「私を本栖へ連れてって!」

JR駅内に貼られている原田知世のポスターを見て懐かしんでいる人が多い中、「私を本栖へ連れてって!」なんて言う人は、女子はおろか男子もいません。夜明け前の富士樹海の道を毎週一人でひた走る管理人でゴザイマス。ま、仕方ないですな朝の気温はマイナス7℃だし・・。

そんな極寒の朝へ出陣し漢の浪漫を求めた釣り人は、私以外に3名ほど見かけました。不凍湖であるこの湖は、人間が死ぬほど寒くてもまだ水温は9〜10℃はある状態だから、魚には快適な状態。でも3投もするとガイドはガチガチに凍るので、その三投以内で決めたいところが本音。だって、寒いんだもん。もちろんそんなにうまく行くはずもなく、お目当の大物は今週もシャローレンジに一度も現れませんでした。

私にとって大物は4年に一度のオリンピックみたいなものだから、今年はこのまま何も無いかも?しれません。それでも大久保と長崎で良い魚が上がった話があるので、やっぱり本栖湖の大物をキャッチするのには、長い経験よりも強運が必要なんだと思います。初めて行った人がナナマル釣ったりするところですからね。

午後はなんとなく何もなさそうな雰囲気だったので、夕方をやらずに下道で帰りましたとさ。はい、国道で・・。渋滞に巻き込まれ5時間の苦行でゴザイマシタ・・。

最初の三投でご覧の有様。ロッドティップは水面へ突っ込む事で凍るのを防げるけれど、バットガイドは何回かに一度は手で氷を取る必要がある。
魚をキャッチして水切りするとこんな感じに凍る。車に戻って溶けると魚の匂いがし始めるのだけれど、なんとかならんのかなぁ。
6番のゾンカーであたっても掛からないので、フックサイズをどんどん下げて、10番まで落として掛けた、案の定ヒレ丸くん。今年掛けた放流魚のほとんどが胸ビレがないので、チョット寂しい。朝は同じサイズを2本キャッチ。
川尻側の冬期閉鎖ゲート。本栖湖で一番寒いのは川尻だと思います。
不凍湖といっても端っこは凍ってますヨ。午前10時半でこんな状態。

HMT of the Year/REEL

ブログというものができる前は(2000年頃かな)、毎年お世話になった商品群をHMT・タックル・オブ・ザ・イヤーとして讃えてたのを思い出し、今年はそれを復活させて書いてます。この一年でハーミット一推しの商品を時間を見つけてジャンルごとに紹介していきますので、お暇な方は読んでくださいまし(過去のページはこちら)。

そして今年の最後には、今年のハーミット的・釣り人(お客様)を表彰します。ハーミットが選んだ釣り人のMVF(MVPではなく、釣りなので最後の頭文字はフィッシャーです)を選びます。ハーミットで勝手に表彰し、その方にはハーミットの金券¥5,000分を送ろうと思います。その審査の基準は以下の通り。

●釣行回数 = 管理人と同様にどれだけ世間とかけ離れた釣行回数(世捨て人)であるか
●釣りへの前のめり度 = 新チャレンジ精神を持っているか、あるいはどれだけ意欲的に行ってそうか
●HMT貢献度 = ハーミットにどれだけ上納金を納めたか(笑)もしくはハーミットに力を貸してくれたか

主な審査基準はそんな感じ?名前は明かせませんが(明かしても良い場合は明かします)、その人物像をなんとなくわかるように皆さんにも伝えます。

さて今宵は今年一年間でハーミットに貢献していただいたリール、またはHMT的に凄かったと思うリールを表彰いたします。

そのリールは・・・。

今年発売されたHARDYのFW-DDとどちらにするか迷いましたが、昨年から引き続き強い人気を保っているので、こちらのHARDY Marquis に決めました。

決め手はいつまで使っても飽きないデザインとmade in Englandであること。このリールは1970年に製造され、途中製造をやめていた時期があったものの、リニューアルされて再発売されたことは、それだけ皆さんからの要望もあったからこそだと思います。ま、個人的にこのリールが好きなので、それも選んだ理由の一つです(笑)

