エッグフライ(グローバグ)を簡単に大量に巻く方法

エッグフライの作り方

フライフィッシングを始めてすぐの頃、管釣りで入れ食いを味わうために皆さんも一度は使ったことがあるであろうエッグフライ。そのうち自分で巻いたこのフライで釣りたくてタイイングに挑むのだけれど、丸く作る方法を知らずに苦戦した方も多い筈。

そんなエッグフライの巻き方も時代と共に変わってきています。「知らない人が多いから、ハーミットのブログにアップした方が良いよ。」と後押しされたので、ちょっと書いてみます。知っている人は聞き流してください。知らない人は、目から鱗かもしれません。

エッグフライを作るのに必要なのはボールペン
用意するものは、いらないボールペンとナイロン糸。そしてマテリアル。マクフライフォームなどのエッグヤーン1本とドット柄になる差し色を、売られている太さの20%にします(写真は多めなのでもう少し少ない方がオススメです)。ボールペンは芯を抜いて使いますが、穴の直径が少し大きめのものを選んでください。
ボールペンの先っちょの部分を取り、そこへ二つ折にしたナイロンの糸を通します。その輪にエッグヤーンのど真ん中まで通します。

 

グッと引っ張って先端から1cmほど出して、この状態にします。正確にはボールペンのキャップの部分ではなく先端です。

 

持っているハサミ(シザース)の中で一番切れるものを用意し、ボールペンの先端から約4mmくらいの位置でスパッと一発で切ります。これで下準備は完了。

 

スレッドはGSP(ゲルスパン)スレッドを使ってください。カラーがきになる時は同系色のマジックで塗ってしまいましょう。ここではTMC2488#12を使っています。
写真中には十字に掛けると書きましたが、正確には八の字です。片側に2回ずつ、フックが曲がらない程度に締め込んでできる限り締め込んでください(かなり重要です)。GSPスレッドは絶対切れませんが、やり過ぎるとフックが曲がります。左右2回で合計4回のスレッドワーク。

 

八の字に2回巻き終えたら、フックのアイ側でスレッドを2回転巻きます。巻き終えたらボールペンの芯を引いて約8mmほど引き出します。引き出したらボールペンの芯が邪魔にならなくなるので、その前でフィニッシャーなどを使いスレッドを結び止めます。結び終えたら、スレッドの上とエッグヤーンの中心にヘッドセメントか瞬間接着剤をほんの少し垂らして止めます。スレッドはカットします。
写真上に約4mm分出ていますが、それに合わせて約4mm分の位置でエッグヤーンをカットします。切る時は一気にスパッと切ってください。ボールペーンの芯側には、次のエッグフライを作るための4mm分が残ります。
手で全体を馴染ませれば出来上がり。ビーズヘッドを最初に入れておけば、写真のようにビーズヘッドエッグフライになります。そして2個目以降は同じ手順。この巻き方だとエッグヤーンを切るたびにでるゴミがなく無駄がありません。皆さんも一度チャレンジしてみてくださいな。

ロケハン


祝解禁!2018年の渓流も中部と北陸の一部が解禁しました。皆さんはタイイングに精をだしていますでしょうか? 例年ならば長良川解禁のお祭りに参加しているはずの私ですが、今月はいろいろと用があるために、いつもとはちょっと違う2月になりそうです。

とは言ってもお休みの日に家でじっとしている私ではないので、先日の火曜日は今年の渓流を見据えて早々とポイント散策してきました。南から北へ向かってただひたすら川を見て歩くドライブ。まだ日が短いので、3時30分ごろには寒くて退散しましたとさ。

今年は雪も多くどこのダムも保水量は問題ないようなので、ちょっと期待してます。

本当のことを言うと、下流部でヤマベ(オイカワ)を釣ろうと出かけたのですが、寒さと風でライズが全然ないので、ひたすら川を見て歩いただけだったりして。ここの年券は13ヶ月遊べるので、3月までの間は券を買わずに昨年の年券で釣りができます(もちろんオイカワ・ハヤもこの券で釣りができます)。

お気に入り尺ヤマメライズポイントは今年も深さとヨレ具合が素敵。3月までのお預けだけれど、このポイントの高活性時期は4月の頭かな。

いつもと違い水がとっても青いので、その冷たさが触らなくてもわかります。川に躍動感が宿るのは、やっぱりもう少し先ですね。

銀世界と鯉(パンコイ)

