動かない底石を知っていれば大物狙いのチャンス

私の釣りは一つのテーマを見つけて納得いくまで通い続けるスタイルが多く、大体10年は通い続けるかな。現在までに一番長く通っているのは本栖湖でもう40年以上なのですが、本栖湖は別格で江戸っ子(都会っ子)の私にとって本栖湖は心の故郷みたいなものなので、お正月前には何度も故郷へ帰るようなものなんです。

川は一つのテーマを持って大体10年通い続けてその川の事をよく知るのですが、現在通っている場所の目標は本流で50アップの遡上魚(実際には35年以上前から本流ヤマメを狙っている川)。今週で15週間通い続けてますが、いまだにな〜んも無なしで、気がつけばもうすぐ10年になるのですが目標には程遠いサイズばかり。歳をとるのなんてのはあっという間ですな。

そんな本流の釣りですが、周りが河川回収され風景が一変しても何年経っても変わらない底石があるのです。それは以前通っていた別の川でも同じで、どんな大きな台風でもびくともせず動かない底石。と言うよりは大きなスラブ(一枚岩)なのかな、その先っちょが出ているだけの大きな岩盤。たとえ砂利で埋もれても次の大水で周りの砂利は流され、少し時間を掛けて元の状態に戻るのです。そんな底石をあなたの通っている川にもありますか?

現在通っている川にもそんな底石(沈んだ岩盤)がいくつかあります。さて例によって毎週同じ場所を同じ時間に名目上はダブハン練習に行くのですが、今回もその場所でスイングした時にワサワサッと魚が触りました。魚がスレているのか、それともフライが大き過ぎるのか悩ましい判断。鮎師が来るまでの数時間投げ続けて結局アタリはその一回だけですが、以前の話で大きいのを掛けた場所は実はそんな隠れ岩(この場所は水面に出てません)。遡上魚なので魚が入れ替わっても着く場所はいつも同じなんですね。

そんな最中、かなり上流で50アップを釣った餌師のオジサンの話が舞い込んできた。あまりにも釣れないので勝手に「あぁ〜、私がバラしたヤツがそんなに上へ遡上してしまったのか。」なんて思っていたりするおバカな私。ま、魚は居るという知らせなので、あと1〜2週は頑張ってみます・・・。

本流は外道も釣れないのでその写真は一切なし。以下はその前日に訪れた上流の魚たちのお話。

渓流を1時間歩いてからの入渓
現在は水温の上昇で本流の釣りは午前中のみの展開。なので、今回は一泊二日の車中泊の旅なのですが、1日目は源流のみ。もうジジイだから日に15時間の釣りはハード過ぎるのですよ。最近は定年を迎えたばかりの釣り人が多いので、平日の渓流でも林道がある川は激混み。お昼に着いて先行者が7名の後追いです。
口元にイワナが捕食している虫が・・。
帰る先行者は「激シブで釣れない。」と言われましたが、それはエサ師の意見。実際には一番釣れそうな所には一匹もいない代わりに、低く垂れ込めた木の下や流れが短くて流しにくい場所などから次々と顔を出すイワナくん。私には問題なし。もっともこの川もかなり通っているので大体魚が出てくる場所を知っているだけなんですが・・。イワナの口元にあるのが本物の虫で現在はこんな黒い虫が飛んでます(先週と違う川ですが、飛んでいる虫は同じ)。
イワナ釣りはリーダーが短い。
一番小さいサイズで6寸台で、このサイズが多いかな。でもこんな場所はいないよねと言った場所でも隠れ家があるとしっかりと出てきます。入渓して2時間ほどでツ抜け完了。ちなみにリーダーの長さはティペットを足して8フィート位。源流ではリーダーが長過ぎるとポイントが近いのでテンカラみたいになっちゃいますヨ。リーダーシステムの長さは臨機応変に対応してください。
冷たい源流に住むイワナ
流れに手を突っ込んはじめてわかった冷たさ。午後だというのにこの冷たさじゃ、午前中は魚の動きはさぞ悪かったろうに。イワナのサイズは8寸程度まで。この時期は魚がおおらかなので数釣りを楽しみましょう。
源流部のヤマメ
この川はイワナ→ヤマメ→イワナという感じで、最上流部に近づいても結構な確率でヤマメも出てくる。早い流れはヤマメ、肩や渕尻はイワナという感じ。この川では十分釣ったので、5時にて退渓。そしてイブニングは下流部で大物狙いへウェーダーを履いたまま移動。
なぜかブルックトラウトばかりが釣れる川
大物狙いに選んだ場所は初めてのポイントで、またしても先行者。どんな釣りをしているかを見ててもしょうがないので、下流へ降りライズ発見。シブそうなディンプルライズを片っ端からやっつけると、なんとその80%がブルックトラウト。どういうこと? 残りの2割にヤマメとレンボートラウトという釣果。その僅かな時間でここでもツ抜け完了。サイズが変わらず8寸ばかりなので飽きてしまい、19時にて終了しました。
黄昏に舞うメイフライのスピナーフォール
空を見上げればたくさんのメイフライのスピーナーフォールがスタート。この後にヒゲナガが水面を這い出すのだけれど、翌日の釣りが3時起きなので、車中泊と言ってもこれでも睡眠時間は6時間しか取れない。6月はとても陽が長いのである。そして翌朝は撃沈し、雷の怖さに午前中で帰るのでアリマシタ。

水の色を見て判断するポイント選び(私的考察)

夜が白々と明ける中を、ダブハン練習の為に足早にポイントへ向かう私。若干の水位上昇は遡上の鍵。いつもポジティブに物事を考える私は、明るさが足りない中でキャスティングを開始したが、やがて気づいた事・・。泥水的なカラーの中にフライを投入してました、ガックシ。という事で昨日のキャス練はわずか30投ほどで終了です。

自分の車へ戻るとこちらの方へ少し早めのスピードで向かってくる四駆。その忙しく走っているイメージで釣り人なんだろうなと察しが付く。

「おはようございます、どうですか?」
「大丈夫かと思って川辺に立ちましたが、結構な泥濁りなんですぐに諦めましたよ。」と私。

「友達から大丈夫そうだという連絡があったので来たのですが、やっぱりダメですか。こうなりゃ上流へ向かって濁りが少ないとこ探すしかないですね。お宅もそうですか?」

「はい、私も川を見ながら上流へ行きます・・。」と私。

その間1分ほどの一期一会ですが、私は鮎師じゃないって事は気づいてなかったみたい。シムスを着た鮎師なんて多分いないでしょう? そんなドロ濁りの本流は太陽がようやく顔を出す時間帯でしたが、鮎の解禁を待ちわびた釣り人で川は徐々に埋め尽くされていくのでした。

