もう一つの春告魚

『春告魚』と書くと、皆さんの中では何が思い浮かぶでしょうか?メバルかニシン、あるいはサワラ(鰆)などが良く耳にする代表格。どれも海の魚だけれど、フライフィッシャーマン的な春告魚と言えばそう、マルタウグイ(マルタハヤ)なのです。

このマルタくんは春に生まれて一年を川で過ごし、海へ下りて大きく育ち、.やがて成魚になって生まれ故郷の川へ戻ってくるのです。コイ科の魚だけあって寿命は10年と長く再び産卵のために川へ戻るけれど、最初の一年を川です過ごすのはサクラマスと同じ。そしてサケやスティールヘッドと同じく立派な遡上魚。彼らは身近で手軽に楽しめる遡上魚であり、気分はアーバンライフ、スティールヘッド!(ちょっと無理があるかな?)

梅が咲き始め桜の蕾が少し膨らんでくる頃の大潮周りで彼らは大挙して現れ、4月を前にしての産卵行動が終わるとまた海へと帰っていく。海での生態はよくは知らないけれど、河川の近い堤防で釣りをしていると時に時折釣り竿に掛かりお目見えする。強い引きで猛ダッシュする銀色のボディを見て、一瞬海サクラかと見間違えそうになるけれど、自分が短パンにTシャツ姿なことで、それが丸太ウグイだということに気づくのです。

さて、そんな丸太くんを本日の朝早く、夜明けとともに楽しんできました。なんの知恵もいらず、多少のドラッグフリーで流すことを覚えれば、誰でも釣れる50cmオーバー。遡上魚らしくフルパワーで釣り人を魅了してくれます。そして桜が咲く頃には誰にも気づいてもらえず、そっと海へ帰っていくのです。釣れる期間はあと3週間ほど。あなたも春の訪れを楽しんで見ませんか?

川面を覗くと大挙して押し寄せてきた彼ら。関東地方の春の訪れを感じられる光景。
やる気のある群れを見つけちゃえば、無限ループで釣れる丸太くん。年に一度の行事です。釣り人のひな祭りみたいなものかな?
皆さんにもラムソンのセンターアクシスを使ってもらい、その感覚を楽しんでいただきました。それにしてもこのロッドカラーは個人的にとても好き。
フライはなんでも良いのですが、蛍光色がお好みのよう。私的にはチャートリュース、イエロー、FLオレンジなどに分があるような気がする。
一年に一度、この鮫肌の感触を味わいます。楽しませていただいた後は、そっとリリース。
おニューのロッドを丸太くんで入魂。5番ロッドが悲鳴をあげてました。

Lamson Center Axis
のインプレッション

Lamson Center Axisの外観

1997年のお話。ラムソンリールが一時セージの傘下だった時に、セージロッドからセンターアクシス(ロッドはSPL)が売られていました。それは従来のロッドとリールの組み合わせで起きるリールがロッドのセンター軸から外れるために起きるキャスティング中のブレ(ねじれ)を、できる限り取り除いてよりキャスティングしやすいロッドを目指すというもの。当時のシステムは通常のリールとして転用できるように作られていたので、リールは一体化してはいたものの下側にオフセットしていたので、今回はその究極を極めたシステムが完成したようです。

さて、本日メーカーさんにお借りした2018年の新製品、ラムソンのセンターアクシスを持って河原へ出かけてきましたので、そのインプレッションを一つ。

外観は見てそれがセンターアクシスだとわかる、軸に一番近い位置にリールがおさまっている点がこのロッドの魅力であり売り。一般的なロッドと違い、リールをロッドに固定するのではなく、リールがロッドの一部だと言うこと。リールはネジで固定されているので、左右反転以外では外すことはありません。

ロッドを持ってすぐにわかることはリールがその一部であるため絶妙なバランスを体感でき、全体の中心がリールに向かって引っ張られる感じがありません。そしてラインを通してキャスティングするとすぐにわかることですが、従来のロッドがキャスティング時にどれだけブレ(ねじれ)ていたかを感じることができる、これは新感覚です。