帰宅難民、都内の交通麻痺。雪に弱い東京と思う前に、歩道をゾロゾロと歩く人の姿を見て、東日本大震災の夜を思い出した一昨日。あっという間の7年ですが、何も改善されない7年のような気がします。オリンピックで盛り上がるのは良いけれど、日本は一体どこへ向かっているのでしょうね。

日本の将来を深く考えるほど大きな器を持っていない私は、渋滞に巻き込まれながら帰宅した駐車場前で雪かきをしながら考えたことは、明日の休みは何もできないだろうな、との思い。なのでゆっくりと起床し、ダメ元で午後から近くの川へ出かけることに。ユルユルで出かけたのに、やっぱり橋という橋はどこも大渋滞。帰るにも引き返すことができず、仕方なく釣り場へ到着。橋下を覗くと思いの外雪代が出ておらず濁りが少ない様子。どうせこのまま帰っても渋滞に巻き込まれるので、フライを少し投げて帰ることにしましたヨ。というか、橋下の鯉が私を呼んでいるような気がしたんです。「餌を頂戴!」と・・。

ここの鯉さんはグルメでして超熟か超芳醇のブランド食パンがお好み。他の食パンではコイを浮かせるのに時間が掛かってしまうので、いつもいずれかをコンビニで調達します。ちょうど昼時でお腹が空いていたので、パンのミミを鯉へ投げ、白い部分はちぎりながら自分のお口へと運ぶ作業。今更ですが、このパンってとっても美味しいじゃないの。何もつけなくても香りと甘さを感じ、コイを寄せる前にあっという間に一枚がなくなっちゃった。

そんな感じでパン一斤を鯉くんと仲良くシェアし新雪の中、初コイを楽しんだ私でした。気がつけば1月も半ば過ぎ。あと一週間もすると長良川が解禁しますよ。皆さんの準備はいかが?

渋滞にはまりながら到着。普通の靴じゃ川に近寄れないのでニーブーツに履き替えて河原へ向かうと・・・。

そのニーブーツは役に立たず、一番深いところで40cm以上の積雪。中に雪が入ってきて、冷たい足先での釣りになっちゃった。

パンを鯉と仲良くシェアして釣り始めたけれど、冷え込みのせいか御機嫌斜め。最初の鯉をヒットするまでに2枚食べちゃった(笑)

橋上から見ると緩い流れにやる気があるコイさん達。それ以外にヤマベ(オイカワ)の大きな群。今回はミッジを巻いてこなかったので、狙いは鯉さんだけ。

ズシッとした重量感とトルクフルな引きが鯉さんの魅力。フライライン一本分まで出されました。

「なぜパンを付けて釣らないんですか?」と、フライフィッシングをしない方に良く言われます。僕らはワザと釣りを難しくして楽しんでいる変な輩なんです。

流れのある場所で鯉を狙う場合、ドラッグフリー(フライを自然な流れに乗せる)が命。なので管釣りで100本のニジマスを簡単に釣ることができる人がこの魚に挑んでも、簡単に釣ることはなかなかできませんので、それだけの価値はあると思います。あとはこのタラコ唇が好きになれるか否かでしょう(笑)

オオニベチャレンジ・シーズン3

今年も初っ端から修行のような時間を過ごしてきました。宮崎はいいところですよ。人柄はほがらかで釣り場の争いなく、どんなに混んでいても嫌な思いをしません。ポイントは分け隔てなく教えてくれるし、皆さんの笑顔が素敵です。そして空は広いし、食事も美味しい。後は目的の魚が釣れてくれれば文句のつけようがないのですが、今年もタコリました。ま、仕方がないですね。100名が投げていても滅多に釣れませんから、確率は相変わらずとても低い魚です。

今年は北部の延岡から日向を捨て、川南から宮崎市内中心の釣り。いろいろな方とお会いしてわかる事は、やっぱり釣り人密度が高ければ高いほど釣れているという事。なので、同じ場所で集中して釣れているのは事実。と言っても他の場所もポツリポツリ釣れてますから、その確率は日向浜全体で考えるとどこでも同じようなものかもしれません。

