サービストラウト

本栖湖へ到着するのはいつも薄暗い時間。LEDライトの下でタックルを用意し、湖岸へ立つ頃には夜が明けて釣りがスタートする。それが私の本栖湖ルーチンワーク。今回は午前8時前に一発だけドライでガボッと出たものの、慌てふためいてスッポ抜け。あぁ、やらかしました。

その後いつものようにサイトフィッシングに切り替え目ぼしいポイントを探して歩くものの、昨年同様にシャローに突っ込んでくる大物は見えず。仕方なく昼には先日のダブハンを持ち出しキャス練してました。

「こりゃいつもの何もナッシングモードだな。」とイブニングまでフテ寝しようとしていると、漁協の車が湖岸へ乗り出し半円のグレーパイプを湖に突っ込む作業をし始めた。それから10分もすると今度は水槽を乗せたトラックが湖岸へ降りて来て、そのパイプの上から大量の水と共にドバドバとレインボートラウトを放流し始めた。

「さあどうぞ、(サービストラウト)釣ってください。」

本栖湖へ通い始めて40年以上。ここでの放流作業を始めてみましたが、目の前で放流されて釣れと言われてもね。と思ったのも束の間、他の人がバンバン入れ食いになっているのを見てしっかりロッドを出した私。日本で一番でっかい管釣り気分を味わった次第。

そういえばバブリーな20年以上前は芦ノ湖はこれ以上のサービストラウトだった。当時の芦ノ湖特別解禁を例えるならば、キャストすれば魚の頭に当たるようなイメージ。河口湖でさえ一人20〜30本の釣果で、本栖湖も日に50本以上のサービストラウトを釣った記憶が蘇った。そんな時代を思い出しながら、いい年こいて、この状況でも竿を出してしまう自分に少し反省。その場はすぐに離れイブニングはいつものように真っ暗になるまで投げ倒しましたとさ(その後は何もナッシング)。

現在の本栖湖は絶賛放流中。昔はエサ釣りの人がズラッと並んで全て抜いちゃってましたが、それも遠い昔。昨日は全てフライとルアーの人達なので、皆さんC&Rです。今週末は釣れてくれる事でしょう。

透明度が高いので、日が高々と上がると魚っ気が無くなる感じ。チャンスは朝6時頃から10時と夕方16時から日没まで。今回は朝8時前にカメムシフライに一回だけドバッと出た。掛からなかったけれどね。
本栖湖のこの時期は本当ならば氷点下の朝なのだけれど、今週はずっと暖かい見たい。先日の新潟よりも快適でした。
相変わらず本栖湖一周投げ続けてますが、空いた時間はダブハン練習。タックルは先日の鮭タックルでスカジットFISTにT7。反則的によく飛びます。
放流された魚は直ぐには食いつかないだろうと思ってましたが、放流直後に竿を出した人は入れ喰いでした。
直後はフライなんて付いてりゃ何でもかかる状態。でも15分も釣りづつけているとスレてきて喰いづらくなります。
私も周りの入れ喰いを見てロッドを出し、入れ喰いに。ピンの合った写真だと残念な魚たちだったので、あえてこの写真を選びました。ヒレが綺麗に回復することを望むばかり。
放流物を釣っていても飽きるのでその場を離れ、朝にガボッと出た場所で夕方再チャレンジ。でも何もナッシング。精進いたします。

創造力の世界

フライフィッシングをやってみて思う事、それは物作りが好きな集団だという事。かなりイっちゃった人だと竿やリール、ネットも作り、フライラインまで作ってしまい、あと作ってないのはフライフックだけ、みたいな人もいるんですよ。

流石にそこまでする人はごく一部ですが、この釣りで誰でも簡単に作れるものは、ご存知の毛ばりを巻くフライタイイング。海外はコマーシャルフライ(完成品フライ)のスペースがお店の半分近くを占有するのとは反比例して、日本のショップはマテリアルの売り場が全体の半分近くを占めています。それだけフライフィッシャーマンは物を作るのが好きな人種だという証拠です。

最近はその様相が少しずつ変わり始めていて、一昔前ならばこの釣りを始めて一年もすると大抵の方はタイイングを始めるのですが、最近はそうでもありません(この話前にもしましたね)。もしくは始めても書いてあるレシピ通りの材料が揃わないので巻けないじゃないか、とイライラを募らせるお客様もいらっしゃいます。