ロッドはメーカーさんのアクションの説明ではミディアムファーストアクションとなっていますが、ショートからミドルレンジの印象としては、やや張りのあるファーストアクションというイメージ。ループは狭くミドルレンジ以上のループコントロールはとても素直なロッドに仕上がっています。

リールはご存知ラムソンのライトスピードであり、このモデル用に作られているので、転用ができません。ただ、セージ時代のモデルと違いリールはラムソンが誇る円すい形ドラッグシステムが装備されている点と、リールより後ろにエクステンションバットが装備されているので、以前のモデルと比べてより一層リールのブレ感がありません。

このシステムは税別で¥98,000という価格から「高い!」という声が聞こえてきそうですが、ライトスピードの価格が税別で大体4万円半ばということを考えると、ロッドは5万円ぐらいということになるので、決してものすごく高いものというわけではないでしょう。

すごく斬新でこのキャスティングしやすい環境を味わいたい反面、唯一の難点をあげるとすれば、リールを選べないこととリールを他に流用できない点でしょうか。このシステムが値段以上に凄いものと感じるかは皆さんの判断ですが、他に類を見ないシステムなので、気になる事は間違いなしです。

さてそんなロッドを持ち出して河原に行ったのだから、このロッドを使ってお魚を釣らないとね。ということで、お魚の話は次のブログへと続きます。

リールが外れないから、専用のケースに収まってます。が、このケースは色々なメーカーが作っている入門用のケースと同じなので、見慣れている分だけちょっと安っぽさを感じてしまう。
ウルトラマンカラーのグラファイトロッド
ロッドのカラーはマットグレーで、ウルトラマンを思い出す。他のメーカーでは見かけないから、一目見てラムソンロッドとわかる点がとても良い。私はこのカラーリングは好き。ちなみにロッドはウォーターワークスラムソンのオリジナル。他社製品を使っている訳ではありません。
センターアクシスのラインナップ
今回お借りしたのは9ftの4番、5番,6番。全て9フィートで統一されているが、やがて認知されればアイテムが増えるのかな?他の長さも欲しいところだけれど、今後のラインナップはみなさんがどれだけ注目しているか否かで変わっていく事でしょう。

オデコ症候群

「おじさん、ここのウィンドウを開けて。」

と、言われたのは高校生アルバイト時代のこと。某有名釣具屋ルアーフライコーナーを任されていたのだけれど、たいして歳が変わらない中学生に言われた言葉に、とてもショックを受けたのを今でも覚えている。そして先だっての店でのこと。

「お兄さんはいつもどこへ釣りへ行かれるんですか?」

と、若いお客さんに言われた。女性が「お綺麗ですね。」の一言が嬉しいのと同じ気持ちになれた50過ぎのオヤジになった私は、未だ釣具屋さんで働いております、ハイ・・・。

昨日の釣りをはぐらかすような出だし、その理由は簡単です。今週もオデコです。2タコです。釣れません。下手なんです。

来週も同じようなパターンだった場合、管釣りにでも逃げようかなぁ。

今回ライズを探し歩いた河川は6河川。家から直線距離で120キロの場所なのに、昨日の移動距離は450キロでした。睡眠時間を削り、朝7時から夕方6時まで粘りましたとさ。
言い訳その1:予定していた河川は泥濁りだったので、逃げたのは先週の解禁で賑わっていた場所。ところが釣り人居りません。ライズは全くないので、死ぬほどニンフを流しましたが生体反応が全くありません。水温は先週以上に冷たく虫は皆無、ジーザス。
言い訳2:その後、別の賑わっていた場所へ移動するも、こちらも魚影は皆無で釣り人は一人もいません。いくら待っても何もないので、本流へ移動。その本流も爆風で何もないのでニンフゴロゴロ。仕方なくさらに移動。最後の河川にてインジケーターの釣りでスレ掛かり一本ですが、ノーカウント。ということでオデコでございます。

解禁に乾杯×(完敗◯)

