ランカーシーバス便は今季3タコめをくらった件(東京湾奥編)

先週の本栖湖釣行から帰るとシーホースのウッチー船長から、ランカーが釣れ始めたから今来てください的なメールが来たのです。慌ててシーホースの予約表を見たところで、繁忙期の今は船が空いている筈もなく、ここはグッと我慢して本栖湖へ専念するかしかないと思っていたら、週末に船長から電話。

「月曜日の朝便にキャンセルが出たので行きますか?」と悪魔の誘い。その前日に当たる日曜午前中はキャスティングスクール。そして午後には皆さんと朝霞ガーデンでフライフィッシングの練習会。ということは睡眠を削っての釣り連チャンになるじゃないの!と、電話口で叫んだところで行かないという選択肢はありません。

そして月曜日出勤前の朝飯前の釣り、その結果・・・。

シーバスランカー便の3タコ目をくらいました。

今年の東京湾奥は普通サイズの30〜50センチのシーバスが皆無と言って良いくらいおらず、たまに釣れる70〜80センチサイズを狙うという修行僧のような釣りは、全くもって本栖湖と同じ。「釣れた」や、「大物が出始めた」なんてものはその日限りの過去のものであり、その翌日も釣れ続けるなんてないんです。そもそもそのランカーシーバスは例年に比べたら比較にならないくらい数が少ないので、日並が悪いとチビサイズを含めて全くと言って魚信がない悲しい状態。

本栖湖と違いボート代は高いので、流石の私も挫けてきましたなぁ。

なんて思っていたらその翌日は朝は早くから本栖湖釣行だという事を忘れてたので、釣りは三連チャンでした・・。

睡眠時間を削っての一週間。

いつかは私に良いことありますように・・。

東京ゲートブリッジ
現在の湾奥はシーバスボートの溜まり場がありません。要は、それだけ釣れていないってこと。どこへ行ってもコノシロがまばらにいるだけで、シーバスのボイルは皆無と言って良いほど。難しいなぁ、今季のランカー狙いは・・。
東京湾のシーバス
朝の時合いにボイルなし。それでもでっかいフローティングミノーを引き続けた私。同船のお仲間は、インタミで沈めてドスン! シンキングラインに軍配が上がりました。それに続けとインタミを引っ張れば良かったのかもしれませんが、フローティングにこだわり何も起きませんでした。
シーバス狙いのフライ
陽が高くなったところで大物狙いを諦めて ストラクチャーに付くシーバスを狙うも、時間いっぱいどんなに壁打ちしても全くの無反応、幻影すら見えません。こりゃダメだわ。秋を感じずにそのまま冬になってしまった東京湾奥。この後に何か変化が起きるのかなぁ・・・。

本栖湖でタコった時に後半戦を桂川ルアー・フライ釣場へ行ってみるという案

最近の本栖湖はレイクトラウトの影響でルアーマンはとても増えたのですが、フライフィッシャーマンの姿はめっきり減っています。そもそも湖好きアングラーはなぜか中禅寺湖と芦ノ湖通いが多く、野反湖や本栖湖へ行く方が少なく感じるのは私だけ? その原因は本栖湖はオールリーズン楽しめる為に解禁という華やかなお祭りが無いので、本栖湖の一番良いシーズンは他の湖へ行ってしまい、釣れない秋冬シーズンに来て「釣れない。」のレッテルを貼ってしまっているのでしょう。

とは言うものの、ハイシーズン中は私も釣りが忙しく、本栖湖詣では秋から冬にかけて行くのでオデコになるのが頻繁であり、結果的に修行僧の様な釣りを強いらるのです。なので1〜2回くらいの連続オデコは慣れっこ。でも3〜4回も続くと流石に辛くなり気持ちはドヨ〜ンとなる精神的なダメージ。そんな時の救いの策として午後に「管釣り」というのはどうかと考えて、今回はそんな企画を実施しました。

まず本栖湖の日釣り券は¥800なので、オデコになったとしてもダメージは少ないのです(年券は¥8,000)。で、お昼近くまで粘って「この状況では午後は釣れそうもないな。」と判断した時は桂川漁協が経営する、「桂川ルアー・フライ釣り場」へ行ってみてはいかがでしょうという案。

移動は河口湖インターから東京方面へ戻り上野原インターを降りてすぐにあり、移動時間は約1時間です。この管釣りは半日券が¥2,500と比較的良心的な管釣りで、グッと東京に近くなり、帰りの渋滞も比較的気にする事なく終了時間いっぱいまで楽しめるので、たくさんのお魚を釣る事ができるでしょう。

さて、そんな昨日の様子は以下の通り。しかし、オデコになると思って出掛けた本栖湖は、時にそうじゃない事もあるんです。
なので本栖湖のお話は写真後半でお話します・・。

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桂川ルアー・フライ釣り場
住所:山梨県上野原市上野原2580
電話:0554-63-0083
一日券:¥3,000
半日券:¥2,500(8時半〜12時半/12時半〜4時半)

桂川フライ・ルアー釣場
話を引っ張るために、まずは午後の話。適当な時間に本栖湖を出たのですが、この管釣りに着いたのは丁度12時半。初めて訪れたので券をどう買うのか分からず右往左往し漁協の方に尋ねたところ「平日の場合は券を買わずに先に釣りをしていて大丈夫です。あとで見回りの時に料金を頂きます。」との事、なんとおおらかな管釣りなこと。
桂川漁協の駐車場
この管釣りは釣り場に駐車場が併設されておらず、道路を隔てて反対側にある、桂川漁協の施設内にあります。
桂川ルアー・フライ釣り場
管釣りの広さは短い方の距離がおおよそ40m程度。長い方の距離が約100mほど。水深は養魚池と同じような深さなのでシンキングラインはいらないでしょう。私はウィンストンエア864/4にフローティングラインのタックルで、9フィート4Xにティペットを4Xを60cmでやりました。沈めるマラブーはゆっくりのズルズル引きでアタリが出ます。ドライフライでもよく釣れますが、魚のサイズは塩焼きサイズが中心です。
レインボートラウト
この釣り場の北面はフェンスと後ろ側の住宅が近いので、主に南側(後方が川に面している)がフライフィッシング向き。北側では主にロールキャストの釣りになります。12時半から入って4時近くまでやりましたが、朝霞ガーデンに比べるとスレていないのでかなり釣れます。魚種はレインボーとヤマメを確認しましたが、大型は少なめといった印象。
入漁券
本栖湖から行ける他の管釣りも考えましたが、いろいろ調べた結果では午後券で一番安く楽しめるのはココであり、帰りのことを考えるとかなり楽なんです。さて、話は前後しますが、ここからは午前中の本栖湖のお話。