最もメーカーさんは自分のところのマテリアルを買ってもらわないと商売にならないから、やたらと長い名前を付けてそれを売るわけですが、それじゃないと釣れないってことはありませんのでご心配なく。というか、そこは似たような素材を探して自分で試すという方法を取ってみるのが良いと私は思います。魚はそのマテリアルのブランドを見て食いつくわけじゃないので、ソックリに作る必要なんて全くないんです。貴方の創造力は時として爆釣になるかもしれませんよ。

フライタイイングを始めると大体最初は真似から始めます。今の時代はYoutubeタイイング・ブログを参考にできるので、簡単に模倣することができますね。その時期が過ぎると自分のアレンジが始まり、尻尾の色を変えてみたり素材を変えてみたり。やがてリアルさに走り凝ったフライを作りたくなるんです。大体その時期がタイイング2〜3年生。

その凝ったフライは勿論釣れるんですが、タイイングの効率さ(生産性)を考え始めて「よりシンプルで釣れるもの」を模索し始めます。最終的に行き着くのが、「やっぱり昔からあるフライパターンってシンプルでいて作りやすく、それでいて釣れるんだなぁ。」と思うのに約10年掛かります(笑)。でもその10年期間に色々なフライを創り出し、失敗と成功のとても充実して楽しい10年なんですよ。これがフライタイイングの楽しさです。

話が長くなっちゃうので、タイイングのよもやま話しの続きはまた今度。さて、フライを巻こっと。

本日のタイイングは自分用じゃありません。巻きたいけれど見本になるフライが売ってない、あるいはすぐに行くのに持ち玉が無い、等の要請を受けてタイイング中。ちなみに私が巻くのですから、しっかり高額報酬いただきます(笑)だって、凝ったフライはどんなに頑張っても1時間に何本も巻けませんから。

臥薪嘗胆

がしんしょうたん = 敵を討とうとして苦労し,努力することの意

しかしその努力も実らず、やっつけられてしまいました。いや実際には努力が足りなかったのでしょう、精進いたします。今年の大きなイベントも残すところあとはオオニベ のみ。その釣りに向かってさらに『臥薪嘗胆』いたします。

鮭釣りに費やした移動距離:990km
ロッドを振り回した述べ時間:16時間半(二日間合計)
ロストしたフライの数:14本
反省会の酒の量:ビール5缶+日本酒9合(3名合計)
二日間の釣り人合計:120名余
この二日間で釣れた鮭:81本(ほとんどがエサ釣り)
僕らのキャッチ数:0本(スレキャッチもありません)

Winston Air Salt 908
インプレッション

インプレッションになっているかどうかはかなり怪しいので、私がウィンストン好きだという事を加味して話半分で聞いてください(好きな話は長文になります)。

ウィンストンがソルトウォーターボロンロッドを世に送り出してから、全てのモデルを使ってきた私。どんなにヒイキ目に見ても決して褒められない竿が過去にありましたが、批判の話はつまらないので却下。私が過去のシリーズでお気に入りだったのはBoron II Mxシリーズかな。このモデルはGルーミスのNRXシリーズによく似ているアクションで、極めてファーストアクションでありながらティップがお辞儀するのでラインの乗りが非常にわかりやすいロッドでした。それに加えてルーミスよりもずっと軽いですからバランスもとても良かったのですが、そのモデルは4年ほど続きモデルチェンジに。

そのモデル以外にソルトウォーターロッドは色々と売られてましたが、どれもティップが硬く全体的に曲がる点が何処にあるのかわからない万人向けじゃないシリーズが多かった気がします。なのでハーミット的にもソルトモデルはあまり前面に押さず、「クセがあるロッドは私だけ使ってればいいか。」的な扱いになっていたのが今までのハーミット。

しかし今回のエア・ソルトはかなり『ヤバイ』です。いや、今までのウィンストン・ソルト・ロッド史上一番使いやすいと断言しちゃいます。

このシリーズはヨーロッパのフィッシングショーであるEFTTEX2018にてビジター賞(来場者が決める賞)をとりました。ちなみにフライロッド賞はTFOのアクシオム・スイッチです(後日この話も書きます)。来場者が決めた賞をエアソルトが取ったということは、何のしがらみもなく純粋に一般の皆さんが欲しいと思ったものですから、それだけ皆さんが絶賛したモデルです。