「今日は解禁日だったのね。」

漁協へ年券を買いに行ったら、事務のお姉さんに言われた一言。私が年券を買っている漁協さんは渓流解禁日には全くの無頓着です。というのも、この地域は渓流魚を放流してはいるものの、解禁して最初の週末に場所を伝えてドバッと魚を話して、”さあどうぞ皆さんに釣ってください”という感じ。もともと鮎釣りがメインなこともあり渓流魚は最初の週末の余興なのです。

天気予報を見る限り釣りは半ば無理だろうと思っていたので、漁協で年券をピックアップしたら、今回も下見をしながら上流へと向かう作戦。というか本流は豪雨ですでに泥濁りなので、2月に見つけたライズなんて見に行く必要もない。このまま帰ってもつまらないので、わずかな可能性に賭けて最南端の漁協から管轄最北端の解禁放流しているであろう所へ一気に60キロ移動し、とりあえず竿だけ出してみます。

最初に見に行ったポイントは人っこ一人いない泥だらけの増水。解禁日に人がいない = 放流ものはいない、の方程式。すぐに移動し2番目の場所は駐車場がいっぱいで入らないくらいの盛況ぶりなのでパス。そしてたどり着いた場所は最上流部で、朝降った雪がまだ溶けてません。解禁日らしくエサ師のロッドがズラリと並ぶ絵に描いたような光景(写真撮らず)。上流部だけに増水はわずかだけれど、濁りと流れゴミがひどい状態。

水温6度。超強風の予報だけれど外気温が上がるから虫が飛ぶかも?の期待は虚しく、雪代が出てしまい水温が一向に上がりません。釣りはポジティブな釣りしか想定してないから、今年に入ってニンフなんてまいてなんですな。ボックスには数本のニンフのみ。

濁り、増水、低水温、この三拍子が揃っていればエサ釣りの天下。皆さん一人10〜20尾ぐらいの釣果がある感じ。私はというと、皆さんの隙間を探しながらインジケーターの釣りで、一本掛けたけれど掛りが浅くすぐにバレました・・。周りで次々と釣っていく姿にこちらも向きになって粘りすぎ、ハタと気付いて別の川へ移動した時はすでに遅し。太陽は山へ隠れ始めて一気に寒くなり、オデコスタートの2018年渓流シーズンを迎えました。

もっとも、毎年のオデコ率は私の場合は半分ぐらいあるので、なんとも思っちゃいませんが、放流ものに負けた悔しさは半端ないです・・・。

さて、次週火曜日の用意を進めますか。

どこへ行くかって?

もちろん同じ川(水系)です。

実はこの本流で昨年出会ったフライフィッシャーマンは一人だけ。一昨年も二人にしか会いませんでした。それぐらいフライフィッシングがマイナーな川です。有名河川や某湖のポイントの取り合いに辟易する私には、たとえ大物釣りに苦労しても、のびのび釣りができる川が好きなのです。本栖湖よろしく、今年も川は一年通してここがメインかな?

最上流部は今朝方の雪がバッチリ積もってました。
移動した別の河川は30cm以上の増水。いつもは浅い釣り場がズッコケたら大変。
終盤に入った河川は釣り人居らず。この増水と濁りじゃ無理もないですなぁ。

新しいスコットGS773/4にはヤマメの魚信を教えてあげることはできたけれどキャッチならず、とほほ。今年はベストとウェーダーも新調した、全身シムニスト。


お気軽な練習で大物ゲット

渓流解禁を目の前にして鈍った釣り感を取り戻すために、今年も解禁前にダウンクロス(斜め下流)の釣りを練習へ。今回は大勢を引き連れて近郊の川で恒例の初恋、いや初鯉のチャレンジです。私は2月はじめにすでに楽しんじゃったので、今回は初めて体験する人、あるいは今年初のコイを楽しむ人のサポートとして、チャムラー(撒き餌専門ガイド?)に徹した次第。ロッドは無しでフライとパンだけ持って出かけたのでありました。

