Go To 芦ノ湖(釣り場活性化の為に方々出歩くススメ)

コロナ騒ぎが始まって早8ヶ月以上が経ち、水道橋飲食店は激減したので私の食事情は悪くなる一方。今年の釣りを振り返れば3〜5月はまともな釣りができていないので、何か物足りなさを感じます。思い出せば例年は複数回訪れる芦ノ湖も一回しか行ってないしね。おかげでドラワカはボックスで静かに眠っている状態。そう言えば客足が減り意気消沈していた『うえ乃』のマスター元気かな?

3月に訪れた時の芦ノ湖はコロナ禍によって外国人の足が絶たれ、湖に浮かぶ海賊船の人影が無かった寂しさを、ふと思い出した。行きつけの場所が元気がなくインバウンドの売り上げが望めないのであれば、僕らが動かないとね。皆さんもGo To 芦ノ湖はいかが? という事で昨日はダンディな『うえ乃ボート』のマスターと杉ちゃん(ボート担当)の顔が見たくて芦ノ湖へ行く事にしましたヨ。美味しいカツ丼も食べたいしね。

秋の芦ノ湖を狙う場合、ノザキボートさんのフレッシュ日報(行かないで情報だけ見ていてゴメンナサイ)で表層水温が20°を少し下回るかどうかが鍵。今回は少し水温が高めで難しい状態がと言うことが分かってましたが、ボート予約の際に「今年はワカサギが沢山釣れるよ。」と言われたので、釣れなかったらワカサギ釣りに変更しそっちを楽しめば良いやと思っての出陣。さて、その結果は・・。

秋の芦ノ湖の朝
最初の計画では朝一はドライ→10時過ぎにワカサギ→午後風が出たら引っ張りの予定でした。行ってみるとベタナギで水はターンオーバー中という感じで水色もあまりよろしくないので、水面に魚の気配がない。1時間だけ右往左往した後は仕方なく先にワカサギをやることに。
芦ノ湖のワカサギ
マスターの言う通りワカサギはかなり人気のようでボートがビッシリ。昨今の「釣り→密になりにくい→ブーム」と言われているように、ファミリーや女性の姿が多く見られた。それを裏切らない釣果は嬉しい限り。そしてヒメマスも混じると言うオマケつき。
芦ノ湖のワカサギ釣りはカラバリ
ワカサギ仕掛けで釣れたのは、ワカサギ・ヒマメス・アブラハヤ・ダボハゼの四目釣り。惜しかったのは、25cm近いヒメマスを手元でバラしたこと。ヒメマスは口が柔らかいので、ちゃんとタモで救わないとダメですね。ロッドがシーバス用だったのも問題かな。その夜、美味しく頂きました。
秋の芦ノ湖フライフィッシング
そもそもエサ釣りも大好きだから夢中になって釣りをしていたのだけれど、途中から強風でアンカーしないでステイさせるのが難しくなったので、退散。湖流もできたことだし、これは岬打ちだと思い亀ヶ崎へ。爆投の末何も無し。そして胴切り、龍宮殿へと続き何も無し。この間の私はタイプ7で二刀流(芦ノ湖は同時に出して良い竿は一人2本まで)。一本を投げて置いて、次をキャスティング。リトリーブしてキャストすると、カウントダウンがおよそ60秒。タイプ6−7でおおよそ8〜11mを探っている勘定。でも、今回はこの方法では身を結びませんでした。
芦ノ湖のレインボートラウト
結局、トローリングで釣れている情報のタナだと釣ることが難しいので、西岸急進部の壁打ちへ。エンジンかけっぱなしでバックギアに入れ、少しずつ流しながら、木々の隙間へ入れていく。この方法でやっとこさ1本キャッチ。オデコ覚悟だったので、嬉しい一本。それにこの時期はヒレピンしか釣れないから、その引っ張りっこが超楽しい。サイズは40cm弱ってとこ。ヒットフライはラマファイバーで作ったリーチパターンです。
芦ノ湖のドライフライフィッシング
シンキングラインを投げまくっていると、岸際2mのラインに回遊しているレインボーを発見。すかさずフローティングに持ち替えてキャストするも間に合わず。この方法で見事に決まったのが1度だけ。しかしジャンプ一発で外れました。ドライのサイトフィッシングをするのは10月中旬以降が良いでしょう。
キャッチアンドリリース
結果的にいつもよりも少し先走りすぎたかな。芦ノ湖の秋シーズンはハーミット予測で15日以降からシーズン。政府はGoToキャンペーンを仕掛けているけれど、目先の値引きよりも釣果優先。釣れる時期に釣れる場所へ行きましょう。芦ノ湖の秋シーズンはもうすぐそこです!

ラマ・イントルーダー

ひと昔前にハーミットでラマストリーマーファイバーと言うのを売っていた事を覚えてますか? そんな人はかなりのハーミット通です。かつてこのマテリアルを使って本栖湖用のワカサギストリーマーやソルトフライを作って成果を上げていた私ですが、訳あってこのマテリアルが死ぬ程あります。調べればこのルーツという会社はすでになくなっているのですね。

このマテリアルがあまり売れなかった理由は簡単で、皆さんが使い方がよく分からなかったのです。そして発売当時は利用方法が限られてましたが、今であればきっとイントルーダーやチューブフライを巻く人のマテリアルとしてかなりの需要があると思います。さらに刻んでダビング材にしたりストリーマーのボディにしたり、その用途は色々。なのでまずはその巻き方を載せてマテリアルの方はセール価格で販売しようという企画。うまいこと売れてくれると良いのですが・・・。

この後に何度かこのマテリアルを使って他のパターンも紹介する予定ですが、まずはこのイントルーダー。細かく写真を撮ったので、とてつもなく長いタイイングブログになりますが、参考になれば幸いです。暇な方はどうぞご覧くださいまし。