ロッドのアクションを簡単に言うと、ウィンストンプラスをマイルドにした感じ。全体のテーパーはプラスに似ていてティップは野暮ったい太さを持つのはウィンストンらしさ。ライン荷重が少ない段階ではセカンドセクションの真ん中ぐらいから少し曲がり始めます。ラインが乗って荷重が大きく掛かるとその曲がる点は少しバット側へ下がりますが、それ以降はロッド全体がしなる感じでバットがガチガチなイメージは受けません。それとコルクグリップの質は大手フライメーカーではダントツ、ウィンストン社の質は良くコルクが沈み込むことはありません。

ロッドはよく曲がるけれど、復元力がとても早く反発力が早く得られる感じで、ロッドが曲がるのにラインスピードは上がる印象です。今までのGルーミスNRXの様なロッドはセカンドおよびバットセクションはビクともしない代わりにロッドのブレを最小限に抑え、手首の強い人が曲げ切って遠投するロッドですが、このエアソルトはそんな釣り人側の負担など感じずスッと軽く飛んでいく印象です。

実は私の開口一番のインプレションは「何だ、プラスより若干柔らかくしただけじゃん。」と思ったのですが、実際にリールをセットした時のバランスはプラスとは比べ物にならず、振り抜いた時の曲がり具合は溺愛したボロンIIIx908よりティップが少しだけ硬い程度で、実際の釣りでのギャップに衝撃を受けた次第です。

ちなみにシーバスで同船したお客様にも振っていただきましたが、持たせた瞬間に発した言葉は「え?これ5番ロッドじゃないんですか?」と言われたほどバランスが良いので、今までの8番ロッド史上最もバランスが取れていると思います。

さて、珍しくウィンストンのソルトボロンを褒めちぎった後には気になる点も書いておきます。価格に関してはハイエンドモデルなので今回はスルー。ブランクのコーティングに関してですが、届いた私のロッドは今までのウィンストンよりもマット感があるのですが、これはこのロッドの特徴なのかな? 他と比べるものがないのでわかりません。それとブランクの野暮ったさは慣れた私には何の違和感もありませんが、初めて手にする人は持つ前にそのティップの太さから重そうなイメージを持つでしょう(実際には軽いです)。あとはウィンストンなので、グリップの直径はそれ程太くありません。なので、手がデカイ人には小振りに感じるかもしれません。また、ロッドに癖がありませんから、玄人向きとは言えないでしょう。

いやぁ、久しぶりに熱く語らせていただきました。このインプレッションを見て買おうなんて思わなくて良いですよ。今までウィンストンのソルトウォーターロッドなんてほとんど売れてなかったので、これからも私一人で密かに楽しみますから(笑)

Winston Air Salt
プラスとの違いはリールシートのカラー。プラスはグリーンでエアソルトはガンメタル。それぞれ左巻きのリールをセットした時にやや斜めでこの社名が見える様になってます。
Winston Air Salt
上がプラスのジャングルロッド。下がエアソルト。相変わらずネーム以外は大きな違いはシートだけ。唯一、ブランクの社名前後のティッピングカラーが異なります(撮り忘れました)。バットガイドはエアソルトの方が一回り小さくて線径が細いチタンガイド。
ベンドカーブがとても綺麗で、ジャンプを繰り返すシーバスでもいなしてくれます。このタックルはリールとラインを含めるとワンセット税込25万円オーバー。あぁ恐ろしや・・。ちなみに私的ソルトロッド番付評価は、現在は次の通り。1位:Winston Air Slat・2位:Scott Meridian・3位:Winston Boron III Plus・4位:TFO Axiom II ・5位:Scott Tidal ・6位:G Loomis NRX。NRXは発売からもう12年経ったので、今の竿と比べちゃうと少し重いのでこの順位(折れにくい肉厚の重さと言えます)。
ウィンストンが好きですがティボーも好きなので、どちらもティボーが付いてます。この2本はプラスがシンキングライン用、エアソルトがフローティング用として使い分けてます。今後エアソルトは芦ノ湖や本栖湖にも連れて行きます。淡水8番ロッドと違い海水8番はどっちも使えて良いですよね。