マーキスはクリック音がとてもうるさいので賛否ありますが、個人的にはこの音が大好き。そのドラッグテンションは絶妙でトラウトには十二分ですし、バックラッシュも起きません。大物がかかった時には反転音が周りに響くので、掛かっている事に周りの人が気付き、ランディングを手伝ってくれたりするのも嬉しいのです。

今年は私のマーキスが唸る回数はとても少なかったですが、来年はもっと働いてもらいますヨ。

Scott new G(GS)シリーズ
インプレッション2

先日のフライキャスティングスクールにて、マーヴェリックさんからスコットのNEW Gシリーズをお借りしたので、前回インプレッションをしたGS844/4を除き、その他モデルをご紹介。モデルが多く話が長くなるので無駄話はなし。全体のイメージはGS844/4のインプレッションをご覧ください。また、全てのモデルを褒め倒してもハーミット的ではないので、それぞれの総合的なイメージと得意とするシチュエーション、不得意とする釣り方を書いてみました。


GS772/4一昔前のロッドである “アイズ・スリー”が愛されていた時代ならば、このロッドを3番ロッドとして使う人もいるでしょう。しかし、今の時代に求められるのはロッドティップのトラッキング性能(ロッドティップがラインを辿る性能)なので、あえてそのバランスを崩してライン番手をあげるということは、現在はしないでしょう。なので、実際に振ってみた感覚では2番がドンピシャで、3番はループを締めてキャストすることが難しくなります。

Fine : シャープなライン運びでいて水面へのインパクトが少ないモデル。ショートレンジでのシチュエーションを中心とした、ヤマメ、イワナ、あるいはオイカワフィッシングに向いたモデル。藪沢などで小さなフライをプレゼンテーションしたい人には良いロッド。ティペットを細くしてもタカ切れは少ないでしょう。

Weak : 7ft7inchと短めでしなやかなミディアムアクションなので、~30feet(〜9m)までのキャスティングまでが使いやすいレンジで、それを超えたキャストは投げ手側のスキルの問題になります。


GS773/4:多くの皆さんに振っていただいた感想で、低番手では1番の高評価。トータルバランスに優れ、キャスティングが快適。「こりゃ、誰が振っても振れちゃうから、人を駄目にするな。」的な発言もありました。グリップは小さめで日本人向き。一般的な渓流でヤマメとイワナしかやらないという人には、お勧めできる一本。私はその後購入し使っております。

Fine : Gシリーズらしいミディアムアクションの中に、以前よりもはるかに良くなったラインデリバリーがあり、ラインが乱れません。そして以前のモデルよりもバット側までグッと曲がってくる感じなので、極端に短いショートレンジにも攻めやすくなりました。同じテイストのロッドはWinston Pure 763/4です。

Weak : 2番のモデルと同様に7ft7inchと短めなので、得意なレンジは30ft(9m)まで。釣り場のシチュエーションが多彩な川で、それ以上のレンジを求められた時に、少し投げづらくなるかもしれません。


GS775/4:このロッドで何を釣るのか?的な異端児のロッドをイメージするこのモデルは、藪沢で大きめのフライがデリバリーできる5番には珍しいショートスティック。短いロッドですが、アップロックスクリューシートモデルです。

Fine : 皆でたどり着いた回答は「北海道の○○川って湧水の小川だけれど、突然50cmのブラウンが出ちゃうじゃない、あの雰囲気の河川で大物狙いだったら、俺はこれを使うなぁ。」という意見。確かに、短いだけに小渓流で上の障害物が気にならないし、掛けてから安心の5番ロッドでしょう。

Weak : 「ブルーギルと小バスにもいいんじゃない?」と私が皆に投げかけましたが、ギルに10万円かける人がいるのか?というのが大方の意見。このロッドの使い道は使う人に委ねます。


GS843/4:3番ロッドの優等生。773が柔らかいと感じる人、キャスティングレンジを幅広く持ちたい人のためのロッドでしょう。キャスティングループは誰が投げてもある程度締まって飛ぶので、練習嫌いな3番使いのキャスターにはぴったりです。

Fine : 773/4よりもややキャスティングレンジを広げたモデル。一般的には同じシリーズで長さが長くなると柔らかく感じるものだけれど、8フィート3インチモデルはやや張りを持たせたイメージ。日頃は硬いロッドを使う方がもう少し柔らかいモデルが欲しくなったら、しっくりくることでしょう。同じテイストのロッドはWinston Boron Air 863/4(現在はエア2)です。