本栖湖の入漁券事情
本栖湖への到着は朝まだ暗い5時過ぎだったのですが、やっぱりこの時間の到着ではすでに遅く、一番人気のポイントには車が3台あり入る事ができず(でも、他の場所は全く釣り人はいません)。仕方なく僕らは⚪︎⚪︎⚪︎ワンドに入ることに。ちなみに本栖湖は入漁証は釣行前に買う場所が無いので、漁協員の見回り時に追加料金を含めて¥1,000を払うか、入漁証を売っているお店が開店したら、そこで買うかのいずれか。最近まで本栖湖観光協会にある漁協事務所で買っていたのですが、そこが無くなってしまったので今回は遅くに湖仙荘さんで買いました。
本栖湖でフライフィッシング
さて本栖湖の釣りの話。今回も入りたかったポイントに入れず、別のポイントに入った私たち。朝のパターンで釣れる場所はいくつかあるのだけれど、ここも釣れる時は釣れるので、釣り券の販売時間までやることにしました(写真とは別の場所)。朝の気温はマイナス3℃に対し、水温は13℃ほど。風がややあり、水に浸かっている方が暖かい状態。とりあえずラインを伸ばし探り始めると、なんと2投目でヒット!サイズは大したことなさそうだったので、適当にやっていたら手前まで来てバレちゃいました。今日は活性が高いのかなぁ?
本栖湖のレインボートラウト
それから数十分が経ち、湖面に陽が差し始めると50m沖でボイル。さらに私から20m先でボイル。これなら届くかな、なんて気持ちユルユルでキャストすると、ロッドはいきなりギュイ〜ン! その後すぐにジャンプ! ありゃま、ロッドは満月で大きいではないの。5〜6度のジャンプにヒヤヒヤしながら後輩に救ってもらったヒレピンは、なんとゴーゴーサイズ。
本栖湖と富士山
出発前、私は準備不足だったので今回はオデコ覚悟での出発だったのです。前日が忙しかったのでフライは巻いてないし、使いたかったフライラインを忘れる始末。そしてカメラを忘れたので、今回はiPhoneで撮影したので、個人的にはシャープネスがかかり過ぎたこの富士山の写真は嫌い。しかしポイントへ入った時に2投目からヒットしたので、その後のやる気が湖面の変化に気づいて釣れたのでしょう。
本栖湖のレインボー
私はこの一本でもう満足し、本栖湖の釣りは8時前で魚の感触の余韻に浸ってました。
フィッシュポンドのネット
今回もフィッシュポンドのランディングネット(後輩のもの)が活躍し、メーカーの宣伝写真のようにパチリ。回復した尾鰭はこんなにも立派になります。この後はポイントを変えていろいろと回りましたが、すでにお腹いっぱいだったので、ロッドを握る手はフワフワした感じです。
ゾンカーフライ#2
写真のゾンカーワカサギパターン#2で釣ったと言いたいところですが、朝一番は後ろに引っ掛けるか事が多いので、無くなっても良い使い古しのフライで釣ってしまいました。私の「このフライで釣りたい。」という気持ちとは裏腹に、お魚はスイッチが入っていれば、リアルさなんて要らないものなんです。
レイクトラウトの話
本栖湖レイクトラウト情報をひとつ。相変わらずポツポツ釣れていますが、フライで釣った方は私が確認する限りではまだ誰もいません。釣れているのはルアーの方のみで、超遠投の後にボトもへ落としてしゃくり上げるレイクジギング。フライはレイクのタナには深過ぎて届かないのです。ちなみにレイクは釣れたら再放流禁止。その場で殺して漁協事務所へ持って行いきましょう。
本栖湖のレインボートラウト
「なんか今シーズンの本栖湖は調子良いのかな?」と錯覚してしまいそうですが、次回そう簡単に釣れるとは思えないので、ご安心を。以前にも書きましたが本栖湖は3回通うと1本釣れるので、次のキャッチはきっと年末になるでしょう。そんな塩梅で心は満たされていたのに、この後私は企画を遂行するために、管釣りへ向かうのでした。

FAGUSの新製品であるアクティブハイカーというパックロッドが投入された件

先だってのNRX SRよろしく、秋になると新製品のラッシュ。で今回は岩手のロッドメーカーのファーガスの新製品、「Active Hiker」の試投ロッドを借りられたので、そのインプレッションを書いていきます。

その前に余談を一言。ファーガス社長のNくんは、一昔前はハーミットに通う大学生でした。就活が近くなると、「フライ業界で働いてみたい。」なんて言い出すものだから、「趣味を仕事にするのは大変だしビンボーになるから辞めておきなさい。」と私は窘めたのですがこの業界に入ってきました。ハーミットはそもそも店頭販売では学割があり、また学生のうちは「ハーミットで金など使うな。」と、中古で使えそうな物は学生に上げているのです。その本音を言えば、就職したらハーミットへ貢いでくれるだろうというものなんですが、ハーミットに出入りしていたその後の学生たちも順調に育ったのですが、私の意見を制して皆この業界に入ってきてしまうので、当初の目論見とは違い思いのほか回収ができていません(笑)

余談はさておきアクティブ・ハイカーのお話。今回は朝霞ガーデンに持っていき、お客様にも直接振ってもらったり、釣ってもらいながらのご意見もお伺いしたので、それを交えて話していきたいと思います。

このロッドを見る前はフォレストバムのテイストを6ピースにしたものかな、と想像していたのですが別物でした。一番短い7フィート3番は総重量は58.5gとペグ(ジョイント部分のこと)が増えたのにとても軽い。アクションはティップ側で曲がり、真ん中ら辺が少し硬く、バットセクションがグッと曲がるのでミディアムスローアクションと言えます。しかし、ラインを乗せた時の印象はフォレストバムよりもロッドに腰があり、ラインスピードが早いモデルに仕上がっています。

6ピースなので魚をかけた時にペグ部分に硬さが大きく残ってしまうかと思いましたが、思いの外カクカクとはせずに自然なベンドカーブを持っています。ただ、ロッドのミドル部分が硬いので、大きく曲げたときにグリップ側が曲がってくるので、この感覚が好きかどうかは好みが分かれるところでしょう。


f-7003AH/7feet0inch・3weight・6pcs:ロッドバランスがよく、リールをセットした時にちょうどグリップ位置に重さが来るので、キャスティングは軽快。極端にティップが曲がることがない為か、ミドルセクションの硬さによりラインスピードがあるプレゼンテーションができる。

Fine:フォレストバム7フィートモデルより使用レンジが広く使えそうで、中距離でのもたつき(ロッドのラインロードが遅くなるなど)が無い。リーダーとティペットの返りが早いのが印象的で、グラファイトに近い軽快感を持ち合わせている。

Weak:力を込めたキャスティングではグリップからグニャリと曲がるので、人によってはこの感覚が苦手な人がいるかもしれない。遠投は必要ないけれど、フルキャストをするのはかなり難しい。
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f-7033AH/7feet3inch・3weight・6pcs:4つのラインナップを見た時に、76の4番を買おうかなと思っていたけれど、実際に振った感じでこのモデルが欲しくなった。私は幅広くロッドを使うので、極端に柔らかいロッドを渡されるとキャストの修正に少し時間がかかるのですが、グラスなのにこのロッドはソレがない。