無計画

相変わらず釣りばかりして皆さんの気持ちを煽っている管理人です。流石に疲れてきたので昨日は出勤時間に出陣した無計画の釣り。本当は早起きして本栖湖へ行く予定でしたが、水位が依然下がらないので私の釣りスタイルが成り立たないため断念。なので信号のタイミングで関越自動車道へ乗ることにしました。

関越だったら神流川C&Rの情報を取りにしようかなと思いその気でいたけれど、高速を走り始めてハタと気付いたこと。そう、神流川C& Rは火曜定休なんです。私が神流川へあまり行かない理由はそこにある事をすっかり忘れてました。仕方なく気の向くままハンドルを圏央道に舵を切り、午後だけでも本栖湖へ行こうと思いましたが、何を思ったか青梅ICで降車。峠が私を呼んでいる気がしたんです。

私の実家から青梅街道はまっすぐの道。学生時代はロッドを背負いオートバイで奥多摩へ良く行ったものです。僕らの世代でバイクを乗っている人といえば暴走族かローリング族のどちらか。私はその後者の方で、峠道を楽しみながらさらに釣りをするというもの。ナイターバスフィッシングをして朝方家に帰り、そのまま学校なんてのもしばしば。今も昔もその生活はあまり変わりません(笑)

思い出のカーブをマニュアル車でなぞってはみたものの、やっぱりオートバイの様な風と加速が感じられられないので少し味気ない。その爽快感は劣るけれど、鮮やかな紅葉が手伝って走る気持ち良さはありました。

奥多摩湖を登りつめてたどり着くこの時期の釣り場は小菅川C&R。でも入漁証を買って何か違和感を感じたのは、半日券なんてあったっけ? 帰ってからわかったことですが、下流側をやれと言われてなんか変だなと思いましたが、この場所は釣りをする時期によって釣る区間が変わるんです。いつもはめちゃくちゃ寒い1〜2月に訪れるので今回釣りをした場所を含めてC&R(冬季釣り場)なんですが、11月中の今は管釣り(小菅フィッシングヴィレッジ)なんですね、失敗。でもね、管釣りと言っても特別魚がたくさんいるわけでもなくその区別はほとんどないのでやっていることは一緒です(魚が持って帰れるかどうかの差かな)。

無計画での行動はハプニングの連続。でも結果釣りよりもその行程で思い出に浸れたので、良しとしますか。奥多摩は秋真っ盛りです。

12月からはこの下100mくらいが最下流部になります。
冬の小菅川と言えばミッジの釣り。フックは22-24番でティペットは9-10X です。ティペットをきちんと沈めれば、ミッジドライへの反応が格段に良くなります。
基本C&R 区間の大半は段々畑で釣り易くなってます。まぁ、管釣りだと思ってください。

12月からはこの場所で入漁証が買えます。今はこの場所で買うと管釣り料金になっちゃいます(笑)

Popsicle

ポプシクルと読みます。意味はアイスキャンディでサーモンスティールヘッドパターン。私はこのパターンの色を変えてよく使うのですが、水流にウイングのボリュームが潰されないように一工夫してます。でも肝心な部分を写し忘れました。なので、フェイスブックに記載している古い画像を見てくださいまし(こちら)。

Hook :TMC 7999 #2〜#2/0
Body : Mylar Tinsel #10
Thrax:Egg Yarn
Wing : Crystal Flash
Wing:Marabou Fl Orange+Fl Red+Peacock Blue Neck

黒系はスティールヘッド、レインボー、ブラウン狙い。オレンジ系はサーモンです。ってことはこれはサーモンパターンですね。フライにはウェイトは入れません。フワフワと水底より若干上を流れてくれるのが理想。ラインのシステムはシンキングリーダー以降のナイロン部分は太く短く(50cm〜1m)にして使うこと。釣れるか釣れないかはあなたのスイングの腕次第・・・。