Weak : エフォートレス(努力知らず)なロッドだけに、玄人受けしない誰にでも投げやすいロッド。773/4よりも少し張りがあるアクションなので、リーダーキャストは少しやりづらいかもしれない。


GS844/4:こちらは以前書いたインプレッションがあるので、こちらをご覧ください。


GS884/4:少しだけ長めの4番ロッドで、ティップの曲がりをよく感じられる。ロッドバランスが良く、この長さになっても持ち重り感がないのも特徴の一つ。

Fine : ティップの曲がりがラインをコントロールしてくれるイメージで、長さも手伝い大きなメンディングを入れるのに楽なモデル。イブニングの大物狙いなどにも期待大です。

Weak : 距離だけのキャスティング性能で言えば834/4の方が投げやすいイメージ。ある程度以上のロッド負荷(ラインを長く出す)とティップの暴れを若干感じる。


GS885/4:5番モデルの中でティップアクション気味なのがこのモデル。遠投よりも近中距離のニンフィングに向いた、アクション。長さに反してとても軽い。

Fine : 重めのシンカーをつけたダウンショットのニンフや、シンキングリーダーを付けたスイングの釣りなどで活躍しそうなアクション。すでにラディアンを持っている人が違うアクションをお探しであればこのモデル。

Weak : ラインを伸ばしていき、ベリー部分の重さを全部乗せて遠投しようとすると、ロッドティップのお辞儀が大きくなるので、その修正がうまくできないと遠投がしにくい。距離は中距離までが快適。


GS886/4:6番モデルの中でティップアクション気味なのはこちらも同じ。よりパワフルなので、ドデカいドライフライを中流域でキャストしたり、シングルハンドでドラワカフィッシングを楽しみたい人がピンポイントにフライを落としていく感じのモデル。

Fine : 6番モデルのパワーが大物への対処が期待できるのと、ラディアンよりもバット側へグッと曲がってくるので、ロッドで魚のいなしが期待できる。

Weak : 9フィートモデルに比べると、やはり遠投の時にテーリングが起きやすく若干投げにくくなるので、ピンポイント攻略に向いても遠投の投げっぱなしは難しいロッドかもしれない。


GS905/4:今回のお披露目で意外にも9ft5番と6番は皆さんにとても高評価。ラディアンよりもう少し手首に負担がないロッドを求めていた人には、最高のパフォーマンスだったようです。

Fine : 距離を無理なく出せて、9ftの長さを感じさせないモデル。しなやかでウェットフライフィッシングでの食い込みを期待できるアクション。しなやかなモデルだけに細いティペットでも魚をいなしてくれるイメージ。同じテイストのロッドはWinston Boron Air 905/4(現在はエア2)です。

Weak : ラディアンに比べるとやや腰砕け感があるので、フルキャストでの遠投能力はやや落ちる。


GS906/4:ドワラカやセミで使いたいという人がとても多かったモデル。シンキングラインもタイプ2ぐらいまでは快適にキャスト。使用範囲が広い、中流域と湖のボートフィッシングまで楽しめそうです。

Fine : 6番ロッドの中ではとても曲げやすく、今まで発売されているロッド群の中ではかなりしなやかと感じるでしょう。手首への負担が少なく、一日中快適なキャスティングが期待できます。ラディアンが硬くて合わないと思う方にはお勧めです。同じテイストのロッドはWinston Boron Air 906/4(現在はエア2)です。

Weak : ラディアンに比べるとやや腰砕け感があるものの、ある程度の力量を持った方であればフルキャストは可能です。タイプ3以上の釣りにはロッドが曲がりすぎてキャスティングがしづらいでしょう。


個人的にはGSシリーズは773/4と906/4がお勧め。私はWinston Boron Air 906/4を見ずに買ったのですが、ウインストンよりもこっちの方が私の好みのアクションです(私は比較的柔らかめのロッドが好きな傾向です)。