さて、私はと言うと、その濁りを見て本流を諦めて最上流でヤマメ釣りを楽しむ事に変更。そこでふと思った事。釣り師は水色をみてどんな判断を下すのかを、私なりの解釈でちょっと考えてみました。まずは濁りのお話(私的見解なので見解は多々あります。鵜呑みにしないでね)。

透明透明度が高い時って釣りには良さそうだけれど、全く濁っていない状態の本流だと私のイメージは「冷たそう」と感じる。最もイメージではなく不純物が少なく水が冷たいから透明なので、虫が少ないのは事実である。お魚は釣れるだろうけれど、水温の上昇次第って感じなのが透明な水質。なので朝早い時間に釣りをするのではなく日中に向かって、または午後風が少し吹き始めた頃が釣りの時間帯として考えましょう。

  薄いブルーの透明:無色透明に近い状態にブルーが入るとやっぱり水は冷たい。こんな水は解禁当初の水温が10℃以下でしょうなぁ。ドライフライで釣りよりもニンフの方が手っ取り早いですが、多くの釣り師はドライ派(ビールの事ではありません)なので、そんな水を前にしていつまでもライズを待つのです。もしくは釣れるまで果てしなく叩き上がります。

  薄いエメラルドグリーン:山間部に近い本流の春は最初は大体こんなカラー。それが雪代が入り始めると透明ではなくやや笹濁りな感じ。やっぱり水は冷たいなぁ。上記に同じ。

  釣り用語で言う笹濁り:薄いグリーンで透明度が少し落ちている状態。釣り糸や仕掛けをカモフラージュし安く、魚を騙しやすい。この色になってくると虫の行動もやや活発になり魚が釣れるようになる。だた、本流の場合は同じような水色で肥料のような匂いが混じる水は、虫の出現が極端に少ない時があり全く喰いが悪い事があるので、その見極めは川に立ってから考える。

  茶色い薄濁り:薄い茶色で田代(しろかき時の濁り)よりも透明度が少しある状態。フライを投じて30〜50cmほど沈めると見えなくなる位の濁り。これが私的には一番釣れそうなカラー。水面は虫たちがザワつき、魚の躍動感を感じる。そんな時の私の気分はアゲアゲ。といっても釣れない時の方が多いんですが・・。

  茶色い濁り:どれぐらいの濃いカラーで釣りを断念するかは、人によって判断が別れるところ。私の場合は自分のウェーディングシューズが膝下半ばで全く見えない状態であれば諦めます。仮にそれよりも薄い濁りであれば、浅いところに逃げ込んでいる魚を想定して、流れの緩い場所だけ狙う事もあります(ただし、他に逃げ場所がない時のみ)。

書いてみれば当たり前のことかもしれませんが、知らない初心者の参考になればと思います。ちなみに昨日は渓流へ行きましたが、釣れる釣れないは水色の判断で深さの色はとても気にしてます。渓流へ入ったら、まずは水に半分使っている石をチェックしましょう。その石には普段の水位の境目が刻まれているはずです。昨日は15〜20cm増水でした。

通常、私的感覚ではお魚はくるぶしよりも深い水深があれば釣れますが、増水している時のくるぶしの水深は普段は全く水深が足りていない事になります。なので増水の日は無駄打ちを減らす為に、昨日はくるぶし以下の水深を狙いませんでした。但し、その周り半径2m以内に膝以上の水深がある場合は、普段はその場所にいて水位上昇していることにより少しだけ開きに出ている可能性があるので狙います。ちなみに膝以上の水深があれば、他の場所よりも幾分水色が濃くなるのでわかります。

そんな感じでポイントを見極めていくと無駄打ちが減り、より良いポイントだけ効率よく攻める事ができます。またこれ以外に底石やシェード、流れのスピードなどが加味されるのでその判断は簡単とは言えませんが、釣行回数が多い先輩と共に釣りへ行けば、色々なものが見えてくると思います。先輩を煙ったがらずに、なんでも質問して教えてもらうことをお勧めします。

あ〜、またしてもダラダラと長い話になりましたが、少しでも参考になれば幸いです。私はまた来週へ向けてフライタイイングに精進いたしますデス。

苔むした渓流
本流から上流への移動距離は40キロ。朝1時起きで家を出て、そのまま渓流釣行はチト辛かった。ポイントはこんな苔むした川ですが、以前鬼怒川であったおじさんがこんなの欲しがってましたが、聞けば売るのだとか。私はこんな川が好きなので、もちろん苔が密生している場所は教えません。
北関東のヤマメ
入渓して100mほど川を上がると、最初のポイントでたくさんのライズが。何を喰っているかが分からないサイズなので、サイズを落としてようやく釣れました。
ヤマメの胃の内容物
なんのフライが正解なのか知りたい場合は、ストマックポンプを使ってお魚さんにゲロしてもらいます。今回は随分とまぁ小さいもの食ってますな。大半は黒の小さなカワゲラでした。
さらに上流を目指して。
ヤマメちゃんは二桁以上釣れたので、さらに上流部を目指していわな釣りへ変更。癒しのイワナくんは釣れ始めると急に釣れ続けます。今の時期はこんなポイントの肩(一番写真の手前)にいて、ゆっくりと出てきます。
源流部のイワナ
よそ見していて、およそ3秒後にアワセたのにガッポリ喰っていたイワナくん。今回は上から下までかなり歩いたので早めに退渓。イブニングは本流に戻ってスイングの釣りを楽しむ事もできたのですが、イブニングの釣りでサっちゃんを釣った事がないので、体力を使い果たすのをやめて今回は帰路につきました。さて、次回はいかに?