Fine:フォレストバムで気になっていた、魚を見つけてキャストが力んだ時に生まれるロッドの曲がり過ぎがなく、多少あったとしてもラインから生まれるループがテーリングしにくい。もしくはキャストの状態を選ばす、グラスでありながらかなりシャープなループが生まれる。

Weak:昨今のプログレッシブアクションのグラファイトロッドを振っている人はミドルセクションが硬めのこのロッドを振った第一印象はバットの腰の弱さにアレ?と感じるかもしれない。ただ、ラインを澱みなくロードする能力は優れているので、慣れたら振るのが楽しくなるのではないかと思う。
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f-7034AH/7feet3inch・4weight・6pcs:7フィート3インチは3番と4番が存在するが、バット径がやや太くなる程度の違い。同じ長さだけれど4番モデルの方がロッドバランスはややトップヘビーになる

Fine:昔のグラスロッドを振っている感覚で、ティップに感じる重さが自然にキャスティングアークの幅を誘導してループを生んでいる感じが、キャスティングがとても楽しくなってくる。出張の際にどんなヤマメやイワナ、あるいは管釣りでちょっと遊ぶとなったら、力に余裕があるこの4番モデルが良いかな。

Weak:振り心地は私にとっては快適なのだけれど、トップヘビーになった事で持ち重り感を感じてしまう人も多い筈。しかし、トップヘビーのロッドはラインのデリバリーがロッド自体で仕事してくれているので、それをわかって欲しいかな。使用時のロッドバランスの事を考えると、リールは最新モデルの超軽量は使わず、110〜120g位あるリールが良いかも。今回はスピードスター-3+なのでリールウェイトは91グラム位。
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f-7064AH/7feet6inch・4weight・6pcs:このシリーズで最大の長さと番手を持つモデル。3番モデルよりもトップヘビーが顕著で、ロッドがラインを運んでいる感が得られるロッド。大きめでバルキーなフライを使う人へのモデル。

Fine:ロッドが仕事すると表現する人が多いけれど、まさしくそんなロッド。所定の位置でロッドストップさえ出来れば、綺麗なループが生まれる4番。73よりも3インチ長いだけだけれど、振り心地は少し穏やかになる。グラスらしさがあり、幅広く楽しめる一本。

Weak:古い人間である私には快適なんですが、グラファイトだけを振り回している方が最初に使うグラスはこれじゃないと思います。その反対にピンピンするグラファイトが嫌でグラスらしい振り心地と釣り味を求める方であれば、コレだと思います。

アクティブハイカー
メーカーの表記でスモーキーグリーンとされたこのカラーは、ファーガスロッドのカラーの中では一番好きかも。ただ、こういった中間色は釣り休憩の最中に草むら近くにロッドを置くと、竿を探すのが大変なんです(汗)。
アクティブハイカーのインデックス
ファーガスロッドはインチは二桁であることを考慮して00インチと表記される。フックキーパーはロッドの下側。グリップ長は全てのモデル一緒で、バットエンドからワインディング(グリップ一番上)までは24センチ。グリップだけの長さは15センチ。魚をロッドに並べた場合、#の当たりが30センチになる。
ロッドバランス
7フィート3番のリールをセットした時のロッドバランス位置。この位置が前(ティップ側)に来るとロッドは重く感じ、後ろ(リール側)に来ると軽く感じます。キャスティングを快適にするためには、自分がロッドを握った位置からグリップ前10センチ程度までが快適です。あなたのリールとロッドのバランスは合っていますか?
ダウンロックリールシート
私がずっと使っているオービスのCFOIIIをセットした図。リールシートはカップ&リングのスライドバンドタイプ。リングをグッと押し込むことでコルクが締まって止まります。危なっかしく見えますが、ちゃんと止めれば落ちることはありません。
オービスのグラスロッドと比べてみる。
お客さんが持ってきたオービスのスーパーファインシリーズ(現行モデルの一つ前)と比べてみる(ピンボケでスミマセン)のは同じ7.6フィート4番。写真ではわかりにくいのですが、オービスの方がずっとバットが太くロッドバランスを考えてバット側に重心を持ってきています。なのでオービスは持った時の印象はとても軽く、そしてグラファイトチックな振り心地。それに対してアクティブハイカーはバットがやや細くスローなので、ロッドの重心がもっと前にあります。そういった場合、リールをやや重くしてロッドバランスをグリップ位置に近づけると、キャスティングが快適になります。
アクティブハイカーのベンドカーブ
魚を掛けた時の曲がり方はこんな感じ。4ピースのフォレストバムと比べるとミドルセクションがやや硬めで、グリップ側が少し曲がります。ベンドカーブを見る限りジョイント部分の硬さはそれほど感じません。
朝霞ガーデンのレインボートラウト
ということで私もこのロッドたちで実釣しましたが、ティペットをいくら細くしても切れないのは、グラスのいなす力があってこそ。そしてキャスティングはフォレストバムよりも投げやすく感じます。ちなみに朝霞ガーデンのフライポンドで横(距離が短い方)に向かって投げた場合、3番ロッドで対岸までギリギリでした。なのでこのモデルでフルキャストができる方は達人です。

 

連続オデコ記録を伸ばさないために、モヒカンを連れて丸沼へ行く

毎週の様に高速道路を使い関東近県へ釣行を続けていると、流石にパーキングエリアの朝飯には飽き飽きしてきた。それも最近のサービスエリアのメニューときたら、朝飯だと言うのに券売機に千円札を入れてもお釣りなんてものはほとんど戻ってこない。その対価に美味しいものが提供されれば文句は言わないけれど、おしなべて味は普通な訳で、流石に何か違うものが食べたいのである。さて今回の朝飯はどうするべ?

そんな訳で物価が高くなっても釣行回数は減らしたくない私らは、最近削っている費用は朝飯なんです。で、どう削るかを色々と考えたところ、目的地の近くに24時間営業のファーストフードがあればそれを利用するという方法。

現在は三連続オデコが続いていたので魚恋しさに、とりあえず釣れるであろう場所へ行こうというので9月にもお邪魔した丸沼へ行くことに。ちなみに丸沼へは沼田インターチェンジを降りるのですが、その道すがらに『すき家』があります。一番安いメニューはたまかけ朝食で¥290と、激安なのでゴザイマス。

そうそう、丸沼は前回の宿題がありましたな。茶色いモホークを巻いて行くと言うお題。モホークとはネイティブ・インディアンのモホーク族の意で、日本で言うモヒカン刈りをしています。このモヒカン刈りは世界一般的にはモホークヘアスタイルと言うのだそうな。なのでこのモホーク フライは「刈り込みフライ」なので、モホークなのでしょう、きっと。