Scott GS Series
2018年の春現在、私は773/4をとりあえず買いました。私にとっても高価なロッドなので、後は自分の懐次第で844/4か906/4あたりを増やすかもしれません。773/4と772/4と2020年から加わった803/4JSの3種類が下のカップ&リングのシートとグリップ。その他のモデルは上のアップロックスクリューシートとグリップ。ロッドの長さによりグリップを変えてくれているのが嬉しい。

天気がよく風も無かったので、振りやすい環境でのテストでした。

エンリコ・ミノー

正しい名前はピーナッツバターかな?私はこのフライを淡水のイトウからソルトウォーターの大物全般の、いかなる場面でも使うエンリコ・ミノー崇拝者。一番使うサイズはフックサイズで3/0と4/0で、普通の人ならば「そんなデカイフックなんて魚なんか掛からないよ。」と言うでしょう。ましてやショックリーダーが30〜40ポンドだから、よく笑われます。でもね、私はコレをいろんなところで投げまくるんですよ、フライを信じて・・。

ここのところお店は暇でもやることが多くタイイングの時間が取れなかったので、釣りへ行く直前になってアンチョビーカラーを3本だけ巻いて、今宵のシーバスフィッシングにTFOのアクシオムII 9feet 8番とともにシークロへ持ち込みましたのさ。

12月と言えばシーバスのピークシーズン。大物を期待してこの大きなフライを投げて見ると、早速お目見えしたのが泣き尺サイズのシーバスくん、あれまぁ。そしてこのサイズがルーチンワークのように延々と釣れ続ける。

お客さんと一緒になって、 「今度のは尺を超えた!」「あ〜泣き尺だ〜(笑)」「これがヤマメだったら凄いことだ。」

などと、船上は小物のヒットで大騒ぎ。 20cm以下のシーバスでも3/0フックで入れ掛り。というか先月の天塩川よろしく、4/0フックに30cmのアメマスが食いつくんだから、フライの威力は折り紙つき。イトウにせよシーバスにせよ、大型になる魚はだいたい10cm以上のベイトを平気で食らうと私は思っているので投げ続けられるのかもしれません。

飽きるほど数が釣れたので、さて帰りますか・・・。

そしてこれが今年の最大魚?信じるものは救われます。

お後がよろしいようで・・・。

シークロ
昨日の船はシークロの龍ちゃん号。出船前まで大雨暴風でげんなりしていた私たち。
大型船が漏らすライトの陰からフライを引ったくる小物たち。延々とルーチンワークモードです。
え〜、現地点の最大魚なので写真を写しました。35cmってところ?最小は20cm位です。
トップで挑むお客さんも同じくこのサイズが入れ食い。釣れるって楽しいです。でも文句を言います、「お父さんを呼んで来なさい。」と。
お客さんはクラウザーミノーとホワイトゾンカーで攻めて釣ってました。ちょびっと沈めるとメバルが反応。
無限ループ、小さくても楽しい悲鳴。フラストレーション解消のため、止められません。
そして、これが本日の最大魚。ん?比較るすものがないから大きさがわからない?
ハチマル、シーバス
ど〜んとハチマル頂きました。フライは出発前に巻いたエンリコ・ミノーだったので、このサイズを釣ったらフライのアイがグラグラに。あなたもエンリコ教に入信しませんか?キャストする時に唱える呪文は「信ずるものは救われる・・・」フォースと共にあらんことを・・。

TFO AXIOM II 908/4
インプレッション

昨日はシーバスのボートフィッシングだったので、新製品であるTFOのアクシオムII のサンプルロッドで実釣とキャスティングのフィーリングを楽しんできましたので、そのインプレッションをご紹介。

TFOがリリースしているソルト対応ロッドは現在、4種類。アクシオムは2000 年代後半にTicrXシリーズの後に出たモデルで、ケブラーを混入したグラファイトと記憶してますが、そのシリーズがリニューアル。以前のモデルはとても張りが強くロッドを曲げることに腕力のいるロッドでしたが、硬い=飛ぶというイメージが一番根付いていた頃なのでそれに納得して使ってた感があります。私はウインストンロッドのバックアップ用ロッドで使っていましたが、硬すぎるゆえに手首に負担がかかり疲れるロッドと感じてました。