ハーミット25年の歴史を掘り起こす(リール編)

東京は緊急事態宣言がどうやら延長になりそうなので、今年も遠征ができず腐っている管理人です。昨年も似た感じだったので今年も仕方ないのかな。あと半年の辛抱だと信じてもう少しだけ我慢する事にいたします。なので私は釣りらしい釣りをしておらずダブハンの練習みたいな日々なので、釣りネタがありません・・。

ブログを書くネタが途切れてしまうと尻つぼみなってしまいそうなので、なんか書く事ないかなぁと考えてハーミットのPCの中身を散策。眺めていたら、何かに使うだろうと撮り貯めた過去の写真があり、かつて扱っていた商品群がドッサリ。商品は載せ切れないので、その中で販売台数が少ないものだけを選んでピックアップしてみました。全てハーミットで撮った写真ですから無断転載はしないでくださいまし。

しかしですねぇ、ハーミット25年史の前半は銀塩写真なので、あるのは2005〜6年あたりからかなぁ。なつかしいかどうかは微妙なラインですが、知らない方も多いかと思うので載っけておきましょう。そしていつものように今週の管理人の行動は最後の行あたりにチョロっと書いておきます。

バックワインダー フライリールとハーミットリール
バックワインダーリール:ノルウェー製でこのリールを見た時に衝撃を受けた私は、すぐにこの会社にラブコール。ですが、英文が通じないのか返信メールがなく、後日ノルェー大使館の方を介して輸入にこぎつけたリール、2004年ごろかな? ②バックワインダー社は凄く良い方だったので、私の要望を聞いて作って頂いたバックワインダー2号機となるプロトリール。直径が85mmのハブレスラージアーバー。サンプルだけ作って結局世に出る前にメーカーさんが無くなりました、残念 ③かつてハーミットに「世捨て人倶楽部」と言うのがあり、その部長にお願いして作ってもらったハーミットのバーミンガムスタイルリール(2004年頃〜)。カッコイイでしょ? 価格はお手頃価格で、ジュラルミンのボディを持つ。ハーミットの歴史が長いので、製作者の方はすでにこの世におりません。
ロスリールリズムのピンクカラーとウィンストンリール
①ロスリールでこんなピンク色のリールがあったんですよ。リズムの限定品だったかな?乳癌か何かの寄付金集め目的で作られたかと思います(2007年) ②こちらも何かの限定で作られたロスリールのヴェクシス。スプールが磁石で付く変わったリールで短命でした。この模様は35周年の限定品。この写真のリールは、まだ持っていらっしゃれば私のお友達が所有。 ③ウィンストンがリールを出していたのを知っていますか? でも作っていたのはハーディで中身はパーフェクト。ウィンストンカラーに染まったグリーン(2005年頃) ④TFOのアトールはソルトウォターモデル。ハブレスラージアーバーなのにバックワインダーと違いドラッグがものすごくしっかりできている。スプールの受けが大きく軸がないのでブレが生じないから、歪まないんですね。このリールはあまりに好きすぎて、ハーミットで勝手にアルマイト塗装しました。本当はシルバーしかないのですが、ハーミットで購入されたお客様は色付きがほとんどです。(2015年頃)
ティボーのスペイリールとビリペイト マーリン
①ティボーがスペイリールを販売していた時期があります。そもそもソルトメーカーさんなので、このリールを輸入したのは、ハーミットの他にはほぼ無いのではないかと思います(日本には10個も入ってません)。中身はクイックチェンジャーリールをスペイモデルにしたもので、大きさは既存のサイズと同じ。難点は南国で使うティボーリールなので、ドラッググリースを付け過ぎると、寒い時の初動が遅いんです。(2008年頃) ②フルーガーメダリストをサンドブラストして、ビンテージ風にして販売していたのが、GMGガイドサービスさん。お手頃価格だったので、愛用者はいまだに沢山いらっしゃる事でしょう。(2006年頃) ③オービス誕生150周年に作られたCFO DISC III。なので製造は2006年製。まだハーディ社がギリギリ作っていた頃かは忘れました ④ティボー社からメールがあり「インスプールのマーリンモデルが何台か作れるけれどいらないか?」と言われ、その全部を、ハーミットとブルーダンさんの2店舗で全て買い、販売した限定生産モデル。1970年代のパーツの足りない部分を現在のもので補ったので、ドラッグホイールだけが現代風。販売したうちの一台は私が所有してます(2007年頃)
イブニングはスピナーフォールの川
今週の私はダブルハンドの練習をするにしても心あらずで、キャスティングの乱れがヒドイのなんのって。ダブハンのキャスティングは精神修行なんだと感じた火曜日でした。キャスティングが乱れている時はラインの置き方をより丁寧にして責めるのですが、ランは夜明けから7箇所攻めて雑魚の一匹さえも掛からず。今回は魚恋しさに午後遅くに少し上流へ行きました。
本流よりも少し上に行ってヤマメ狙い。
シングルハンドはなんか積んであるだろうと思ったら、セントリックのC904が一本だけ。イブニングライズを片っ端から掛けるのだけれど、7寸半程度の魚だと竿が硬すぎて普通にグリップしていると魚がみんなバレちゃう。なので、キャスティング時は手首しっかり、魚が掛かるとユルユル持ちという変な釣り。でもこのサイズを8本取って久々にまともな魚に出会えましたとさ。来週からはアユが解禁するので、本流の釣りは短くなってしまうので、今年はこのままフェードアウトになってしまうかも・・。悲しい・・・。

「昔は良かった。」と先輩達が言っていた言葉を今は私が使う

釣りがパッとしないのはコロナのせいにしておいて、書くことがないので私的回顧録でも記しておきます。昨日何気なくFFJを読んだので、今回は頭の中にボヤッとある私が覚えている雑誌遍歴のお話。タイトルは「昔は良かった。」と書いたけれど、実際には「昔の本は面白かった(夢が詰まっていた)」かな。

釣りは何でもやる私なので、若い時に読んでいたのはルアーやフライに限った雑誌だけではありません、というかその頃はまだフライ関係の雑誌など一冊も無かったので当たり前か。

釣りを始めた当初にあった雑誌を書き出して見ると、主に読んでいたのはこんな感じ。

つり人(つり人社)・フィッシング(廣済堂)・Fish On(恒和出版)・ベストフィッシング(日本ジャーナルプレス新社)・釣りマガジンと少年釣りマガジン(桃園書房)

フィッシュオンは関西のバスフィッシング事情を知りたくて読んでいた本で、当時は入鹿池などを紹介してましたが、私はまだその場所へ一度も行っていません。またベストフィッシングは「べふ」と呼ばれていて、おぼろげですがそのペンクラブ(ベフペンクラブ?BFPCだったかな?)に入っていた記憶があります。