さてさて、今年も忘れないようにここへ私的な備忘録を書いておこっと。

□ 釣れている条件は、沖の瀬(沖漁礁)と河口と急深がミックスするところが多い事。
□ ルアーで釣ったことがある人の話を総合すると、ヒットポイントは主に岸から20m以内がほとんど。でもその先から追ってきて喰っているのかは定かではない。
□ 一本出ると立て続けに数本同じようなサイズが同じ場所で上がる。群れていない個体を釣っている人もいるが、宝くじ的な釣り。
□ 大きい個体ほどシャローに多く、中ニベ〜子ニベほど水深が深い傾向。
□ 最近はメタルバイブやメタルジグで釣っている人が多く、飛距離が80m以上飛ばしているので、隣でFFをしているとめげてしまう。
□ 図体がでかい割りに、使われているルアーは小さい。しかし、ナイターの釣りではそうでもない。
□ ルアーを参考にして釣りを組み立てているが、FFならではの方法を模索してみるのも手かもしれない。

最近ではサイズのとても小さいものであれば房総でも釣れているオオニベくん(ヒラメ釣りの外道)。もう少しこの魚の生態を知りたいので、フライフィッシング以外の方法でまずは一本釣ってみたいとも考えたくなるもの。でもルアーにせよ餌釣りにせよ、そう簡単に釣れる魚ではないので、他の釣り方に浮気しないでやり通してみますか・・。今年はもう一度行きますよ!と言っても12月の話です。

オオニベ・エイクササイズをあなたも始めてみませんか?二の腕は引き締まり胸筋が鍛えられます。そして浜辺を歩くことで足腰はしっかりとし、体重も一気に減らせます。ただし、脱水症状にはご注意を。

夜明けから日没まで、今年も休むことなく投げまくりました。移動距離は初年度の半分ぐらい。と言ってもポイントは毎年変わるので、初日は足で情報を稼ぐのが大切だと痛感しています。

九州の方々と合流する予定だったけれど、寒波の影響で全域が大混乱。そして砂浜は凍り、ガイドはシャリシャリになる状態。釣り人も例年よりも少ない感じ。お魚も寒そう。

フォロワーの北西風にラインが煽られてラインバスケットから出てしまうので、急遽プラスティックまな板を加工してウインドスクーリーンを作成。made in ダイソーです。

釣れている場所はとても賑やか。最終日はこの人々に混じって投げたけれど、隣の人はワンキャストワンヒットでグチのスレ掛かり。今までで一番釣れそうな予感に投げまくるも、グチの群は80m以上沖。フライはナイスキャストで50mだから、投げていて悲しくなってくる。無論、手応えは何もなし。

釣れた時を想定しての写真アングルを確認する馬鹿な私。1mって思いの外大きく感じないのは平面だからでしょう。年始には141cmが上がっているので、さらにこれよりも20cm以上大きいサイズ。あぁ、抱きしめたい・・。

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今回のDATA

Rod: Winston Boron IIIx 15ft 9weight
Reel:Tibor Pacific Backing 600yds
Line:UST ST9/10-S2/S3 or Skagit 600grain
Leader:VARIVAS Fluorocarbon 9ft  -2X
Shock Tippet:30LB

ロストしたフライの数(壊れたフライ) 14本
キャスティング回数:約 2000回
釣行日数:5日間(釣行時間:約41時間)
釣れた魚:0匹
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見えないゴールは果てしなく遠いのである。

オタマジャクシみたい

来週からの九州遠征に備えて、ギリギリになってタイイングをしてます。まだ見ぬ日本のJEWFISH(ジュウフィッシュ)を釣るために、今年で三年目のチャレンジ。日本ではフライフィッシングで狙っている人が他にいないので海外のサイトを頼ると、この魚はどうやらチャートリュースカラーがお好みらしい。ということで、今年はチャートフライを中心に仕込んで見ました。

フライのサイズを昨年より小さくしたのは、釣れている人の使用ルアーを見ていると意外に小さいものが多いので、今年はそのサイズに合わせてます。夜は波動が出る大きな13cm以上のフライ。日中は小さめ(と言っても10cmくらい)のこんなフライという感じ。釣れる前から人間はいつも釣れてますが(笑)、今年の成果はいかに?