数年前からTFOは古いモデルからリニューアルを始め、今回は新ロゴを携えたアクシオムII。今回の仕様変更でロゴと同様にTFOのイメージをガラリと変えたモデルになったような気がします。

ソルトウォーターロッドとして同社にあるクラウザーシリーズ、マングローブシリーズと比べると、アクションを言えば一番プログレッシブでしなやかという印象でしょうか。それぞれの特徴でロッドを区分すると、クラウザーミノーのような重いフライや大きなフライをデリバリーするのに、やや大きなループを主体として投げるロッドがクラウザーシリーズ。ダンベルアイを持つフライをピンポイントへ打つときに、フライがロッドに当たっても衝撃を和らげるチタン塗装加工が施されているのがマングローブロッド。そしてアクシオムの役目はオールパーパスソルトウォーターモデルだと思います。

メーカーの表記では淡水でも海でもどちらでもという表記ですが、9feet5番〜12番というラインナップから考えれば「フレッシュウォーターで使えるよ」と言うのはとって付けたようなもの(もちろん使えます)で、バリバリのソルトウォーター戦闘竿です。

アクションはファストアクション。ティップがよく曲がり、キャスティング負荷によって曲がる点が綺麗にしたへ下がる典型的なプログレッシブなロッド。シャープさは損なわず気持ちのいい振り心地でした。今回はシーバス狙いで3/0番で10cmほどのエンリコ・ミノーを投げたので、フライが大きすぎてティップが少し暴れましたが、近距離でもロッドティップがよく曲がり、フローティングゲームからインタミのシチュエーションにとても向いたロッドという印象を受けました。

ロッドバランスはマングローブに比べるとややティップ側にありますが、これはリールシートをグラファイトにしたせいなので、実際のリール装着時のバランスはとても良い印象でした。

デザイン的な面はシンプルなロゴに変更され、見た目はセージみたいな印象。あまりにもシンプルすぎるので、その辺は好みが分かれそうです。今回のモデルはロッドケースが付属されてますので、その点を加味すると値上げではなく、実質マングローブと価格は一緒ということになります。私的にはとても欲しくなりましたので、6か7番あたりを買おうかと思ってます。

最後に一つ。TFOのロッドデザインにはロッドデザインの巨匠ゲーリー・ルーミスが携わっていることを知っている人も多い筈。本国のTFOのHPで”Our legendary Advisory Staff designers have tested to date.”(伝説のアドバイザリースタッフのデザイナーがテストしています)と書かれているところを見るとそのアクションに合点がいき、ゲーリーがロッドのテーパーデザイン携わったとしても、G.Loomis社があるので名前は出せないんだな、という推測ができます。

さて、話が長くなるので、昨日の実釣の話は次のブログへと続きます。

上がマングローブで下がアクシオムII。グリップ長と太さはほぼ同じだが、エクステンションバットの長さが、ややアクシオムIIの方が長い。デザイン的なものとロッドバランスの意があると思う。

TFO AXIOM II
グラファイトのリールシートフィラーに施されたグリーンの線は、リールポジション。暗がりでも簡単に装着することができた。
上からTFOアクシオムII、Scottタイダル、Winston ボロンIIIプラスの準。他のメーカーのソルトモデルと比べるとグリップ長は短めだけれどグリップはやや細めなので、日本人に合っている。

私のリールとセットして見た状態。TFOにはTFOのリールが合うと思うのは、個人的な感想。

本栖人(夢追い人)

神秘的な本栖湖の紺碧に魅了された昨日の本栖人(もとすびと)は約20名。富士山を見ながら仕事を忘れ糸を垂れるのも良し。この釣りを苦行と捉えるのも良し。それぞれの釣りを終えると、そのほとんどの人が手ぶらで帰るのだが、それが普通の湖。しかし誰ひとり文句を言うものはいない。皆が秘めた思いは、”いつかはこの湖で夢の魚をキャッチしたい” それに尽きるのかもしれない。

昨日は朝暗いうちから先週と同じ順番で回る予定でしたが、入ろうと思うポイントは皆さんがいらっしゃるので、少しずつポイントをずらして釣ってました。釣果?いつものように坊主でゴザイマス。