モホークヘアにしたことがない私ですが、フライはモヒカン(モホーク)にします。必要とあれば鹿の毛を別のパターンで刈り込むことは多々ありますが、今回はそんなフライとフォームカメムシを持って出かけた丸沼。紅葉見ながらまだ釣りができるかなと、淡い期待と共に出掛けた昨日でした。

Mohawk(モホーク)
モホーク(Mohawk)はこんな感じ。オリジナルと違い、レッグ部分はその時の気分でヘンフェザントやパートリッジのフェザーを使いますが、フロントに巻かず、途中に挟んでます。丁寧に巻くと時間がかかるので、シルエットだけサイズを合わせて、この程度仕上げて終わり。
Mohawk(モホーク)フライの裏側
波に揉まれると見えにくいですが、魚が出る時は派手なので、まずバイトを見逃すことはないでしょう。最もラインが走ってから合わせるぐらいの方がちょうど良い気がします。ボディのディアヘアはダークブラウンとオリーブとオレンジのミックス。いつもは10番でタイイングしますが、今回は茶色いカメムシに合わせてB10Sの12番を使用。ちなみに巻いていったのですが、お店に忘れました・・・。
丸沼
まだ紅葉が残っているかと思ったのが甘かった・・。丸沼はすでにご覧の通り針葉樹だけに葉が残っています。緑がなくなると一気に寒々しく感じる。
フライフィッシング
朝は大荒れで嵐のようなザーザー降り。これじゃドライは無理だなと思い、ダムサイドまでインタミラインを使い探り続けましたが全く反応なし。10時をすぎる頃には太陽が顔を出し水温が少し上がり、湖面に魚を探すことができる様になったのでドライへチェンジ。
ドライフライで仕留めた一本
大きめの個体を探しその鼻先へ投げるも、今度は湖面が静かになり過ぎてラインの着水と同時に驚いて逃げ惑ってしまう始末。なので魚が一直線に私の方向へ向かってくる時を見計らいキャスト。魚の進行方向からはティペットが見えないので、フライがへの反応があるがそれでもスレッスレで、口を開けてフライを咥え込む瞬間に何かを感じて吸い込んでくれない。それを何度か繰り返し、ようやくキャッチしたのがこの一本。
レインボートラウト
午後になり湖面がわずかに揺らぐ様になるとそれが良いブラインドとなり、魚の反応が少し良くなった。今回はポンプ小屋周辺に大物がかたまっており、それを集中的に狙いました。とは言うものの、すでに季節は秋終盤。湖面に浮かぶ虫は大きめのユスリカと14番サイズのメイフライが少し。カメムシはすでに終わったようで見かけませんでした(使ったフライは全てカメムシパターンですが)。
秋の様相
見上げる樹木にはすでに葉一枚さえついておらず、この日の暖かさに反比例して季節は順調に進んでいる様です。
丸沼の秋
15時半を過ぎると途端に寒くなり始め、ドライへの反応は皆無。夕暮れにインタミを引っ張って釣るのも良いけれど、今回はドライの釣りでサイズが全て良かったので満足し、16時には納竿しましたとさ。山は黄金色で寒々しくなってきました。
レンボートラウト
丸沼のフライフィッシングは今月いっぱいまで。引っ張りの釣りが好きな方はまだまだ釣れます(ウェーディングでもOK)。または、ボートでルースニングで狙うのも良いでしょう。ボートにコンパクトストーブを持ち込みカップラーメンを啜りながら、残りの季節をあなたも楽しんでみてはいかが?

目指せランカーシーバス爆投日記、メーター・シーバスは何処に?

私が目指しているメーターアップの魚達はシーバスにイトウとオオニベで、それをフライフィッシングで仕留めたいと日夜奮闘中な訳である。いずれもフライで仕留める事は大変難しいけれど、釣行回数から考えると一番可能性が考えられるのはシーバスではなかろうか。とはいうものの東京湾でシーズン中に上がるメーターオーバーは、二桁はいかないので、その数人の中でフライで狙って釣るとなると技術やフライも然りだけれども、釣り運はとても大切な事。今年の私といえば本日現在まで、とんと釣り運が訪れないだよなぁ・・。

フライを日々試行錯誤しながらタイイングしているけれど、現在はビースト(ビースティーチェンジャー)を少しの間封印して昨年使っていたスーモフライをさらに進化させている最中。それはルアー的なアクション+フライの柔らかさの演出するものを目指しているのだけれど、なかなかどうして、理想は現実に近づきません。以前のフライはヘッド部分を全てフォームで作っていたが、それをやめてメガチューブをインナーに使用し、中に少しだけフォームを入れるだけにして浮力をぎりぎりに設定。そうすることでフライは水によく噛む様になり、さらにヘッド部分はチューブフライヘッドにすることでフックポイントはボディの真ん中よりやや前になったので後ろ重心になった。その効果もあってか動きは少しだけウォーキングアクションする様になった新たなバージョン。

いつものことですが、想像の中ではこの新バージョンのフライをメーターオーバーのシーバスが喰いつく姿をすでに何度も妄想しております。しかし今年のシーバスときたら依然としてご機嫌斜めで、いくら投げてもその手応えがないんです。先だっての木曜日朝は予定時間を投げ倒して一度もアタらず、今季2度目のボーズでございます。もうここまでくればオデコなんてオトモダチですな(笑)

葛西臨海公園
前回は散々投げて1バイトのみ。でも出船前はいつでもポジティブで「今日はヤバイかも?」と妄想します。明け方早く東京湾マリーナから出船するシーホース。今日は目の前での釣りを諦めて一路幕張方面へ。
東京湾のシーバス
荒川と江戸川を過ぎると浦安市で一番高い山(嘘)、プロメテウス火山が見えてきます。デズニーランドができる前はこの空き地で不良たちがよくゼロヨンレースやってましたなぁ。あれ、私もその一人だったかな?
ウーキングザドックアクションのフライ
新しいタイプのフライはまだ命名してませんが、浮いている姿勢はこんな感じで頭をちょっと出している感じ。ラインを強くすると少し首を振ってダイブして、またこの姿勢で浮いてきます。ただし、ラインのシステムはフローティングラインにインタミリーダーを使うという、ラインシステム自体に工夫が必要になります。動きを見た時点で釣れそうでワクワクしたんですが・・。
東京湾レインボーブリッジ
東京湾奥荒川筋→幕張→ディズニーランド前→マル秘ポイント→お台場の島周り→その他諸々。これだけ回ってチビさえも見ませんでした。そもそもルアーの方々がキャッチしている姿も見ない一日。お魚の気持ちはいつになってもわかりません。
新しいフライ
このフライはもう少し手を加えようと思うのですが、アクションと浮いている姿勢に関してはほぼ完成かな。あとはお魚が掛かってくれるのみなんですが、今回の釣行はいかんせんバイトが一度もないという、あまりにも状況がよろしくない。もう一度出直しますデス。