その結果は来週の今頃にはこのブログでわかるでしょう。昨年の様子はこちらです。

Hook:Gamakatsu S10S-4H  #1/0〜#4/0
Tail:Rooster Cock Feather + EP Sparkle
Gill:SAAP Float VIZS  Red
Body: Wool
Eye:HMT Eye

ピンクのフライを巻くと必ず女性に「カワイイ〜!」と言われます。こいつは正面から見るとおたまじゃくしかカエルみたいだから、まさしくカワイイ系のフライ。ちなみにこのフライは、中にタングステンウェイトを入れてます。

関東の暖かい場所へ(堤防のフライフィッシング)

ブログ謹賀新年、今年もよろしくお願いいたします。

さて、私はというと年末年始は相変わらず釣り人デス。来週からは九州遠征を控えているから、関東の暖かい場所でソルトウォーターの肩慣らしをしておかないとね。ちなみに最近では関東でもオオニベ釣れてます(大きいのは稀ですが)。

宮崎空港から市内へ向かうパームツリーは南国のイメージ満点ですが、関東にも似たようなところがあるんですよ。写真を撮り忘れちゃったけれど、千葉の南端に向かう国道127号線はそれに近いものがあります。宮崎とは若干の気温差があるものの、冬場でもサーファーが波間に揺れて釣り人は沖へ向かってキャストし続けているあたりは、静岡の南端を含め、南の端っこはどこへ行ってもこんな感じなんですね。

で今回はカマス求めて南房総の色々な場所を右往左往。朝から一日爆投し続けて釣れたのはクサフグのみでございました。お魚はいつでも気まぐれで、後日「入れ食いですよ。」と釣り仲間の報告が・・・(写真はこちら)。う〜む、リベンジか?と思ったけれど、その前に宮崎で成果を出さなくては。今年も頑張りますよ宮崎キャンプ。

休みともなれば堤防は釣り人でいっぱい。フライフィッシングを理解していない人がほとんどだから、事故やトラブルが無いように、無理な割り込みはやめましょう。

ソルトウォーターフライフィッシングにはラインバスケットは必需品。お店に置いてあるバスケットが高いと思う人は、買い物かごやゴミ箱で自作しましょう。

ミンクゾンカーが好きすぎるクサフグくん。その下に50cmほどの大物(マダイかグレか、サンノジ?か)が回遊していたが、仕留めることができず、残念。

フライをやっていると色々な人が話しかけてきます。「何を釣っているの?」返答:皆さんが狙っているものと同じ魚です。「やっぱり釣れたらキャッチ&リリースなの?」と聞かれますが、いえいえ、もちろん食べますよ。

漁港で見つけた、クエ(またはイシナギ?)。体長は人間より少し大きめ。身を取って捨ててあったけれど、頭だけでも20キロくらいはありそう。

2017年の釣り

コンピューターの中には年と月に分けられた写真がぎっしり。今年最後の営業日はその写真を眺めて一年の釣りを振り返ります。釣行回数は86日かな? 更に新しいことにチャレンジして打ちのめされた一年であったことをしみじみと感じています。

今年もあっという間の一年。皆さんにとってはどんな一年だったでしょうか?

来年もまた皆さんにも素敵な出会いがありますように。

1月は宮崎県の日向灘で大物を追いかけて爆投の日々。いつかその苦労が報われる日を夢見て、今後も投げ続けます。

2月は長良川とシーバス三昧。バチ抜けとベイトが入りトップウォーターナイトゲームが楽しい季節です。

3月の解禁とともに、私は栃木住民のような生活になります。多くのお客さんと一緒に、ヤマメのライズを探して回りました。

4月は大物を求めて本流へ。ライズがない時はずっとダブルハンド三昧。雨にも負けず振り続けた日々。今年は大物の成果は全くなかった4月。

5月は神通川で爆投の日々。11日間投げ続けて何も起こりませんでした。そのついででやっている渓流のヤマメやイワナはいっぱい釣れたのですが・・。

6月は大物を求めて山奥へ。山梨・新潟・栃木、いずれの県でも尺揃いの年。

はじめての試みとして7月に行った亀山湖のバストーナメント。愛嬌のある顔に癒されます。来年もやりますよ!

