはイワナも次々とヒットします。やっぱりおおらかなイワナはリハビリにはもってこい。

そんなこんなで無休憩で釣り続けた昨日は余裕のツ抜けで、イブニングは秋の虫たちの合唱を聴きながら何事も起きません、残念。冷んやりとした暗がりでウェーダーを脱いでいたら、ちょっとセンチな気分になる初秋の夕暮れ。今年はあと何回渓流へ行けるかな?

チビヤマメならば、釣ろうと思えばいくらでも釣れるかも?でも意外にもフライサイズを小さくすると全ての魚の反応が鈍くなった。
太陽がまだ斜めなので自分の影がモロ入ったけれど、早い流れを丹念に攻めればドーンとこのサイズ、嬉しい一本。魚体は多少サビ色になっていたけれど、ブナが入ってなくてヨカッタ。
影ができている時間は反応がすこぶる快調なヤマメ狙い。ちなみに朝の気温は13℃ととても寒いので、気温の上昇する朝方に良い釣りができるでしょう。イブニングはなーんもなし。
イワナ狙いに切り替えて上流へ。影を求めてシェード打ち。木の下へ慎重にプレゼンテーション。
Epic パックライトは上流部のイワナに大活躍。
木漏れ日も真夏よりも少し柔らかさを感じたこの日。
Winston Boron III LS 804/4マーキス5。夏ヤマメのフルパワーは掛けた後にその魚を追って下流へ20mというドキドキの追いかけっこ。

台風とアタリ カラー

若かりし頃に台風接近を聞いて荒れている湘南の海でサーフィンをしたことがありますが、それは若さゆえのカッコつけです。そんなことで女性にモテることもなく、むしろ溺れそうになって二度とやらないと誓いました。皆さんは決して私の真似などしないように。

昨日の予報は台風接近で太平洋沿岸は波が高くなるので近寄らないようにですが、東京湾は場所によっては北風には強いのです。昨日は船長の判断でシーバスへGO。タックルを用意していた夜明けは、谷間を抜けるビル風が恐ろしいほど吹いてましたが、洋上は風速6-7mと行ったところ。ハワイのコナウインドに比べれば大したことありません。

ご存知の通りお魚は気圧が低くなるとよく釣れると言われてますが、私の経験上でも同じ。お魚が持つ浮き袋が関係しているなどの諸説がありますが、接近前の穏やかな曇りの一日は爆超することがとても多いと感じます。と言っても台風接近の最中は細心の注意が必要ですから気をつけましょう。

波は通常よりも若干のウネリがあったものの、釣りするにはまったく問題がない程度。最初の一投目から何匹もの魚が水面を割って猛バイト。いつもなら飯を食べながらタラタラとやる釣りが、モチベーションが途切れることなくずっとトップ炸裂のゲーム。

そんなフローティングミノーフライでの猛バイト。最初は通常のパールカラーを使っていたのだけれど少し経つと魚はスレ始めて反応が鈍くなる。そこでフライのカラーをマジックボディのイエローカラーを使ったフライにチェンジすると、再び猛アタックが続きました。(フライの作り方はこちら12

このボディカラー、夜の出船では「カラーは関係ないですよ。」といつもお客様に言ってますが、日中の釣りの場合はボディカラーがとても需要で、パール一辺倒だと飽きられてしまい、釣果が続かないケースが多いんです。潮色の違いによってもボディカラーを変えていく必要がありますが、私的見解ですがイエロー→パール→ブルー→ピンクの順で日中は試してください。ピンクは使用率が低いのですが、時に爆発的な威力を発揮することもあるので、タイイングは忘れずに。

東京湾はデイゲームシーバス、フローティングミノーのステージに入りました。皆さんご準備を!

台風接近の最中1番の強敵は波でも風でもなく、モチベーションを下げる豪雨。パンツまでビショビショになりながら、釣り続けました。
最初のうちはおチビちゃんの入れ食いでダブルヒット続き。

 

ナナマルと応戦中のゲスト。この後ランディング寸前でバレてしまった、残念無念。
これだだけ水面がざわついているとフライのアピール力はなさそうに見えるけれど、シーバスはしっかり上を見ています。隣でやっていたルアー船もロッドがずっと曲がっていました。

 

今回の相棒はWinston Boron IIIx 9ft 8番TFOのアトール。昼間に見ると随分と派手ですな(バイオレット)。
悲しいかな、大物はランディング失敗とラインブレイクでキャッチできずに、サイズはロクマルまで届かなかった。でも潮頭にいる最初の一投目出る個体は全て大きかったです。次回に期待。