本栖湖でオデコを喰らうよりも10倍ダメージを受けたC&R区間のお話

私の釣りは夢を追いかける冒険的な釣りが多いのでオデコなんて茶飯事。だから大抵の事ではへこたれません。しかしこれがC&R区間だったらどうでしょう? お魚がいる事が前提でお持ち帰り禁止ですぐにリリースというルールであれば、お金を払ったらそれなりの魚信があるというもの、と思うのが普通だと思います。

先だっての火曜日の事。そろそろ本栖湖のシーズンなのだけれど、もう少し皆さんに今年のC&Rの情報を提供しようかと、とある漁協が管理するC&Rへと出かけたのです。C&R区間なので釣りは焦る必要も無く、水温が温まる時間に行けば良いのでゆっくりの到着で午前8時。着けば釣り場には人影が全くありません。入漁証を購入する所定の場所には漁協員さんがいたのでその状況を伺いました。

「あれ?本日は僕ら以外に釣り人はいないのですか?」
すると漁協員さんはこう言ったのです。

「ん?これから来ると思いますよ。ただ、放流日は明日なんだよね。」
「?? でもお魚はいるんですよね。」

漁協員さん曰く、解禁日にちゃんと○匹は入れてあるので、色々な場所を探ってくださいとのご返答。ふむ、まぁC&Rだから魚がいないなんて事はないでしょうと、管釣り料金並みの入漁料を支払いました。

釣り場は例年に比べるとかなり濁っており水位が少し高め。少し濁っているのでサイトフィッシングは難しそうである。とりあえず手堅く釣りたかったので最初はルースニングでC&R最上流部から探っていき、釣りくだるという戦術で。相方は人気のポイントで粘る戦法なので彼を残し私は延々とフライを流し続け下流へと向かいました。

その結果、最下流部まで流し続けてアタリは一度も無し。そして釣り人は一人もいない・・。この時点で既にお昼過ぎ。かなり焦り始めた二人は良さげなポイントを手法を変えて探るも何もなし。私はルースニングをスイングのウェットにしたり、ドライを投げてみたりと色々と試しましたが、そもそも全くハネもないし魚影もない。アタリのコツンすら無い。

まがりなりとも釣具屋の店主であるから釣れない事は無いとたかを括ってましたが、全ての手を尽くしても何も反応がないのは初めてのこと。陽が傾く制限時間いっぱいまでやって何もありませんでした。

一緒に行った仲間と見合わせて一言、「本栖湖でオデコを喰らうよりも辛い。これだったら本栖湖へ行けば良かった・・。」と同じ愚痴をこぼしました。肩を落としながら帰り支度を済ませ、その場を去ろうとすると、C&Rの終了時間を見計らったかの様に地元ナンバー銀色のジムニーが入ってきた。その場所は釣り以外には全く用が無い四駆しか入れない場所。あぁ、やっぱりな。憶測ではあるけれど、魚がいない訳を実感した一日でした。

本来ならばここに写真を記載してどこの漁協かを書いても良いのですが、他の漁協さんを見習って改善してくれる事を望んでいるので、その漁協さんの名誉の為に場所は伏せておきます。もっともこんな状態が続いたら、長くは続かない事でしょう。

Hardy Ultralite(ウルトラライト) NSX SR シリーズを借りられたのでロッドを振ってみた

毎年秋になると新製品が入荷しサンプルロッドが借りられるので、各メーカーのインプレッションがアップできます。今回はハーディのウルトラライトNSX SRシリーズのうち5本をお借りし、時間を見つけて近所の土手で振り倒してきました。ロッドのインプレッションなので私感になりますが、どんな感じかが伝われば幸いです。

最近フライフィッシングを始めた方々には、「あれ?ハーディってリールメーカーじゃないんですか?」と聞かれたりしますが、実はハーディは過去にはトローリングリールやスピニングリールをやっていたり、それに合わせてロッドもやっていた時代もあるので釣具の総合メーカーさんだった時代もある、と言っても良いのでしょう。結果的に不得意な分野は淘汰されフライだけになったと言ったら良いのかな? 私はフライフィッシング歴はとても長いですが、釣具の歴史には無頓着でありボロが出るので、過去の話はこの辺でやめておきます。

今回紹介するウルトラライトNSX SRシリーズのNSXは、かつてからあったシントリックスの進化系NSX構造の事、ではSRはどんな意味なんでしょう?(スーパーライトだとLになっちゃうし)。知っている方いたら教えてください。モデルは4ピースモデルが6種類と6ピースモデルが3種類あります。

今回はそのうちのいくつかをお借りしたので全部を振ってはいません。全体的なイメージを言えば、めちゃくちゃ軽くて日本人好みのグリップ周り。ロッドエンドからコルクグリップのトップまでは約24センチしかなく、グリップ部分は15.5センチなので、国産の小さなグリップを持つロッドと同等くらい。直径の小さいクラシックタイプのリールをセットした時のバランスがよく、シートやグリップにとても特徴があります。

グリップは変形のフルウェルグリップとでも言うのでしょうか、Vグリップで握ると今まで使ってきたロッドの中では抜群に良い握り心地。ということはインデックスフィンガーグリップ(人足し指前)でグリップを握る人には違和感があると言えます。

ロッド全体はメタリックのオリーブカラーをしていますが、ロッドインデックスが入っている部分のブランク地が出ていて、かつてのダイヤモンドバックロッド柄を思い出します。細かくいうとキリがないくらいこのロッドは特徴があるのですが、ブログがとっても長たらしくなるのでこの辺にして今回試したロッドたちの感じた振り心地を書いていきましょう。

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HROR 705(7feet・5weight・4piece)「ん?なんじゃこりゃ?」と思ったのがこのロッドの第一印象。軽さと短さが手伝ってロッドの復元力が早く、ラインスピードが必然的にあがりフライがピシピシとコントロールできる、そんな竿。極端なショートレンジは別として幅広いレンジが投げられる。もしかしてこの短さでもフルラインが出るのかなとやってみたら出ました。ロッドの短さ故に遠投はロッドスピードを上げるので、その空気を切る音が凄くなる不思議なロッド。

Fine point:7フィート5番って何に使うんだろう?と本国での用途がとても知りたい。日本で考えるとこのラインスピードを生かしてとても空気抵抗が大きいバルキーなフライをピンポイントに落としたい人には良いんだろうな。ボサ川で40アップのトラウトを狙う、そんなシチュエーションを想像します。それに思っている以上に硬く感じないのがまた不思議。

Weak point:渓流用のシリーズだけれど、このロッドは何に使うかがイメージしずらく、かといってブラックバスなどをやるにはバットが少し非力。キャスティングレンジは5〜15mくらいを私は推奨しますが、使い方を見出せないとなかなか手を出しにくい長さと硬さ。

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HROR 764(7feet6inch・4weight・6piece)見た目の細さと異なり割とバットがしっかりしており、ロッドは緩やかなカーブでしなる。ショートレンジからミドルまでブレること無くキャスティングが楽しく感じる。特にミドルレンジより遠投に入った場合、Vグイップで握ったフィーリングが心地よい。