新たな場所へチャレンジした8月は、ドライフライで色々な魚種を釣ってみました。ブラウンのデカイやつ、来年はやっつけたいです。

9月はヤマメ釣りへあまり出かけない私ですが、いつもと違うことしたら良い魚に巡り会えた新潟の渓。同じことのローテーションも良いけれど、釣りの虫が騒いだら変化球で攻めると良いことがあります。

10月は癒しを求めて野反湖や懐かしい場所へ出向いたり。水温がまだ下がりきれないから意外と遊べた10月です。

11月はイトウを求めて道北へ。本命には会えなかったけれど、新しい釣り仲間と楽しいひと時が過ごせました。

11〜12月はいつもの通り本栖湖三昧の私。本当は5月が一番釣れるんだけれどね。凍てつく寒さの中に食いついてくれる大物は、今年も不在でした。来年また会いましょう。

若者よ、大志を抱け

ハーミット2017年の営業も本日で最後。今日はお客さんも来ないでしょうからユルユルにお仕事頑張ります。さて、先だってお話下した通り本日はHMTが賞するMVF(Most Valuable Flyfisher)をご紹介。というか昨日閉店間際にひょっこり現れたので、MVFを告げずに「これ持って。」と言ってみました(上の写真)。

彼は今年社会人一年生。中学校の頃からハーミットへちょこちょこ顔を出し、本格的にフライフィッシングにハマり始めたのが大学生になってから。やっぱり中高生にはフライの道具は高いので、アルバイトをしてお金が自由に使えるようになってから、その面白さにはまった次第。

大学生時代は近所の川でブラックバスやシーバスを楽しみ、お金を貯めて遠征へ北海道へ行ったり。僕らからしても若い子が一生懸命釣りをする姿が好きだから、色々な釣りへ連れて行ってあげたりして、学生時代に色々なフライフィッシングを経験してもらいました。

その子が社会人になり、仕事忙しさに釣りへ行かなくなってしまうのではないかと思いきや、今年も休みのほとんどを釣りに費やした釣り馬鹿ぶり。その貪欲な釣人魂に感服し、HMTは彼に表彰いたします。

あ、もちろん金券なんてあっという間にロッドへ変身しましたとさ。これからもフライフィッシングングを楽しんでね、Nくん。

HMT of the Year / ROD

私が釣りを始めた幼少期はグラスロッド全盛期。フライフィッシングを始めた頃にようやくカーボンロッドが出てきた時代だから、フライフィッシングを始めて最初のロッドはもちろんグラスロッドでした。シェイクスピアの入門セットで¥9,800くらいだったと思う。その後にお年玉を貯めて買ったのがフェンウィックのFF765というグラスロッドで、当時は5-6番が標準ロッドでした(というか3番なんてなかったもの)。カーボンのフライロッドを手にしたのはそのずっと後で、最初のカーボンはスピードスティックのフライロッドだったかな?余りにも古い話なのでちょっと思い出せない。

グラスロッド時代はその復元力の弱さにキャスティングループに波が入り、それをどう殺して投げるかがキャスターに求められたもの。ロッドは重いのでリールをわざと重くして手元にバランスをくるようにしていたのである。それがグラファイトに変わるとそのバイブレーションは非常に抑えられるようになったが、ロッドテーパーは試行錯誤の時代で、人の好みにより大きく人気が別れたものだった。

フライロッドを40年間振り続けて私が思うことは、今のロッドの進化は本当に凄まじいもの。ロッドのバランス、軽さ、復元力、テーパーのスムーズな曲がり、どれを取っても昔のロッドとは比べ物にならない。メーカーが安易に”effort less”(努力知らず)”を多用するのにも合点がいく。もちろんバンブーロッドやグラスロッドにもメリットは沢山あるけれど、多様性で考えればグラファイトロッドが現代の主軸となっていることは間違いない。ただしグラファイトロッドは優等生が多く個性がなくなったことは事実である。また、古いロッドを良しとする人は玄人であるから、キャスティングが上手な故にわざと難しい方向へ行きたがる傾向なので、自分のキャスティング能力に酔いしれるために懐古主義になるのでしょう。

話が逸れそうなのでここで修正して今年のハーミットが選ぶHMT・タックル・オブ・ザ・イヤー・ロッド部門の話へ。一つだけ紹介しようかと思ったのですが、甲乙つけ難いので、二つあげます。