ルーツのラマストリーマーファイバー。長さが28センチもあるので、長さの調整ができる点が優れもの。沢山残っているカラーはスティールヘッドやサーモン、トラウトカラーなので、海で使えそうなカラーは少なめです。ルーツのラマストリーマーファイバーはこちら。
今回はアキュレーテッドシャンク・ビッグゲームを使ってますが、余っていたからです。皆さんは通常のアキュレーテッドシャンク35mmをお使いください。まずは下巻きです。後で裏返しにするので、通常はフックを挟み込む方を下にして巻きますが、今は上向きになってます。
フックを取り付けるためのワイヤーはフックシャンクの約4倍の長さでカット。それを半分に折り、フックがギリギリ交換できる長さに巻き止めるためにフックを持ちながら後ろに突き出すワイヤーループの長さを決めます。決まったらスレッドで何回も巻いて巻き止めます。
ワイヤーは動かぬようにシャンク全体にスレッドを巻きます。余ったワイヤーはアイに通して折り返しさらにスレッドで巻き止めます。して今巻いたアイ近くのワイヤーの上にリブドタングステンボディをしっかりと巻き止めます。巻き止めたら満遍なく瞬間接着剤を塗りましょう。
次に用意するのはラマファイバー。袋から全部出さずに、使う長さ分を横一杯にカットしちゃいまっしょう。横幅いっぱいにカットすると、イントルーダーはおおよそ6〜8本くらい巻けると思います。カットする長さはフックシャンクの長さのおよそ2倍以上の長さ。
まずは先ほどのバイスの位置から180°ひっくり返してください。そしてカットしたラマファイバーを20本ほどとスパークルファイバーを少し巻き止めます。この作業はやらなくても良いですが、フライの芯の部分のマテリアルが欲しいと思う方は巻き止めてください。
巻き終えたらそれとは別にカットしたラマファイバーを100本ほど(写真の様にスカスカな感じの量)取り、横幅約8センチほどに広げます。そしてその上にピザのトッピングの様にお好みで同じ様な長めのファイバーを乗せていきます。今回はスパークルファイバーとフロロファイバーを少し乗せました。
マテリアルクランプを持っている人は、テーブルからそのマテリアルを少しずらしてクランプで挟みましょう。持っていない人はこの準備作業はありませんので、次のダビングループを作ったら、そっとこのマテリアルを持ち上げて、ループに挟み込みましょう。
ダイビングループの作り方は、まず左手の指にスレッドを引っ掛けてシャンクにスレッドを巻きつけて輪を作ります。先ほど準備しているマテリアルの幅が8センチほどありますので、輪の大きさは最低でも12センチ以上は欲しいです。写真は輪を作って指を引っ掛けている状態。この後ボビンは邪魔なので、前方(アイ方向)に巻き進めて避けておきます。
今作った輪っかに先ほど下準備したマテリアルを挟み込みます。手でやる方はそっとやらないと崩れます。家庭内の応用できる製品は大型のクリップですので、それを使うのも良いでしょう。
マテリアルを挟み込んだらダビングツイスターを使い、その輪を回転させて挟み込んだマテリアルが抜けない様にします。回す回数は人によってそれぞれですが、20回以上は回すと思います。挟み込んでできたブラシはグチャグチャですが、シャンクに一回転するごとにクシなどでほぐすと良いでしょう。私はスティールブラシで均しています。
マテリアルのブラシ8センチ分を巻いてクシで平すとこんな感じです。
今巻き終えたマテリアルのすぐ前にギニアフォウルフェザーの先端を巻き止めます。不要な先端は抜けない様に折り返して止めて、カットしましょう。
ギニアフォウルは丁寧に内側に生えているファイバーを後方(鈎側)に撫でながら螺旋状に巻き止めましょう。するとこんな感じ。スレッドは約3センチ程アイ方向に巻き進めて、今度はマイラーティンセルを巻き止めます。このマテリアルは往復しますので、一旦フック方向(写真左)へ巻き進めてギニアフォウルの位置まできたら反対方向(写真右)に巻き進めて元の位置まで巻いてスレッドで巻き止めます。巻き止めたら不要な部分はカット。
マイラーティンセルを巻き終えて余りをカットするとこんな感じ。あとは前半のボディを残すのみ。
フライの姿勢を保つために巻いたリブドタングステンボディの半分は傷隠しの様にラマファイバーを数本巻き留めてスレッドに寄り、巻き進めましょう。
出来上がるとこんな感じ。見た目の問題なので、この作業もやらなくてもOKデス。
2回目のダビングブラシを作る作業です。フライはグラデーションをつけるとカッコイイので、先ほどのラマファイバーよりも濃いめのラマファイバーを、先ほどよりも少しだけ長めにカット。そして100本ほどを取り分け、8センチ程の幅に広げます。先ほどと同じ様にお好みで光のものマテリアルを少し入れましょう。
先ほどと同じ様にダビングループを作り、下準備したマテリアルを挟みます。そしてツイスターでそのループをよって同じ容量で8センチのブラシを作り、タングステンボディを隠す様にヘッド方向へ巻き進めましょう。ブラシで整えると写真の様な状態になります。
今巻いたマテリアルのすぐ前に、今度はスペイコックの先端を巻き止めます。スペイコックがない人はヘロン(サギ)のダイドカラーを使うと良いでしょう。スペイコックは鈎方向(写真左)に撫でながら巻いて巻き止めます。余った部分はカット。
手で撫でて形を整えるとこんな形になります。
このままでの十分釣れるフライですが、ジャングルコックがあるとカッコイイしフライが締まって見えるので、持っている人は両サイドに巻き止めましょう。
最後にギニアフォウルフェザーを巻き止め、先端の余分をカット。そして先ほどのギニアフォウルと同じ様に写真左に撫でながら巻き、最後はスレッドで巻き止めましょう。余ったマテリアルはフィニッシュし、完成です。
フィニッシャーでスレッドを巻き止めたらカットし、最後に瞬間接着を塗布して完成です。上手く作れると幅があり流れに揉まれても萎まないフライが出来上がります。流れに乗ると大きさが変化して生きている様に見えますヨ。
できたフライのワイヤーループにフックを通したら、こんな感じ。大型のレインボーやブラウンを狙う場合、人気のあるカラーはスティールヘッドパターンと同じでパープルやチャート、オレンジにオリーブなどのグラデーションが掛かったものが人気のパターンです。フライサイズはご自身のフィールドに合わせて大きさを変えてみてください。あなたがフライタイングを頑張ったご褒美はきっと、モンスタートラウトに違いありません。