ご周知のとおり、早春のヤマメちゃんを見つけてそのライズを釣る時は、基本ダウンクロスでドラッグフリー(フライを流れと同調させる)の釣り。特に解禁当初の釣りは魚は緩やかな流れに出ているために、フライに結ばれている釣り糸が水面に映りその存在が大きく神経質になる魚たち。なので、フライが先に流れに乗せて後からティペット(釣り糸)が流れてくる方法が一般的な釣り方になります。

鯉を釣るのも全く同じ方法なので、この鯉たちを釣ることができれば、ヤマメ釣りも格段にラクになるというもの。鯉さんの場合はパンを巻いて上を向かせて、そのあとに偽物のフライを投げて釣るわけですが、ちょっとでも流れ方がおかしいとヤマメと同様に中々フライには食いついてくれません。いつも土手で練習するフライキャスティングはとても重要ですが、釣りの現場に立つと更にそのラインをどう置くかでフライの流れ方が決まり釣果に直結するのです。

そしてようやくその鯉を掛ける事ができると、ティペット3〜4Xで3キロオーバーの重量を感じながら流れの中でどう魚を寄せていくかというのも、とても良い練習になるというもの。近所で悠々と泳ぐ鯉は簡単に釣れそうで、実は自分のスキルを試される好敵手であるのです。

さて、昨日はそんな練習を真面目に講義しようかと思いましたが、14名も集まってワイワイガヤガヤの賑やかな釣り。気がつけば誰かがキャッチすれば皆で歓喜するほのぼのフィッシング。釣りは難しく考えないのが1番ですね。

そして最後の締めはいつものように宴会で御座います。このお気楽な釣りはすでにハーミットの恒例行事かな?

この釣りに必要なツールの一つは大きなハサミ。釣りをする前にパンを買ってきて、鯉のお口の大きさに切っていきます。集合時間になっても集まらないメンバーをただ待っていても仕方ないので、この時間を利用して駅前で黙々とパンを切る、変な光景。
先に来てすでに鯉を掛けていた彼は近所なので、掛けてから釣り上げるまでとてもスムーズです。腰に下げるのはキビダンゴではなく、角切りのパン。
鯉をヒットさせてからキャッチするまでおよそ5分以上。釣り慣れた人はサポートに回ります。
グラスロッドの腰の弱さに鯉は悠々と泳ぎ続けるの図。低い番手や腰の弱いグラスロッドでやりとりする場合、多少強引なやりとりがベストです。
初鯉をキャッチしてスティールヘッド持ちでポーズするよう、周りのみんなに言われてパシャリ。嬉しい一本です。
今回の参加者は小学校6年生から65歳以上の方まで。年齢に関係なく楽しむことができる、みじかなターゲット。でも手強い相手なので、キャッチできればその価値はとても高いでしょう。
この集まりを『鯉しゃぶの会』と言われるようになったのは、鯉釣りをした後にしゃぶしゃぶ食べ放題へ行くようになったため、略して鯉しゃぶとなりました。わたしは鯉のしゃぶしゃぶは食べたことありません(あるらしいです)。
毎度お世話になっている久兵衛屋さん。予約して大人数で出かけるので、お酒を飲んで食べて¥3,000以下という安値。テーブル毎に食べている量が極端に違っていたけれど、私が座ったテーブルは4人で30皿以上頼んでました(笑)。平均年齢が高いテーブルだったので、確実に食べ過ぎです。

赤い麺のラーメン屋

水道橋界隈はなぜかカレーとラーメン屋さんがとても多い街。学生とサラリーマンの胃袋を満たす為に庶民派メニューが多いのは納得がいくけれど、昔ながらの普通のラーメンやカレーを出すお店は全く無いと言ってよい。ラーメンの場合は今やそのほとんどがトンコツ味の時代。わたしゃどちらかと言うと昔ながらのツンとした匂いがするラードたっぷりの醤油ラーメンが食べたいのですが、そんなラーメンは今はどこで食えるのやら。新しいラーメン屋ができるたびにがっかりする私でゴザイマス。