これ以外に同人誌で「釣りキチの本」(タイトルが違うかもしれません)と言うのがあって、雑誌では書けない釣り糸の検証の話などが面白く読んでました。

さらにタックルボックスは有名ですが、それが創刊される頃にはすでに某所の釣具屋で私はアルバイトをしてました。タックルボックス編集長がまだ大学生だったか卒業したてで、ネタを求めてよく来店されてたので、ネタを提供してた事を覚えています(創刊準備号〜3号あたりまでの中身がカラーじゃない時代)。そういえば、タックルボックス主催のバストーナメントも出たっけな。

私の曖昧な記憶を辿ると1976年前後からフライフィッシングを始めたのですが、当時はこの雑誌群でフライフィッシングの話が出てくるのは稀であり、その釣りは釣具屋で知った訳ですから、私のフライフィッシング創世期はほとんど手探り状態だったのです。時代があっているかわかりませんが、参考になたのはジム・グリーン著の訳本「フライキャスティング」と洋書を参考にし、後にスポーツノート(鎌倉書房)とシェリダン・アンダーソンの「フライフィッシング教書」(今でも売ってます)と言う感じかな。ちなみに釣りキチ三平くんがフライロッドを握ったのは1981年頃です。当時の本から得るものは基礎知識と少しだけの実践方法だけだから、フライフィッシングのほとんどは多くの失敗と間違いから学んだのでした。

そして廣済堂からアングリングが1983年に創刊されてルアー&フライのブーム到来(イメージ的にはもう少し前から)。さらにその後にフライフィッシャー(1988年)が出たという訳です。ちなみにFFJは1982年でアングリングとほぼ同時期に始まった同人誌で、そこからスピンオフして生まれたのがフライの雑誌(1987年)になります。

今は何でも情報がネットで簡単に手に入る時代。とは言ってもその情報はとても浅くアフィリエイト稼ぎが大半なので、長たらしい文章を読まされても(その長文を書いている本人ですが)知りたい情報が一行しか無かったりするのが残念でならない。それに比べると雑誌のネタは内容がとても濃く、読み応えがあり、釣りに振り切っているアブナイ人たちの集まりに出会えるのです(笑)。皆さん最近雑誌を買ってますか? 現在は数少ないフライフィッシング関係の雑誌は『Fly Fisher』と『フライの雑誌』しかありませんので、たまには紙の雑誌に触れてみてくださいな。

書いていて何を言いたいのだかわからなくなったので、この辺で終わり。以下にはハーミットにある古い雑誌を一部紹介。そして最後に今週の管理人?でも書いておきましょうか・・・。

ジム・グリーン著『フライキャスティング』
フライフィッシング教書とこのフライキャスティングは誰かに貸して帰ってこないので、後に書い直したもの。このフライキャスティングは初版が昭和47年と書いてある。ティムコさんが始まったのは昭和44年。
FFJ(フライフィッシングジャーナル)5号
通称はFFJ。こちらはお客様の寄付によりハーミット図書館に置いてありますので、日本のフライフィッシングに触れたい方は、是非ご一読ください。
マインドアングラー(ツルチャンブック)
フライの業界が一気に大きくなったのはサワダさんの活躍が相当貢献していたと思います。(それ以前は芦澤さんかな?)その沢田さんのところで出されていた雑誌。名前の通り読むと沢田さんの精神を受け継げる正統派ウェットのバイブル。
アングリング1月号
このアングリングの1月号はとっても濃い〜い雑誌で、沢田さんの2尺ヤマメの話、本栖湖のブラウントラウト、丸橋さんのセールフィッシュの話が書かれています。そして私もその端っこでアラスカのフライフィッシングの話を書いてます。再開された『水之趣味』は中綴じでフライ&ルアー専門になっています。それ以前の平綴じの方も作り込みがとても綺麗で読み応えのある雑誌でした。
枻出版の『Streamside』と『Giji』
枻出版からは『Streamside』が出版されていた時代も。バスワールドと同じ体裁で綺麗な作り込みの雑誌。『Giji』は今ではルアーフィッシングの雑誌ですが、当時はルアーとフライが半分ぐらいの比率で記載。当時の私はどちらかというと裏方で、レイアウトデザインの方を主にやってました。
ウィンストンのマイクロスペイとバックワインダー
そして今週の私.微増水でものすごく釣れそうな予感に対して、ロッドはピクリともしない。7つのラン(流れ)を回って何事もありませんでした。リールはマーキスをやめてバックワインダーをセット
6番のダンケルドを咥えるカワムツ
スイングしていると明らかに雑魚のプルプルが。全くお重さを感じず上がってきたのが6番のダンケルドを咥えるカワムツ。雑魚でも掛かると嬉しいのは、今年はその雑魚がなかなか掛からないから。鮎の遡上はスローペースな感じを受けます。毎回言ってるけれど、来週あたりからよくなるかも(笑)、というポジティブな考え。

人それぞれの自己完結

トラウト、特にヤマメ狙いの一連の流れはこうだと思う。

足しげく通う川には狙いの本命ヤマメがいる。先週はフライを追わせる事はできたが、食わせることが出来なかった。多分フライが合っていなかったのだろう。川面を探せばいくつものチラカゲロウが流れていたが、それに近いフライが無かったのが敗因だ。

先週と同様に同じポイントでライズを繰り返す狙いのヤマメ。今回は食べているであろう虫に近いフライを巻いてきたので大丈夫な筈。それを所定の位置からタイミングを図ってキャスト。ヤマメは躊躇する事なく食いついた。気持ち良くロッドを締め込み伝わる重さ、糸なり、横走り。その心臓がドキドキするような瞬間を経てヤマメをランディング。しかし、私が巻いてきたフライは本当にこのヤマメを騙せていたのだろうか?