Fine point:キャスティングレンジはショートからミドルまでブレる事なくシャープにキャストが決まる。ロングレンジでもバットまで曲がり込む事なく、幅広いレンジで使える6ピース。今回キャスティングした中で私が一番欲しくなったモデル。コレ絶対イワナ釣りが楽しい筈。

Weak point:幅広いレンジに使える一本なので、ロッドを振っていて尖った部分(際立った部分)がないマルチロッドテイスト。何か特徴が欲しい玄人好みのロッドでは無いと思う。

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HROR 884(8feet8inch・4weight・6piece)全体に細身だが、6ピースのためか見た目以上にロッドの真ん中らへんは硬め。かと言ってバットが硬い訳ではなく、ショートレンジではティップだけが曲がる。徐々にロッドに負荷をかけると真ん中の硬さが残って、バット側が少し曲がり始めるといった、古めかしさを感じるアクション。

Fine point:「昔のロッドってこんな感じで曲がっていたよね。」と思える、初期のハーディらしさを持ったイメージ。でも現代のロッドなので無茶苦茶軽く、1日中ロッドを振っていても疲れなんて感じないでしょう。6ピースということもあるので、北海道出張に持っていきたくなるような一本。大物狙うのならばこの上の905だと思うけれど、今回はサンプルが無かったので振っていません。
Weak point:ロッドのアクションは超遠投向きという感じではないので、あくまでもミドルレンジ(15m位まで)を得意とするような雰囲気のロッド。実際に大物をかけた感じを想像すると、やや腰砕けになるのかもしれない。

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HROR 703(7feet・3weight・4piece)7フィート以下のモデルは総じて軽すぎて気持ちが悪い(笑)。ロッドをキャストしているという感覚がなく、かと言ってちゃんとタイミングが取れてキャストでいているという感じ。ラインスピードがつけやすく軽快な釣りを約束してくれるでしょう。

Fine point:どんなポイントでもスパスパ入るコントロール性能は素晴らしい。短いからロッドが全くブレがないんです。軽快なラインスピードだけれど、ラインプレゼンテーションは極めて静かな印象。源流部のイワナにはもってこいのモデル。ミドルレンジでも乱れない。

Weak point:あんまり関係がない点ですが、一応遠投できるか確認したところ微風向かい風でラインの75%程度キャストできた。20センチ以下の魚ではどれぐらい曲がってくれるのでしょう? ロッドが短くメンディングなどはしづらいでしょう。

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HROR 763(7feet6inch・3weight・4piece)7フィートモデルよりもやや軽快感が失われるけれど、ヤマメを狙うロッドとしてはこの位のしなやかさは欲しいところ。ショートレンジからミドルまでを程よい長さがキャスティングの楽しさを教えてくれる。

Fine point:キビキビさを減らしてより優雅に、そしてナローループを容易に生み出すミディアムファーストアクション。ロッドが幾分長くなったことで、プレゼンテーション後のラインコントロールがし易い。7フィートモデルが源流のイワナ用とすれば、こちらはしなやかさを持ち合わせた、ハーディのヤマメ専用ロッドといったイメージ。

Weak point:この長さは一番汎用性があるヤマメロッド。使うことはないロングレンジはやや不得意で、フルキャストを試みたが、バットが曲がり込んでくるので出来なかった。使い易いさは抜群だと思うが、尖った個性は軽さだけかも。

ハーディロッドのインプレッション
今回試し振りをしたのはハーディ5本とGルーミス1本(こちらのお話は後日)。雨の朝だったけれど、雨がおさまったタイミングで振ってきました。芝生はウェットコンディション。5番と4番はエアフロのリッジ2タクティカルトラウトライン。3番にはスーパーフロ・ユニバーサルテーパーを使いました。
ハーディの竿袋
ハーディは竿袋一つとってもとてもお洒落。ロッド挿入口は白で縁取り入れやすくなっています。また、4ピースモデルにはロッドキャップがあり、それを仕舞う場所が竿袋の上部に用意されています。
ハーディロッドのバットガイド
バットガイドは形状記憶合金+SICリングを使用したもの。こんなに曲げても復元します。フレキシブルなので、ロッドアクションにも影響しにくいでしょう。
変形フルウェルグリップ
このロッドの特徴として、グリップ上部の凹みが大きく、その位置から膨れた部分が卵のを包むように握れ無駄な力を入れずにとても投げ易い。ただしそれはVグリップで握った場合。インデックスグリップだと、上部の反り返りを避けて握りたくなるので、その卵状の部分よりも下を握ることになるので、握りにくくなる。
ハーディのリールシート
シートのリールフットを納めるカップ形状は複雑でハーディのお洒落さん全開。バットエンドとシートカップ上(写真では見えませんが)にハーディマークがあります。シートフィラーはバールウッド採用。
HROR705
グリップの周りは全てのモデルが一緒。この7フィートは5番とは思えない軽さ。短いとロッドはとても軽く感じるものです。
ハーディのパックロッド
パックロッドとなる884と764は旅行のお供に是非とも釣れて行って欲しい超軽量グラファイト。905が振ってみたかったです。
HROR703
私が持っている短いロッドでこのアクションに一番似ている物は、ペゾン&ミッシェルのフェザーウェイトかな。でもペゾンはバンブーなので重量では全くの別物で、同じ投げ心地とは言えない。私は12番ロッドを一日中振り回すこともあるので、このロッドはその対局にあると共に、ロッドを振ると言う感覚が私には無い(笑)

 

2023秋のランカーシーバス狙い第一ラウンドは爆投と共に散る

シーバス釣行は昭和歌謡をつい口ずさみながら釣りをする事が多いのだけれど、今回の釣行では「ど根性ガエル」のエンディングテーマである「ど根性でヤンス」だけしか浮かんでこない。この歌を口ずさんでいる時はたいてい手応えが無くキャストが延々と続く時に、とどうしても歌ってしまうんですなぁ。しかし2番は思い出せないので1番のヘビーローテーションとなるんでヤンス。

秋のランカー便はどんな感じで釣りをするのかというと、沖の何も無いだだっ広い所でひたすらキャストを続けるというもの。船は比較的浅いコノシロが群れるポイントをドテラ流しで、ただただキャストを繰り返すだけ。釣り人の体力を著しく消耗させるので、ど根性を要求される漢の世界。気を抜いたり忘れた頃にガボっと出るけれど、4時間ひたすら投げても何も手応えが無いことはいたって普通。魚を釣りたいだけの人にはとても薦められない博打みたいなもの。そんな時間を過ごしたのが昨日の朝飯前の釣り。