書くことがありません、お後がよろしいようで・・・。

朝の気温はマイナス3℃。本栖湖らしい気温になってきたけれど、手が凍らないのでまだそんなに寒さを感じない。ベイトの反応なし、生体反応なし。先週の魚たちも姿を見せることがなかった。
12月に入ったので南岸の道路が通行止めになりました。なのでここ川尻が一番遠い場所。そして一番寒い場所。龍ケ岳側に入った人は何匹か釣ってました。
急深のポイントで釣りをしていると湖側に吸い寄せられてしまいそうな気分。そしてその紺碧を見ていると、湖だけれど映画『グランブルー』を思い出す。最深部は122m。
私の湖仙荘3点セット。信玄餅は誰にあげても文句は出ないので鉄板。かつては年券(¥8,000)で釣りをしていたけれど、今は年に7〜8回しか行かないので、日釣券に切り替えたのが18年前。中には山梨県の共通年券で釣りへ来られる方も。山梨県の年券を買えば、春シーズンに早川水系や本栖湖裏にある栃代川とダブルヘッダーなんてのもできます。
イブニングは烈風に耐えた時間で、朝方よりも寒かった。全身で受ける波しぶきはまるで海のよう。人生と同じで、上手くいかないものですなぁ。

No Name(ノーネーム)の管釣り&湖用マラブーフライ

お店が暇なので、自分のフライを巻いてました。

本栖湖はこのフライとブラックバージョンが引っ張り用で、今実際に使っているものです。あとはブラックの小さめゾンカーかな?時合いがくればそんなにフライはシビアではないと思うので、なんでも良いと思います。

Hook: TMC3761 #8
Tail : Eagle Marabou
Under Tail : Ice Wing Fiber Pearl UV
Abdomen : Mylar Tincel
Thorax : Seals Fur Ginger
Wing : Eagle Marabou
Hackle : Partridge Dyed Olive

どこの湖へ行っても定番のカラーは、オリーブ系、ブラック系。ジンジャー系、この三つが定番カラーだと思います。芦ノ湖もほぼ同じフライを使ってます。

竿抜きゴムの話

「竿が抜けないんですけれど・・。」というロッドの持ち込みが年に数件あります。そんな時は使い慣れた黄色い竿抜きゴムを持ち出し、「はいはい、これを使えば簡単に抜けますよ。」と言いながらロッドを抜いてました、つい最近までは。

今年の始めの宮崎釣行でのこと、ダブルハンドの1番と2番が抜けなくなってしまい四苦八苦しました。釣りの直後で手がふやけていることもあって、ニッチもサッチも行かない状態。まぁここは都市部だから、近所のポイント釣り具へ行けば竿抜きゴムぐらい売っているだろうと、ロッドをそのままにしていざポイントへ。

そして店員さんに、「竿抜きゴムありますか?」と聞くと怪訝な顔で「当店は置いてません。」と。なぬ? 置いてない。

「え?じゃあ、固着した竿はどうやって抜くんですか?」と問うと、

「近所のホームセンターへ行ってください、ラバーグリップの軍手で簡単に取れますから。コンビニでも売ってますよ。」

なるほど、原理は同じ。釣具屋人生を37年以上も続けていると固着したロッドのように私の頭は固くなっているんですな。

そのハーミット的な商売っ気のない温かい言葉をいただき、近所のコンビニで見つけたSHOWAのライトグリップ。試してみると、あらまこんなにも楽なんですな、目から鱗でした。皆さんも固着した時のことを考えて、ラバーグリップの軍手を一つ車に入れて置いたほうが良いですよ。

「そんなの普通、当たり前だよ。」

と、皆さんの非難の声が聞こえてきました、精進いたします・・・。

コンビニで手に入れたライトグリップ。¥250ぐらいだったかな?私は手がでかいらしくLサイズ。
一番上の写真のように、ガイドを持たず普通に引っ張るだけでも相当なグリップ力で簡単に抜ける。それでも駄目ならば、この写真のように握力+膝の力で抜く。それでも駄目ならばライトグリップを2名で使用し、それぞれのセクションを交差して持てば、ほぼ抜けます。それでも駄目な場合は・・・、どうしましょう?今の所抜けなかったことはないですが。
TMC ジョイントワックス
固着の前に予防が大切。ジョイント部オス側にジョイントワックスを軽く塗ることをお勧めします。ロウソクでも良いです(大体同じ効果です)。
ティムコ ジョイントワックス
ジョイントワックスは、リップクリーム方式。塗りすぎ注意。