そう思う私は釣れたヤマメにストマックポンプを差し込み、胃の内容物を確認するのである。吸い出されたそれを付属のトレーに出してみると、先週と同様にチラカゲロウを捕食しており、私のフライが見事にマッチしていた。仕留めた魚は尺には届かなかったけれど、釣りはこれで自己完結されるのである。


そして、一昨日の私はこうであった事実。

解禁からもう15周目を迎えたけれど、未だに満足な結果を得られていない近郊の遡上魚狙い。釣れないのはいつもの事なので、へっちゃら。だって毎週ダブルハンドの練習に来ているだけだもの(と自分に言い聞かせてみる)。3月の終わりに少しだけ手応えを感じたけれど、その後は雑魚さへも食いつかない。水温の上昇と季節の進み具合を考えるとそろそろなんだよな。そんなことを考えながら二筋の流れがあるポイントへ到着し、その合流少し上からスペイキャスティングをスタート。

夜明けとともにポイントへ入ったけれど、やっぱり今年は寒い。虫っけは全くなくこれじゃまだダメだなと思った。一つのランを流した頃にはようやく外気と水温が少し上がってきたので、気まぐれで同じポイントをもうひと流しすることに。川面には小さめのヒゲナガが泳いでいるのでグリズリーキングにでもしてみるか、と結び変えてみた。

流れの芯はやや対岸寄り。その芯よりも自分側にいい感じのヨレがあるので、少し距離を投げて流れの芯近くからスイングを開始し、掛かるならば此処だとしつこく流してみる。するとマーキスが「ジ、ジ〜ジ。」と珍しく反転音を披露。掛かった魚はラインを張った途端に上流へ登り出したためにラインが弛みそうだったので、リールで回収せずに慌てて左手で手繰り寄せた。魚が上流へ走るスピードが速かったので、ロッドが軽くなり一瞬バレたかと思ったら、その後にずっしりとした重さが伝わってきた。またまたぁ〜、思わせぶりでスモールマウスなんでしょ?

ガンガンと首振りを繰り返しながら寄ってきた見事なギンギラギンにさりげない魚体。関東でまともなサイズを見るのは一体何年ぶりだろうと手が震え始めた。持っているネットはちっこいからこのままズリ上げようとする事としよう。しかし魚の口元に目をやるとフッキングが縦掛かりなのに気づき、私は小さな声を発したのである。

「あっ。」

浅瀬に身を横たえる寸前に暴れたそやつのフックはポロリと外れ、私はそこへ飛び込むように覆い被さったが、魚は私の手の中をスルリと逃げ去っていた。その後放心状態で30分ほど人柱のように立っていたのは、誰かに見られただろうか。私の魂は魚と一緒に川へ去って行ったかのような錯覚に陥る、柔らかな日差しが顔を温め始めた朝方の出来事。

私の中でサクラマスは写真という証拠を残して自己完結。その感触は僅かに感じたけれども何も言いようが無い虚しさ。でも1時間もするとポジティブシンキングな私は立ち直り、ひょっとしてポイントを休ませれば別のサクラマスが掛かるかも? と考え、その場を離れた。そして夕方遅くに戻って反復するも手応えは一切無く、空手で帰るのである。反復した事で私のしくじりは増大する結果になったのは言うまでも無い。

帰宅して煽る酒は荒れるばかり。今日の出来事を思い返し、ああすればよかったと思い返しても何の手立ても無し。そんな私に嫁は一言。

「良かったじゃない、あなたの作った毛針に魚が掛かったんでしょ?」

その言葉になんとも言えぬ漢のロマンを切々と語りたかったが、言ったところで理解をしてもらえないとわかっているので、その後も酒を煽り続ける夜だった・・・。

チラカゲロウの抜け殻
あまりの悔しさに写真はな〜んも撮ってません。なので、納めた写真は冒頭の藤が綺麗だったので写した一枚と、このチラカゲロウらしきニンフの抜け殻。

フライフィッシングで楽しむシーバスの季節はいつか?

ゴールデンウィークは本日で終わりですが、緊急事態宣言なので家でゆっくり過ごす方、あるいはその対策をされてアウトドアを満喫されている方もいらっしゃったかと思います。皆さんゆっくりと休めましたか? 私は個人事業主なので、そんなお休みなんてま〜ったくありません。売り上げが三日も落ちれば胃がキリキリと痛む小心者なので、働き続けるしかない働きアリの様です。

特に今年の現状は私をサポートするスタッフがいないので、このままだと年間休日数が53日になっちゃいますな(笑)。なので今の私は釣りへ行ける日々がとても大切な時間なので、無駄なく過ごしている次第。

さて、本題のシーバスの話。私の中では一年中釣りができる釣りとして挙げられるのが海のシーバスフィッシングと本栖湖の釣り。本栖湖はご存知のように禁漁期間がないのでいつでも釣りができます。夏場は釣れないイメージがありますが、その季節はブラックバス狙いで楽しむことができるので、芦ノ湖と同じですね。

そしてシーバスに関しては釣れる場所が変わるという事はあっても、全く釣りにならない季節というのは存在しませんので、狙おうと思えば一年を通して釣り続ける事ができる魚種。それも関東圏の人であれば東京湾の豊かなストックと魚種に支えられ、管釣りと違っていつでもワイルドな天然魚と遊べるのです。

現にお店に来られる方の中にはシーズンを通してずっとシーバスのみを追いかける方もいらっしゃいますが、個人的には渓流のオフシーズンに当たる9月後半〜2月までが私のシーバスシーズンになります。

そんな期間を外れて私が唯一シーバスへ行くのがゴールデンウィーク。理由は簡単で長期連休ともなると皆さんが地方へ出かけるので、東京は思っている程の混雑は無し(今年は事情が少し異なりますが・・)。なので人混みを嫌って安近短のシーバスとなる訳です。特にボートフィッシングは突然シーバスボートの数が増えるわけでもないので、釣り場は必然的に確保され混雑には程遠い状況でシーバスを楽しめるのでオススメ。あ、今こんなこと書いてもゴールデンウィークは終わっちゃいましたね。さらにゴールデンウィークにシーバスをお勧めするのも数度目です(笑)。

季節を四半期に分けるとシーバスはざっくりこんなスタイル。

春パターン(3〜5月):バチ抜けシーズン。ゾンカーガーグラーのフライが活躍します。数釣りの季節。バチパターンなので、ちょっとだけ沈んでいた方が数釣りが楽しめます。

夏パターン(6〜8月):真夏は川筋のナイターかボート朝便の季節。後半に向かってフローティングミノーのトップウォーターゲームが楽しめる季節です。朝方だけ釣りをして後半は家でゆっくりビールを飲みながら『午後のロードショー』を見ながらマッタリとするのが私は好きです。

秋パターン(9月〜11月):初めての人でも簡単に釣れるシーバス最盛期。ちょうど渓流シーズンが終わってやる事が無いと思う人、あるいは放流ものの魚は釣りたくない人はこの季節のシーバスフィッシングはおすすめ。釣れる数は管釣り並です(もちろん生き物相手ですから、日並はあります)。後半に向かって釣れる数は減りますが、その分だけ大物が出ます。僕らは大体9月後半〜12月が一番のメイン。

冬パターン(12月〜2月):大物狙い一発チャンス。ランカー(80cm以上)を仕留めたい人はこの季節にデッカイフライを投げまくってください。1回の釣行で1〜2回のチャンスですが、出れば大物間違いなし。大物ハンターの夢はメーターオーバーキャッチです。

これからの季節は水温上昇と共にシーバスは川を遡上するチームと沖の深場へと落ちていくチームに分かれます。川筋ウェーディングのナイターかボートでの沖のストラクチャー撃ち。このお話でシーバスに興味が出た方は、9月からスタートのために今から準備を進めてはいかが?