ロングドライブ

ご来店の皆さんは気付いている方も多いと思いますが、最近車を置いてません。車無し生活が早2週間を過ぎようとしています。パジェロ君は恩年9歳になり少しずつパーツ交換を進めているのですが、コロナウィルスの余波でディラーさんの休みが増え、そして部品工場との休みが噛み合わず、さらにパーツ品切れが重なる三重苦。いつになったら車が帰って来るのか首を流して待っている日々が続いてます。

パジェロくんが休暇を取っているからといって私が釣りに行かないという選択肢は無く、休みともなればしっかり釣り仲間の誘いがあり、連れて行ってくれると言う釣り生活2週間目。

今回は岩手県生まれのファーガスが手に入ったので、他の大地での魚の引き味を教えるためにあえて逆の方向を目指したのが昨日。私が購入したのはファーガスファインループ6フィート4インチ3番4ピース。終盤だし小さなタナビラでも釣ろうとロングツーリングに出かけたのですが、果たしてどうなったでしょうか・・・。

釣り人は大体四駆に乗ってます。今回は赤のエクストレールにての釣行。片道が300km近く走るのは先週のブラウンクラフト(ブラウントラウト)釣行と同じ遠さだけれど、今回は日帰りなのね。お疲れ様でした。
この地方の河川は並行して道が走っている所が多いのですが、あえて道がない場所を選択。川幅は少し広かったので、ロッドはスコット。そんな場所は放流もない代わりに人があまり入らないので大物が出ます。しかし、今回はそんな場所からのバイトは一度だけ。それもこんな時期だから、二度は出ません。
タナビラを釣るつもりで入った川なのに、なぜかイワナがお見えになりました。ま、釣れないよりはマシなので、記念撮影をパシャリ。
一本目に入った川が不発だったので、少し走って上流の枝沢へ。いつもはこの水量の倍はあるのですが、ちょっと少なすぎ。魚はいても走り回るだけで釣りになりません。
そして次に入った川で尺ヤマトくんを頂き、ファーガスに入魂完了。この岩の周りにいない筈は無いとしつこくフライを流した結果がコレでした。
その後はまた別の川へ行き巨岩帯での釣り。土日中ピーカンで虫飛ばずの状態は渋々で、反応はあれどもばらしまくり。私はタナビラを4本掛けて全部ネットランディング前に落っことしてしまう始末で写真無し。やっぱりバーブレスフックはバレますなぁ。大きいものは8寸半までありました。
家を出たのが朝の3時で、その後無休憩で釣り続ける二人。馬鹿に付ける薬はありません。
ヤマトくんの特徴は白点がなく虫食い模様がないこと。臀鰭のホワイトティップがとても綺麗です。
釣りは休む事なく18時半まで。イブニングはな〜んにも無いのはこの時期としては致し方ないかな。とは言うものの、いつもの大物ポイントででっかいヤマトくんに遭遇し、千載一遇のチャンスとばかりに鼻先にキャスト。ドンピシャで落ちたフライを咥えたかと思ったら、突っついただけ。もう一度投げたらフライのぐるりと見渡し、淵底へと帰って行きました・・。逃した魚はいつでもデカイです。
楽しい時間はあっという間。帰る時にふと気づく事はしゃがんで休憩する事も無かったので、車のシートに潜り込んだ時には、どっと疲れてきましたとさ。しかし無事に帰宅するまでが釣りですから、帰りは安全運転デス。今年の渓流シーズンは残すところ1ヶ月。皆さんの渓流納めは予定はいつですか?

Flying Ant

Go to トラベルはどこへやら、感染者の増加に外出は萎縮してしまった方も多い筈。都知事が「不要普及の外出を自粛してください。」と言われて、かなりのお客さんが家に篭っている感があります。そんな方々へむけて今時期によく釣れるフライングアントを巻いてみましたので、参考にいかがでしょう? と、こんなこと言っている時点でハーミットも超暇してますので、こんなタイイングのネタで少しでも小銭を稼ごうとブログを書いている訳であります・・。

フライングアント(羽蟻)は春から秋にかけて巣分かれをして新しい住処へ移動する時に僕らが見かけます。私の経験で言えば羽蟻の出現期は梅雨から夏にかけてがピークであり、特に曇天から雨空の時に多くの流下が見られます。今時期のイワナやヤマメにストマックポンプ(食べている虫をゲロさせる道具)を入れると、多くの羽蟻が出てくることからアリが好きなことが伺えますヨ(クロオオアリムネアカオオアリ)。ストマックポンプを使ったことがない人は今度試してみてね。

慌てて撮ったのであまり写真が綺麗じゃないのですが、それはアントは色が黒だから背景色を変えなくてはという事でダンボールの背景を使ったのが仇となりました。プロカメラマンの皆さん突っ込まないでくださいね(笑)

Flying Ant

Hook:がまかつ B11-B・#14
Thread:ユニスレッド8/0・ブラック
Doby:TH ドライフライダビング・ブラック
Leg:ムースボディ
Wing:スイスストロー・ダークブラウン
Hackle:コックハックル・ブラック
Wing Post:パラポストウイング・ホワイト