出勤前の釣りは「人間の証明」ごっこをする

「母さん、僕のあの帽子、どうしたでしょうね。ええ、夏、碓氷から霧積へ行く道で、谷底(渓谷)に落としたあの麦藁帽子ですよ。」

ホテルニューオータニを見ると必ず思い出すフレーズは角川映画の『人間の証明』に出てくるこのくだり。そして口ずさむのは、ジョー山中の♪Mama,Do you remember 〜♪である。人間の証明、野生の証明蘇る金狼野獣死すべし、当時の角川映画は好きで必ず映画館へ見に言ってましたなぁ。世代的にわからない人は無視してください。

ハーミットへ出勤する前に行ける釣り場は多々あるけれど、”そうだ京都、行こう”的な思い立ったらすぐに行けるのが、弁慶池である。小学生時代から慣れ親しんだこの池は、昨今の冬場はレインボートラウトを放流しているのはみなさんご存知? 夏はブラックバス、冬はレインボートラウトと、一年中釣りがきて電車で行ける手軽な釣り場、都民の味方デス。そしてビルの狭間にある皇居の外堀で釣りをするのだから、とてもローカルでありシュールでもあり、不思議な感覚が得られます。

ハーミットからだと九段下まで歩き、半蔵門線に乗って二駅。徒歩を含めてわずか20分ほどで着いてしまう手軽な場所。今年も11月下旬からレインボーを放流中。東京のど真ん中に住んでいるけれど、車をお持ちでない皆さんの選択肢として、一つお見知り置きを。

本日の朝はこんな感じでございました(釣り場の詳細はこちら)。

営団地下鉄・永田町駅で降りて7番出口へ。出口を間違えると国会議事堂に行けます(笑)
弁慶橋
7番出口の目の前は弁慶橋。中学生の頃、この橋の上からブラックバスを狙っていたら、後ろに走る路線バスをヒットさせた。もちろんランディングできずに切られた(笑)
弁慶池
弁慶池の水深は深くても2mはないので、シンキングラインはインタミだけで十分。私はお手軽インジケーターフィッシングで遊びます。
弁慶池
周りは見渡す限り高層ビルだらけ。でも、目線を下げるとビオトープが広がる。
特徴のある黄色い足を持つコサギ。釣れない私にエールを送りに来たのか?
出勤前の時間帯は水温が上がらず難しい感じ。でも、湖面に映る紅葉の黄色ぼーっと見ているだけて、今日の仕事は頑張れる気がする。
小一時間の釣りだったけれど、お魚さんはちゃんと遊んでくれます。このまま東京ドームにあるラクーア(温泉)にでも行って、帰りはどこかで一杯引っ掛けたい気分。でもこれから仕事なんだな。弁慶フィッシングクラブは冬季9時スタート、水曜日定休です。詳細はこちら。

デジャブ(本栖湖の思い出)

「そうこのタイミング、そろそろ食いそうだ。」
はてこの感覚、どこかで感じたような・・、もしかしてデジャブ?

いえいえそうではりません、先週と同じタイミングで同じ場所に入っただけ。龍ケ岳に陽が重なる頃に突風が数回吹き、それがおさまった後にゴツンというアタリ。まさしく最後の〆は先週と全く同じでした、最後だけね。

既視感(デジャブ)は通い慣れた場所では得られないけれど、忘れられない体験を再び感じたくて通う本栖湖。午後になるとロクマルサイズ以上が日に2本出た過去を思い起こして、同じコースを辿っていることが多いこの頃。あれは1998年だったかな?釣ったのは私ではありません。

ハーミットが始まった当初は年末に「世捨て人俱楽部・忘年会」というのを一泊二日で行なっていて、それは忘年会と竿納会を兼ねたような行事。当時の私は前乗りして本栖湖で試釣してました。その試釣している時に出会った大きなメスは岸から3〜4mのところを悠々と横切り、何事もなく回遊する貫禄のボディ。こりゃ明日は釣れちゃうな、とポジティブな戦略を立てることにした。本栖湖の大物は私的感覚だと左回りで泳ぐ。要するに釣りをしていると左から右へ向けて泳いでいくケースがほとんど。だいたい岸際を10mほど泳いだら沖へ行き、15分ぐらいするとまた同じ場所に戻ってくる。そしてクルージングは小一時間で終わる。そのタイミングさえ掴めれば釣れると私は思っているのデス。