まずはTFO のBVKシリーズ。こちらのシリーズは発売されてからすでに10年近く経っていると思うのですが、その人気は衰えず価格以上の価値があるとお客様からの声が多いロッド群。私が勧めなくても勝手に売れてくれる素晴らしいロッドです。以前はTFOフィネスがそのような感じで、ネットに広がる持っている人の評価を見て、連鎖的に購入者が多かった感じ。それが現在は時代がもう少し張りのあるロッドを求めているのか、BVKにやや分があるようです。ロッドのコスメには賛否がありますが、グラファイトシートと穴の空いたシートリングなどが今のラージアーバーリールに合うのでしょう。

そしてもう一つのロッドは今年もハイエンドのロッドとしてとても人気があったScottのラディアンシリーズ。スコットの新しいGシリーズはもちろんとても人気があり供給がまだ行き渡ってない状態ですが、発売して間もないので年間のトータルで見てスコットのラディアンに決めました。最近は北海道に遠征する人が多くそのメインロッドとしてラディアンを使う人が多いので、とても活躍しているロッドです。私もその一人で湖のドライと北海道の渓流用に購入したのですが、私のラディアンはとても出番の少ない一年となってしまいました。

ということで今年はこの2シリーズを表彰します。私がウインストン愛が強い人だからWinston・エアを表彰すると思ったでしょ?でもね、エアは少し価格が高いというだけで評価する人の数が少なないんです。リールの表彰と同様に私の気持ちをゴリ押しするのはちょっと違うと思うので止めました。もちろん皆さんにエアの良さを知ってほしいのですが無理強いはしません、ハーミットですから。

今年の写真を見て思うことは、ダブルハンドのロッドを振っている時期がとても長かったこと。そしてエアを入手以降はずっとエアの写真ばかり(笑)。そりゃそうだ、ロッドを手に入れたら誰でもそのロッドで釣りへ行きたくなるでしょ?

メリークリスマスな夜に
サンタは来ない

小学校の低学年の頃、サンタクロースは軽トラに乗ってやって来た。軽トラに群がる子供達を蹴散らしながら、団地の家庭にプレゼントを配り歩くアルバイトのサンタさんは、楽しそうではなかった。サンタって大変なんだなと思った幼少時代。

少し大人になると、ユーミンが「恋人がサンタクロース」と教えてくれたけれど、釣りに夢中過ぎて(今でも?)サンタどころではなかった若かりし頃。結婚して子供ができると本格的にサンタをしなくてはならない時期があったけれど、それももう遠い昔。年を重ねるごとにクリスマスは、なんだか寂しさを感じます。

カーラジオから流れるジョン・レノンやマライア・キャリーの曲を聴きながらシーバスへ向かっていたら、こんな夜はもしかして僕らにサンタさんが大きなシーバスをプレゼントしてくれるんじゃないかと釣り人的ポジティブモード、もしかして?デジャブもありかなと・・・。

時計の針が24時を回ったので、いよいよクリスマスイブ。さぁいつでも来いと爆投しましたが、待ち人(魚)来ず。失恋した翌日の朝を迎えたような気分の本日でございます。あぁ、やっぱりサンタを召喚するには一日早かったようです。残念・・。

工場夜景クールーズを楽しむ人々が、こんな写真を撮るために僕らの後ろを横切っていく。夜景だから相当良いカメラを持ってないと綺麗に撮せないと思うけれど、工場マニア女史って何十万円もする一眼レフを持っているのかしら?

相変わらずエンリコミノー3/0サイズ引きまくりで最大はこんな感じ。昨夜の最小サイズは20cmを切り、魚とフライがほぼ同等でした(笑)

シーバスをひとしきり楽しみ、最後のひと流しだけアジサビキを投げてお土産釣りを楽しんでいたお客様。ふむ、私も次回からそうしましょう。

釣りからおよそ6時間後にはダブハンのキャスティングスクール。新しいことに挑戦する人をハーミットは応援しています。この場所は僕らのFly de 鯉釣りフィールド。年が明けたらコイしゃぶ(鯉を釣った後にしゃぶしゃぶを食べに行く行事。鯉のしゃぶしゃぶではありません)へ行こうかな。