バイスにフックを固定して、シャンクの真ん中あたりからベンドへ向かってスレッドを巻きます。ボビンからスレッドを引き出し、ワックスを塗りましょう。
今塗ったワックスの部分にダビング材をより付けます。ワックスをつけることで引っ掛かりができるので、ダビング材はスレッドに絡みやすくなります。それでも止まらないという方は、ダビング材の端っこをベンドに巻き止めてその端っこを引っ張りながらダビング(縒り付ける)と良いでしょう。
アリンコを作るので、雰囲気はこんな感じ?腹の部分の完成です。スレッドは1mmほどアイ方向へ巻き進めて、胸までのくびれを作ります。
腹から1mmアイ側へ巻いた箇所にムースボディを写真のように巻き留めます。これはアリの後ろ足。私は後ろ足を付けたほうがより釣れると思っていますが、手順を省きたい人はこの足の部分を省きましょう。ムースのいらない部分はカットします。
今巻き止めたムースボディからさらにアイ側へスレッドを巻き進め、アイから約2mm位の所にパラポストウイングを巻き留めます。今回は1束を二つ折りにしてます。
パラポストウイングをシャンク(軸)にしっかりと巻き止めたら、パラポストウイングをスレッドで写真の様に束ねます。根本をしっかりと巻き、瞬間接着材を一滴たらしておきましょう。
ボディは2回に分けて巻きます。まずは先ほどの腹を作った要領でスレッドにダビング材を縒り付けますが、かなり少なめに付けてください。その少なめに付けたダビング材をパラシュートポスト周辺に巻き止めます。
羽蟻の羽はスイスストローで表現します。まずはシワシワになったスイスストローを写真のように広げます。約10センチほどでカットし、2-3mm幅にカッターで細長く切ります。
その一片をスレッドに半分にして挟み込みます。このままスレッドを今巻いたダビング材の上に巻き、このウイング材がフックの真上に来る様にして3-4回巻き止めましょう。
すると写真の様な感じに。ウイングはこの状態では長いのでバランスを見てカット。左右の角も丸くなる様に少しカットしましょう。
カットするとかんな感じ。ちょっと短かったかな?ウイングポストがまだもじゃもじゃですが、この部分はタイングが終わった後にカットします。
コックハックルをまずはシャンク(軸)に巻き止め、その後にパラシュートの根本にさらに巻き止めます。
ハックルのいらない軸部分はカット。その後に2回目のダビング作業。中途半端だったアリ胸部分を形よく膨らましますので、適量でダビングしてください。ダビングが終わったら、ハックルを巻き止めます。
コックハックルは4-5回転ぐらいが良いでしょうか、お好みです。ハックルを巻いたらスレッドでしっかりと固定し、スレッドはアイ部分へ巻き進めます。そしてアイの部分でフィニッシャーかハーフヒッチャーを使って巻き止め、スレッドをカット。ヘッドセメントを塗り、パラシュートウイングをお好みにカットして完了です。
出来上がりはこんな感じ。一番上の写真にある本物に似ているかな?羽蟻は一般のアリよりも少し大きいので、フックサイズはこの14番でドンピシャだと思います。ムネアカオオアリを巻く場合は12番で巻いてください。
こうやってフライを下から覗き込んで、イワナやヤマメが喰いつく瞬間を想像してくださいな。きっとあなたはもう夢の中で、尺ヤマメが釣れていることでしょう。

理想と現実

理想はこうだった。

昨年の反省点を踏まえ巻いてきたいつもよりも地味目のフォームビートルを巻いて出撃。これならば実際に落ちているビートルにも近いし、迷うなど食うだろう。タックルをセットして目指すは昨年と同様のブルーバックレインボーポイント。熊笹を掻き分けてバンク側へ立ち、しばらく湖面の様子を覗き込む。何事もなければ左右のどちらかへ移動し、サイトフィッシングで魚を探して釣るハンティングスタイル。私はソレが好きなんです。

音を立てぬ様に熊笹の隙間から20m先を見据えると、湖岸にできたスカムラインを上目を使いに水面をついばみながらブルーバックがその泡に沿ってこちらへやってくる。射程内に入り身をかがめた状態で、レインボーの鼻先1m手前にフライをそっとプレゼンテーション。デリケートに落とされたその波紋に気づき、何の躊躇もなく大きな口を開けてフライを吸い込む。刹那の沈黙の後に水飛沫を上げて走り出すライン、そして湖の遥か彼方で先ほどの大きなレインボーがジャンプする姿が見える頃、私は人気のないその場所で一人雄叫びをあげるのである。

しかし、現実は以下の写真の通り。
う〜む、釣りも人生も思い通りに行きませんなぁ・・。

夜明けと共にスタートするために家を出たのが朝1時過ぎ。八ツ場(やんば)ダムを横目に六合村(くにむら)を過ぎた頃には外気温10℃の中、夜が白々と開け始めた。うむむ、時間を誤った。仕方なく手前の朝ライズ打ちをすぐに打ち切り、野反湖の奥深くへと歩き進んだのであった。左に見えるのが野反湖で、その周囲をこんな感じの林道で囲まれている。
風裏のスカムラインができるポイントを探し、暫し熊笹に隠れて待機。するとその泡に沿ってブルーバックレインボーが私に近づいてくる。ここまでは理想通り。そしてドンピシャのタイミングで投げ込むと、そいつが口を開ける前に一年生のレインボーがこの大きなフライにフッキングしやがった、ガッデム。
理想では次々とサイトフィッシングで魚を見つける予定が2本のブルーバックのみ。もう一匹のレインボーは気持ちが前のめり、熊笹から顔を出し過ぎた途端に見つかってしまい逃げて行ったとさ。その後サイトフィッシングでは魚が見つからず、とある岬で引っ張りにチェンジ。と言ってもフライを車に忘れた。手元にはサクラマス 用の大きなサーモンフライしかないので、仕方なくそれを結んで引っ張ると40センチ弱のレインボーがヒット。しかし、手前に走られて残念ながら外れちゃいました・・。この時点で湖を半周近くしています。
天気が悪い予報だったので、今回はキャンプなしのバンガロー泊まり。ひと休憩して再出撃すると、そこは一面霧の中。周りは全然見えません。そんな中それぞれの好みのポイントへ散っていく仲間たち。あ、同じ格好していますが、これは私の後ろ姿ではありません(笑)
歩き疲れた私は昨年取り逃した近くのポイントへGO! 霧が立ち込める中に第一投。スイッチロッドの先に8フィートスローシンクをつけたタックルでカウント10。車にあった本栖湖用に巻いたゾンカーを引っ張り始めると、すぐに根掛り? あれ、ここはそんなに浅かったかな? と思ったら、レインボーでした。とりあえず釣れてくれて一安心。
その後は連チャンするかと思いきや何も無し。寒くなってきたので明日に備えて飲んだくれるだけであります。今回摂取したアルコールはビール5本、缶酎ハイ3本、日本酒四号瓶、さらに焼酎瓶半分。久しぶりによく飲んだなぁ。
雨音はショパンの調べではなく恐怖の音。明け方は道路封鎖になるのではと思う雨音に起こされ、こりゃ駄目だと判断した私たちは爆睡。バンガローチェックアウトの後にロッドを少し振り回しましたが、アタリを貰えどヒットする事がなく終わりました。ノゾリキスゲも何だか寒そうですね。
釣りはいつも理想とはかけ離れている事が多いけれど、それを柔軟に受け止めれば釣果へと結び付けられるもの。それには理想の事前準備の他に、最悪の事態も想定してタックルを持って行きましょう。今回巻いたビートルたちは次回に役立てますヨ!そして未来のあるちびっこレインボーがたくさん生息しているので、この湖の将来は明るいでしょう。