シーバスのフライフィッシングタックル
僕らはこの釣りをやり込んでいるので、かなり高価なタックルを使っていますが、青物の釣りと違いシーバスはバッキングラインを持っていくような魚ではありません。トルクとジャンプを楽しむ魚なので、リールの性能はそれほど重要ではありません。タックルはお手持ちの6番〜10番の範囲で好きなタックルを使うのが良いでしょう。但し、ここ数年の秋パターンはブリが掛かることがあるので、それを取りたいと考える方は高性能のフライリールに200mのバッキングラインは必須です。
シーバスが食べている魚(ベイト)
シーバスが吐き出した魚と普段食べている魚はこんな感じ。この時期シーバスが主に食べているのはバチ(バチ ゴカイ=産卵期のゴカイ)と小さなベイトフィッシュ。もしすぐに出かけるのであれば、5センチほどのゾンカー・クラウザーミノー・フローティングミノーが良いでしょう。秋になれば20センチを越すコノシロを捕食します。
豊洲市場
ということで、昨日の夜はシーバス散策。珍しくビデオカメラをずっと回していたのに、本日そのファイルを謝って消去してしまいました(泣)。写真がほとんど無いので、過去の写真と昨日のシーバスを混ぜての説明。昨夜の舞台はここ豊洲市場の近所のバチ抜けパターン(過去の写真)。
バチ抜けシーズンのフライフィッシング
先だってのフローティングキャンディ(弍号機)のテスト釣行。でも海で使うとゾンカーが柔らかすぎて、そのフック絡みが多く海向きでは無い感じ。魚の反応は上々。そしてボディコーティングしてあるので、時間が経っても沈まないのがgood。
バチシーズンのシーバスフィッシングのフライサイズ
バチボイルの時は魚はタイトに着いている感じはなく、見つけると下から単発で突き上げてくる感じ。潮の筋を見つけて流れに乗せてリトリーブすれば、フライは丸呑みされて面白いように釣れます。フライは大きくすると反応が悪いシーズンなので、しっかりとベイトサイズに合わせましょう。
フライを丸呑みにするシーバス
結果はどのポイントもすこぶる反応良く、的確にフライが入ればシーバスの反応がある状態。船中ではかなりの数を釣りました。最大は60センチオーバーまで。このシーズンならばこのサイズが出れば良しとしましょう。遠くの釣りができない時は、こんな釣りで半日を過ごすのはいかが?

ゲゲゲの鬼太郎を思い出しながらの釣れる音

4月といえば気温が上がりだし、虫も鳥も賑やかになるのが常。しかし皆さん今年の4月って寒く無いですか? 日中の最高気温ではなく最低気温の話です。私がヤマメ釣りの良い季節に入る目安が、最低気温が10度を超えてそれが三日以上続くと気持ちが高ぶる季節となります。しかしですよ、先だっての火曜日朝なんて外気温はなんと3℃。手の甲は冷えちゃうし、河原の近くでは霜が降りている車があるほど。もうすぐ5月だというのにネオプレーンウェーダーを引っ張りだして履いちゃってます。今年はなんか変な4月。

最低気温のキープも大切な要素ですが、私がもう一つ気にしているのが釣り場での音なんです。「何言ってんのあんた、釣りに音なんて関係無いでしょ!」と突っ込まれそうですが、あくまでの私の主観ですから罵声を浴びさせたい人はこんな文章を読まないでください。

さて、その音とはどんな音でしょう。釣りの最中にロックを聞きながらだと釣れるとか、やっぱりクラシックが似合うとかそんなことを言っているのではありません。実は川の流れる音をかなり気にしてます、正しくは流速音なのかな。これは本流のダブルハンドでステップダウンする(釣り降る)時に聞こえてくる太ももに受ける音なのですが、ある一定の音色が聞こえてくると急に身が引き締まってステップダウンの速度が落として丁寧に釣りをします。さらにその音がする場所に沈み石やヨレなんかがあるとさらに緊張が増す訳。

どんな音と言われても難しいので釣りをしながら音を録ってきましたが、耳で聞く音とちょっと違う感じ。甲高く、湿っぽく、そしてリズムミカルに音域が心地よく上下する。私的にはゲゲゲの鬼太郎の「♪から〜ん、ころ〜ん、カランカラン、コロン♪」と言うリズムのピッチを早くした感じに聞こえます。

この音が云々で必ずしもヒットすると言う訳では無いけれど、サクラマス(ヤマメ)が好む流れのスピードって、この音の時なんですよね。皆さんは釣り場で気になる音はなんですか? 私は渓流に入って昼寝している時にせせらぎの音色が子供達の笑いに聴こえる時もあるので、こんな風に思うのは私だけかもしれませんね。

パーソンズアメリカ改
先日のライブ配信で巻いたフライの動きとその違いを見たくて近くの本流へダブハン練習へ行ったら(釣れない時は皆、練習と言います)、朝の外気温はなんと3℃に水温11℃、なんか解禁当初に戻ったみたい。空気は乾燥し虫も飛ばず、釣れる気が全くしないので、本当に練習でした。ちなみにこちらがダブルウイングバージョン。見た目にはあまりわかりづらいですね。
パーソンズアメリカ改2
こっちのウェットはマリードウイング・バージョン。どっちもスイングさせて見たけれど、見た目の違いはほとんどなし。ボリュームが多いダブルウイングの方がイメージ的には浮きそうですが、人間の視覚ではわからず。泳がせて一人で「ここでガツンと来るだろう!、ほれガツンと!」なんて独ごと言っている自分が怖いデス。
パーソンズアメリカを流れに投じてみる
フライを太陽の光に浴びさせると健康そうに見える。そして私も太陽の光を浴び続けないとしなびてしまいます(笑)。太陽を浴びることで元気が出る私ですが、その度に身体中のシミが増えていくのであります・・。

フローティング キャンディ(弍号機)はどこで投げる?

