ハーミットの歴史はもう25年以上にもなったので、それなりに色々なことがあり時代を感じます。開業当初はインターネットなんてものはなかったので、通信販売と言えば電話とFAXを駆使してをしていたけれど、今はこの便利さ。ピーヒャララなんて表現しても今の人には分からないだろうけれど、今やFAXは年間を通して不要広告が9割という痛手。なので今年初めにその接続をとうとう止めました。とは言うもののスマホを使いこなせない私には時代の進むスピードが速すぎて、ついていくのがやっとな感じ。
2002年頃から2011年までの9年間はシーバスのボートガイド業をハーミットがやっていたのはご存知? その頃の私は30代のイケイケで、週に3〜4日は仕事終わりにシーバスというハードな時間を過ごす日々。それだけ釣りへ出ていればキャスティングは磨かれ知識もついたので、お客様にも是非この楽しさを教えようと始めたのが『世捨て丸 』のシーバスガイド。
この話はすでにどこかに書いたかもですが、とある日にシーバスが初めてのお客様がいらっしゃいました。で、慣れていないからキャストが決まらず、アワセが決まらず。バイトは何度もあるものの、フッキングに持ち込めないんです。本来は夜21時に出船して朝2時前には帰港するのだけれど、なかなか釣れないので何とか釣らせたい気持ちで次々とポイントを変えていくと、世が白々と開け始めてしまいました。そしてお客様から一言。
「いい加減にしてくれ。もう疲れたから帰してくれ。」と言われて初めて気づいたんです、釣りに対する温度差ってものがある事を。その一言を頂き、私はガイドに向いてないな、と感じた明け方の釣りでした。
ガイド業というのはお客様を楽しませてナンボのもの。例え釣れなくても、また来たいという気持ちにさせるエンターテイメントを演じなくてはなりません。ですが私のシーバスのガイド業はスパルタだったんですね。なので2011年の東北震災時に、困っている方に船を差し上げたのが丁度良い引き際でした。
あれから10年以上の月日。今はお客様と一緒に釣りへ行ってもガイド料を頂いている訳では無いので少しは気楽ですが、先週の芦ノ湖でやっぱりガイド業は向いてないと感じたのでした。話の続きを知りたい方は以下をご覧ください。
今回の戒め: 人と一緒に釣りへ行く時は自分の釣りを貫くか、ガイドに徹するかをよく考えて出掛けるべし。
名誉のために名前と顔は伏せたAさん。実は今回を含めて芦ノ湖3回目。お仕事の関係上、年間の釣行数は10回くらいかな。リベンジに燃える時には覚えていたキャスティングとフッキングがゼロに近くなってしまいます。なので、最初の数時間は思い出しながらの釣り。
もう一船出船 したお仲間は早川水門前で和気藹々。水深6-7mの底ベタの魚と上に浮いている魚を、どちらもゾンカーなどでコンスタンスに釣ってました。
私はというと同船者に釣れるタナを伝えカウントダウンの数からリトリーブ方法を教えながらの釣り。今回は水深6mをカウント20〜30ぐらいのタナだったので、この時期の例年よりは少し深いタナを攻める感じでした。リトリーブは遅めのミドルリトリーブでランダムなストロークを加えます。
リールをお忘れになったので、私のバックワインダーにタイプ4を巻いたものを貸したので、カウントは20〜25くらい。私との違いはテンションが掛けられない事と不規則なリトリーブができない事。最大の違いはやっぱり距離でしょうか。私はシックスセンスのフルキャストなので31.5mのキャスティング。それに対してウェットセルのラインは24.4mで、キャストの距離はおおよそフルラインの半分。一回のキャストでリトリーブする距離が私の半分以下になってしまいます。
ポイントを変えながら一番良さそうなところを点々とするも、Aさんは一度もアタリなし。仕方なく釣らせたくてハーリングを試みましたが、アタリがあってもフルラインの場合どれぐらいの大アワセをしなくてはならないかが掴めず、フッキングが一度も出来ず。つきっきりになって教えることもできず、結局私は自分の釣りに没頭。
ボートの帰港時刻である16時半までめいいっぱいやった結果。私はいつも通り定数オーバーのキャッチですが、Aさんは残念ながら今回もボウズを喰らい芦ノ湖再リベンジならず。これだけ大差がついたのでさぞ凹んでいた事と思いますが、心を鬼にして「湖タイプの管釣りでシンキングラインの釣りを練習してきてください。」と宿題を出しておきました。年一回の行事ですでに3年目なので、Aさんが芦ノ湖で釣れた日には、私は泣いちゃうかもしれません。
別船のお二人は面白い釣り方をしていたので紹介しておきます。シンキングの釣りは私と同じなのですが、もう一本フローティングラインを出し、ほっとけドラワカならぬ、ほっとけゾンカーで釣果を伸ばしてました。ただフローティングラインでゾンカーをつけて放置するとラインが突然走り出すのですよ。私も少し真似してみましたが、私には釣れませんでした(使われていたゾンカーが私のものよりも二回り小さい管釣りサイズでした)。