フルスロットル

今週からようやく他県移動が許されたので、釣りへ行く数日前からワクワク気分で、まるで小学校の遠足前夜と同じ気持ち。何かが違うとすれば梅雨真っ只中で河川の増水が読めないので、ギリギリまで待って釣り場を判断するので、釣り場が決まってない事。雨は前日までに二日間降り続いたので相当増水しているだろうとの判断から、ギリギリで出した答えは今回も癒し系の釣りへと舵を切りました、大尻沼です。

中禅寺湖も考えたのですが、私は人の多い所が苦手な三密嫌いな人なので、のんびりと癒し系を選択。案の定、入漁料を払う環湖荘で聞けば「今日はお客様を含めて3名だけですよ。」と言われた。やっぱりね、この不安定な天気じゃ誰も来ないんだな。

入漁料を払い所定の駐車場へ車を移すと、先に用意するご夫婦のご主人がどこかでみた事がある。よく見れば知り合いじゃないですか、ありゃま。結局何となく業界人だけ3人での貸し切り状態の大尻沼。

例によってここでの釣果はフルスロットル。貸切状態に近いのもあって、釣りは午前中で飽きて大尻沼を後にしました。そのまま帰ったのかって? ノンノン、釣りバカの私ですよ。その続きはまた明日。

ボートは二艇しか出てないので、大きな湖をほぼ貸し切り状態。なので、焦らず船着場からゆっくりと釣りをする作戦。で、魚を見つけて一投目から釣れました。最初からリールファイトでマーキスの音が木霊します。
ボート付き場から出て北側の面を50mほど釣りした最初のひと流しで13本。14本目には交換を怠ったのでフライをロスト。もうこの時点でキャスティングの時間よりもファイト時間の方が長い状態。
同じ場所をまた流すと流石に2回目は4本だけ。それでも場所を変えてきちんとサイトフィッシングができれば、ほぼ入れ食い。なので、途中からはフライを色々と交換して遊んでました。
ぶっ壊れたこのフライは以前ブログで紹介したオナシカワゲラ12番。反応はすこぶる良いのですが、1本取るとこの有様。お魚がデカイのでぶっ壊されちゃいます。一番釣れたのはやっぱりカメムシフライかな。
ここでのサイトフィッシングとリールファイトは、来月に楽しむ野反湖の練習みたいなもの。曇天下でいかに15m以上先の魚を見つけるかがヒットへの鍵となります。この曇天で探すのが難しいのですが、曇りの方がはるかにドライフライへの反応は良いですヨ。
結局11時半の時点でキャッチは30本程でバラシは5本。ローボートの漕ぎとファイトで腕がパンパンでゴザイマス。魚は最大65cm程度、最小が40cm位かな。フライを小さくすると魚のサイズも落ちる感じです。
タックルはこれ一本。スコットのラディアンR905/4は、湖のドライと北海道のドライフィッシング兼用ロッド。リールはファイトを楽しめるマーキスの6。で、ラインは間違えて4番を入れております(笑) このロッドの良いところは前後1番くらいは間違えても感覚が変わらず振れることかな。リーダーはトラウトハンター10フィート3Xにバリバスのフロロティペット3X60cmです。
なんだかんだで雨に降られる事もなく、お腹が空いたので山を降りて別の場所へ向かいました。さて、私の午後はどこで過ごしたでしょうか? その答えは次回のブログでわかります。

 

リハビリとロケハン

特に私はそうなのかもしれないけど、渓流釣り師って人混みが嫌いですよね。いつも鳥の囀りを聞きながら川の音を辿り上流を目指しているので、三密なんて程遠い人種なのです。なのでふと気付けば、電車に乗らなくなって早4ヶ月以上が経過している私。そもそもその人混みが嫌いだから電車乗るのが怖くなってしまい、今後の自身が少し心配かも。人混み、克服しないと・・・。

そして渓流釣りもかなりのご無沙汰ですが、昨日はまだ他県移動を禁止しているので、仕方なく東京都内の釣り場でリハビリすることに。そう、皆さんがよくご存知の養沢です。多分10年振りぐらいの訪渓です。

キャスティングスキルが落ちないようにロッドはなんとなく振り回していたけれど、渓流で実釣するのは2ヶ月振り。はっきり言ってリハビリ治療みたいなもの。キャスティングの精度は衰えていないものの、ヤマメのバイトの速さに翻弄され反射神経はすっかり鈍っている状態。今のアワセのタイミングじゃ尺イワナしか掛からないかもね(尺イワナは遅アワセ)。

そんな感じで体を慣らしながら渓流を遡行し徐々にタイミングを戻しつつも、通常の渓流と違って午後からの人出が半端ない養沢。聞けば午後券があるので、それを待ってどっと押し寄せてくるらしい。午前中からいる人が帰るわけでもなく、自ずと密となるのです。人々に釣り場を挟まれた時点で気持ちはすっかり萎えてしまい、私は12時での退散となりました。

とは言うものの、朝早く出掛けてまだ人気のない川にそっと入り、日が差してくると鳥の囀りに耳を澄ませる感覚。そして時間と共に虫が川面で騒がしくなる風景に緑が溶け込み、その中で釣りが出来る幸せを噛み締めた半日でした。そして来週は二度目の解禁みたいなものだから、私は張り切って何処かへ出かける予定。それを考えるだけで今からワクワクしますな。皆さんの第二解禁はどこへ行きますか?