過去のタイイング動画を見ていただくと一年ほど前に「チューブキャンディ」を紹介しています。そのフライはサーフキャンディよりも軽く投げやすくて壊れない優れものフライとして活躍中ですが、それをちょっといじったのが前回の初号機であるフローティングミノー。

初号機の大きな問題は下から見たシルエット。フローティング部分の後ろにシンセティックファイバーのみにしたのですが、下から見えるシルエットの透け感が強過ぎてテールがほとんど見えないんです。なのでこの部分を柔らかい素材にして存在感があるマテリアルにする必要があります。

今回仕上がった弍号機のテールにはゾンカーストリップを使いました。これによりスキンが透けないのでその存在感と柔らかい動き、さらに食い込み抵抗が少ない(従来のフローティングミノーと比べて)効果が狙えます。

さてさてこの写真を撮る前に失敗作は2本。チューブとボディウイング材の量を減らすことでいい感じにまとまりました。湖で使うことを前提にワカサギカラーにしましたが、すぐに芦ノ湖へ行く予定はないので、次回は本栖湖かな。その前にシーバスで試そうかと思ってます。

Floating Candy

Hook : D-Hooks #2461・ #4
(バリバスフックは製造中止になりましたので現在はこのフック)

Thread:ビーバス GSP・100D
Tail:ゾンカーラビットスキン
Wing :クラフトファー
Sparkle:EPスパークル
Body:モノチューブ+ファントムチューブ
Eye:フィッシュスカル リビングアイ(4mm)

フローティングキャンディの下巻き
スレッドは適当にシャンクの真ん中あたりからスタートして巻きましょう。GSPスレッドは滑りやすいので、要所で瞬着を使うことをお勧めします。
フローティングキャンディのテールを取り付ける
今回は全体が7センチになるようにしました。なのでゾンカーストリップの長さは約5センチくらい。長く取り付けて後でカットしても良いでしょう。
フローティングキャンディのフローティング部分
中に入れるフォームは6mmのラウンドフォームをこんな形に切りました。このフォームはフックベンドから外へ出ないようにしましょう(長くしても良いですが、それだけ動きの邪魔になります)
フローティングキャンディのフォーム取り付け
フォームはフックアイよりも2mmほど後ろ(通常よりも少し広めのスペース)が良いでしょう。前側がカットしてあるので、今はたった状態。
フローティングキャンディのアンダーボディ
フローティングキャンディのアンダーボディとしてホワイトのクラフトファーをフックの下側に巻き止めますこの材料は折り返すのでフックアイから右側に伸びる材料はフックベンド位置ぐらいまでの長さにしましょう。
フローティングキャンディのオーバーウイング
フローティングキャンディのオーバーウイングボディはワカサギっぽいゴールドにしました。同じように折り返すので、フックアイよりも右側に5〜6センチほど出しましょう。それぞれのクラフトファーは折り返すので材料は少なめにつけることをお勧めします。
フローティングキャンディのスケール
さらにキラキラものとして少量のEPスパークルを同じ場所へ巻き留めます。後で長さはカットして調整しますので、適当です。スレッドはこの位置で巻き留めて一旦カットし、瞬着を垂らします。
フローティングキャンディのボディを逆撫でする。
フローティングキャンディ全体に巻いてあるクラフトファーを均等に逆撫で(全てのファーを左向き)にします。チューブを被せた時に偏りがないように逆撫でしましょう。
フローティングキャンディのモノチューブ
逆撫でしたら、その上からモノチューブを被せます。
フローティングキャンディのファントムチューブ
さらにその上からファントムチューブを被せます。ファントムチューブだけだと色は綺麗なのですが、ボディ全体がボコボコになるので、このようにに二重にしてみました。またモノチューブはテールの絡みどめの効果もあります。
フローティングキャンディの制作1
チューブを被せたら、アイのすぐ後ろの位置でスレッドをキツく巻き留めます。そしてアイよりも右側に余った材料をカットして綺麗に取り除きます。
フローティングキャンディのボディ制作2
前側に余ったマテリアルを綺麗に取り除く方法は、シザースで縦にカットして解けたマテリアルを丁寧に数本ずつ切ると切りやすいです。
フローティングキャンディのアンダーチューブをカット
モノチューブは硬いので、写真のようにフックベンド位置で吊った状態になっています。この部分にシザースを入れてカットしボディが真っ直ぐになるようにしましょう。ベンドより後ろに伸びたモノチューブはそのままにしてテールの絡み留めとして活躍します。このチューブの上にはセメダインスーパーX2クリアを塗っていきます。
フローティングキャンディにセメダインを塗る
セメダインスーパーX2は少しだけドライヤーで温めで柔らかくしましょう(人肌でも良いです)。爪楊枝でぎりぎり垂れない量を2-3回分をボディの全体に塗っていきます。アイ側だけ綺麗に塗れていれば、あとは適当で大丈夫です。
フローティングキャンディのコーティング
適当に塗り終わったら前からドライヤーを当てて接着剤を柔らかくして馴染ませましょう。適当にフライを回転すると5分程度で全体に馴染みます。馴染んだら半乾きの状態で魚の目(アイ)を貼り付けます。あとは一晩乾かせば完成。
フローティングキャンディの完成
セメダインスーパーX2を塗ることで壊れないフライになり、ヌメっとした雰囲気になります。テールはゾンカーストリップなのでよく動きますし、硬さがないので魚の吸い込みが期待できるでしょう。少し前にこのアイデアが浮かんでいたら、前回の芦ノ湖で使っていたろうに。まぁ、とりあえず次回の釣行でどこかで浮かべて、更なる改善点が見つかればまた変化していくことでしょう。そんなに難しいパターンではないので、皆さんも巻いてみてくださいな。

一般的なフローティングミノーに飽きたので、新しいパターンを模索している件

フローティングミノーが流行り始めて何年の月日が経ったでしょうか。シーバスにせよトラウトにせよ、その多くはフォームの上にチューブ全体を被せたパターンが多いと思うのですが、そのタイイングに飽きました。いや、そのフォルムが同じなので、ボックスの全部が同じ形の色違いになるのがつまらなくなったのかもね。

なので、そのフローティングミノー改造計画の話。まず現存するフローティングパターンでフライらしいものと言えば、フォルムがざっくりしているガーグラがあります。フライらしくテールの動きを重視したパターンなのですが、目指すは現在のフローティングミノーとガーグラーの中間くらいのフライが欲しいと思った訳ですあります。