さて、寒い夜に夜鳴きそばが食べたくなるのは人間だけではありません。2月の大潮第二週を迎える頃になると、海でも賑やかにシーバス専用のラーメン屋さん?がオープンします。ご存知バチ抜けという奴ですね。皆さん見たことありますか?海面に麺よりも少し短い赤い物体がウネウネと動き回るあのお姿。湯切りで救って一振りしてドンブリに盛れば、まるで赤いラーメン見たいなものです(想像しないでください、人によってはラーメンが食べれられなくなりますよ)。シーバスくんたちはそんな赤いラーメンを求めて湾奥へと集結するのが、このくらいの時期からなのです。

しかし、赤い麺のラーメン屋開店は例年よりも少し遅いのか、期待する大物シーバスくんの入りはまだ程遠く、散発なライズをなんとかねじ伏せて釣る夜でした。出発前に24番のフライを巻き、夜には4/0フックのフライを投げてシーバスを釣る私。このフックのギャップは凄まじいですが、そんな夜は春が近いことを感じさせてくれます。来週の解禁はどこへ行こうかな?

3/0〜4/0フックを使う利点は、細かいシーバスがかかり難いということ。だいたい40cmから上がターゲットになります。とはいうものの、4/0フックで釣ったことがある最小魚は、フライと同じ大きさです(笑)
初めてシーバスをフライで仕留めてご満悦。ソルトウォーターの魅力にハマってもらえると嬉しいです。
今回は残念ながら大物からの魚信はなし。次回に期待です。

解禁前の管釣り利用

とかく自然派志向が強い釣り人ほど、「人の集まる養魚場みたいなところへ行って何が面白いの?」と管釣りを拒絶されます。しかし一般河川はそのほとんどが養魚の放流でまかなっている事を考えれば、解禁直後の河川などは管釣りとほとんど変わらないんですね。肩肘張らずに楽しみましょうよ、フライフィッシング。管釣りから学べるとも沢山ありますから。

私は管釣りへは年間15〜6回は行っています。最近ではそのほとんどは初心者のお客さんにその楽しさを教えるために出かけるのですが、解禁前の冬の日は、ユルユルな時間に出かけて管釣りでこんな事してます。

昨年使った細いティペットを使い切る

最近のティペットは紫外線劣化を防ぐために販売時はUVから守るパッケージに入っています。ですが、パッケージを破り使い始めてから一年もすると、一番細い10Xは強度が著しく強度が低下します。太いものは強度的にその差を感じにくいので大丈夫ですが、2年も経つと極細ティペットはブチブチ切れちゃいますヨ。なので、シーズンが始まる前に管釣りで使い切って、新しく細いティペットを購入します。

ミッジの練習

解禁当初にライズの釣りを楽しむ場合、その釣りに体を慣らして置く方が断然有利。キャス練をせず、昨年のティペットを持ち出していきなりミッジの釣りを始めたりすると、フライは見つけることはできず。更にはせっかくフライに魚が出てもアワセ切れ連発になってしまう事でしょう。そうならないためにも細いティペットに慣れたり、フライラインからフライまでの距離感の感覚を呼び戻したり、太さに対してのアワセの強さを調整したりと、管釣りで事前練習するのは結構重要なんです。

という事で、昨日は管釣りで9〜10Xを使い切ってきました。9Xは30cmのレンボートラウトまでならば最近のものは余裕で寄せられます。10Xはその人のスキル次第で、大物とスリリングなやりとりが楽しめます。もし、いくらティペットを細くしても釣れないと感じている方がいれば、それはティペットの輝きでしょう。その処理方法やティペットの置き方などは朝練に参加して聞いていただくか(現場で教える方が分かりやすいです)、お店で聞いてくださいまし。