新しい事務所になってからの初めての訪問。ログハウス綺麗です。朝6時少しに行くと、私の番号は4番でした(番号がその日入渓している人数)。
養沢は約4kmの流程があり、解禁と禁漁がある一般河川の様な毛鉤専用管理釣り場。なので人数が少なければゆっくりと遡行することで、人と被る事が少ない釣り場。お魚はレインボートラウト、ヤマメが中心でブラウントラウトなんかもたまに釣れますヨ。
私はヤマメのアワセのリハビリ。そして漫画家の”うちのセンセイ”は次の構想を考えながらのロケハン。良いアイデアが浮かんだかな?
小さめのドライを普通に流せばレインボートラウトはかなりの高反応なので、簡単に掛かってくれます。ですが、ヤマメ狙いで選びながら釣っている私は、サイトフィッシングでヤマメを見つけてキャストすれど、フライに一瞥され代わりにレインボーが喰ってくる始末。フッキングの問題の前にフライセレクトにも難儀する私。
結局色々フライを試した結果、ライズを繰り返すヤツはいつも通り22〜24番のユスリカミッジでの反応しかありません。それもしゃがんでダウンクロスで投げないと喰わないので、一般河川のスレスレヤマメと同じ状態でした。イブニングまでいれば簡単に釣れるんだろうなぁ。
うちのセンセイもお魚をゲットしてスマホで撮影中。そうそう、『スローループ』の三巻が発売されましたので、皆様ヨロシクね。この本に出てくる人々はハーミットとベースキャンプで入れ知恵した人が脚色されて登場している感じ? 今後の展開がどうなるかはお楽しみに。
結果、私の釣果はヤマメちゃんがトータル5本、レインボーは15本くらいだったかな。サイトフィッシングってやっぱり楽しいですね。そのためにはバリエーション豊富なフライボックスにしないとね、タイイング頑張りマス。

オナシカワゲラ

釣具屋人生でこんなに釣りに行かない期間が長いのって初めてかもしれない。家にいなさいと言われてもこの先の不安から仕事をせずにはいられないし、フライタイングをする事さえも忘れてしまってた日々。こんな調子だとダークサイドに呑まれてしまうゾと我に帰り、人類はフォースの力を持っているものだと信じてこの状況を打破しなくては。う〜む、頭が回らず自分でも何言っているのか分からなくなった。やっぱり外へ出ないとダメだね・・・。

10日以上前に写真だけ撮ってすっかり書くのを忘れていたタイイングの話。なんでこのフライを巻いたかもすっかり忘れちゃった。やっぱり釣りの予定が決まらないとタイイングの気分も乗らないんですね、困ったもんだ。

Hook:TMC 103BL・#17
Body:CDCフェザー
Wing:コックフェザント リングネックフェザー
Hackle:コックハックル・ダークダン

写真を見て思い出した。このフライを巻く前に行った釣りで、沢山のオナシカワゲラが飛んでいたので、それを巻きたかったんだね。なので、そのついでに写真を撮ったんでした。まずはフックにスレッドを巻きます。スレッドのカラーはボディカラーに近いものが良いでしょう。スレッドの余りはこの様にシッポみたいに残します。
ダイドカラーのCDCの使い道が分からない人の為にこのボディにしたんだったな、確か。ボディ材にはカラーの違う2枚のCDCを使います。全体に長さの長い物を使うとタイイングやしやすいです。使ったカラーはオリーブとイエローです。なので、写真よりもずっと落ち着いたオリーブよりのボディに仕上がります。
フックのベンド部分にいっぺんにCDC二枚を巻き止めます。スレッドは邪魔にならぬ様に、フックアイ方向へ移動しておきましょう。
次にCDC2本をいっぺんにハックルプライヤーで挟み、右回転で5〜6回捻ります。捻って出来た一本の太いCDCを螺旋状にアイ方向へ巻いていきます。
写真ではわかりにくいですが、アイから1mm手前位のところでスレッドでCDCを巻き止めます。CDCは横から沢山の毛が出ていますので、モジャモジャした状態。
その横から生えたモジャモジャの毛はシザースでカットします。神経質に綺麗に切る必要はありません、カワゲラの足ぽく見えるのでその辺は適当に手抜きしましょう。
一番最初に残したスレッドの余りを更にそのボディの上に螺旋状に巻いてアイの前にあるボビンのスレッドと交差したら巻き止めます。この作業はやらなくても良いのですが、ボディが壊れない様にするための補強です。
スレッドで巻き止めるとこんな感じ。同じスレッドがアイ側に2本あります。今巻いてきたスレッドの余りはカットしましょう。
カワゲラの羽になるフェザーは何でも良いのですが、なんとなくこのリングネックフェザーがカラー的に似ていたので使いました。必要なのは先端のグリーン部分では無く、その下のダークダンカラーの部分。
手でこんな感じで境目をつけるのですが、この一本一本のファイバーが長い部分を使うので、短くなる所あたりで境目をつけてやります。よって先端のグリーンの部分はそのまんま。
綺麗に分けてたら右手でなでる様にして持ち、写真の状態にしましょう。
そのフェザーをそのままフライの上に乗せて大きさを測ります。今分けた境目がボディの長さよりも1mmくらい後ろになるのがベストです。位置が決まったらそのまま左手でボビンを周り仮止めします。位置が決まったら仮止めを後二回ほど巻きます。その後ボビンを右手に持ち替えてウイングをしっかり止めましょう。
巻き止めるとこんな感じ。この時点でウイングが短かったらウイングに使っているフェザーを軽くテール方向(写真左後方)に引っ張って調整しましょう。
余ったグリーンの部分は境目にハサミを入れてカットしましょう。
アイ側に余ったウイング材は綺麗にカットし、その場所にハックルを巻き止めます。カラーはウイングカラーを一緒です。
ハックルはハックルプライヤー に挟んでウイングのすぐ前に5-6回転巻き、スレッドで巻き止めます。余ったハックルはカットし、最後にウィップフィニッシャーで巻き止めて、ヘッドセメント を付けて完成です。
よくこんな虫飛んでいるでしょ?気がつくと手や顔の周りでダンスしているあの黒い15mmほどの虫です。「真っ黒だから見えない。」と思う方はハックルをつける前にパラポストウイングなどを巻いて、その後にハックルを巻いてください。でもこの黒いフライは逆光ではとてもよく見える(存在感がわかる)ので、私的にはこのままが好きです。
下から光を当てているので結構明るいボディに見えますが、オリーブとイエローを混ぜたので少し地味め。ボディをCDCにした事でパウダー系のフロータントの絡みがよく、高浮力で持続します。この時期に「ブシュ」とライズしているのに何を食べているか分からない時は、このオナシカワゲラかガガンボだと思います(最近ガガンボはなぜか食ってない個体が多いんですねぇ、魚の間のトレンドはオナシカワゲラなのかな?)