泳がせの釣りに火がついた

先月のアカメ釣行で泳がせの釣りに火がついた私。エサ釣りの中ではかなり好きなんです。シコイワシの泳がせで釣るメジ。ハゼの泳がせで釣るマゴチ。囮で釣るアユ釣り。イワシメバルにヒラメ釣り。これからの釣りは私の中ではもう30年以上ストップしてましたが、その口火を切ってしまったのが先日のアカメの泳がせ。なんかその勢いでヒラメ釣りへ行ってしまった感じ。あ、今回はフライフィッシングの話じゃありません、ゴメンナサイ。

ヒラメを英名でフラットフィッシュといえばルアーを思い出しちゃうけれど、フラウダーという呼び方の方が正しいのかな? 海外では目ん玉の位置で魚を別けないみたい。私はフライショップの人間ですから通常は浜からのサーフキャスティングでこの魚を釣ります。それを今回は沖へ出て竿先から伝わる魚信を味わった次第。

「ヒラメ40コチ20」という釣りの格言がありますが、竿先にアタリが出てからそれぐらい待ってからアワセないと掛からないという意味。ヤマメのエサ釣りなんかは通常0秒に近いくらい早アワセしろと言われてますから、アタリが出て待て!なんて行為は手が反応しちゃってなかなか難しいものなんですな。

してその結果、今回一番の問題はシーバスフィッシングからおよそ24時間後に出掛けたために寝不足で、船酔いとの戦いと相成りました、トホホ・・。

たまにFFを離れて昔を思い出しながら旅をするのは楽しいものです。今後もたま〜に、こんな話をしていきますので、ヨロシク。

鹿島港から日の出前の出船、一列になって出港する姿は壮観です。
船酔いでたくさんの写真を撮れなかったので、ゴメンナサイ。餌のイワシは15cmほどで、私の場合は元鈎を鼻掛けし、孫鈎を尻ビレ付け根に刺します。鮎ではこうするので自然と同じ位置に打っちゃう私。それを一旦底に落としてタナを切って待つという要領。グングンと引っ張ってもすぐに合わせず、グッと堪える。グーッと絞られるその時を待って聞きアワセする感じ。
私の釣果は結果2枚。アタリは死ぬほどもらったけれど、漁礁にスレてハリス切れが頻発しました。それにしても仕掛けから糸に至るまで昔とは大違い。なんせ私がしていた時代は長竿でダクロン糸の時代ですから・・。
26-7時間前まで着ていたいで立ちでヒラメを釣るの図。シムスでヒラメ釣りなんて私だけじゃないの?(笑) ヒラメさまは勿論その日の夕食となりました。

Scott FS シリーズ
インプレッション

書こう書こうと思ってなかなか時間が取れずにいましたが、あまり先送りすると記憶が飛んでしまうので、そろそろ書いておこうと思います、スコットFSのインプレッション。そう、デモロッドをお借りして実釣したのは、先月28日の事。

このロッドたちの中には4番がありませんでしたので、今回のインプレションは全部で4本。スコットは1973年にハリー・ウィルソンがサンフランシスコでスタートしたロッドメーカーさん。当時はまだグラファイトロッドは作っておらず、グラスロッドからスタートしたメーカーなのです。翌年に誕生した5ピースのグラスロッドがスコットの代表的なモデルとされていたので、今回はそのモデルの復刻ともいえるでしょう。

前作のF2シリーズからの変更点はカラーはもちろんのこと、ホローインターナルフェルールの改良、素材の見直しです。昨今はロッドに使われる樹脂接着剤が飛躍的に変わっていますので、軽く、そして素材を損なわないでアクションが出せる様になったのは、どのメーカーさんも言える事です。

ロッド全体の印象として、モデルチェンジ = 新しい素材 = 軽く硬いというのが私持っているイメージですが、FSシリーズは前作のF2と比べて全体的に硬くなった印象はなく、むしろ少しフレキシブルになった印象を受けます。軽くなったのはもちろんですが、ロッドが描く曲線がとても美しく、どのモデルもグリップからしなります。で、そのロッド達を振った印象は以下の通り。


■ Scott FS 622/4
シリーズ中、私が最も欲しいロッド。いや、来春までに絶対買うでしょう、きっと。フレキシブルな2番で8寸ほどの魚を掛けて遊びましたが、グリップからしなります。2番だからそのくらいのトラウトをねじ伏せるのに丁度よく、これ以上の魚を掛けた時を想像するとワクワクします。ラインはエアフロのジャパンスペシャルのDT2Fでドンピシャで、グラスロッドでありながらループを締めやすいと感じました。