これで解禁までの準備は万全?いえいえ、私は昨日昨年のフライを使い果たしてきましたので、ミッジボックスが空っぽ。これから解禁まで100本巻き貯めます・・。

本当は解禁日にGS773/4をおろそうと思っていたけれど、その感覚に慣れるために管釣りで初釣り。現場でラップを剥きました(笑)
その場で確認しなかったから、写真がピンボケでした、スミマセン。これだけ釣りばかりへ行っている私でも、流石に10X はワンシーズンで使い切ることがないので、管釣りで使いきります。
Scott GS773/4
新しいロッドの感覚を楽しむのが嬉しくて、ついムキになって釣り続けちゃいました。このロッド、ロールキャスト&ピックアップがめちゃくちゃやり易いです。
ミッジはユスリカ#22〜24を使用。ティペットをうまく処理することで、魚の反応は格段に良くなります。ティペットは面倒でも一匹釣るごとに15cmほどカットして結び直しましょう。そうすることで、アワセ切れやタカ切れをグンと減らすことができます。

エッグフライ(グローバグ)を簡単に大量に巻く方法

エッグフライの作り方

フライフィッシングを始めてすぐの頃、管釣りで入れ食いを味わうために皆さんも一度は使ったことがあるであろうエッグフライ。そのうち自分で巻いたこのフライで釣りたくてタイイングに挑むのだけれど、丸く作る方法を知らずに苦戦した方も多い筈。

そんなエッグフライの巻き方も時代と共に変わってきています。「知らない人が多いから、ハーミットのブログにアップした方が良いよ。」と後押しされたので、ちょっと書いてみます。知っている人は聞き流してください。知らない人は、目から鱗かもしれません。

エッグフライを作るのに必要なのはボールペン
用意するものは、いらないボールペンとナイロン糸。そしてマテリアル。マクフライフォームなどのエッグヤーン1本とドット柄になる差し色を、売られている太さの20%にします(写真は多めなのでもう少し少ない方がオススメです)。ボールペンは芯を抜いて使いますが、穴の直径が少し大きめのものを選んでください。
ボールペンの先っちょの部分を取り、そこへ二つ折にしたナイロンの糸を通します。その輪にエッグヤーンのど真ん中まで通します。

 

グッと引っ張って先端から1cmほど出して、この状態にします。正確にはボールペンのキャップの部分ではなく先端です。

 

持っているハサミ(シザース)の中で一番切れるものを用意し、ボールペンの先端から約4mmくらいの位置でスパッと一発で切ります。これで下準備は完了。

 

スレッドはGSP(ゲルスパン)スレッドを使ってください。カラーがきになる時は同系色のマジックで塗ってしまいましょう。ここではTMC2488#12を使っています。
写真中には十字に掛けると書きましたが、正確には八の字です。片側に2回ずつ、フックが曲がらない程度に締め込んでできる限り締め込んでください(かなり重要です)。GSPスレッドは絶対切れませんが、やり過ぎるとフックが曲がります。左右2回で合計4回のスレッドワーク。

 

八の字に2回巻き終えたら、フックのアイ側でスレッドを2回転巻きます。巻き終えたらボールペンの芯を引いて約8mmほど引き出します。引き出したらボールペンの芯が邪魔にならなくなるので、その前でフィニッシャーなどを使いスレッドを結び止めます。結び終えたら、スレッドの上とエッグヤーンの中心にヘッドセメントか瞬間接着剤をほんの少し垂らして止めます。スレッドはカットします。
写真上に約4mm分出ていますが、それに合わせて約4mm分の位置でエッグヤーンをカットします。切る時は一気にスパッと切ってください。ボールペーンの芯側には、次のエッグフライを作るための4mm分が残ります。
手で全体を馴染ませれば出来上がり。ビーズヘッドを最初に入れておけば、写真のようにビーズヘッドエッグフライになります。そして2個目以降は同じ手順。この巻き方だとエッグヤーンを切るたびにでるゴミがなく無駄がありません。皆さんも一度チャレンジしてみてくださいな。

ロケハン


祝解禁!2018年の渓流も中部と北陸の一部が解禁しました。皆さんはタイイングに精をだしていますでしょうか? 例年ならば長良川解禁のお祭りに参加しているはずの私ですが、今月はいろいろと用があるために、いつもとはちょっと違う2月になりそうです。

とは言ってもお休みの日に家でじっとしている私ではないので、先日の火曜日は今年の渓流を見据えて早々とポイント散策してきました。南から北へ向かってただひたすら川を見て歩くドライブ。まだ日が短いので、3時30分ごろには寒くて退散しましたとさ。