Parson America

先日のオオヤマくんの飛行姿勢が頭から離れず、そして「次に行った時にオオヤマくんを食べる大物に出会ったらどうしよう。」という思いから、このフライを巻かずにはいられなくなりました、パーソン アメリカ。というか、お店は暇だしホームページ直し以外にやる事がないので、皆さんにタイイング意欲が湧くかなという思いの撮影です。

オオヤマくんの腹はデップリとしていて、そして尾に近い方がオレンジ色。飛行している姿はそのオレンジが目立つのがオオヤマくんの特徴。もしこの虫をドライフライのパターンで巻くとしたら、とても大きいのでブラックのスティミュレーター#6あたりだと思いますが、水面に高く浮くスティミュレーターだと弾いちゃう気がして、私は水面直下のウェットで狙います。

以下にタイイングの紹介をするわけですが、ウェットの世界はものすごく上手な人達がいますので、私が巻くフライなどいたって普通です。「ははぁん、あなたのテクニックはこんなもんか。」と罵りながら見てくださいまし。また、マテリアルはオリジナルレシピではありません。皆さんもお好きに工夫して巻いてみてください。

Hook : Daichi 24721 #4
Tail : ゴールデンフェザントクレスト
Butt: シルクフロス オレンジ
Body : シールズファーBlack + アイスダブ UV Black
Hackle : コックハックル(今回はスペイコック使用)
Wing : ピーコッククイル(色が濃ければなんでも可)

フックはD-HOOK2421の4番を使用。まずはブラックのスレッドで軽く下巻きし、スレッドをフックポイントの真上の位置に持って行きます。左に伸びている余ったスレッドはカット。
フックポイントの真上の位置にオレンジのフロスを巻き止めます。フロスは解いて半分ぐらいの量(シルクフロスは6〜8本ほどの束を縒っているので、その半分の量)でOK。
オレンジフロスをフックベンド方向に3回転巻き、巻き止めた位置へ三回転で巻き戻ります。スレッドとフロスが交差したら、フックの下側でスレッドで巻き止めます。
次に同じ位置にゴールデンフェザントのクレストを巻き止めます。テールの長さはフックベンド位置よりもやや外へ出る位の長さ。
さらに同じ位置のフック下側にオーバルティンセルを巻き止めましょう。本来はフック側に長く余分を突き出す必要はありませんが、ボディの太さが凸凹しない様に、余ったティンセルとクレストを一緒にフックに巻き止めます。スレッドは一旦フックアイの方向へ螺旋状に巻き進め、Uターンしてまたテールを付けた位置までスレッドを巻き進めます。
次にボディを作るダビング作業の準備。スレッドにダビングワックスを塗り付けます。見慣れないワックスを使っていますが、これは1990年始めごろにティムコが輸入していたレンボーワックス(Kiling Industries)30年使ってもまだ半分しか減っていません(笑)フライ用品は一度買うとなかなか減らないのであります。
ボディ材はシールズファーだけで良いのですが、少し煌きが欲しいので、アイスダブのUVブラックを少し混ぜ合わせます。私は7:3ぐらいですが、比率はご自由に。
シールズファーはゴワゴワしてダビングしにくいのですが、手の中で揉み込んでやるといくらか毛先が柔らかくなり雰囲気が出てきます。
皆さんが苦手とするダビングですが、最初にダビング材の端っこをスレッドで一回転巻き止めてやると、後に続くダビング材がそれに絡んでくるので、スレッドに縒りつけ安くなります。
ドライフライのボディと違い、それほどきつく縒りつける必要はありません。フワッとで大丈夫。但し、巻き進める事に縒りを加えてください。ボディの太さが均一になる様にフックアイ方向へ巻き進めます。
ボディはこんな感じ。写真はちょっと短いかな。あと1mmほどボディを巻いた方が良いでしょう。この状態で長過ぎるボディから出た毛はハサミで軽くトリミングしましょう。
次にコックハックルを今巻き終えたボディのすぐ前に巻き止めます。このハックルはフックあいからテールの方向へ螺旋状に巻いて行きます。
コックハックルを螺旋状に約5〜6回転でテール側まで巻き進めたら、ハックルを巻いていたハックルプライヤー を左手に持ち替え、右手でオーバルティンセルを挟んだハックルプライヤー 持ちましょう。そうすると写真の様にハックルとオーバルティンセルが交差するので、ハックルはオーバルティンセルで巻き止められます。左手のコックハックル側のプライヤーを持った左手は放し、右手に持ったオーバルティンセルを螺旋状にフックアイへ巻き進めます。この時ハックルを巻き込まない様に注意しましょう。
オーバルティンセルはボディに4回転巻き進めるとこの位置になります。スレッドと交差させてスレッドで巻き止めましょう。しっかりと巻き留めたら余ったオーバルティンセルはカット。ハックルも大きく余っていればカットしましょう。
最後にウイングの取り付けです。今回は約1cm幅で取り分けています。いきなりカットせず写真の様に先端を整えてからカットしましょう。ウイングとなるクイルは左右一つづつ、反対側も同じ様にカットします。
左右をきれいに揃えてウイングの取り付け位置を確認します。大体テールとなるクレストの先端とウイングの先端が同じ位置にくる様な長さにします。写真の様にウイング取り付け位置が決まったら、このまま左手に持ち替えます。
左手に持ち替えたら、そのままウイングの取り付け位置に巻き止めます。一回目はあまり強く絞めず、徐々にスレッドワークは強く巻き止めましょう。巻き止めるとこんな感じ。しっかりと巻き止めたら前方に余ったウイングはカットし、スレッドで綺麗にヘッドを作りましょう。最後にハーフヒッチ、あるいはフィニッシャーで巻き止め、カットして完成です。
最初にヘッドセメント を塗り、乾いたらブラックのバーニッシュを2回塗り付けます。さらに乾いたら、最後にクリアのバーニッシュ(あるいはクリアのヘッドセメント )を塗る事で、よりツヤのある玉の様なヘッドが仕上がります。個人的にはもう少しヘッドが小さく作りたかったかな。それは人目だけで、釣果にはなんら関係ないのでご心配なく。どうですか?あなたはうまく巻けましたか?