ただ2番ですから得意とするレンジは狭くそして大きなフライや風に弱いロッドと言えるでしょう。長さも短いしね。

このロッドが得意とするシチュエーションは、ボサ川のトンネルで狙うチビヤマメやイワナ、あるいは北海道でオショロコマ専用ロッドとして遊ぶ竿。オイカワと遊ぶのも良いでしょう。小さなトラウトに翻弄されたい方はこのロッドです。


■ Scott FS 583/4
短い分3番の割にはトルクを感じるロッド。5m以内のキャスティングコントロールに優れ大き目のドライフライをねじ込める。ティップの暴れも少なく快適にキャスティングがこなせます。見えるイワナに「エイや!」とプレゼンテーションできます。

その反面、短さゆえにメンディングなんてものはほとんできません。アップストリームオンリーロッド。

このロッドが得意とするとするのは、源流域のイワナ狙い。バルキーなフライをねじ込むショートレンジのピンポイントスタイル向き。


■ Scott FS 663/4
このシリーズの中でスタンダードモデルと呼べる6フィート6インチ。ロッドのバランスが良くグラスらしさがよく出ている3番で扱いやすいモデル。グリップまでフレキシブルに曲がるアクションは、掛けた後に魚をいなすのが容易で、バラシなんてほとんどないでしょう。キャスティングレンジは6メートル以内くらいが使いやすい。

デメリット的な要素はまずないが、定番な長さなのですでにこの長さのグラスをお持ちの方には差別化するほどのロッドの個性はないかもしれない。エピックをお持ちの方にはとても良い対比になると思います。

このロッドが得意とするとするのは、沢の釣りあるいはブッシュが多い川をタイトに攻めるのにGood. 扱いやすさと軽さは抜群いよいです。


■ Scott FS 723/5
スコットの原点となる5ピースモデル復刻のイメージ発売されたが、当時のものよりもむしろこのモデルの方が柔らかいのでは?(というか当時3番は出てなかったと思う)7フィート台5ピースなので、3番の中では最もスローに感じるので、ストロークの長いゆったりとしてキャスティングを楽しむロッド。ロッドのしなやかさから見ると、アワセ切れとは無縁な感じがする。

その反面長さと5ピースということもあり、他のモデルよりはややトップヘビー気味で若干の重さを感じる。ラインスピードをあげるのにはそれなりのキャスタビリティが必要になるので、少し玄人向けになるかもしれない。

このロッドが得意とするとするのは、のんびりと過ごす渓流の一日。マイペースな釣りで一つ一つの釣りを丁寧に楽しみたい方向け。5ピースなので仕舞寸法は短いです。得意とするレンジは6mくらいまで。それ以上は投げ手側の能力が試される。


これ以外にFS724/4というモデルがありますが、今回お借りしたデモロッドにはなかったので、その様子はありません。ですが、上記内容からどんな路線のロッドなのかはわかる様な気がします。お店にはすでに何本か在庫していますので、詳細な在庫はお問い合わせください。もしくはお店でその雰囲気をこの内容と比べて見てください。

私は最初スコットの原点である5ピースが欲しいと思ったけれど、フライフィッシングの遊び心を考えると私的には2番が良いかな。今から5月の渓流でこのロッドを振る姿を妄想してマス。

Scott FS663/4
ブランクカラーはイエローカラーオレンジに変更。太陽の下だとオレンジだけれど、室内光だとシムスオレンジみたい。私的には目立っていいじゃないのと思う。
Scott FS723/5
5ピースの仕舞寸法を測り忘れたけれど、計算すれば多分56cm前後。ベストの後ろに入る長さなので、源流釣行にとても向いています。グラスは丈夫だから折ってしまう可能性も低いので言うことなし。
ジョイント付近の巻き上げは当初のモデルを意識した雰囲気がうかがえる。釣り人が欲しくなる飾り巻きって重要ですよね。
逆光になるとロッドの透け感がわかります。ジョイント部分のペグがどこまで入っているかよくわかりますよね。また、昨今は透け感が流行りなので、とても良い感じに仕上がっていると思います。