そんな事を考える時って唐突に思いつくものでして、釣りへ行く前日間際だったりするものだから、その試作機は一つしか作れずに湖へと出掛けるハメに。今回持って行った初号機の反応は程よく良い感じだったのだけれど、やっぱり現場に行って初めて気づくこ事も多々あるのですよね。

このフローティングミノー改造計画はしばらく楽しめそうです。次回は海で試そうかな。

ガーグラー(バチパターン)
シーバスのバチパターンで使うガーグラはこんな感じ。全体をゾンカーストリップでその長さを作り、フックの上に取り付けたフォームで浮力を稼ぐパターン。これを真っ白けにして引っ張っても良いけれど、もう少しミノーっぽい感じにしたいんだよなぁ。
フローティングミノーを作る
フックのバランスを取りたいのでベンド位置がセンターにくるようにバリバスの2500V-SEを使用。イメージとしてはフックの上にフォーム、それを包むように柔らかいシンセティックファイバー。そして全体的なシルエットが崩れないように、モノチューブを被せるというもの。
チューブミノーの試作1号機
慌てて作ってみた初号機。フォームを入れすぎた感がアリ。長さはバッチリで泳ぎの姿勢も大変よろしい。実際投げてみて分かったのは乾いた状態と濡れた時のフォルムイメージが異なること。中心にフォームがあるので、テールに向けてのシルエットのセンターがなんか少し物足りない。ちなみにチューブの表面はセメダインスーパーX2でコートしました。
レインボートラウト
実釣ではブラウンの反応は上々。チラ見したものを除いてフライには6回バイトさせましたが、シーバスのフローティングミノーの事も考えていたので、浮力が強過ぎたのとフックが小さかったことを反省。ボディはラウンドフォームではなく次回はエバゾートフォームにしようかな、柔らかいしね。結果ブラウンは一本も取れなかったので、午後にシンキングラインの釣りでレインボーハントとなりました。
魚探の振動子の一番簡単な設置方法
レインボーの最大は65センチありました(ヒットフライはラマファイバーのリーチ#6)。一緒に写っている黒いものなんだかわかりますか?これはイケスに放り込んだ魚探の振動子。振動子が倒れないように重いラバーをくり抜いて、そこへ振動子をはめ込んでコーキング材で固定した自作品。このやり方は非常に便利で、振動子を付ける棒なんいらないのです。世捨て丸時代に培った一番簡単な振動子を水底へ向ける方法。ただし大量に魚を釣ると、魚にひっくり返される事がしばしば(笑)
レインボートラウトのリリース
初号機で分かったことは、浮力の調整と背骨となるシルエットをどう表現するか、です。良かった事は動きがとてもリアルなのと、フックベンドよりも後ろに硬いものがないので弾かれることはないこと。次回はその辺をうまく考えてフローティングミノーに改良を加えてみますが、やっぱり使いたくなるカッコイイフライにしたいですよね。フライタイイングって楽しいですなぁ。

マスを訪ねて三千里

♪この道の彼方、約束されたはずの場所があると信じて生きたい
もう一度孤独に火をつけて♪

こんにちは、ハマショーが好きな私です。僕らの世代は多分多いと思います。

それにしても本流釣りオンザロード、約束された地に巡り会えるのはいつになるのでしょうか? もう7週目に入りますが川の活性はまだ遠く、雑魚の気配もほとんどない日々が続いてます。そしてCOVID-19の影響を考えて孤独な単独釣行が多い日々ですが、今回は現地集合現地解散で釣り仲間と本流へひたすら毛針を投げつづたのであります。

結果から言えば、本流前戦異常なし!報告はありません。

昨日の移動距離:360km
昨日釣りをしていた時間:12.5時間(休憩なし)
昨日釣り降った距離:約 4km弱
本命のキャッチ数:0匹
雑魚のキャッチ数:0匹
シオヤキマスのキャッチ数:1匹
ロストしたフライ数:0本
交換したフライ数:1本

人生は思いの外厳しい日々の連続です・・。

オオヤマカワゲラの抜け殻
朝イチに入った場所は先週に入渓点を見つけた初めての場所。入ってすぐに大きなライズがあったけれど、あれはサっちゃんではなくコイだったと思う。ただひたすらフライを流し釣り降った。雰囲気は良いのですが、あともう少しかなぁ。水位は減水気味で石の上にはオオヤマカワゲラの抜け殻だらけ。
水中に飛ぶ込んだツチガエル?
バンク沿いを釣り降っていたら、突然黒い影が水中に飛び込んだ。最初は川ネズミかと思ったけれど水中を覗くとこの子でした。もうすぐ彼らの合唱が始まります。
ダンケルドフライ
相変わらず浮気ぜずにダンケルドの漢流しを貫いてます。フックサイズは6番よりも大いきものを使う理由は、雑魚が掛かる数をほどほどにしたいから。でもね、今年はその雑魚が全然いないのです。ちなみにフライがロストしないのは、ティペットが太いのとシンキングリーダーを使用してない為(フローティングかホバーを使用)。
ヒレなしレインボートラウト
現在の時合いは11時〜13時。時を見計らってとっておきのポイントへ入河。昼間だというのにヒゲナガが流れ始め良い雰囲気になってきたらコレが掛かった。僕らはこのマスの事をシオヤキマスと呼ぶ。化粧塩の使用量を減らすために開発されたマスで、胸鰭が退化し尾鰭が丸くなっている(ウソです)。エコであり塩分を気にしている方にはお勧めのターゲット。ですが、最近は川魚は食べないのですぐにリリース。大きくなってまた会えても嬉しくない魚の一つ。
ダブルハンドフライキャスティングし続ける長いラン
あまりにも何にもないので一つのラン(フライが流しやすい一区切りの流れ)が終わってもさらに下流へそのまま流し続ける二人。先行する彼はアタリがないので、どんどんとディープウェーディング(深み)へと入ってしまう、これも釣り人の心情かな。
日本の素晴らしくない景色。新たに護岸された河川敷
一昨年の台風19号の被害を覚えていますか?それから1年半を経て河川敷は大変貌。しかし私が嘆かないのは、この景色は前に見もているから。このポイントは35年位前からお気に入りの場所だったのが、ある年の災害でこんな感じに様変わり。ガッカリしてから約10年後位には護岸が崩れまた良いポイントに戻った場所。しばらくは何もないでしょうが、10年後にはまた元の姿に戻ると思っている。それよりも人間てホントおバカで浅はか。真っ直ぐにしたがるし、こんなものこしらえたところで、自然の猛威に勝つことなんて出来ないのにね。