デタッチド ボディ メイフライ

午前中は雪に見舞われた東京ですが都心は積もりませんでした。皆さんの地域はいかが? 本日のハーミットは案の定、お店は開店休業状態。なので皆さんのモチベーションを上げるためにタイイングしながらこのブログ用の写真を撮ってました。

さて、今宵紹介するのはデタッチドボディのメイフライ。正確に言えばデタッチドボディ・メイフライ・ソラックスパターンだと思いますが、名前が長たらしくなるのでやめました。

デタッチドボディのフライはかなり昔からあるのですが、このフライの威力を再認識させてくれたのが、北海道の弟子屈にある「プロショップ・マロ」の南さん。HPを見ると一見ルアーショップですが、ちゃんとしたフライフィッシング専門店です。屈斜路湖とその周辺の川へ行った際には是非とも情報を貰いに立ち寄りくださいまし。南さんとのお付き合いはとても長いのですが、話も長くなるのでその話はまた今度。

話が横道に逸れましたが、以前に南さんと弟子屈にある近所の川に行ったイブニング時のこと。私の手持ちフライに全く反応しないのですが、「これを使って。」と手渡されたデタッチドボディのパラシュートフライの威力にビックリ。今まで全く反応しなかった魚たちが突然入れ喰いになったのを覚えています。

そのパラシュートスタイルを私なりにソラックスパターンに変えて使っているのがこのフライ。普通のパラシュートやソラックスと違い浮き方が異なるので(アブドメンで支えるのでフックは半枕)、それが良い結果を生むのだと思います。

お暇な方は是非作って見てくださいな。

Detached Body Mayfly

Hook:TMC 112TR・#15
Thread:ユニスレッド 8/0・ラスティダン
Abdomenチャイニーズコックハックル
Body&Thorax:TH ドライフライダブ(2色を混ぜました)
Wing :スイスストロー(グレー)
Hackle:コックハックル (ライト ダン)

フックはショートシャンクの112TRを使用。私的にはシャンクが短めの方がこのフライに関しては浮く姿勢が良く、フッキングが良いと思う。
まずはシャンクの1/3をダビング材を使いボディを作ります。ダビング材は3回に分けて巻き止めるようになります。この時点ではなんかアントを作っているように見えますね。
チャイニーズコックハックルを1本、もしくは2本この形にします。先端に近い方がテール、毛を逆撫して分けた方がアブドメン(腹)になります。
先ほど作ったダビングボディの位置に巻き止めるのですが、ハックルの分け目から約1mm位のところでスレッドで軽く巻き止めます。その後ハックルを矢印方向にそっと引っ張り、アブドメンの長さを調整します。フックベンド位置から約2mm位分け目が出ている感じが理想だと思います。
アブドメンのいちが決まったらコックハックルをしっかりと巻き止め余分をカット。その後、テール側に出ている余りの部分をカットします。この時丁寧にテールを勘定してカットする必要はありません。2本ずつでも不揃いでも、それはそれで本物の虫っぽいのです。今回は撮影なので一応1本づつでカットしてます。
カットするとこんな感じ。左右が同じ場所から生えているので、テールの長さが不均等になる事はありません。
ダビング材を用い、さらに1/3ボディを巻き進めます。するとこんな感じ。無視で言うところのアブドメン(腹)とソラックス(胸)の境目辺りになります。
ここでウイングの用意。マテリアルはスイスストローを使っています。すぐに巻きたい人は荷造り用の紐でも構いません。シワシワを伸ばして半分に折り、それをウイング幅にカット。半分に折った状態でカットして整形すれば、スペントウイング状態のウイングができます。その半分に折ったそのままの状態で巻き止めます。
写真が多くなり過ぎるので、ハックルとウイングが付いてますが、どちらを先に巻き止めても構いません。巻き止めるのは同じ位置です。そしてさらにスレッドに少量のダビング材を撚りつけます。
まずはハックルを巻くスペースに当たるソラックス部分に撚り付けたダビング材を丁寧に巻き進めて滑らかなボディを作ります。巻き終えたら今度はハックルです。
今巻き終えたソラックス部分に、ハックルを巻きますが、ウイングの後ろ(テール側)に3回転、アイ側に3回転ほどをアイに向かって巻き進めましょう。巻き過ぎ注意。 ハックルがアイの位置まできたらスレッドで巻き止めましょう。余ったハックルはカットしてください。
最後にウィップフィニッシャーを使いアイのすぐ後ろで巻き止めてフィニッシュします。スレッドをカットしたらヘッドセメント を垂らしましょう。
最後にフックの下側のハックルをカットして完成です。この作業はフライが水面を転がらないようにする為のもので、浮く姿勢はパラシュートパターンと同じです。
特に使い方はありませんが、チャイニーズコックハックルよりもフックのベンド側にあるダビング部分にはあまりフロータントを付けず、浮かせるのはチャイニーズコックハックルとコックハックルとその下のソラックス部分に意識してフロータントを塗りましょう。そうする事でフックのベンド部分は少し沈み気味になります。
お魚から見た時のシルエットはこんな感じ。アブドメンにもう少し存在感を持たせたい人は、チャイニーズコックハックルをいっぺんに2枚巻き止めましょう。