東京湾夜景とオリンピック

東京湾奥は横浜川崎地区と違い工場夜景クールズの船はなく、その代わりに屋形船の往来が多い場所。そして東京オリンピックへ向けて灯の数は着々と増えており、訪れる度にその風景が様変わりしています。

僕らシーバスハンターにとってオリンピック事情における建設ラッシュのメリットは、工事の照明が多くなることで、狙うポイントが増えたということ。釣り人的にはもっと潮通しの良い場所に照明を増やしてもらいたい感じ(笑)。そしてデメリットは工事によって大幅に立入禁止区域が多くなったことと、潮の流れが変わって行くこと。

現在カヌー・ボート競技場として『海の森水上競技場』を建設中であるが、この水路はかつては私のお気に入りポイント。潮がよく動く上に照明があり、壁にデッカイシーバスが張り付いていたのだが、釣り人の気持ちなど汲んでくれる事もなく現在はその水路は閉じられて工事が着々と進んでいる。

ともあれ、シーバスは工事とは関係なくこの時期はいたるところに居る訳で、恩恵と障害などとは無関係に僕らを楽しませてくれるのです。東京オリンピックへ向けて日ごとに東京の夜は益々明るくなり星は姿を消していく。そして夜の曇り空は街の明るさが反射して益々明るくなり、それを綺麗だと見るか悲しく感じるかはその人の感性。私は後者かな。

オリンピックは待ち遠しくもあり、早く終わって欲しくもあり、複雑な気持ちになったシーバスの夜でした。

夜の写真はピントがこないのでご了承を。サイズこそ伸びなかったけれど、川筋ダウンクロスのパワーウェットフィッシング(フライはストリーマーですが)は、下げ潮と川の流れも相まってその引きは抜群。
明暗部のボイルは止まらずイレグイ状態。ウェットフィッシングに慣れている人はお手のもの。
サイズは小ぶり中心で25〜60cm前半まで。照明に集まる小魚のサイズは様々だけれど、フライは少し小さめの方が反応がよかった。
ゲートブリッジは僕らの間ではザウルス橋と呼んでます。どこの橋もだいたい午前0時で照明が落とされます。その灯りは雲に反射して夜の海はとても明るい。
潮止まりの間はカサゴ釣りに。シーバスと違い真っ暗な場所でやるので、コヤツ達は音の出ないフライにどんな感覚でアタックするのかが不思議。
ウインストンのエア・ソルトに入魂完了。皆さんに振って頂きましたが、反則的なバランスという評価。久しぶりに「ヤバい!」ロッドに出会った感じ。ウインストンのソルトロッド史上で一番の出来かも。
豊洲市場が開場して初めて夜の姿を見ました。昔は暗かった豊洲埠頭はどの面も凄まじい明るさ。でもLED照明のせいか暖かみを感じません。

オレンジ色の光を放つ東京タワー。ビル群が多くなり東京の象徴は消沈している様に見える。でも、昨今のLEDの寒々しい明るさと違い、昭和を感じるのは私だけだろうか。

ピンクはカワイイ?

ピンクを見ると大抵の若い娘は「カワイイ!」を連発するけれど、こんなフライを見ても言うのかな?大きさにして約10cm。このフライをドーンと沈めて、僕らはこの時期の遡上魚を狙うのでゴザイマス。

先日のよつあみ のカーボンコーテッド・スレンレスワイヤーをどんな所に使うかと言うのを、知らない方の説明に巻いて見ました。黒い矢印のところがソレです。ここにワイヤーを使う理由は、まずフライフックの先端が甘くなった場合に鈎の交換ができると言う事。底近くを引くことが多いこの時期の遡上魚の釣りは根掛かり回収後に鈎先が甘くなってたりするので、そんな時にフック交換します。

また、上のダーティホータイプは動きを付けるために同じ場所にダクロンのバッキングラインを使っていますが、イントルーダーは根掛かりを防ぐために鈎が暴れにくくある程度張りのあるワイヤーを使います(私の場合)。流れに乗せているときは鈎は上向きで引っ掛かりにくいと言う寸法です。

こんなド派手を好む鮭たちは以外とギャルっぽいのかも?「きゃ〜、ピンクが流れてきた。ピンク色の玉も付いているし、なんかカワイイ!」と言いながら喰うのかもよ(笑)