とかく釣船というものは「昨日までは良かったんだよね。」とか、「先週は入れ食いだった。」と釣れ盛った過去のお話ばかり。さらに釣れない日が連続すると「多分、巻き網船が全部持っていってしまった。」と外的要素に疑惑を向けたり。もっともここ数年のランカーシーバス熱はルアーでの釣り方が確立された事で今までに無いくらい大物がキャッチできるようになったので、いくらリリースしていると言っても産卵前のこの時期に毎日釣り虐められている訳だから、シーバスのストレスは相当溜まっていらっしゃるでしょう。だから産卵している個体自体が減っているのでは無いかと考えているのが私の推論です。ここ数年2〜3年魚のシーバスが極端に減ってしますしね。もっとも私もそのランカーシーバスを虐めている釣り人なので何も言えませんが・・。

今年も「昨日までは良かった。」の、昨日の釣り人になりたいと思いながら通い続けるのですが、10年以上生き続けるシーバスはかなりスレている感じが否めません。私の大きなフライもそろそろ変化を迎える時期に入っているかな、なんて考えた昨日のランカー便。手応えがない時は自分が何か変えていかないとね。ということで、以下は昨日のお話。と言ってもここまで読めばオデコだったって事はわかるので、興味のない方はここでブログを閉じましょう。

荒川大橋
朝5時半に出船。目指すはコノシロが溜まっている場所。その年や季節によって場所は異なるけれど、おおよそ砂地で河口部付近の水深3〜8mくらいってところかな。魚が寄り添うストラクチャーがあるわけでではないので、コノシロの群れは流動的。シーバスはその群れに常についている訳でもないが捕食対象の近くには居るはずと信じて投げ続ける訳。
シーバスボート
ランカーが釣れ盛っている話があれば、平日であろうと船は大集結するので一目瞭然。んがしかし、シーバスボートはチラホラしかおらず。どの船も苦戦している様。私はGルーミスのNRX+スイッチロッド11フィート8番でひたすらキャストし続けたので、本日は筋肉痛でゴザイマス。
ビースティチェンジャー
ルアーの流行りはトップからチョイ沈みでやや小さめのサイズにっているのを考えるとビースティチェンジャーにも少し変化が欲しいところ。今回は船長が横でルアーをずっと投げまくっていて3バイトノーキャッチ。私は1バイトノーキャッチ。その確立差から考えても、何ら問題はないのだけれど、フッキング率を上げるには何か工夫が欲しい所。しかし私はあくまでもフック1本に拘ります。
中通しのフライ
帰ってきてすぐに次のフライパターンを考えてみた。このタイプは以前にも作っていたけれど、その時は金属のジョイントを使ったモデル。今回は少しでも軽くしようとチューブで中通しにするのはどうかと考えた。パイクフライを参考にもう少し変化させるかもしれませんが、まずは叩き台。チューブに変更はメガフライのタガメンの変化と同じかな。そう思うと今から3年前のタガメンが炸裂するほど大物がウブだった頃が懐かしい・・。

この冬は遊び場がいっぱい、新しい酒匂川C&R区間の様子を報告

いつもの年ならばシーバス三昧か本栖湖でカメムシを浮かべている頃なんですが、皆さんに寒い時期も釣りへ出掛けてもらえるように、新たなフィールド開拓を続けている管理人です。といっても誰でも釣りやすいC&R(キャッチアドリリース)区間のお話デス。

10月の半ばを過ぎると各地で河川を利用した漁協管轄のC&R区間がオープンするのですが、年を追うごとにそのフィールドが増え続けています。現在のC&R区間をざっとあげると群馬県では神流川吾妻川利根川。栃木県には箒川鬼怒川渡良瀬川。埼玉県には浦山川。東京(実際には山梨県)には小菅川。静岡には黄瀬川芝川。そして神奈川県には早川があるのですが、その近所にある酒匂川が今年からC&R区間を始めました。

ちなみにハーミット的お客様に人気があるスポットを三つ上げると、鬼怒川と箒川、それに早川でしょうか。魚が大きくて場所が広い所がその人気を支えているようです。さて、今回訪れた酒匂川の下流には開成フォレストスプリングスがあり、際上流部には丹沢湖や鮎沢川があるのですが、今回オープンしたC&R区間はJR山北駅付近でシーズン中は鮎釣りで賑わう場所。河原は広く丹沢の綺麗な水が注ぐ中流域。マーヴェリックさんはこの近所なので、先だってのイベント用にお借りしたスコットロッドをお返しするついでに行ってみることになりました。

以下は昨日の様子です。お暇な方はその様子をご覧くださいまし。

酒匂川キャッチ&リリース区間の駐車場
都内から約90キロ。東名高速道路の大井松田ICを降りて山北方面へ。東山北駅を左折して道なりに進むと新大口橋に当たります。その直下がC&Rになりますが、入漁証は橋を渡った先にある「セブンイレブン南足柄大口橋店」で購入しましょう。入漁証を購入したら今通った橋をもう一度渡り、そのたもとにある「大口おとり店」の看板を左折します。一見すると工場の敷地内みたいに思えますが、砂利道を奥に進むと河原脇まで出られ車が止められます。この場所以外にも駐車場がありますが、現在河川工事の為、他の駐車場が使えません。
大口橋下の駐車スペースから橋を望む
大口橋の下にあるC&Rを示す看板。この橋を境に上流部は岩瀬橋まで。下流部は文命床止工(尺里川合流下)までの約1.5キロくらいの区間になります。現在は多くの場所で河川工事をしており、釣りはその範囲でできるのですが、下流部は工事箇所が多く、それを避けて通らなくてはならない箇所があります。
大口橋上
到着は8時ぐらいで、まずは大口橋上の直角に曲がるいかにも良さそうなポイントからスタート。この場所には数名の方がいましたが、時間と共に釣り人が増えていきます。しかし、放流されてまだ魚が馴染んでいないのか、ルースニングでいくら流してもアタリがありません。周りの人に聞いてみると、朝イチにルアーの方が釣れたのみで、反応は薄め。
大口橋下流
日が高くなるまで何度流しても全く反応がなかったので、仕方なくポイント移動。大口橋左岸の護岸上から見える浅瀬の中にレインボーを探すと、鮎の群れに混じって3本のレインボーを発見。サイトで狙おうと降りていくと、浅過ぎて魚はすぐにスプークします。これを繰り返すこと何十回。あぁ、こりゃワシにも手に負えないと思い、この場から撤退。
岩流瀬橋下の流れ
岩流瀬橋から下流には良さげが深みがいくつかあるけれど、午前中は釣り人がギッシリで入れなかったが、午後には人がいなくなったので岩流瀬橋に向かって登りながら探ってみた。お魚は深みに40センチ弱ほどのサイズがいくつか見えるのですが、ルースニングでは全くの無反応。一旦一番上までルースニングで探るもインジケーターは一度も沈まず。なので今度は折り返してはウェットに変更し、下流に向かってダウンクロスで流すことに。
酒匂川のレインボートラウト
午後の陽射しが川底まで照らすお陰で丁度良い具合にレインボーの定位するのが見えたので、その魚の前をフライが良いスピードで流れるように調整するとガツンと来ました。サイズは40センチ弱というところ。
魚がキャッチできたことで一安心し大口橋に戻ると、何も無いだだっ広い砂底の上をレインボーが見えるではありませんか。こうなると雰囲気はボーンフィッシュのサイトフィッシング。しかしレインボーはフライを投げると逃げてしまう。なので先にフライを入れておいて魚がその付近を通過するときにフライを動かして誘うと反応してきます。夕方まで粘ればこのポイントでお魚を取る事はできたと思うのですが、マーヴェリックへ行く用事があるので13時半で終了。
レインボートラウト
酒匂川のC&Rは始まったばかりでまだなんとも言えませんが、他のC&R同様に放流し始めてからのしばらくはフライよりもルアーに分がある状態で、魚が馴染んでルアーの反応が悪くなる頃からフライが釣れ始めます。今回は始まった直後で魚は見えても反応が悪い状態だったのですが、時間と共に改善してくると思います(11/3に追加放流があるとのことなので、それ以降が狙い目です)。いずれにせよ、安く遊べるC&Rが増える事は、釣り人には大歓迎なのであります。