その翌日、河口湖で宴会を終えた二日酔いの集団は本栖湖へ移動し、朝の釣りはゆっくりとした時間から。当時は日中でも放流ものはよく釣れたので、横並びで12名ほど入って釣りをしても、ほぼおデコがない感じ。皆が釣れたことで釣具屋の仕事は終り、黙っていた大物の回遊時間が間も無くだったので、ゆっくりとウェーダーを履き準備を始めた。

すでに私以外の人は釣りをしている訳だが、その中で当時流行り始めたダブハンを初おろしし、ぎこちないオーバーヘッドキャストをしている釣り仲間は良い位置でキャスティングをしていた。見よう見まねだけでやっているキャスティングは全然飛ばず、ラインが足元に固まって落ちるミスキャストを繰り返す。それを見た他の連中はその姿を揶揄していると、そのラインが突然走りだし大騒ぎ。強運の彼が捕えた獲物は見事な65cm。してやられた私は、羨ましさでいっぱいだったのでゴザイマス。しかし話はここで終わらず。

大物を目の前にしてより一層力投する仲間たち。すると横並びで釣りをする一人が更に一回り大きいトラウトを発見。「デカイ!、そっち行ったよ! と、点呼を取っているかのように次々に右へ右へと言葉がこだまする。右から3番目ぐらいの場所でウェーダーを履かずニーブーツでユルユルな釣り姿の彼は、その言葉が聞こえない様子。自分の釣りに夢中で何事もなくフライをピックアップしようとしたら、そのフライにまたしても大物が掛かってしまった(この話は最後にオチがあるのですが、話が長くなるで続きはお店で聞いてください)。本栖湖は初挑戦の人に優しく、そして魔物に取り憑かれたよう通い詰める私のような釣り人には、滅多に微笑んではくれないのである。

その思い出をたどり、もしかしてデジャブ的な感覚は訪れるのかも? と期待して、冬になると同じ時間同じコースにフライを投げ続けるこの20年。変わらないのは当時ニーブーツ姿の彼が乗っていた岩がまだそこにあること。そして変わらずに投げ続けている私。この二つだけかもしれない。

先週よりもちょっと雲はあるかな?朝の時合いは何もナッシング。陽が射してきて40くらいのヒレピンがフライを追いかけてきたけれど、その差は縮まらず。追いは一度のみでした。
釣り人、一本の杭になるの図。これも先週と同じですな。この場所で爆投していると、目の前の水面に落ちた虫を食いやがった。慌ててシンキングを投げるとびっくりして逃げるヒレピンレインボー。本日は風が無さ過ぎてダメだな、と感じた時間。
風がないのでサイトフィッシングに切り替えてドライフライをセッティング。あまりにもぺローンとした水面だと、たとえ見つけてもその距離が詰まらない。20mの距離があっても逃げちゃうし、フライラインの影でも逃げるんです。透明度の高い湖の宿命。ちなみに、ここ数年はサイトフィッシングがうまいことハマる日がありません。
こうしてのんびり景色を見ているだけでも良いんです、本栖湖は。溶岩帯にて。
溶岩帯の溜まりにバス君でもいないかと思いましたが、皆無。本日はベイトフィッシュがなぜか少ないです。
先週と同じ光景。ヒレ無し放流もの。でもロッドを絞ってくれただけありがたい。この後もう一本掛けたけれど、写真を撮る前にオートリリース。同じくヒレ丸でした。フライはウーリーバガーブラック#8丸呑み。写真で見るとダブルハンドですが、ロッドはマイクロスペイ。オーバーヘッドシングルハンドで振っています。
現在のプライムタイムは、朝は6時〜8時。イブニングは3時30分〜4時40分ぐらいかな?話に出てくる大物が2本キャッチされた日は、12月29・30日。私が釣った本栖湖最大魚は12/31だから、やっぱり年末年始はピークでしょう。