今年は雪も多くどこのダムも保水量は問題ないようなので、ちょっと期待してます。

本当のことを言うと、下流部でヤマベ(オイカワ)を釣ろうと出かけたのですが、寒さと風でライズが全然ないので、ひたすら川を見て歩いただけだったりして。ここの年券は13ヶ月遊べるので、3月までの間は券を買わずに昨年の年券で釣りができます(もちろんオイカワ・ハヤもこの券で釣りができます)。

お気に入り尺ヤマメライズポイントは今年も深さとヨレ具合が素敵。3月までのお預けだけれど、このポイントの高活性時期は4月の頭かな。

いつもと違い水がとっても青いので、その冷たさが触らなくてもわかります。川に躍動感が宿るのは、やっぱりもう少し先ですね。

銀世界と鯉

帰宅難民、都内の交通麻痺。雪に弱い東京と思う前に、歩道をゾロゾロと歩く人の姿を見て、東日本大震災の夜を思い出した一昨日。あっという間の7年ですが、何も改善されない7年のような気がします。オリンピックで盛り上がるのは良いけれど、日本は一体どこへ向かっているのでしょうね。

日本の将来を深く考えるほど大きな器を持っていない私は、渋滞に巻き込まれながら帰宅した駐車場前で雪かきをしながら考えたことは、明日の休みは何もできないだろうな、との思い。なのでゆっくりと起床し、ダメ元で午後から近くの川へ出かけることに。ユルユルで出かけたのに、やっぱり橋という橋はどこも大渋滞。帰るにも引き返すことができず、仕方なく釣り場へ到着。橋下を覗くと思いの外雪代が出ておらず濁りが少ない様子。どうせこのまま帰っても渋滞に巻き込まれるので、フライを少し投げて帰ることにしましたヨ。というか、橋下の鯉が私を呼んでいるような気がしたんです。「餌を頂戴!」と・・。

ここの鯉さんはグルメでして超熟か超芳醇のブランド食パンがお好み。他の食パンではコイを浮かせるのに時間が掛かってしまうので、いつもいずれかをコンビニで調達します。ちょうど昼時でお腹が空いていたので、パンのミミを鯉へ投げ、白い部分はちぎりながら自分のお口へと運ぶ作業。今更ですが、このパンってとっても美味しいじゃないの。何もつけなくても香りと甘さを感じ、コイを寄せる前にあっという間に一枚がなくなっちゃった。

そんな感じでパン一斤を鯉くんと仲良くシェアし新雪の中、初コイを楽しんだ私でした。気がつけば1月も半ば過ぎ。あと一週間もすると長良川が解禁しますよ。皆さんの準備はいかが?

渋滞にはまりながら到着。普通の靴じゃ川に近寄れないのでニーブーツに履き替えて河原へ向かうと・・・。

そのニーブーツは役に立たず、一番深いところで40cm以上の積雪。中に雪が入ってきて、冷たい足先での釣りになっちゃった。

パンを鯉と仲良くシェアして釣り始めたけれど、冷え込みのせいか御機嫌斜め。最初の鯉をヒットするまでに2枚食べちゃった(笑)

橋上から見ると緩い流れにやる気があるコイさん達。それ以外にヤマベ(オイカワ)の大きな群。今回はミッジを巻いてこなかったので、狙いは鯉さんだけ。

ズシッとした重量感とトルクフルな引きが鯉さんの魅力。フライライン一本分まで出されました。

「なぜパンを付けて釣らないんですか?」と、フライフィッシングをしない方に良く言われます。僕らはワザと釣りを難しくして楽しんでいる変な輩なんです。

流れのある場所で鯉を狙う場合、ドラッグフリー(フライを自然な流れに乗せる)が命。なので管釣りで100本のニジマスを簡単に釣ることができる人がこの魚に挑んでも、簡単に釣ることはなかなかできませんので、それだけの価値はあると思います。あとはこのタラコ唇が好きになれるか否かでしょう(笑)