HMT・フライスクール&BBQ親睦会2023(リヴァースポット早戸川)

ブログを振り返るとこのイベントが最後に行われていたのは2018年の事なのですね。長かったなぁ、コロナでの封印期。2019年に開催出来なったのは確か台風の影響だった気がしますが、5年ぶりの開催となりました。

その最中にリヴァースポット早戸川は様変わりし、以前は下流部だったルアー&フライ釣り場は、現在は上流がルアー&フライの釣り場になっています。中央にある管理施設から上になるので、BBQは以前エサ釣りエリアで使われていた有料エリアで行う事になり、今回はその施設利用での初開催になります。

このイベントの内容を大まかに説明しますと、午前中は初めてフライフィッシングを楽しむ方のワンツーマンの指導やキャスティングスクール。その最中にメーカー様からお借りした試投用ロッドで実釣したりキャスティングスクールなどをしたり。

昼食は水道橋にあるベースキャンプさんに出張をお願いし、BBQを振る舞ってもらう豪華なランチ。午後にはワンフライトーナメントが行われます。ワンフライトーナメントとは、フライを1個だけ使用し、1時間で何本釣れるかを競うトーナメントで、ハーミットではオープン当初からこの企画を幾度となく行っています。

今回はいつも以上に多くの方にお越し頂き、てんやわんやの一日でしたが、常連さんのサポートやお手伝い頂いたフルックスさんのおかげで何とか乗り切ることができました。今年も事故もなく無事に過ごせたことにお礼申し上げます。また、多くのメーカーさんのサポートがあってこそのイベント。今回もご協賛頂いたメーカー様に深く感謝しております。

ご協賛メーカー:フルックス様マーヴェリック様キャップス様C&F様E&E様ティムコ様キャニオンワークス様・他

今回の参加された楽しそうな皆さんの様子は以下の通り。今後もこのようなイベントが続けていけるように、ハーミットは頑張ってマイリマス。

リヴァースポット早戸川のBBQ施設
以前は河原でタープを張ってその下でBBQでしたが、今回はBBQ施設を2ブロック借りての大所帯となりました。フルックスののぼりを目印に午前7時ごろからの受付で、早めにきた人はBBQ会場で座談会。
夫婦でフライフィッシング
ご夫婦や家族で参加される方が多いのも今回の特徴で、ほのぼのとした光景が各所で見られました。
ルアーからフライフィッシングへ
全く釣りをしたことがない方がフライを始める場合もあれば、手慣れたルアーフィッシングを今回は封印し、フライフィッシングを教わりに来た方もいらっしゃいます。
管釣りは色々な釣り方やフライを試す事ができる実験の場所でもあります。
フルックス社のご協力
用意されたフルックスブースでは、ティペット争奪「じゃんけんぽん」大会など。じゃんけんに勝つと購入したティペットが2倍になります。負けてもオマケがついていたので、かなりお得な企画でした。
ハーディウルトラライトシリーズ
今回試投用ロッドとして用意されたのは、スコットFSシリーズ・GSシリーズ・Gルーミス IMX-PROv2・ハーディウルトラライトシリーズの、それぞれ5番以下を用意。ズラッと並べている写真を撮り忘れちゃいました・・。
ワンフライトーナメント
ワンフライトーナメントに申請された12番のフライたち。ドライで挑戦する人もいれば、ニンフやソフトハックルウェットで挑戦する人も。初心者の方はフライチェンジOKなので、フライの提出をする必要がありません。
管釣りでBBQ
BBQはベースキャンプ提供で行われました。毎回のことですがアルコール類の持ち込みは禁止。なので、乾杯はノンアルコールビールで行います。お肉は鶏肉・豚肉を特製の下味に漬けられたもので、とても柔らかくボリュームがあります。それに寒い日の豚汁は最高です。今回は人数がとても多かったのですが、これ以上人数を増やすこと料理の提供が難しくなる事を感じました。
早戸川でBBQ
BBQはその周りに「焼肉番長」が一人はいないと誰も焼いてくれないので、座席によって肉の無くなるスピードが異なります。
ワンフライトーナメントがスタート
ワンフライトーナメントは幅広い年齢層で公平に戦うために、小学生以下と初心者は1匹釣ると3ポイントが加算、女性は1.5ポイントというルールで行いましたが、毎回そのルールをどのようにするかを悩んでしまいます。13時にスタートしたワンフライトーナメントはフライ1個で1時間という短時間勝負。優勝ラインは毎回10ポイント前後。
ワンフライトーナメント
キャッチのカウントは近くの競争相手に行ってもらいます。人が多い日曜日なので、どのポイントに入れたかでも、キャッチの数が大きく異なります。
3位入賞
今回のワンフライトーナメントにあたり6位同位入賞者の方で1名報告忘れがあった事を深くお詫びいたします。この1時間で釣果があった方は23名。最大釣果は10本で10ポイント。3位入賞のこの方はドライフライで8本の釣果。全体にドライの方が釣れていた雰囲気です。
ワンフライトーナメント同率一位
実は1位は同率10本だったので、2位と書いてありますが、実際には1位です(ジャンケンで負けたので、賞品が2位のもの)。ドライフライで10本をキャッチしたそうですが、壊れたフライを必死に浮かせて釣り続けたそうです。
ワンフライトーナメント
同率1位でのもうお一方はユーロニンフでの釣果。丁度同率1位同士が同じ場所で競っていたそうです。短い時間でどれだけ多くの魚をキャッチできるかは、糸の結ぶ時間やかけてから寄せる無駄な時間を省くなど、フライはもとよりその所作(ルーチンワーク)に無駄がないかにもあります。皆さんもお仲間が集まったら是非こんなトーナメントを試してみてください。釣りが上手になりますヨ。